何かを創る人はもちろん、創らない人にもおすすめです。
芸術に焦点を当てて書かれてはいますが、
これからの時代を生きていく上でも、応用が効く考え方だと思いました。
新しいものに溢れているはずの世界で、
日々新しいものに触れ、自分の視野を広げられる人がどれだけいるでしょうか?
マンネリ化した生活の中で、なにか新しい物に触れようという気は少しずつ薄れていき、
終いには何が新しいかも見分けがつかなくなり、何かの模倣品をアップデートだと勘違いし、
人生を無為に過ごしていないだろうか?
と、芸術という視点を通し、僕たちに新しいとは何かという視点を与えてくれます。
また、今の時代においては情報が溢れているため、
無難に上手いだけの名人芸のようなものが流行りがちだが、
それは芸術ではない、芸事だとも言っています。
それを踏まえた上で僕らが何かを創ったり考えたりする際には
上手く、綺麗にある必要はないのだと言っています。
簡単に人と繋がれる反面、人と比べてしまう世の中で、
新しいこととはなにか、自己表現をするとはどういうことか。
芸術と言うツールを用いて説明している、現代を生きていく上では
役に立つであろう一冊だと思います。
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今日の芸術―時代を創造するものは誰か (光文社知恵の森文庫) 文庫 – 1999/3/11
岡本 太郎
(著)
- ISBN-104334727891
- ISBN-13978-4334727895
- 出版社光文社
- 発売日1999/3/11
- 言語日本語
- 本の長さ258ページ
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商品の説明
商品説明
芸術家の書く文章の魅力は、何と言っても彼らの創造の秘密をのぞかせてくれることだ。「芸術は爆発だ」であまりに有名な岡本太郎による本書もその例に漏れない。本書は、美術、歴史、民族学など広範な知識を駆使し、論理的に展開しているが、創作者の実体験に基づく論述だけに退屈させない。また全編を貫く著者の芸術に対する深い信念が文章に勢いを与え、読者を魅了する。
前衛芸術の啓蒙書と言うべき本書において、著者は「今日の芸術は、うまくあってはならない、きれいであってはならない、ここちよくあってはならない」を芸術の根本条件として宣言し、芸術の本質とは常に過去を否定し乗り越えることであると示す。そして現代社会で失われた人間性を取り戻すため「これからはすべての人が描かなければならない」と主張し、人々を芸術行為へと誘う。1974年に刊行された初版の序では、著者自らが芸術に関心のない人にこそ読んでもらいたいと言っている。芸術は特権的なものではなく、人間の根源的な欲求だからである。
復刻版では横尾忠則が序文を、赤瀬川原平が解説を書いている。刊行当時、芸術を志す者に競って読まれた本書は、簡略だがオーソドックスな美術史入門でもあり、「謙虚は卑屈」と断罪する日本文化論でもある。しかし何よりも、停滞を嫌い常に前進する画家の人間像が印象に残る、本人による「岡本太郎論」と言える。(林ゆき)
前衛芸術の啓蒙書と言うべき本書において、著者は「今日の芸術は、うまくあってはならない、きれいであってはならない、ここちよくあってはならない」を芸術の根本条件として宣言し、芸術の本質とは常に過去を否定し乗り越えることであると示す。そして現代社会で失われた人間性を取り戻すため「これからはすべての人が描かなければならない」と主張し、人々を芸術行為へと誘う。1974年に刊行された初版の序では、著者自らが芸術に関心のない人にこそ読んでもらいたいと言っている。芸術は特権的なものではなく、人間の根源的な欲求だからである。
復刻版では横尾忠則が序文を、赤瀬川原平が解説を書いている。刊行当時、芸術を志す者に競って読まれた本書は、簡略だがオーソドックスな美術史入門でもあり、「謙虚は卑屈」と断罪する日本文化論でもある。しかし何よりも、停滞を嫌い常に前進する画家の人間像が印象に残る、本人による「岡本太郎論」と言える。(林ゆき)
登録情報
- 出版社 : 光文社 (1999/3/11)
- 発売日 : 1999/3/11
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 258ページ
- ISBN-10 : 4334727891
- ISBN-13 : 978-4334727895
- Amazon 売れ筋ランキング: - 214,645位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 126位知恵の森文庫
- - 252位日本人画家の本
- - 7,101位エッセー・随筆 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
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2022年3月4日に日本でレビュー済み
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2022年11月1日に日本でレビュー済み
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「感動を生む」ことが、芸術であり、だから、芸術に接した観客が、その響きを共有する。それが、芸術であり、理屈ではない。
だから、芸術hは爆発して、見る人を吹っ飛ばす。
芸術観を、180度変えさせてくれた名著です。
だから、芸術hは爆発して、見る人を吹っ飛ばす。
芸術観を、180度変えさせてくれた名著です。
2021年6月10日に日本でレビュー済み
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今日の芸術は、
うまくあってはいけない。
きれいであってはならない。
ここちよくあってはならない。
それが芸術における根本条件、岡本太郎はそう確信します。この確信を中心として様々な考察が展開します。
第二次世界大戦後の(やや極端な言い方ですが)日本文化肯定・否定二極化において太郎は独自の立ち位置であったと思います。何かに属さない孤高の人という印象がありますが、こうした論考においても日本文化を賛美しながら再発見を促すなど独自性を発揮しています。
さて論考の中で、抽象絵画に関するものがあります。(以下、太郎の言葉)
純粋に画面の構成要素である色と形の、合理的な配置、そしてそれら相互の調和による純粋な美的感動を創造しようというのが抽象絵画の目的です。(途中略)抽象画においては、何が描いてあるのか、どんな意味があるのかという質問自体がなりたたないのです。
岡本太郎は、抽象絵画訳わからん論の創始者?なのかなと思いました。
抽象絵画っていろいろな説明を読んでいますが、今だに私個人は良くわかりません。
そもそも絵画になった時点で「抽象」という言葉の意味を失っている気がするのですが・・・・
アンフォルメル(非定型芸術)というのは分かります。
しかしながら本書を読むとそうした、(自分の浅薄な)考察さえ意味あるもののように感じることができます。(笑)
そうして、本書を読み終わると巻末に赤瀬川原平氏の解説があります。
高島屋で開催された岡本太郎企画「世界・日本の美術展」を見学した際、ジョルジュ・マチュウがショウウィンドウの中で公開制作したのを荒川修作と見に行ったとのこと。篠原有司男、吉村益信もいたというから凄い。
岡本太郎がのちの日本の芸術界に与えた影響は大きいと改めて感じます。
うまくあってはいけない。
きれいであってはならない。
ここちよくあってはならない。
それが芸術における根本条件、岡本太郎はそう確信します。この確信を中心として様々な考察が展開します。
第二次世界大戦後の(やや極端な言い方ですが)日本文化肯定・否定二極化において太郎は独自の立ち位置であったと思います。何かに属さない孤高の人という印象がありますが、こうした論考においても日本文化を賛美しながら再発見を促すなど独自性を発揮しています。
さて論考の中で、抽象絵画に関するものがあります。(以下、太郎の言葉)
純粋に画面の構成要素である色と形の、合理的な配置、そしてそれら相互の調和による純粋な美的感動を創造しようというのが抽象絵画の目的です。(途中略)抽象画においては、何が描いてあるのか、どんな意味があるのかという質問自体がなりたたないのです。
岡本太郎は、抽象絵画訳わからん論の創始者?なのかなと思いました。
抽象絵画っていろいろな説明を読んでいますが、今だに私個人は良くわかりません。
そもそも絵画になった時点で「抽象」という言葉の意味を失っている気がするのですが・・・・
アンフォルメル(非定型芸術)というのは分かります。
しかしながら本書を読むとそうした、(自分の浅薄な)考察さえ意味あるもののように感じることができます。(笑)
そうして、本書を読み終わると巻末に赤瀬川原平氏の解説があります。
高島屋で開催された岡本太郎企画「世界・日本の美術展」を見学した際、ジョルジュ・マチュウがショウウィンドウの中で公開制作したのを荒川修作と見に行ったとのこと。篠原有司男、吉村益信もいたというから凄い。
岡本太郎がのちの日本の芸術界に与えた影響は大きいと改めて感じます。
2023年2月23日に日本でレビュー済み
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芸術は音楽も含まれるので、多くの音楽を聴いてきた私にも関係がある内容だと思った。
これまで私がやってきた音楽鑑賞は、ただなんとなく惰性で曲を聴いてあらゆる曲をいい曲だと思うことしかしなかった。
本書では、「芸術創造と鑑賞というものは、必ずしも別のことがらではない」と述べている。すなわち、鑑賞というのは自分自身の価値を創造するということである。
音楽の場合、受動的に曲を聴くだけでは自分自身に何も変化は生まれない。
今後音楽を鑑賞するときは、自分自身を新しく築き上げていくつもりで曲を味わう。具体的には、メロディーだけでなく歌詞にも着目してみる。
これまで私がやってきた音楽鑑賞は、ただなんとなく惰性で曲を聴いてあらゆる曲をいい曲だと思うことしかしなかった。
本書では、「芸術創造と鑑賞というものは、必ずしも別のことがらではない」と述べている。すなわち、鑑賞というのは自分自身の価値を創造するということである。
音楽の場合、受動的に曲を聴くだけでは自分自身に何も変化は生まれない。
今後音楽を鑑賞するときは、自分自身を新しく築き上げていくつもりで曲を味わう。具体的には、メロディーだけでなく歌詞にも着目してみる。
2022年3月6日に日本でレビュー済み
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ものごとをまねることも人生。自分の中から産まれ出てくるものを楽しむのも人生。
上手い下手を気にしないで創造する喜びを感じてほしいという励ましのメッセージが情熱を込めて伝わりました。音楽や美術が不得手な人にオススメします。
上手い下手を気にしないで創造する喜びを感じてほしいという励ましのメッセージが情熱を込めて伝わりました。音楽や美術が不得手な人にオススメします。
2022年1月28日に日本でレビュー済み
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芸術についての素朴な疑問に真摯に答えた良書です。大上段でふんぞり帰っている美術大家にはできない文体で、作者の偉大さがよくわかる本です。
2022年1月7日に日本でレビュー済み
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芸術を何か高尚な難しいもの、難しくて解らないもの、と捉えてる方には特に読んで頂きたい本です。初版から70年近く重版されて来た名著ですが、今読んでも何ら古さは感じないはずです。読物としても、真摯で痛快な太郎さんの息吹が文から伝わって来て、何か創造したい!とか、また明日から頑張るぞ!という気にさせられます。
2013年3月15日に日本でレビュー済み
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この本は、芸術を志す人にお勧めの本です。流行とは何か?新しいとは何か?などの根本的な意味を明確にしそれを踏まえ新しい芸術について考える本。また、日本の芸事に関する岡本太郎さんの考え方が述べられいたりします。『日本の芸術は、もともと人に見せないための芸術品であった』などの意見が書いてありますが、その理由を理論的に事細かに説明していて非常に納得のいく内容の本でもあります。