新宿鮫が作者にとって最大のヒット作になった理由は、一見安易に見えた鮫島の人物設定が予想を超えた深みを持ったからだ。
鮫島本人だけでなく、登場人物の造形が時には時代性、時には普遍性を持つ事に成功している。一方で、人気作になるにはキャッチーな設定の人物も必要で、新宿鮫シリーズでは晶がその役割を担っていた、
だが、本作で作者は鮫島のロマンスの相手として、晶では限界があるという事実を描くことをついに決心した。
ハードボイルド物のヒロインとして、エミリは、抜群の魅力を放っている。NHKのドラマでは鷲尾いさ子が演じたが、絶世の美しさだ。
新宿鮫シリーズは本作以降、後半に入る。鮫島をキャリア街道に戻すのか、戻さないとしたら、定年までどの様な人物像にするのか、おそらく作者は世間から答えを探していると思う。
そして作者は、最後は自身の造形物である鮫島に問うはずだ。鮫島警部はどう生きたいのかと。
一方、読者も同様の問いを自身に向ける事になる。
よく出来た読物には、人を内省的にする作用がある。
新宿鮫シリーズは、その力が強い。
名作だ。

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氷舞: 新宿鮫6 (光文社文庫 お 21-11) 文庫 – 2002/6/1
大沢 在昌
(著)
- 本の長さ554ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2002/6/1
- ISBN-104334733255
- ISBN-13978-4334733254
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登録情報
- 出版社 : 光文社 (2002/6/1)
- 発売日 : 2002/6/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 554ページ
- ISBN-10 : 4334733255
- ISBN-13 : 978-4334733254
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,510,078位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1956年名古屋市出身。慶應義塾大学中退。79年第1回小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞し、デビュー。
86年「深夜曲馬団」で日本冒険小説大賞最優秀短編賞、91年「新宿鮫」で第12回吉川英治文学新人賞、第44回日本推理作家協会賞長編部門、94年「無間人形 新宿鮫4」で第110回直木賞、20001年「心では重すぎる」、02年「闇先案内人」で日本冒険小説大賞を連続受賞。04年「パンドラ・アイランド」で第17回柴田錬三郎賞を受賞。2006年「狼花 新宿鮫9」で日本冒険小説大賞。2010年第14回日本ミステリー文学大賞受賞。2012年「絆回廊 新宿鮫10」で日本冒険小説大賞。2014年「海と月の迷路」で第48回吉川英治文学賞受賞。2022年秋 紫綬褒章受章。
05年~09年社団法人日本推理作家協会理事長を務める。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年7月1日に日本でレビュー済み
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2015年12月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本気で仕事をするにゎ、パートナーの存在ゎ重荷になるのかと…ちょっと切なくなりました。(ネタバレになります) 晶よりも?惹かれるほどの魅力を感ぢませんが、どうしてこんなことに?って思ってしまいます。
2019年3月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
シリーズ1作目〜10作目までを読了。6作目にあたるこの「氷舞」は、幾度も読み返した作品。
主人公鮫島には、何があろうと己の信じる道を突き進み、闘う勇気がある。だが潔癖なほど人に対し誠実であろうとするがゆえに、それが弱点にもなる。
恋人の晶と、突然目の前に現れた神秘的な江見里の間で揺れる鮫島。その描写から、鮫島の実はもろいかもしれない繊細な一面がわかった。鮫島の孤独と葛藤が浮き彫りになったことに、大きな魅力を感じた。
香田にも魅了された。司令塔として組織の高みから現場を見下す傲慢な香田と、一兵卒として地を這うように闘い、敗者の痛みにも寄り添うことができる鮫島。同期のキャリアでありながら、全く違う境遇の二人の間には安い友情や感傷のかけらもない。決して相容れない互いの信念が火花を散らす。
だが鮫島との捜査を通じ、香田も警察官としての初志と誇りを強く自覚し始める。その過程が良かった。シリーズ9作目の「狼花」で暴走してしまう香田だが、ある意味鮫島より純粋なのではと思った。
主人公鮫島には、何があろうと己の信じる道を突き進み、闘う勇気がある。だが潔癖なほど人に対し誠実であろうとするがゆえに、それが弱点にもなる。
恋人の晶と、突然目の前に現れた神秘的な江見里の間で揺れる鮫島。その描写から、鮫島の実はもろいかもしれない繊細な一面がわかった。鮫島の孤独と葛藤が浮き彫りになったことに、大きな魅力を感じた。
香田にも魅了された。司令塔として組織の高みから現場を見下す傲慢な香田と、一兵卒として地を這うように闘い、敗者の痛みにも寄り添うことができる鮫島。同期のキャリアでありながら、全く違う境遇の二人の間には安い友情や感傷のかけらもない。決して相容れない互いの信念が火花を散らす。
だが鮫島との捜査を通じ、香田も警察官としての初志と誇りを強く自覚し始める。その過程が良かった。シリーズ9作目の「狼花」で暴走してしまう香田だが、ある意味鮫島より純粋なのではと思った。
2018年1月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
数年前に読んだことがあり、印象に残っていたので再度読みたく注文しました
2014年9月6日に日本でレビュー済み
新宿鮫シリーズの6作目です。
今回は5作目の続きとも言える物語です。
いつもと違って単体で読むよりも、前作を読んでおいた方が楽しめます。
そしていよいよ鮫島がキャリアの道を外れる事になった、公安との絡みが徐々に描かれていきます。
今後、このシリーズがどうなるのか分かりませんが、
この6作目が一つのターニングポイントとなるのではと思うエピソードだと思います。
今回は5作目の続きとも言える物語です。
いつもと違って単体で読むよりも、前作を読んでおいた方が楽しめます。
そしていよいよ鮫島がキャリアの道を外れる事になった、公安との絡みが徐々に描かれていきます。
今後、このシリーズがどうなるのか分かりませんが、
この6作目が一つのターニングポイントとなるのではと思うエピソードだと思います。
2015年12月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
少し届くまで時間がありましたが、対応その他、問題なくよかったです。
2017年1月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大沢在昌さんの小説はいろいろ好きで読んでましたが、新宿鮫シリーズは最高と思います。このシリーズを昨年から読み始めたのですが最初は今どき風のテーマであることを期待して9狼花から入りました。続いて、10、8、7、1、2、3、4、5とす進み、6に到達したのですが、6が最高と思いました。6以降は特に10に向かって大きな流れを感じます。ということで、今、7をもう一度読み始めてます(笑)。
2016年6月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とてもきれいで新品のようでした。
気持ちよく買い物できました。
ありがとうございます。
気持ちよく買い物できました。
ありがとうございます。