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江戸川乱歩全集 第7巻 黄金仮面 (光文社文庫) 文庫 – 2003/9/1
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- 本の長さ665ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2003/9/1
- ISBN-104334735525
- ISBN-13978-4334735524
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商品の説明
商品説明
そのストーリー自体は勧善懲悪パターンで、いたってシンプルだ。金色の仮面をつけ、大胆不敵な手口で日本中の名だたる古美術品を次々に狙っていく謎の怪盗・黄金仮面。命の危険にさらされながらも、その黄金仮面に立ち向かう名探偵・明智小五郎。両者の一歩も譲らない、くんずほぐれつの対決がスリリングな冒険活劇調に語られていく。掲載された雑誌が道徳性を重んじていたこともあってか、乱歩独特の猟奇性は影を潜め、児童文学的色合いが濃い。乱歩自身も「私の長編作品の中でも、最も不健全性の少ない、明るい作」と書いている。
「白髪鬼」は、自分を殺そうとした者たちへの復讐譚。大牟田子爵は、ある時断崖から転落してしまう。九死に一生を得た彼は、転落を企てた人間がいままで信じ切っていた人間たちと知り、彼らに復讐を誓う。「黄金仮面」とは違って、復讐の方法やその描写に探偵小説的な趣向と乱歩ならではの残虐性とが盛り込まれている。ほかの2編含め、上昇気流に乗りつつある作家特有の勢いが、行間のあちこちから強く感じられる作品ばかりだ。(文月 達)
抜粋
乱歩は早く生まれすぎたのか。気持ち悪いもの好きの乱歩が自身を異邦人と感じるような風土がこの国にあり、ある種の人々を窒息させているのは確かなようだ。そのことを乱歩が明確な形で書いてくれていて、それを引用できるのがとても嬉しい。(巻末エッセイより)
登録情報
- 出版社 : 光文社 (2003/9/1)
- 発売日 : 2003/9/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 665ページ
- ISBN-10 : 4334735525
- ISBN-13 : 978-4334735524
- Amazon 売れ筋ランキング: - 272,385位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
1894年三重県生まれ。早稲田大学卒業。雑誌編集、新聞記者などを経て、1923年「二銭銅貨」でデビュー。以後、「D坂の殺人事件」などの探偵小説を 次々発表。怪奇小説、幻想小説にも優れた作品が多い。代表的なシリーズに、「怪人二十面相」「少年探偵団」などがある。日本の小説界に多大なる業績を残 す。65年没(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 大槻ケンヂが語る江戸川乱歩 私のこだわり人物伝 (ISBN-13:978-4041847213)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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影響を受けた方々は数知れないと思う。今では当たり前みたいに見えるが当時よく書けてなぁと思う。
この全集にある、何物、黄金仮面、白髪鬼はすべてお勧めです。乱歩独特のグロはないし時代のくせがなく読みやすい、そして面白い。
きちんと起承転結、二転三転して物語としてよい。
今ってこおゆう作品って書けないんだよね、時代的に。今は平成だから。大正や昭和には書けた時代背景。それがまた良いし愛される理由なのかも。
「何者」「黄金仮面」「江川蘭子」「白髪鬼」の4篇が収められている。
決定版の全集を狙ったもので、乱歩による「作者の言葉」や「自作解説」はもちろん、挿絵の収録、詳細な注と、実に豪華な内容となっている。
「黄金仮面」「白髪鬼」と大きな作品のほか、本格ものの傑作ともいわれる「何者」、横溝正史らとのリレー小説「江川蘭子」(乱歩による序章のみ収録)と、なかなかの充実ぶりだ。
新たに読み始める人にはいい全集だろう。あるいは、気持ちを一新して乱歩を読破しようという人には。
大人向け作品なので少年探偵シリーズとは違い「殺人」などの描写は登場するものの
当時の国民的な雑誌に掲載されていただけあって、他の作品でしばしば見られるような
「不健全」な描写は極めて少なくなっています。
その点では、是非が分かれるかもしれません。
ですが、そういう描写が苦手な方や、少年探偵シリーズのファンであればきっと面白く読める作品だと思います。
”黄金仮面”乱歩の、大衆文芸としての代表作の一つだろう。発表当時は、連載ものだったようで、複数のストーリーの中で、トリックが連続して、明智小五郎と黄金仮面の駆け引きが展開される。
有名な西洋の怪盗や、日本の国宝建築物、又は、飛行機等が登場し、読む者を、”あっ”と言わせる。
主役は、もちろん明智小五郎、と思いきや、黄金仮面だろう。黄金仮面の、何処と無く、颯爽としたところに、カッコよさを感じる。そして、明智と警察が、黄金仮面に翻弄される。明智小五郎、完敗か?
明智と黄金仮面との、大立ち回りの末には、ドラマチックなエンディングが、用意されている。そして、この名勝負が、”怪人二十面相”に、引き継がれてゆく。
性別、世代、時代に関わらず、誰にでも読み易い作品として、名作ではないだろうか?
「黄金仮面」は有名なフランスの怪盗物がイギリスの名探偵を登場させて
こてんぱんにした小説に想を受けたもので、
有名なフランスの怪盗がは日本にやってきて、明智小五郎と対峙するというストーリー。
どうしても、このシチュエーションの場合書いているほうの創造したキャラクターに
思い入れが偏るのは仕方ないことでしょう。
ただ、善と悪がはっきりしているのでスピーディーな展開にのめりこみます。
「江川蘭子」はリレー短編の一部。
意外な犯人、意外な動機、意外なトリックと推理小説の本道をいく傑作。
表題の「黄金仮面」はイマイチ。大衆受けを狙った作品で乱歩らしさが出ていない。推理小説というよりは冒険小説だろう。
それに、他の作家のキャラクターを勝手に登場させるのは失礼だと思う。
エンターテインメントとしては、探偵小説、さらに冒険小説であって、明快な内容に最後にカタルシスが期待できて、満点の作品です。最初に子ども向け全集で読み、あとで補いました。なつかしいです。