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おいしい水 (光文社文庫) 文庫 – 2005/1/12
リアリズムの名手が切実に描く、人生の岐路に立つ女性の”渇き”と”癒し”。あなたにとって結婚生活は”おいしい水”ですか?
- 本の長さ461ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2005/1/12
- ISBN-104334738125
- ISBN-13978-4334738129
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登録情報
- 出版社 : 光文社 (2005/1/12)
- 発売日 : 2005/1/12
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 461ページ
- ISBN-10 : 4334738125
- ISBN-13 : 978-4334738129
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,315,613位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
盛田隆二(もりた・りゅうじ)
1971年、県立川越高校2年在学中に書いた短編「糠星」が旺文社小説コンクールで1等になる。同作品は短編集『あなたのことが、いちばんだいじ』(光文社文庫)に所収
1985年、情報誌「ぴあ」編集者の傍ら小説を執筆し、「夜よりも長い夢」で早稲田文学新人賞入選
1990年、デビュー作『ストリート・チルドレン』(講談社)が野間文芸新人賞候補作
1992年、第2作『サウダージ』(中央公論社)は三島由紀夫賞候補作
1996年「ぴあムック」編集長等を経て、18年間勤務したぴあを退社、作家専業に
2004年『夜の果てまで』(角川文庫)が30万部を超えるベストセラーに
2007年~2010年、早稲田大学 文化構想学部 客員教授
2011年『二人静』(光文社)で第1回Twitter文学賞受賞
2016年8月24日午後8時~NHK-Eテレ「ハートネットTV」で、30分番組「父との長いお別れ・作家 盛田隆二 ――リハビリ・介護を生きる 認知症の親をおくって」を放送
著書は他に『焼け跡のハイヒール』『蜜と唾』『父よ、ロング・グッドバイ 男の介護日誌』『残りの人生で、今日がいちばん若い日』『いつの日も泉は湧いている』『きみがつらいのは、まだあきらめていないから』『身も心も』『あなたのことが、いちばんだいじ』『ありふれた魔法』『ささやかな永遠のはじまり』『散る。アウト』『おいしい水』『リセット』『ニッポンの狩猟期』『金曜日にきみは行かない』『ラスト・ワルツ』『いつかぼくは一冊の本を書く』など多数
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
私自身のさまざまな不安を見透かされているようでした。
途中、著者が男性である事を忘れてしまうくらい
女性の心理描写や結婚生活が細やかに書かれていたと思います。
是非、お手にとってみてください。
このお話に出てくる結婚生活はパンドラの箱。
登場人物に共感しながら読み終えた後に残るのは
勇気か、はたまた更なる不安か。
それは読んだ貴方次第。
私も主婦で仕事を持ち子供を持ち夫に浮気され。。。と主人公に似た環境でした。本文では、赤線をひいて夫に読ませたい!とおもうような節もありましたが、でもだんだん、彼女がなにを考えているのか、わからなくなり、こんな夫婦ばかりなのかと、悲しくなりました。読んだあと、とても後味は悪かったけど、夫婦のこともっと真剣に考えなくてはあかんなとおもいました
それぞれの事情はおもしろく、ストーリー自体には引き込まれる。
なのに、読み進めるうちにイライラし、読後はとても後味が悪い。
その理由はヒロインの人物像と、彼女にとって“おいしい”
エピソードばかりが起こるせいだろう。
幼稚園生の娘を持つ30才の主婦が、様々な年齢・立場の男から
次々と真剣に求愛される。
彼女は彼らをはっきり拒絶せず、気を持たせるような対応をしつつも、
最後の貞操は守る。それゆえに、彼らはますます彼女を神聖化する。
専業主婦だったのに、仕事を始めた途端どんどん認められて出世していき、
仕事先でも、マンションでも、同性からも頼りにされる。
それでいていい母親でもあり、娘の友達の面倒までよく見てあげる。
こうして挙げてみると、非常に理想的な女性のようだが、
小説の主人公に対して、ここまで不愉快になった経験は初めてだ。
主人公がもう少し人間らしい、リアリティのある女性だったら、
この小説はもっと素晴らしいものになっただろう。
単に「家庭という檻に閉じこめられた女性が解放され自立していく物語」なら、主人公や主人公を取り巻く男女に共感したり、反感や嫌悪感を覚えながら物語を堪能していけばいいのですが・・・そういう、「周囲の無理解、女性への偏見、遅れた社会」などと闘う女性を描いた「勧善懲悪」モノではありません。
主人公は、様々な経験(多くは辛いものですが)を経て、自分の行く道を自分で選び取る強さを獲得します。その過程で、もちろん大きく心は振幅するのですが、外部に何か理由になるものを求めたりはしません。
例えば、「結婚しても恋をしたい」とか「夫が浮気するのだから自分も」などの口実で、好意を感じる異性の誘いに応じることはありません。
また、「子供のため」という理由で現状にしがみついて、壊れかけた家庭を取り繕うこともしません。
自分の行動を決めるのは自分であり、自分の行動を言葉で飾り卑怯に生きていくことは、主人公は最初から最後まで拒否します。
このような主人公の心持ちは、ともすれば「不倫小説」とすら銘打つことが出来る本作品を、清々しく静かに心を打つものにしています。
作品のラスト、夫に対する主人公の態度は、強靱さに満ち、これから後の豊かな人生を予感させるものになっています。
著者の他の作品のような劇的な展開があるわけでもないのですが(実際に自分の身に起これば一大事でも、小説のプロットにするには「刺激が足らない」という意味で)、これだけ夢中で読ませてしまうというのは・・・なかなか凄いです。
素質を秘めていたにしても、全くの素人の家庭の主婦が求人広告のチラシを頼りに職探しを始め、取材を通じて記事を書くようになり、社会との接点を取り戻して行く様子が、危なっかしくてハラハラしたと同時に、エールを送りたくなった。今の日本には、能力がありながらそれを発揮する機会を逸している女性が多すぎる。妻は家庭にいるもの、夫の夜の楽しみに応えるもの、保育園育ちの子どもはかわいそう、結婚した女に新しい恋愛は有り得ないもの(これは家庭の主婦であろうと、仕事を持っている女性であろうと)― そんな男性社会に押し付けられた「常識」から弥生を徐々に救う手伝いをしたのが、社会への復帰を契機としたパソコンの活用と、出会い系サイトを通じたメール交換であったことが、可笑しくもあり、悲しくもあり、また今の自分とも重なって非常に現実的に思われた。
こうやって日本の結婚制度は壊れて行くのだろうか・・・そうは思わない。男性も女性も、新しい結婚観への過渡期にいるのだと思う。必要なことである。
読み終わった時、私は、どの登場人物よりも盛田隆二に会ってみたいと思った。
なんか、主人公にリアリティがなさすぎ。男好きするけれど可憐で、人の悪口なんていわないけれど最後は夫との関係を整理していないのに年下の男に抱擁されて呆然となる、、、。
作者も男性だからこその、『これが男の性欲』ってゆ~描写が突出して生々しすぎ、それを悪のように書いてあるのもいただけないなぁ~。
この作品の裏編として、夫と自殺癖のある風俗嬢の話を読みたいと思いました。すべての女性が、かわいい顔してこんなにしたたかに生きているとは思いたくないし、読後の気分は最悪、、、