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アップル、グーグル、マイクロソフト クラウド、携帯端末戦争のゆくえ (光文社新書 449) 新書 – 2010/3/18
- 本の長さ181ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2010/3/18
- ISBN-104334035531
- ISBN-13978-4334035532
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商品の説明
出版社からのコメント
◎クラウドと、クラウドの「窓」の役割を持つ携帯端末。日本はその戦場でも"敗戦"を迎えるのか?
◎クラウドとは何か? 各社が参入を試みる携帯端末の役割とは? 代表的企業の事例を取り上げ、その戦略を解説し、クラウドでも出遅れた日本企業の生き残り方法を模索する。
【本文より1】
アップルは、クラウドの基盤になりうる大インフラは持たないし、パソコン部門での存在感も特筆するほどではないが、携帯端末で膨大で忠実な顧客を握っている。
iPodのラインナップは、アップルが望むならクラウドの窓へ移行できるテクノロジーであり、クラウドの窓を担う端末のメーカとして潜在的に優位にある。
また、実はアップルは、クラウド側の重要な、極めて重要な喉元を押さえている。それはマーケットプレイスである。
【本文より2】
グーグルの世界一になるための取り組みは、徹底的だ。たとえば、百万台級のデータセンタを運用するにあたって、どこの企業も電力確保に頭を悩ませている。グーグルも例外ではない。そこで、グーグルは電力会社を自前で持つことにした。グーグル・エナジーという子会社を設立して、現在認可申請中である。
【著者紹介】
岡嶋裕史(おかじまゆうし)
一九七二年東京都生まれ。中央大学大学院総合政策研究科博士後期課程修了。博士(総合政策)。富士総合研究所勤務を経て、現在、関東学院大学経済学部経営学科情報部門・関東学院大学大学院経済学研究科准教授。『ジオン軍の失敗』(アフタヌーン新書)、『理系思考術』(ソフトバンク新書)、『今さら部下には聞けないパソコン術』(光文社知恵の森文庫)、『暗証番号はなぜ4桁なのか?』『数式を使わないデータマイニング入門』『iPhone』『ウチのシステムはなぜ使えない』(以上、光文社新書)など著書多数。
登録情報
- 出版社 : 光文社 (2010/3/18)
- 発売日 : 2010/3/18
- 言語 : 日本語
- 新書 : 181ページ
- ISBN-10 : 4334035531
- ISBN-13 : 978-4334035532
- Amazon 売れ筋ランキング: - 838,246位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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いろんなモノ・技術さコモディティ化してきたインターネットの世界でいかにして勝ち抜いていくのか、これからがとても楽しみになる本でした。
これは1948年にIBM創始者トーマス・ワトソンの言葉である。
半世紀間失笑を買われ続けてきたこの言葉が現実のものとなろうとしてきている
クラウドコンピューティング・システム
すべてのデータ、アプリケーション、最終的にはOSまでをクラウドと呼ばれるネットワーク上におき、ユーザーは端末からクラウドにアクセスすることでいつでもどこでも操作できるという次世代のネットワーク技術
この覇権を争う3社を軸に今後の展望をつづった本だ
もし仮にすべてのユーザー端末がクラウドにアクセスするような時代になれば、その端末にはデータはおろかアプリケーションも必要はない
となると世界にはそのデータやアプリケーションを管理するコンピュータだけあればいい、具体的にはアップル、グーグル、マイクロソフト、アマゾン、そしてセールスフォース。
これが最初にでてきた言葉の意味だ
この上で述べた3社にはそれぞれの強みがある
PCのOSで圧倒的なシェアを持つマイクロソフト。
ケータイ端末で完璧な勝利を収め、App Sotre,iTunes Music Storeという巨大マーケットプレイスを持つアップル。
ウェブサービスを手中に収めたグーグル。
それぞれの企業がどのようにして「雲」を見る「のぞき窓」を自分たちの手中に収めるか、とても詳しく分かりやすく書いてあり、とてもおもしろかった
印象深かったのはクラウドの市場で勝ち残るためには1番でなければならい、という記述
そこに日本企業の入る余地はないという
最初に述べた5をたとえ1ダースに変えたとしても日本企業は入ってこないだろうと言われている
MS-DOSが発売されたときも、インターネット商用解禁されたときも、iPodが売り出されたときも、そして今回iPhoneが日本の市場を制そうとしたときも「黒船」としておそれをなした日本企業が今後どうした戦略をとるべきなのか
この本をきっかけに今後の展開を占ってみるのもおもしろいのでは?
そして、クラウド時代における代表的な企業としてマイクロソフト、アップル、グーグルそしてアマゾンのビジネス戦略について平易に書かれており、これらの企業について知る事によりクラウドの全体像が見えてきます。
また、この本を読んで、データセンターが我々の想像とは正反対な安っぽい代物である事、さらにこのアマゾンが単なる小売業者では無い事を初めて知ることになる人も多いのではないでしょうか。
最後に、将来のクラウド時代の覇者が誰になるか?
著者はアップルの肩を持っているようです。
曰く・・・
クラウドは、ハードウェア、基本ソフト、応用ソフトの3層から成る。ハードウェアのみを共通基盤として提供するサービスがIaaS(Infrastructure as a Service)、基本ソフトまで提供するサービスをPaaS(Pはプラットフォーム)、応用ソフトまで提供するサービスをSaaSとよぶ。
IaaSの主要企業はアマゾン。IaaSはハード貸し。アマゾンの主要ミッションは小売サイトの構築・運用であり、そこで空きが出るコンピュータの余力を貸し出す。PaaSは競争が激しい。マイクロソフト(ウィンドウズアズール)やグーグル(クラウド用OSのクローム)など。SaaSは、事業者が乱立している。
ハードで囲い込めなくなったからOSで囲い込もうとしたように、クラウドもその流れにある新しい戦場にすぎない。先駆者と独占者が儲かるという構造に変わりはない。
オンプレミス(on-premise)は、今までのコンピュータ利用法(ハードを買って、自社に設置し、OSとソフトをインストールする)のことでありクラウドの対義語として使われることが多い。オンプレミスの覇者がマイクロソフト。クラウドは銀行預金、オンプレミスはタンス預金みたいなもの。マイクロソフトは金庫を売りまくってきた企業だが、市場が成熟してくると銀行預金という提案が出てきたともいえる。
マイクロソフトは、タンス預金の優位性をアピールしつつ、マイクロソフト銀行としてのウィンドウズアズールを提供する戦略。オンプレミスを活用しつつ、クラウドがオンプレミスとしっかりと連携できる、というサービスをアピールする。莫大な量のタンス預金(ウィンドウズ)との接続性を念頭にクラウドを構成する1つ1つのサーバを駆動するOSとして設計されたのがウィンドウズアズール。クラウド用のウィンドウズを作るから、今まで通りのソフトを使えますよ、という提案に革新性はないが安心感はある。
クライアントOSとサーバOSを押さえれば万全に見えるが、携帯端末という死角がある。スマートフォンの機能が充実し、必要な演算をクラウドで処理してもらえるようになると、スマートフォンがパソコン化する。マイクロソフトは、スマートフォン市場でもシェアを奪わねばならないが、伝統的にマイクロソフトはハードとソフトの一体感が大事なガジェットの扱いが苦手。長い間、フルサイズPCの開発に従事してきたので、携帯端末を作るための機能の絞り込みが苦手。
グーグルは世界中の情報を整理したい。クラウドなどどうでもいいとすら思っている。グーグルはハードにもソフトにもこだわっていない。グーグルは情報だけに欲情する。
グーグルは、ウェブブラウザをクラウドと協働して動作させるプラットフォーム(実行環境)と考えている。一般的な「ウェブページ閲覧ソフト」としてウェブブラウザを捉えていない。現在のウェブブラウザは、閲覧機能にプラットフォームの味付けをするようになってきているが、グーグルはプラットフォームが柱でウェブ閲覧はおまけと考えているのではないか。あちらがわにある資源をこちらがわから利用するのはオンプレミスの方が速い、という類型的批判に対処するため、クラウドと端末との架け橋となり、両者をまたがって動くソフトウェアのしっかりした受け皿を作る、というのがグーグルの回答。
iPhoneOSは、iPhoneにしか搭載されないメーカ固有のOSであるため、グーグルにとって手強い。グーグルは、iPhoneを横目で睨みつつ、シンビアン(携帯電話用の汎用OS)を搭載する携帯端末からシェアを奪おうとしている。シンビアンは、携帯電話分野で強固な地盤を持っているが設計が古く、インターネットとの連携をそれほど意識していなかった時代に基礎設計されている。
アップルは携帯端末iPodで膨大な顧客を握っている。iPodはクラウドへの窓となる。アップルは、iTunesやそれ以降に組み込んだマーケットプレイスによりクラウド的なサービスを提供する。iPod、iPhoneなどがiTunesを中心とした生態系に組み込まれている。iTunesは購買管理ソフトとしての役割が大きい。
iPod、iPhoneの購入者は、音楽を聞くためにiTunesをパソコンにインストールする。こうして、アップルは膨大な数のパソコンに自社ソフトを滑りこませ、その中に決済情報を取り込むことに成功する。インターネット上での課金は、グーグルやマイクロソフトの泣き所。
アップルは、iTunesにアップストアを機能追加するかたちで、iPod等のためのソフトウェアを販売する。アップストアは大量の潜在顧客と決済手段を同時に提供するため、多くのソフトウェア開発者も惹きつける。アップルはクラウドを売りにしているわけではないが、決済手段をもつSaaSサービスであるため、事実上のプラットフォームを作り上げている。更に、アップルは、MobileMe(データの同期・蓄積サービス)により、ストレージサービスも提供するようになっている。
みたいな話。
今情報産業界にクラウドという新動向が押し寄せている。それへの無知や対応遅れが命取りになりかねない時代だ。本書はそれを薄い新書版で平易に解説するから、要点を半日で学び取れる。だから本書は、情報産業界で事業戦略を担当する専門家の参考にもなり、株投資への興味などで業界を外から眺める人にも役立ち、業界の動向に興味のある学生や一般読者のニーズをも満たし、「クラウドって何だ」という一般的疑問に正確に答える。
平易で簡潔な表現を求めた故に、独断と誤解され易い部分もあるが、それは早とちりで、客観的理解と洞察に基づいていると思う。
また日本の企業や政府が、いかにクラウドと言う世界に遅れているかも解り、ある意味怖いと感じました。
クラウドの理解もですが、それぞれのたち位置が見えて面白かったです。
Google、アップル、マイクロソフト,Amazonのクラウド上での関係性や立ち位置が非常に分かりやすく書かれていました。
各社が世界でどう戦っているのか、強さの秘密が分かった気がします。
著者の各社への的確な考察は素晴らしいです。
続編があれば読みたいくらいです!
良書をありがとうございました。
戦略を概観します。アマゾンは、各企業の概観部分のあちこちに顔を出しています。
新聞やテレビといった従来のメディアでは、提供する企業側の戦略や収益構造を明示した分析が出るなど
(最近にいたるまで)少なかったことを考えると、ネットはやはり受け手と送り手の関係が従来のメディアとは
異なっているのかもしれません(要検討)。
本書のわかりやすい概説を踏まえて、専門的な技術文書に進むにも、利用者(←これ重要)としての自分
にとって、どんな機器、どんなサービスを欲していくのか自覚的に考えるにも、本書はきわめて有用ですが、
むしろ私は、とっても怖い本だと思います。
怖さの要素はいくつかありますが、その1は、クラウド(つーか広くIT全般は)は、一部で夢想されているような
楽園ではないということ。本書では、従来の製品パッケージ販売や広告収入モデルを超えて、各社がどのよ
うに課金しようとしているかを詳述しています。このこと(課金)は、今後のネットのあり方を見通す一つの軸と
なるかと。サービスと利用者と営利企業と、ってだけではなく、上述の夢想や近年のネット論壇といったものに
引き寄せるなら、政治的な慣習にとってこそ、インパクトが大きいかも。
アーキテクチャによる縛りの怖さですな。レッシグらの議論が、いよいよ具体的になってきたようです。
コンテンツ配信やサービスへのアクセスの課金は、著作権関連やサービス提供側の収益構造にとどまらず、
いまや利用者一人一人にとっての市民的自由の制約にダイレクトにつながりかねないものでもあります。
な、なんて怖い・・・ってのは本書の趣旨から逸脱しすぎですかね、私?
最後に、なんでも良いからマイクロソフトはWordの不安定さをなんとかしてよ、マジで。