4編の短編・中編からなる作品集.
いずれの作品も人の死と,その周辺の人物から見た真相に焦点を当てている.
どこか,聞いたことのあるような事件なのも,作者にとっては得意とする手法である.
3編目までは,医療事故,DV,援助交際という類型化されがちな事件を題材にしているが,
事件の背後の,ステレオタイプなストーリーではくくれない真相を掘り下げた作品になっている.
4編目はうつ病患者の自殺と,家族のストーリーで
本書や,作者の他の作品とはやや趣の異なる作品である.
夫婦の馴れ初めから始まる主人公の半生がテーマになっているため少々説明的なところが目に付き,
また,自殺の真相に関してはあいまいになっている部分も見受けられるが,
精一杯やっていた主人公が,自分を責める描写がなんともやりきれない気持ちにさせられる.
いずれも,当事者の心の動きという,真相の“深層”が丁寧に表現されていて読み応えがある.
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
深層 (光文社文庫) 文庫 – 2007/10/11
朔 立木
(著)
針,スターバート・マーテル,鏡,ディアローグ
- 本の長さ334ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2007/10/11
- ISBN-104334743234
- ISBN-13978-4334743239
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 光文社 (2007/10/11)
- 発売日 : 2007/10/11
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 334ページ
- ISBN-10 : 4334743234
- ISBN-13 : 978-4334743239
- Amazon 売れ筋ランキング: - 826,681位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中4つ
5つのうち4つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
8グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2005年2月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
4話とも起こった事件の裏側やその時の状況が非常にうまくかかれ”現実?”と錯覚起こすくらいありました。
リアルな感情がひしひしとつたわり、わかりやすい話でもありました。
4話目の”ディアローグ”は涙が止まらないくらい辛いストーリーでした
何度も目をそむけたくなるような主人公の想いやその息子の最期を見届ける姿には涙なしでは読めませんでした。
精神的な障害者が一家にいたら自分はどうなるだろう・・・
実際に起こった話を実にうまく書けてるとこがすごく感心します
事件の犯人の気持ちはともかく、それを取り巻く人の気持ちも丁寧に描かれ伝わります
2話目の”スターバート マーテル”は卑劣な犯罪者が描かれてましたが、その元妻の思い、実母の気持ちには耐えられないものがあることも考えさせられました
死刑になる犯罪者に対して世間は冷たいが、母親だけは”どんな子供であれ、どんな理由であれ子供を殺される気持ちは同じなんです”
この気持ちは痛いほどわかるしこの本を読んで残った言葉でもあります
リアルな感情がひしひしとつたわり、わかりやすい話でもありました。
4話目の”ディアローグ”は涙が止まらないくらい辛いストーリーでした
何度も目をそむけたくなるような主人公の想いやその息子の最期を見届ける姿には涙なしでは読めませんでした。
精神的な障害者が一家にいたら自分はどうなるだろう・・・
実際に起こった話を実にうまく書けてるとこがすごく感心します
事件の犯人の気持ちはともかく、それを取り巻く人の気持ちも丁寧に描かれ伝わります
2話目の”スターバート マーテル”は卑劣な犯罪者が描かれてましたが、その元妻の思い、実母の気持ちには耐えられないものがあることも考えさせられました
死刑になる犯罪者に対して世間は冷たいが、母親だけは”どんな子供であれ、どんな理由であれ子供を殺される気持ちは同じなんです”
この気持ちは痛いほどわかるしこの本を読んで残った言葉でもあります
2014年12月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
死亡推定時刻のような明快さは微塵もなく、ただただ心の奥底のひだをえぐるような、なんともやるせない心もちにさせる作品です。基本的に実話をベースにしている訳ですが、作者独自の解釈により事柄の深層について非常に強く考えさせられる内容です。正直、読み返したくない気持ちが強いのですが、それを否定できない気持ちもあり、悩ましい作品です。
2007年12月29日に日本でレビュー済み
医療ミス、虐待、援交、鬱病といった4つのテーマでの短編4部作である。
人間、皆、いろいろな過去を背負って生きている。また、現在もいろいろな制約を受けながら平凡な暮らしをできずにいる方々も多い。
朔 立木氏の本書は、平凡ではない(制約を受けながら生活している)方を主人公として書かれていて、どれも暗く悲しい。
しかし、それらは自分とは別世界ではなく、自分も同様な制約を追いながら生きる可能性があることを考えさせられる本である。
人間、皆、いろいろな過去を背負って生きている。また、現在もいろいろな制約を受けながら平凡な暮らしをできずにいる方々も多い。
朔 立木氏の本書は、平凡ではない(制約を受けながら生活している)方を主人公として書かれていて、どれも暗く悲しい。
しかし、それらは自分とは別世界ではなく、自分も同様な制約を追いながら生きる可能性があることを考えさせられる本である。