主人公が勤務する、ある作家の文学記念館で
放火未遂事件が連続して起きるところからこの話は始まる。
主人公にはミステリ作家である妹がいるため、
『名探偵』の常でこの事件について独自の推理を展開し、
犯人を追っていくことになる。
その過程で、故人である天才作家の人間関係が
深く事件にかかわっていることが明らかになっていく。
と言った内容の小説です。
しかしこの主人公は成り行きで巻き込まれていくのみなので、
息をのむ推理合戦などのケレンはありません。
ただしそこを補ってあまるのが一癖も二癖もある登場人物たちとのやり取りです。
また、主人公による犯人の告発の場面まで読み進めていくと、
とても切なくほろ苦い思いで胸がいっぱいになります。
派手さには欠ける作品かもしれませんが、心に残る一冊だと思います。
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閉ざされた夏 (光文社文庫) 文庫 – 2006/2/9
若竹 七海
(著)
- 本の長さ386ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2006/2/9
- ISBN-104334740170
- ISBN-13978-4334740177
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登録情報
- 出版社 : 光文社 (2006/2/9)
- 発売日 : 2006/2/9
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 386ページ
- ISBN-10 : 4334740170
- ISBN-13 : 978-4334740177
- Amazon 売れ筋ランキング: - 788,735位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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若竹 七海(わかたけ・ななみ)
1963年、東京生まれ。立教大学文学部卒。1991年、「ぼくのミステリな日常」で作家デビュー。2013年、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞“短編部門”を受賞。2015年、葉村晶シリーズ「さよならの手口」でミステリファンクラブ・SRの会による“SRアワード2015”国内部門を受賞、「このミステリーがすごい!」4位。2016年、同シリーズ「静かな炎天」が「このミステリーがすごい!」2位、“SRアワード2017”国内部門、ファルコン賞を受賞。2018年、同シリーズ「錆びた滑車」が「このミステリーがすごい!」3位。著書に「悪いうさぎ」(日本推理作家協会賞“長編及び連作短編集部門”候補)などがある
(本データは「不穏な眠り」が刊行された当時に掲載されていたものです。)「BOOK著者紹介情報」より
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年5月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「夏の果て」というタイトルで第38回江戸川乱歩賞最終候補に残った作品。後に「閉ざされた夏」に改題。
夭逝した天才作家の文学館を舞台にしたミステリー。
主人公はその文学館の新入り学芸員。ちょっぴりユーモラスでかなり切ない。
中盤まではいっても大騒動までにはいかずちょっと退屈な展開。中盤以降事件が動いてきて、後半盛り上ってきます。
また終盤に事件が解決したかと、思った先に実は…。みたいな展開は読んでいて面白かった。
物語の舞台が文学館だったり過去の天才作家に想いを馳せたり、どちらかというと地味な印象の事件。
著者の作品にしては、心の中に潜む悪意の描写が濃くは感じなかった。
夏は夏でも子供たちの笑い声とかはなくて、誰もいないところでセミの鳴き声だけが聞こえるようなそんな感じのミステリーです。
夭逝した天才作家の文学館を舞台にしたミステリー。
主人公はその文学館の新入り学芸員。ちょっぴりユーモラスでかなり切ない。
中盤まではいっても大騒動までにはいかずちょっと退屈な展開。中盤以降事件が動いてきて、後半盛り上ってきます。
また終盤に事件が解決したかと、思った先に実は…。みたいな展開は読んでいて面白かった。
物語の舞台が文学館だったり過去の天才作家に想いを馳せたり、どちらかというと地味な印象の事件。
著者の作品にしては、心の中に潜む悪意の描写が濃くは感じなかった。
夏は夏でも子供たちの笑い声とかはなくて、誰もいないところでセミの鳴き声だけが聞こえるようなそんな感じのミステリーです。
2012年5月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
青春を巡る物語は素晴しいです。ただ、肝心のミステリーがいただけません。あまりに、リアリテイーに欠けるのです。推理ものとしては、いけません。普通の小説を書くべきでした。
2020年3月5日に日本でレビュー済み
まさに2時間ドラマ向き。
高尚なイメージの文学館を舞台にしつつ、事件はお茶の間向きのメロドラマ。
とはいえ、架空の作家と文学館の再現度の高さは半端ない。作者の緻密な妄想力に感服するが、本筋より、脇の設定に情熱を傾けてしまったのではなかろうか。
ともあれ、若竹さんはこういう作品も書くことができるのだ。ストライクゾーンの広さに脱帽。
【追記】
講談社文庫に次ぎ、光文社文庫も購入。
講談社版のカバー絵は、藤田新策氏。夜、テラスに佇む女性の後ろ姿。登場人物かあるいは過去の女性(作家の姉)か。庭の池のほとりに咲く三輪の百合(テッポウユリか)。向こう側にも屋敷。帯で隠れていて気付かなかったが、手前の柱の脇から炎が上がっている。
光文社版は、学芸員達がデスクワークしている様子。横顔の男女は才蔵と千佳か。涼しげな色合い、寂寥感あり。
解説は前者が加門七海さん。作者とは同じ“七海”仲間からか、仲が良く、解説文というより暴露文とのこと。
後者は赤城毅氏。
高尚なイメージの文学館を舞台にしつつ、事件はお茶の間向きのメロドラマ。
とはいえ、架空の作家と文学館の再現度の高さは半端ない。作者の緻密な妄想力に感服するが、本筋より、脇の設定に情熱を傾けてしまったのではなかろうか。
ともあれ、若竹さんはこういう作品も書くことができるのだ。ストライクゾーンの広さに脱帽。
【追記】
講談社文庫に次ぎ、光文社文庫も購入。
講談社版のカバー絵は、藤田新策氏。夜、テラスに佇む女性の後ろ姿。登場人物かあるいは過去の女性(作家の姉)か。庭の池のほとりに咲く三輪の百合(テッポウユリか)。向こう側にも屋敷。帯で隠れていて気付かなかったが、手前の柱の脇から炎が上がっている。
光文社版は、学芸員達がデスクワークしている様子。横顔の男女は才蔵と千佳か。涼しげな色合い、寂寥感あり。
解説は前者が加門七海さん。作者とは同じ“七海”仲間からか、仲が良く、解説文というより暴露文とのこと。
後者は赤城毅氏。
2006年4月13日に日本でレビュー済み
ミステリと思いきや半分くらいまでそんな動きはまったくありません.
時折挟まれる謎の事件が辛うじてそれを思い出させてくれるほどです.
そんなわけで前半は主人公の勤め先を中心にほのぼのと進みます.
何度か主人公たちのちょっとした推理ごっこが展開されますが,
具体的に事件を解決するわけでもなくやはり淡々と日常生活が送られていきます.
そんな流れが半分ほどまで続いたところでようやく事件.
それでも大半は話の外側に居る警察が片付けてしまいますし,
大きな謎とか驚くべき事実というものもほとんどありません.
また動き回る主人公たちもいたって普通の人たちなので,
ミステリという印象はほとんど感じられないと思います.
むしろその最後の真相にはしんみりと切なくなってしまうほど.
全体をとおしたほのぼの感が心地よかっただけに余計に.
なので,派手な立ち回りなどを期待して読んでは×です.
時折挟まれる謎の事件が辛うじてそれを思い出させてくれるほどです.
そんなわけで前半は主人公の勤め先を中心にほのぼのと進みます.
何度か主人公たちのちょっとした推理ごっこが展開されますが,
具体的に事件を解決するわけでもなくやはり淡々と日常生活が送られていきます.
そんな流れが半分ほどまで続いたところでようやく事件.
それでも大半は話の外側に居る警察が片付けてしまいますし,
大きな謎とか驚くべき事実というものもほとんどありません.
また動き回る主人公たちもいたって普通の人たちなので,
ミステリという印象はほとんど感じられないと思います.
むしろその最後の真相にはしんみりと切なくなってしまうほど.
全体をとおしたほのぼの感が心地よかっただけに余計に.
なので,派手な立ち回りなどを期待して読んでは×です.