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セント・メリーのリボン (光文社文庫) 文庫 – 2006/3/14

4.3 5つ星のうち4.3 44個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 光文社 (2006/3/14)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2006/3/14
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 246ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4334740316
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4334740313
  • カスタマーレビュー:
    4.3 5つ星のうち4.3 44個の評価

著者について

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稲見 一良
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カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2018年6月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1993年に単行本が上梓された、5つのハードボイルド作品が収録された短編集。反社会的組織に追われる男が、逃走の山中で奇妙な老人に命を救われる『焚火』―、草叢に埋もれた廃墟に出現する幻の軍用列車をめぐる、現実と幻想が混じる大人のメルヘン『花見川の要塞』―、戦闘機乗りの大空のロマンを雄大に鮮烈に描出する『麦畑のミッション』―、線路のポイントを切り替えるように、人生の終着駅が始発駅へと変転する劇的な展開が鮮やかな『終着駅』―。いずれも男たちの強さ優しさ気高さを描き、さらに自然や生命への深い畏敬や愛情までも作品の底流に感じさせる、筋骨強健なハードボイルドの良作となっている。

しかし、いちばん印象に残ったのは、年々ゆるんでくる涙腺を、ジンワリ刺激せずにいなかった表題作『セントメリーのリボン』である。行方不明の猟犬さがしを専門とする私立探偵が、盗まれたポインターを取り返し、迷子のパグさがしに関わり、そして盲目の少女のもとから突然に消えた、盲導犬の捜索を引きうけることになったのだが…。
内なる矜持や誠意に忠実であるがゆえに、偏屈な自己を固める主人公の探偵をはじめ、登場人物たちのキャラ立ちが魅力的なうえに、そんな人間たちに寄り添う犬たちの姿もいじらしい。ユルユルのお涙頂戴には流れない、ウイットやアイロニーも効いている。タフで優しいフィリップ・マーロウの遺伝子を受けつぐ、ハードボイルドの秀作であると同時に、イヴの夜に、タイトルのようにリボンをかけて読書好きの誰かに贈りたい、ハート揺さぶるクリスマス小説の名品にもなっている。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年11月12日に日本でレビュー済み
ハードボイルドというカテゴリーに関係なく一読をお勧めします。

私は、稲見一良を知らなかったのですが、この本を女性の知人から勧められ、
ハードボイルドという予備知識なしに読みました。

短編5作にそれぞれの趣があり、いい。
作品の舞台も、相当丹念に取材するか、住み慣れた場所だったりするのでしょう。
描写が丁寧で迫真的です。

表題作の「セント・メリーのリボン」も好きですが、「花見川の要塞」、
「麦畑のミッション」も読み応えがありました。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年10月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この方の本に出会えた幸せを味わっていただきたいです。美しいハードボイルドの世界がそこにあります。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年9月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自分の過去読んだ小説の中では最高だと思いました。

ハードボイルドと言うと、キザな台詞と否定的な言い回しの
イメージだったのですが、、
人間味あふれる主人公の魅力が半端じゃないです。
この本にめぐり合えて良かった、と本気で思いました。

なんとなく気になっている方には是非お勧めします。

他の方のレビューを参考に購入に至りました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2015年3月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
沢崎以上のハードボイルドという評を読んで買ってみたが、まったくの期待はずれであった。
肝心の人物がどれもステレオタイプで狭量さを感じてしまう。また、「猟犬探偵」というが、筆者は本当に犬のことがわかっているのか。ハンバーグを犬に食わせるなどもってのほかである。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年2月20日に日本でレビュー済み
きっと好きなタイプの本だろうな、と思って読み始めて、その思いが少しも裏切られることがない。
端正で、クールで、渋みにあふれ。
若い頃であれば夢中になって何度も読み返したと思う。
 
いや、年を経た今でも本作の魅力は変わらず、素晴らしい小説だと断言できる。
むしろ、そこから一歩距離をおいて物語を眺めてしまう自分自身の心情の変化に驚いている。
 
チャンドラーを始めとするいわゆる「ハードボイルド小説」という系譜。
その出会いは、矢作俊彦にあった(以前こちらのエントリでそれについては記した)。
10代の頃に熱中した大藪春彦のいくつかの著作は、いまとなっては「ハードボイルド」としては鼻白むくだりがないではないけれど。
そして自分の人生に大きな影響を与えた片岡義男と村上春樹。ふたりとも別にハードボイルド派の作家、というわけではないけれど、やはりその系譜に大きな足跡を刻んだ巨人と言ってよい。
例えば銃器やアルコールに関する偏愛ぶりや、主人公たちの生き方やものの考え方など、ハードボイルドとよばれるカテゴリに共通する振る舞いやお作法は、たくさんある。
本作も、その勘所をきちんと押さえ、読み手の期待を裏切らないいくつもの「こだわり」と「頑固さ」を見せる。
  
あぁ、大好きな世界だな、と噛み締めるように読んだ。
しかし同時に、久しぶりにこの世界に戻ってきて感じたのは、それが大人の男性にとっての『ファンタジー』なのだ、ということだ。
少女たちが好むマンガは、巨大な瞳と馬鹿長いまつ毛を持つ主人公が、背の高い優男に“壁ドン”される世界を描く。
我々中年男はそれを見て、その現実離れ感を心の中で嘲笑(わら)う。まだ世間の荒波を知らない少女たちの夢想する可愛らしさを。
けれど、実は我々中年男性が愛読するハードボイルドだって、あの娘たちの少女マンガと同じようなファンタジーなのだ、と思った。
 
本作の主人公たちは、例えばフリーランサーのカメラマンだったり、やくざだったり、猟犬専門の私立探偵(!)だったりする。自分の稼ぎだけで立ち暮らし、誰にも依りかからず、高い矜持とブレない信条をもって生きている。我々はそれを読んで憧憬を抱き、自らのあるべき姿として夢想する。
けれど我々には住宅金融公庫のFLAT35の住宅ローンだってあるし、会社では無能な上司と優秀な部下の間で板挟みになることもある。新しいクルマは欲しいけど、わが社の業績もパッとしないし、それを妻に言いだすのは決まって冗談めかした言葉でだけだ。
 
 冴えない高校生だったり、バイトに明け暮れる大学生だったりした時には、いつかは自分もあの小説の男たちのように、開いたばかりのバァでギムレットを飲みながら高飛びする友だちの打ち明け話を聞くのだと信じていた。あの頃、ハードボイルドはファンタジーなどではなく、もっと直截的な人生のロールモデルであった。いまは冴えない学生だとしても、いつか自分もこうなるはず、と能天気に信じられる未来があった。
けれど、あちらで小突き回され、こちらで謝罪に明け暮れているうちに、いつしか自分が【あの男たちのようにはなれそうもない】という大いなる現実に気づく日が来る。いや、それは自分で気づくのではない。あの頃あんなに好きだったハードボイルド小説を読んで、「あぁ、やっぱりこういう世界って素敵だな」と思いながらも「でも、ありえないな」と心の中で舌打ちする時に、『気づかされる』のだ。
 
つまらないことを書いている。
こんなボヤキを書くために、こんなに素晴らしい小説の感想を書くつもりではなかったのに。
  
でも。
住宅金融公庫のローンを抱えて暮らすこんなぼくでも、未来を夢見る力はまだ失っていない。
かくあろうとする自分自身の姿は、ハードボイルド小説の男たちが思い出させてくれる。
矢作俊彦曰く、「しっかりしなくては生きていけない。紳士的でなければ、生きる気にもなれない」、のだから。
 
何の足しにもならないが、最後に本作の感想を。
小説としての佇(たたず)まいがとても良く、男たちの矜持をきちんと描いた短編が心の深いところに響く。
些事に捉われて自分自身の輪郭を見失いそうになる時、きっとこの本はかくあるべき男の生き方というものをきちんと示してくれる。
そんな灯台のように孤高で、また凛とした品格にあふれた本だった。
 
本が差し出してくれるそんな尊厳を、きちんと受け止められる人間でありたい、と思う。いつの日も。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年5月22日に日本でレビュー済み
1話目の「焚火」と表題作の「セントメリーのリボン」が良かった!
焚火は話の後もなく先もなく、切り取られた絵のような不思議に完成された世界です。
謎の爺様がとってもカッコイイん。
セントメリーのリボンはも少しボリュームのある作品ですが、猟犬探偵龍門卓のタフガイぶりがイケてます。
登場人物たちのちょっとやり過ぎ感のあるハードボイルド的言動が気になるところですが、アメリカのレッドネックを思わせるタフガイが物語の最後に見せる優しさに感動!!
それにしても、この作家の書く食べ物の描写はなんでこんなに美味しそうなんでしょうか。
謎の老人の作るきのことハムのソテー、探偵の作る愛犬のご飯さえ美味そうで夜中に読むのはたいそう危険でした。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2008年4月27日に日本でレビュー済み
「焚火」
「花見川の要塞」
「終着駅」
「麦畑のミッション」
「セント・メリーのリボン」
の五作が収録された珠玉の短編集。
ハードボイルドと流布されているが、
戦争ファンタジー(戦争メルヘン?)の「花見川の要塞」が大傑作。
これは長編で読みたかったな。
同じく戦争物の「麦畑のミッション」もイイ!
望月三起也や松本零士や新谷かおるや島本和彦の戦場マンガや、
仮想戦記ものが如何にくだらないか痛感できます。
「終着駅」は並。
「焚火」「セント・メリーのリボン」はハードボイルドだが、
都会派ではなくて田舎派なのが凄く新鮮。
大都会で気取っているハードボイルドってチャンドラーのパロディにしか思えないが、
本書は、自然賛美、犬賛美している大人の為の落ち着いた素晴しいハードボイルドである。
「焚火」はいきなり最愛の女性が銃撃され殺されるシーンから始まるので感心したぞ。
普通のハードボイルドなら復讐譚になるところだが、
主人公は逃げるだけ。
敵を撃退するのは渋い農夫の爺さん(この爺さんがデラかっちょええ!)
若者に媚びてない大人の為の小説である。
「不夜城」の五倍以上の価値がある傑作集。
都会で苦悩する青年は馬鹿としか思えない。
自然が豊富な田舎に行けば癒されるのに、
都会に拘るから酷い目に会うざんすよ。
構成力、表現力はややヘタクソだが、
作者の志の高さは伝わってくるので、
稲見一良は全作読むべき作家である。
こんな素晴しい作家がもう死んでいるなんて、
神が存在しない証拠だな。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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