ロシア-ウクライナの戦争により日本でも国防から目を背けてただ平和のお題目を唱えればそれが達成されるというお花畑主義は実質終了した。
現状を知るには歴史を学ぶのが一番手っ取り早くこの本はそこにちょうど良い。
今まで歴史書で学んだことがらが戦争という軸でつながって脳内の整理に役立った。
非常に良い本だがいくつかもったいない点もある。
・秋山真之を知るのに歴史書ではなくフィクションである坂の上の雲を勧めること。
司馬史観と史実を混ぜるのはよくない。
・「弾道飛行するものをロケット、目標に向けて制御された軌道を飛ぶものをミサイル、という。」と述べた数ページ後に「やがて、誘導ミサイルが開発された。ICBM (大陸間弾道弾) である。」と述べている。
弾道飛行するのにミサイルなのか?はじめの定義と整合していない。
ロケットとミサイルの違いについては多田将『弾道弾』を読むと簡潔に記されている。
曰く、ロケットとミサイルに違いはない。日本はロケットの平和利用が目的で兵器への転用はしないと
海外にアピールするための政治的な区別だ。とある。こちらの方が実情に即していることは明白だ。
現代軍事兵器をしっかり調べて納得して書いていないのではないか?
・統帥綱領では戦車部隊、航空部隊を歩兵に対する従属的な地位しか与えていないという批判。
1928年(統帥綱領改定2版)発行時に戦車や航空機を主体としたドクトリンを考えていた国はほぼないの
ではないか?
筆者は他でも統帥綱領を批判しているのだが、他の項と違ってどういうわけかいわゆる事後諸葛亮的な
批判が散見される。
これならば統帥綱領に関する部分をバッサリ削除して他の項の説明を厚くしたほうが良いのではない
か?
私のような理系出身で正統な歴史教育を受けていないものでもいくつかの疑問点が見つかるので教育を受けた方ならもっと見つかるのではないだろうか?
揚げ足取りのようなことをかいたがこれは良い本だ。
ぜひとも上記のような点を修正しつつ最新のロシア-ウクライナ戦争を踏まえた改定2版の出版を期待する。
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戦争の社会学 はじめての軍事・戦争入門 (光文社新書) 新書 – 2016/7/14
橋爪 大三郎
(著)
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「そうか、平和とは、別の手段による戦争の継続なのか。目から鱗が落ちる一冊。」
姜尚中氏(東京大学名誉教授)、推薦!
本書が言っていることは、とてもシンプルだ。
人類はこれまで、戦争とともに歩んできた。戦争を克服し、平和に生きる希望をもつためにも、戦争の知識は必要だ。戦争を、社会のなかのノーマルな出来事として、みつめよう。それを、普遍的な(=誰の耳にも届く)言葉で語ろう。 そう、「戦争の社会学」を身につけよう。
戦後の日本は、これを怠ってきた。だからこの本は、戦争からずっと目を背けてきた、でもそれをどこかでマズイと直感している、多くの日本人のためにまず、書かれている。そして同時に、この世界を守るため最後の手段として戦争を辞さないが、しかし戦争を防ぐためにあらゆる努力を惜しまない世界のすべての人びとのためにも、書かれている。(本文より)
橋爪流に読み解く"戦争で見る世界史""戦争で見る地政学"――。
「戦争反対」と叫ぶ前に、まず戦争を学ぼう。日本人必読の一冊!
◎目次◎
はじめに
序章 戦争とはなにか
第二章 古代の戦争
第三章 中世の戦争
第四章 火薬革命
第五章 グロチウスと国際法
第六章 クラウゼヴィッツの戦争論
第七章 マハンの海戦論
第八章 モルトケと参謀本部
第九章 第一次世界大戦とリデル・ハート
第十章 第二次世界大戦と核兵器
第十一章 奇妙な日本軍
第十二章 テロと未来の戦争
あとがき
◎プロフィール◎
橋爪大三郎(はしづめだいさぶろう)
社会学者。
東京工業大学名誉教授。
一九四八年神奈川県生まれ。一九七七年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。一九九五年~二〇一三年、東京工業大学教授。東京工業大学世界文明センター副センター長などを務めた。
『世界は宗教で動いてる』『教養としての聖書』(以上、光文社新書)、『はじめての構造主義』『ふしぎなキリスト教』(大澤真幸との共著)(以上、講談社現代新書)、『日本逆植民地計画』(小学館)、『橋爪大三郎の社会学講義』 (ちくま学芸文庫)、『天皇の戦争責任』(加藤典洋、竹田青嗣との共著)(径書房)など著書多数。
姜尚中氏(東京大学名誉教授)、推薦!
本書が言っていることは、とてもシンプルだ。
人類はこれまで、戦争とともに歩んできた。戦争を克服し、平和に生きる希望をもつためにも、戦争の知識は必要だ。戦争を、社会のなかのノーマルな出来事として、みつめよう。それを、普遍的な(=誰の耳にも届く)言葉で語ろう。 そう、「戦争の社会学」を身につけよう。
戦後の日本は、これを怠ってきた。だからこの本は、戦争からずっと目を背けてきた、でもそれをどこかでマズイと直感している、多くの日本人のためにまず、書かれている。そして同時に、この世界を守るため最後の手段として戦争を辞さないが、しかし戦争を防ぐためにあらゆる努力を惜しまない世界のすべての人びとのためにも、書かれている。(本文より)
橋爪流に読み解く"戦争で見る世界史""戦争で見る地政学"――。
「戦争反対」と叫ぶ前に、まず戦争を学ぼう。日本人必読の一冊!
◎目次◎
はじめに
序章 戦争とはなにか
第二章 古代の戦争
第三章 中世の戦争
第四章 火薬革命
第五章 グロチウスと国際法
第六章 クラウゼヴィッツの戦争論
第七章 マハンの海戦論
第八章 モルトケと参謀本部
第九章 第一次世界大戦とリデル・ハート
第十章 第二次世界大戦と核兵器
第十一章 奇妙な日本軍
第十二章 テロと未来の戦争
あとがき
◎プロフィール◎
橋爪大三郎(はしづめだいさぶろう)
社会学者。
東京工業大学名誉教授。
一九四八年神奈川県生まれ。一九七七年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。一九九五年~二〇一三年、東京工業大学教授。東京工業大学世界文明センター副センター長などを務めた。
『世界は宗教で動いてる』『教養としての聖書』(以上、光文社新書)、『はじめての構造主義』『ふしぎなキリスト教』(大澤真幸との共著)(以上、講談社現代新書)、『日本逆植民地計画』(小学館)、『橋爪大三郎の社会学講義』 (ちくま学芸文庫)、『天皇の戦争責任』(加藤典洋、竹田青嗣との共著)(径書房)など著書多数。
- 本の長さ345ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2016/7/14
- 寸法10.8 x 1.4 x 17.3 cm
- ISBN-104334039308
- ISBN-13978-4334039301
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登録情報
- 出版社 : 光文社 (2016/7/14)
- 発売日 : 2016/7/14
- 言語 : 日本語
- 新書 : 345ページ
- ISBN-10 : 4334039308
- ISBN-13 : 978-4334039301
- 寸法 : 10.8 x 1.4 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 410,799位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,536位光文社新書
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2022年8月13日に日本でレビュー済み
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7月8日のレビューに徴兵制度で集められた兵は捕虜扱いを受けれないとかとんちんかんな記述がありましたが
ジュネーブ条約にある戦闘員の規定には
軍隊(部下について責任を負う部下の行動について当該紛争当事者に対して責任を追う司令部の下にある組織され武装したすべての兵力、集団および部隊)の構成員であること。
武力紛争の際に適用される国際法の諸規則を遵守すること。
攻撃または攻撃準備のための軍事行動を行っている間、自己と文民たる住民とを区別すること。
敵対行為の性質のために自己と文民とを区別することができない状況において、交戦の間および自己が参加する攻撃に先立つ軍事展開中に敵に目撃されている間、武器を公然と携行すること。
これらの用件を満たしていれば国際法で徴兵された国民だろうが外国からの義勇兵だろうが戦闘員と見なされ、捕虜の待遇を受けることができます
ジュネーブ条約にある戦闘員の規定には
軍隊(部下について責任を負う部下の行動について当該紛争当事者に対して責任を追う司令部の下にある組織され武装したすべての兵力、集団および部隊)の構成員であること。
武力紛争の際に適用される国際法の諸規則を遵守すること。
攻撃または攻撃準備のための軍事行動を行っている間、自己と文民たる住民とを区別すること。
敵対行為の性質のために自己と文民とを区別することができない状況において、交戦の間および自己が参加する攻撃に先立つ軍事展開中に敵に目撃されている間、武器を公然と携行すること。
これらの用件を満たしていれば国際法で徴兵された国民だろうが外国からの義勇兵だろうが戦闘員と見なされ、捕虜の待遇を受けることができます
2017年8月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
古代から現在のテロとの戦争(ISやアルカイダ)などの歴史を辿っていく中で、
人類は常に戦争と共に歩んできて、その結果として技術の進歩、文化の勃興が起きていた
という真実と、もし平和を望むのなら戦争について知らなければならないとする著者の意向は
よく分かったのですが、いかんせん読み物として面白くないです。
社会学というには、歴史としての戦争の推移やルールについての著述が多すぎるし、
戦争の動きが、どういう人々の心理から起こり得るのかという肝心の部分があまり書かれていないのです。
11章の「奇妙な日本軍」などには期待したのですが、これなら山本七平の「日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条」
を読んだ方が、社会学的にも興味深く、ほぼここで書かれている「日本群の奇妙さ」は網羅してありました。
最終章「 テロと未来の戦争」だけ、ロボット同士の戦争や小型ロボットを使ったテロなど未来に起きるだろう
戦争のスタイルについては、なかなかリアリティがあって、多分こうなるんだろうなと実感を持ちながら読めました。
要は人々が理不尽な格差や階級を生まれながらにして持つとき、今は命をかけて自爆テロなどをしていることが、
もっと手軽になり、ロボットにやらせる。
もはや最後のブレーキは人としての良心のみになるということですが、おそらく全員がそうなることは無理でしょう。
しかし例えそのようなドローンや小型ロボットを使った無差別テロをしても、さらに大国の強力なロボット軍が
彼らを完膚なきまでに駆逐し、それが「ヨハネの黙示録」の最終戦争を暗示していることは、実に不気味です。
人類は常に戦争と共に歩んできて、その結果として技術の進歩、文化の勃興が起きていた
という真実と、もし平和を望むのなら戦争について知らなければならないとする著者の意向は
よく分かったのですが、いかんせん読み物として面白くないです。
社会学というには、歴史としての戦争の推移やルールについての著述が多すぎるし、
戦争の動きが、どういう人々の心理から起こり得るのかという肝心の部分があまり書かれていないのです。
11章の「奇妙な日本軍」などには期待したのですが、これなら山本七平の「日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条」
を読んだ方が、社会学的にも興味深く、ほぼここで書かれている「日本群の奇妙さ」は網羅してありました。
最終章「 テロと未来の戦争」だけ、ロボット同士の戦争や小型ロボットを使ったテロなど未来に起きるだろう
戦争のスタイルについては、なかなかリアリティがあって、多分こうなるんだろうなと実感を持ちながら読めました。
要は人々が理不尽な格差や階級を生まれながらにして持つとき、今は命をかけて自爆テロなどをしていることが、
もっと手軽になり、ロボットにやらせる。
もはや最後のブレーキは人としての良心のみになるということですが、おそらく全員がそうなることは無理でしょう。
しかし例えそのようなドローンや小型ロボットを使った無差別テロをしても、さらに大国の強力なロボット軍が
彼らを完膚なきまでに駆逐し、それが「ヨハネの黙示録」の最終戦争を暗示していることは、実に不気味です。
2016年8月16日に日本でレビュー済み
「はじめての」とタイトルにある通り、戦争や軍事を解り易く解説した本です。
全体的な流れや知識については、世界史の授業で習ったことが多いと思います。
ただ、古代・中世・近世・近代における戦争のあり方や、日本と欧米の違い、色々な用語等の曖昧な所を、
軍事の古典等を参考に明確化できます。
【戦争の定義】
「暴力によって相手に自分の意見を押し付ける行為」とあります。あくまでも、暴力は手段であって、目的ではないわけですね。
また、国家間の暴力でも「事変」というのは何故使い分けられるのかも解説されます。
【古代の戦争と中世の戦士】
二章と三章はあくまで歴史の知識という感じです。
地政学等から、日本の中世と欧州の中世、中世の無い他の地域の比較などは面白いと思います。
さらに、四章では、銃と大砲の登場で、中世の騎士から、近世以降の軍隊、そして近代以降の国民軍までが解説されます。
そういえば、ハンニバルは敵に同じ戦術を採られると弱かったと言われますが、ナポレオンや日本軍もそうで、これは普遍的と考えさせられました。
また、ナポレオンの頃から、欲しい物を奪う戦いではなく、イデオロギーを押し付ける戦いが始まった事も紹介されます。
【国際法と戦争論】
五章から七章は、国際法と戦争論各々の古典と、それらを噛み砕いた説明です。
書いた人の人生や書いた目的等も紹介されます。
西洋人が作った物が今の世界にも影響を与えているとは凄いことでしょうが、最近はその歪みも出ているように感じます。
【ドイツ帝国と参謀】
ビスマルクと言えば鉄血宰相など好戦的なイメージがありますが、祖国の為に国家戦略・軍事戦略を考えていたと思わされます。
最新式の交通手段を積極的に取り入れることは、後のナチスドイツには踏襲出来ていたわけですね。
モルトケの戦略を各国がこぞって真似ようとする中、日本は明治維新直後にもかかわらず取り入れようとするなど、
昔は国際情勢を理解し、役立てようと努力していたんだと分かります。
【世界大戦の変遷】
WW1は、国民国家同士の戦争で、さらにWW2では前線と後方の区別が無くなるという流れが紹介されます。
内容的には、歴史の教科書レベルに、戦術の話を加えた程度かと。
【日本軍の失敗】
極力筆者の主観を排し、当時の世界標準と、日本のシステムや戦闘マニュアルの差が解説されます。
同盟国ドイツの電撃戦、WW1の塹壕戦や、ナポレオンの失敗から何も学ばず、精神論と毒ガスに頼る陸軍の様子が、
具体的資料から分かります。
当時の国際法をいい加減に扱ったことも、アメリカの参戦ムードを高めてしまったようです。
また、捕虜になる事も、中途半端な武士道精神からか遠ざけて死ななくても良い兵士を死なせたりという愚も犯しているとは。
(捕虜になる事は不名誉どころか裏切り、というスターリンよりはマシかもですが)
【21世紀の戦争】
日本のように自分から欧米化しようとした国ならば、欧米が決めたルールに従うのも分かりますが(変な所でズラして失敗しましたが)、
イスラム世界には通用しません。
やはり、ISはハーグ協定適用外ですし、国際法上も扱いが難しい組織のようです。
もちろんISやアルカイダの犯罪自体は止めなければならないでしょうが、アメリカに歯向かう者はテロリストというのも限界に思えます。
ロボット兵器に関する話も、色々考えされます。
ただし、この本には、筆者の解決案は提示されません。
全体的な流れや知識については、世界史の授業で習ったことが多いと思います。
ただ、古代・中世・近世・近代における戦争のあり方や、日本と欧米の違い、色々な用語等の曖昧な所を、
軍事の古典等を参考に明確化できます。
【戦争の定義】
「暴力によって相手に自分の意見を押し付ける行為」とあります。あくまでも、暴力は手段であって、目的ではないわけですね。
また、国家間の暴力でも「事変」というのは何故使い分けられるのかも解説されます。
【古代の戦争と中世の戦士】
二章と三章はあくまで歴史の知識という感じです。
地政学等から、日本の中世と欧州の中世、中世の無い他の地域の比較などは面白いと思います。
さらに、四章では、銃と大砲の登場で、中世の騎士から、近世以降の軍隊、そして近代以降の国民軍までが解説されます。
そういえば、ハンニバルは敵に同じ戦術を採られると弱かったと言われますが、ナポレオンや日本軍もそうで、これは普遍的と考えさせられました。
また、ナポレオンの頃から、欲しい物を奪う戦いではなく、イデオロギーを押し付ける戦いが始まった事も紹介されます。
【国際法と戦争論】
五章から七章は、国際法と戦争論各々の古典と、それらを噛み砕いた説明です。
書いた人の人生や書いた目的等も紹介されます。
西洋人が作った物が今の世界にも影響を与えているとは凄いことでしょうが、最近はその歪みも出ているように感じます。
【ドイツ帝国と参謀】
ビスマルクと言えば鉄血宰相など好戦的なイメージがありますが、祖国の為に国家戦略・軍事戦略を考えていたと思わされます。
最新式の交通手段を積極的に取り入れることは、後のナチスドイツには踏襲出来ていたわけですね。
モルトケの戦略を各国がこぞって真似ようとする中、日本は明治維新直後にもかかわらず取り入れようとするなど、
昔は国際情勢を理解し、役立てようと努力していたんだと分かります。
【世界大戦の変遷】
WW1は、国民国家同士の戦争で、さらにWW2では前線と後方の区別が無くなるという流れが紹介されます。
内容的には、歴史の教科書レベルに、戦術の話を加えた程度かと。
【日本軍の失敗】
極力筆者の主観を排し、当時の世界標準と、日本のシステムや戦闘マニュアルの差が解説されます。
同盟国ドイツの電撃戦、WW1の塹壕戦や、ナポレオンの失敗から何も学ばず、精神論と毒ガスに頼る陸軍の様子が、
具体的資料から分かります。
当時の国際法をいい加減に扱ったことも、アメリカの参戦ムードを高めてしまったようです。
また、捕虜になる事も、中途半端な武士道精神からか遠ざけて死ななくても良い兵士を死なせたりという愚も犯しているとは。
(捕虜になる事は不名誉どころか裏切り、というスターリンよりはマシかもですが)
【21世紀の戦争】
日本のように自分から欧米化しようとした国ならば、欧米が決めたルールに従うのも分かりますが(変な所でズラして失敗しましたが)、
イスラム世界には通用しません。
やはり、ISはハーグ協定適用外ですし、国際法上も扱いが難しい組織のようです。
もちろんISやアルカイダの犯罪自体は止めなければならないでしょうが、アメリカに歯向かう者はテロリストというのも限界に思えます。
ロボット兵器に関する話も、色々考えされます。
ただし、この本には、筆者の解決案は提示されません。
2016年7月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
第二次世界大戦で我が国は無条件降伏し、アメリカの指導のもと軍を置かず、戦争を放棄し、
アメリカの核の傘のもと、ぬくぬくと平和を満喫してきました。
しかし、有史以来、人類は戦争をし続けてきて、今現在、わが国の周囲を見れば、北朝鮮の核保有、
中国の度重なる領海侵犯、挑発、まさにいつ戦争が起こっても不思議ではない状況です。
そして、世界的に見ればロシアの強権、IS、そして、テロの脅威、とあちらこちらに戦争の火種があるという状況です。
我が国では、平和ボケ?し、戦争そして、軍隊を考えるということは、タブーになっていますが、
戦争を防止、克服し、平和に生きる希望を持つためには、戦争に対する知識を持つことは、必要不可欠といえます。
本書はそのような観点から、軍事社会学的視点で学生向きにされた講義をもとにし、まとめられたものです。
本書では、有史以来の戦争の歴史をクロノロジカルに展望し、解説、しています。
当然、グロチウスと国際法、クラウゼヴィッツの戦争論、マハンの海鮮論、ビスマルク、等については各々章を割いて、解説しています。
また、ヨーロッパ的キリスト教文明国でない日本が、いち早く近代化できたのは、中世があったからと指摘している部分は、注目に値します
また、第11章では、日本軍がなぜ破れたかについて分析していて、
第12章では、テロ、未来の戦争について展望しています。
学生向きの講義をまとめたものですから、少々回りくどい点もありますが、解りやすく書かれていて、私は面白いと思いました!!
アメリカの核の傘のもと、ぬくぬくと平和を満喫してきました。
しかし、有史以来、人類は戦争をし続けてきて、今現在、わが国の周囲を見れば、北朝鮮の核保有、
中国の度重なる領海侵犯、挑発、まさにいつ戦争が起こっても不思議ではない状況です。
そして、世界的に見ればロシアの強権、IS、そして、テロの脅威、とあちらこちらに戦争の火種があるという状況です。
我が国では、平和ボケ?し、戦争そして、軍隊を考えるということは、タブーになっていますが、
戦争を防止、克服し、平和に生きる希望を持つためには、戦争に対する知識を持つことは、必要不可欠といえます。
本書はそのような観点から、軍事社会学的視点で学生向きにされた講義をもとにし、まとめられたものです。
本書では、有史以来の戦争の歴史をクロノロジカルに展望し、解説、しています。
当然、グロチウスと国際法、クラウゼヴィッツの戦争論、マハンの海鮮論、ビスマルク、等については各々章を割いて、解説しています。
また、ヨーロッパ的キリスト教文明国でない日本が、いち早く近代化できたのは、中世があったからと指摘している部分は、注目に値します
また、第11章では、日本軍がなぜ破れたかについて分析していて、
第12章では、テロ、未来の戦争について展望しています。
学生向きの講義をまとめたものですから、少々回りくどい点もありますが、解りやすく書かれていて、私は面白いと思いました!!
2017年7月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
橋爪氏勤務の東工大は、曾ては永井陽之助、江藤淳等を抱えてきた保守の指定席。
こうした流れの論客にこのような本の企画が回ってくると云うのはそれなりに画期的なるも、そこは上手に
落とし穴があり、占領・披占領の項目を外していてこれが画竜点睛を欠く、故に減点1,
更に本の作りとして索引、関連年表も無く、社会学の学になっていない。故に減点1,都合減点2です。
戦争小事典の試みはしかし時宜を得た企画、プラス3.以上です。
こうした流れの論客にこのような本の企画が回ってくると云うのはそれなりに画期的なるも、そこは上手に
落とし穴があり、占領・披占領の項目を外していてこれが画竜点睛を欠く、故に減点1,
更に本の作りとして索引、関連年表も無く、社会学の学になっていない。故に減点1,都合減点2です。
戦争小事典の試みはしかし時宜を得た企画、プラス3.以上です。
2016年9月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ごく普通の教育を受けたヒトならば、理解しやすく書かれています。個人的には、ぽっかり抜け落ちている、戦争への当たり前の考え方を学べた感あり、ありがたく感じました。57歳を迎えた2016年、この本を読めている事に感謝申し上げます。