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エデンの命題 The Proposition of Eden (カッパノベルス) 新書 – 2005/11/22
- 本の長さ264ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2005/11/22
- ISBN-10433407622X
- ISBN-13978-4334076221
登録情報
- 出版社 : 光文社 (2005/11/22)
- 発売日 : 2005/11/22
- 言語 : 日本語
- 新書 : 264ページ
- ISBN-10 : 433407622X
- ISBN-13 : 978-4334076221
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,751,925位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
島田 荘司 1948年、広島県生まれ。武蔵野美術大学卒。
1981年に『占星術殺人事件』で衝撃のデビュー。アジアを中心に海外でもその作品は数多く翻訳されベストセラーとなっている。
国内で本格ミステリーの代表的作家であるばかりでなく、アジア各国でも「推理之神(GOD OF MYSTERY)」と尊敬されている。「島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や、台湾・皇冠文化出版有限公司が主催する中国語によるミステリー新人賞「島田荘司推理小説賞」の選考委員をつとめるなど、後進の育成にも尽力している。
Soji Shimada
Soji Shimada was born in 1948 in Hiroshima, Japan.
After graduating from Musashino Art University in Tokyo, he makes his sensational debut with ""The Tokyo Zodiac Murders"" in 1981.
He is regarded as one of the leading figures of Logic (Honkaku) Mystery in Japan, and is even revered as the ""God of Mystery"" throughout Asia.
His works have been translated into Chinese, Korean, Thai, French, and English.
Mr.Shimada is also an ardent promoter of blossoming mystery authors, and recently inaugurated ""The City of Roses Fukuyama Mystery Award Competition"" in his hometown and ""The Soji Shimada Logic Mystery Award Competition"" with Taiwan's Crown Publishing Company.
He serves on the selection committee for both competitions.
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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見逃すこともあるので。諸表からすぐここへ飛んで、買えてよかった。
ロスチャイルドやロックフェラーなどのユダヤ人たちが、何故大金持ちになれたのか、その背景に「ユダヤ人以外は豚だ」と書かれたユダヤ教典タルムードの教えがあるのかもしれない(自らが人種差別的思想を持っている)ということを何となく理解できるかもしれない。
上述のことがわかるだけでも、この本を読む価値はあると思う。しかし、物語の内容は映画「アイランド」に酷似している。フジテレビ系の「世にも奇妙な物語」の中にも、数年前にこのようなネタがあったように思うが。
「へルター・スケルター」は、ペンフィールドのマップやシルビウス裂など、脳に関する知識がかなりつくと思う。そして、1960年代のアメリカに実在した、チャールズ・マンソンを中心としたカルト教団に興味を持つかもしれない。しかし、物語の展開としての時代背景に多少の無理があるようにも思えた。
いずれにしろ、島田氏の小説の中にはいつも考えさせられる何かがある。
アメリカ、ラスベガス郊外の砂漠に立つアスピー・エデン。この教育施設にはアスペルガー症候群と呼ばれる器質的機能障害を持つ児童が集められている。
ザッカリ・カハネがメタンを体液とする生物とアスペルガー症候群の類似性について考察しているところから物語は始まる。
ヒロイン、ティア・ケプルタとの対話やシチュエーションなんかが、何となくサヴァン症候群の少女と戯言遣いの少年の出てくる某小説を連想してしまい、島田荘司も若い連中に媚びるようになったかとちょっと吃驚した。
しかし、「旧約聖書の謎を、最先端の科学が解く」とか言うキャッチフレーズはいくら何でも誇大広告だ。どこかの科学雑誌に載ってるようなアダムとイヴのクローン説についてちょこっと書いてあるだけだし。トリックといえるようなモノもなく、要するにライトノベル並みにチャチな謎解きと、どんでん返しがあるに過ぎない。
結局のところ、ただ単に最初の人間の体と川の考察と脳に関する蘊蓄が言いたかっただけなんだろうな。
「ヘルター・スケルター」はちゃんとした小説なので問題なし。
中編2作が収録されており、いずれも「脳」あるいは「脳の病気、損傷」により、奇妙な障害を有する人物をテーマにしたミステリ仕立ての作品。
「エデンの命題」
先天的な脳の疾病により、隔離された生活をしている主人公が巻き込まれる陰謀。脳や旧約聖書に関する衒学的解説が延々続き、少々閉口してしまった。ラストはあっけないし、似たような話はいくらでもある。
「ヘルター・スケルター」
脳に損傷を受け、記憶をなくした男が、女医との会話のやりとりを通じ、記憶を取りもどす内容。こちらは「あっ」驚くラストが待っている。ヤラレタ感あり。
ただし、両作品とも文豪島田の作でなかったなら、読むことはなかったなあ。作家というもの、ありとあらゆる方面にアンテナを張っているのだと思うが、近年の島田荘司の「脳への執着」は凄い。この分だと、ガジェットに脳を使った作品が出てきそうな予感がする。そういえば、作品上は、御手洗も脳の研究者だったっけ。
こちらは患者と医師の淡々とした尋問形式で進み、脱線することもなく読み易かった。登場人物も少なくシンプルでよい。テーマも軽過ぎず、重過ぎず、中編ならこれぐらいが理想的。
表題作『エデンの命題』はミステリというよりは、まるで青春映画みたい。知能は高いが純粋すぎる主人公。自力ではどうすることの出来ない環境からの脱出、逃走。それに性の葛藤。
エデンの園の話と主人公の置かれる状況とのシンクロはよく出来ているが、そこまでして聖書を扱う意義が果たしてあったのかは謎。
歴史の部分は勉強になるし、主人公とヒロインとのやりとりは興味こそそそるが、メインのクローン技術云々は差程新しくはない。
そもそも書き出しの川と生命の話が、最後まで活きていないのが残念。全体的に詰め込み過ぎて消化不良な印象は否めない。
それにしても『エデンの命題』という題は、中編にしてはどうも重々しすぎるように思う。聖書に関しては長編で、もう少し丁寧に書いて欲しい。
エデンの命題は、じぶんの過去作品の換骨奪胎で(その手法こそが面白いんですが)インパクト不足です。新しさと衝撃では、ヘルタースケルターに軍配があがりますが、こっちがアメリカや脳科学について詳しくないから、そんなものかと思い込んでるだけかもしれないですし。もっと過剰さを追求した方が、21世紀本格の本質がみえたのでは? なにより中編では島田さん最大の持ち味の詩美性が発揮できないようです。
本作は、21世紀型ペダントリーを盛り込んだ犯罪小説といった印象。期待しすぎなければ実に楽しいんですけど…
「エデンの命題」は、タイトル負けかな。小難しい事は解りませんが、小説としては、似たような話を読んだような・・・長編向けかな?
「ヘルター・スケルター」は、記憶を失った男が、女医との会話を通じて過去の犯罪の記憶を取り戻す内容で、程よい中篇に仕上がっていると思います。