◆「愛だけが思いだされる」
リュート奏者をモデルにした肖像画の消失事件。
レオナルドは、油彩が持つ表現特性やリュートの構造に
着目することで、事件の背後にある人間関係を洞察します。
◆「窓のない塔から見る景色」
令嬢レオノーラは、親が認めない相手に恋をしたため、
地上四階の高さに相当する、塔の部屋に幽閉される。
その部屋には、窓が一つしかなかったにもかかわらず、レオノーラは、
窓のない側の景色を、部屋の内壁に描き、密室状態の部屋から忽然
と消え失せてしまう。
しかも、彼女が失踪したその日、ばらばらに引きさかれた羊の
死体が、血まみれで塔の真下に置き去られていたという……。
絵と人間消失、どちらの謎も、物理的トリックによるものです。
◆「二つの鍵」
◆「忘れられた右腕」
◆「ウェヌスの憂鬱」
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旧宮殿にて 15世紀、ミラノ、レオナルドの愉悦 (光文社文庫) 文庫 – 2008/1/10
三雲 岳斗
(著)
- 本の長さ335ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2008/1/10
- ISBN-10433474365X
- ISBN-13978-4334743659
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登録情報
- 出版社 : 光文社 (2008/1/10)
- 発売日 : 2008/1/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 335ページ
- ISBN-10 : 433474365X
- ISBN-13 : 978-4334743659
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,442,631位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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1970年大分県生まれ。横浜市在住。’98年に『コールド・ゲヘナ』で第5回電撃ゲーム小説大賞“銀賞”を受賞し、デビュー。’99年に『M.G.H.楽園の鏡像』で第1回日本SF新人賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『少女ノイズ』(ISBN-10:4334747582)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年12月9日に日本でレビュー済み
2005年に出たカッパ・ノベルス版の文庫化。
『聖遺の天使』につづくシリーズ第2弾。
レオナルド・ダ・ヴィンチが探偵役を務める短編5本が収められている。
前作から読むべき。人物関係などの把握のためにも。
正直に言って、トリックはどれも大したことがない。しかし、それを物語として上手く処理しているところに魅力がある。ディテールが巧みにつくられ、盛り上げ方も巧みだ。しかし、短編ということもあってか、前作よりも人物の魅力が薄いように感じた。
ルネサンス期イタリアの耽美な世界にどっぷりと漬かることができる。
『聖遺の天使』につづくシリーズ第2弾。
レオナルド・ダ・ヴィンチが探偵役を務める短編5本が収められている。
前作から読むべき。人物関係などの把握のためにも。
正直に言って、トリックはどれも大したことがない。しかし、それを物語として上手く処理しているところに魅力がある。ディテールが巧みにつくられ、盛り上げ方も巧みだ。しかし、短編ということもあってか、前作よりも人物の魅力が薄いように感じた。
ルネサンス期イタリアの耽美な世界にどっぷりと漬かることができる。
2007年4月21日に日本でレビュー済み
歴史上の人物を登場させた推理小説と来れば、私の大好物である。時代背景もよく書かれており、この時代をよく調べて書いたのだろうなと思う。
しかし、五つ星でない理由はつい柳広司の「饗宴ーソクラテス最後の事件」や「はじまりの島」などと比べてしまうからである。柳広司の作品もまた、歴史上の有名人物を探偵役とするが、事件は虚構でありながら、その人物(ソクラテス、ダーウィンなど)のその後の(実際の)人生の転機となっている。
今のところこのシリーズは、この当時の知識人で芸術的才能もある人物(確かにこの時代、すぐに思いつくのはレオナルド・ダ・ヴィンチではあるが)であれば誰でも良かったのではという疑問を払拭するところがなく、そこが私にはマイナス要因と感じられる。
今後、彼でなければならない理由があったのかどうか、また、チェチリアが「史実に反して」ルドヴィコの愛人ではない理由はなんなのか。その辺りが明かされるのを待とうと思う。
しかし、五つ星でない理由はつい柳広司の「饗宴ーソクラテス最後の事件」や「はじまりの島」などと比べてしまうからである。柳広司の作品もまた、歴史上の有名人物を探偵役とするが、事件は虚構でありながら、その人物(ソクラテス、ダーウィンなど)のその後の(実際の)人生の転機となっている。
今のところこのシリーズは、この当時の知識人で芸術的才能もある人物(確かにこの時代、すぐに思いつくのはレオナルド・ダ・ヴィンチではあるが)であれば誰でも良かったのではという疑問を払拭するところがなく、そこが私にはマイナス要因と感じられる。
今後、彼でなければならない理由があったのかどうか、また、チェチリアが「史実に反して」ルドヴィコの愛人ではない理由はなんなのか。その辺りが明かされるのを待とうと思う。
2006年6月18日に日本でレビュー済み
巨匠レオナルドとミラノ宰相ルドヴィコ、白テンを抱く貴婦人のモデルチェチリアの交友とその周りで起きる事件を描いた短編集。
短編集なのだけれど、一つのテーマに基づいて書かれている感がある。ミステリー風に書かれていて、それぞれの作品で事件は完結しているのだけれど、この一本の芯自体が全体での伏線として機能していると思う。掲載順が絶妙。連載を読むよりも、一冊で読んだ方が多分良い。
読み終わってから、彼らが実在の人物であることを知った。実在の人物と時代背景を基にして作品を書くのは、怖いけれど、奇妙なリアリティがあって面白いと思う。今後もこういう作品、書いてもらえないかなあ。
短編集なのだけれど、一つのテーマに基づいて書かれている感がある。ミステリー風に書かれていて、それぞれの作品で事件は完結しているのだけれど、この一本の芯自体が全体での伏線として機能していると思う。掲載順が絶妙。連載を読むよりも、一冊で読んだ方が多分良い。
読み終わってから、彼らが実在の人物であることを知った。実在の人物と時代背景を基にして作品を書くのは、怖いけれど、奇妙なリアリティがあって面白いと思う。今後もこういう作品、書いてもらえないかなあ。
2005年11月30日に日本でレビュー済み
画家、建築家、彫刻家と、多彩な才能を持つ、レオナルド・ダ・ヴィンチ。『最後の晩餐』などの作品は有名だけれど、その人となりは、それほど多く伝聞されていないと思う。史実や作品を通しての輪郭とかは、調べればある程度わかるだろうけれど。それにしても、そのダ・ヴィンチを名探偵に仕立てるとは。
当時の時代背景も、小道具も、舞台となるミラノとその周辺国との関わりも、美術、音楽、芸術、医学の当時の状況も、かなり盛り込まれている。贋作に使われる素材、なんていうのも、非常に興味深かった。
かなり資料を読み込んでいるんだろうけれど、でも資料の羅列にならず、ストーリーにさりげなく取り入れているところが、読みやすさになっているのかも。
本格的なミステリーなんだけれど、トリックや事件の謎解きに、ダ・ヴィンチの多彩な知識や才能が活かされて、その鍵は、結構身近なところに隠れていたり。
気まぐれで、理屈屋で、つかみ所がなく、それでいて非凡な才能を持つ人物。ダ・ヴィンチって、こんな人だったんだろうな、と妙に納得させる文章の巧さ。
歴史小説的な要素を多分に盛り込みながら、謎解きの醍醐味も味わえ、シャープで洗練された表現も多い。ダ・ヴィンチ以外の主要登場人物も好ましく、不可能犯罪と思われる事件を、最後にずばっと解き明かすダ・ヴィンチが格好いい。
当時の時代背景も、小道具も、舞台となるミラノとその周辺国との関わりも、美術、音楽、芸術、医学の当時の状況も、かなり盛り込まれている。贋作に使われる素材、なんていうのも、非常に興味深かった。
かなり資料を読み込んでいるんだろうけれど、でも資料の羅列にならず、ストーリーにさりげなく取り入れているところが、読みやすさになっているのかも。
本格的なミステリーなんだけれど、トリックや事件の謎解きに、ダ・ヴィンチの多彩な知識や才能が活かされて、その鍵は、結構身近なところに隠れていたり。
気まぐれで、理屈屋で、つかみ所がなく、それでいて非凡な才能を持つ人物。ダ・ヴィンチって、こんな人だったんだろうな、と妙に納得させる文章の巧さ。
歴史小説的な要素を多分に盛り込みながら、謎解きの醍醐味も味わえ、シャープで洗練された表現も多い。ダ・ヴィンチ以外の主要登場人物も好ましく、不可能犯罪と思われる事件を、最後にずばっと解き明かすダ・ヴィンチが格好いい。
2005年8月23日に日本でレビュー済み
ひとむかし、いや、ふたむかしくらい前にもうなるのか、その時までは、「SF作家」といえば、なんと言うか、とにかくオールジャンル何でも書けるひとのことだという印象があった。栗本薫、笠井潔、菊池秀行、山田正紀などの作家活動、作品群の影響大なんですが、露骨に言ってしまえば、SF作家はミステリーも書けるけれど、ミステリ作家はSFが書けないと、そんな感じがあったわけです。無論そんなことはないわけですが。で、新本格が台頭し、それらの作家がSF(ないし超現実)的な設定を導入し始め、ついでに言うなら名探偵キャラがやおい市場に流通し始めてから、なんとなく上記の印象は逆転しだしたわけなんです。まぁ、時の勢いというやつ。――今若いひとたちは、どういう印象持っているのかいないのかわからないけれど、本書の作者は、久しぶりに、オールジャンル作家としてのSF作家を感じさせてくれるひとであるわけです(ジャンルの中にラノベも入っていますよ)。
本作は堂々たる歴史ミステリで、徒に晦渋にならない筆運びでうまく大衆(探偵)小説の枠組みに収めた。つまりは、「SF」的思わせぶりを断ち切って、「ミステリ」作家に身をやつしている――ということなんです、「オールジャンル」という意味は。収録作品はどれもシンプルなトリックで、ミステリアスな物語を見事に演出しているが、『ザ・ベストミステリーズ2005』『本格ミステリ05』双方に採録された「二つの鍵」は論理パズルのスリルを存分に堪能できる名作。何でこれが推協賞とれなかったんでしょう。推協くそたわけ。
本作は堂々たる歴史ミステリで、徒に晦渋にならない筆運びでうまく大衆(探偵)小説の枠組みに収めた。つまりは、「SF」的思わせぶりを断ち切って、「ミステリ」作家に身をやつしている――ということなんです、「オールジャンル」という意味は。収録作品はどれもシンプルなトリックで、ミステリアスな物語を見事に演出しているが、『ザ・ベストミステリーズ2005』『本格ミステリ05』双方に採録された「二つの鍵」は論理パズルのスリルを存分に堪能できる名作。何でこれが推協賞とれなかったんでしょう。推協くそたわけ。