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奇想と微笑: 太宰治傑作選 (光文社文庫 も 18-1) 文庫 – 2009/11/10
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- 本の長さ447ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2009/11/10
- 寸法10.5 x 1.8 x 15 cm
- ISBN-104334746926
- ISBN-13978-4334746926
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登録情報
- 出版社 : 光文社 (2009/11/10)
- 発売日 : 2009/11/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 447ページ
- ISBN-10 : 4334746926
- ISBN-13 : 978-4334746926
- 寸法 : 10.5 x 1.8 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 251,574位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
1979年奈良県生まれ。京都大学農学部卒、同大学院農学研究科修士課程修了。2003年『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞。同作品は、本屋大賞2位にも選ばれる(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 ペンギン・ハイウェイ (ISBN-13: 978-4048740630 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
(1909-1948)青森県金木村(現・五所川原市金木町)生れ。本名は津島修治。東大仏文科中退。
在学中、非合法運動に関係するが、脱落。酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中をはかり、ひとり助かる。1935(昭和10)年、「逆行」が、第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃、パビナール中毒に悩む。1939年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富嶽百景」など多くの佳作を書く。戦後、『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し山崎富栄と玉川上水で入水自殺。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
自虐的な随筆や、「女の決闘」のような隠れた名作まで、さすがの森見チョイスといった感じです。収録されている短編はどれも読みやすいものばかりですが、ユーモアの裏に太宰の苦悩が透けて見える作品もあり、非常にバランスのいい作品集だと思います。太宰をあまり読んだことのない森見ファンの方にもおススメです。
~以下作品ごとの感想~
「貨幣」
紙幣を擬人化して一人称で語らせるという小品。お金を題材にした皮肉な話かと思いきや、ふつーに良い話でした。ときたま太宰が見せるヒューマニズムが顕れた作品です。
「服装について」
自虐風エッセイ。森見さんの解説にもあるように、「オシャレになりたいけどなれない人」にとっては突き刺さる作品です。こういった「痛い人」の思考様式を適切に文章化することにかけては、太宰の右に出るものはいないのではと思わされます。
「佐渡」
実際に太宰が佐渡に行った思い出を書き綴ったもの。初めから何も起こらないだろうと思って旅行に行って、やっぱり何も起こらずに帰ってくるという経験、個人的にも思い当たる節があり、共感できました。
「ロマネスク」
森見一押しの短編。ユーモア溢れるお伽噺のようにサラッと読めてしまうものの、3人の登場人物が陥る「どうしようもなさ」はそのまま太宰の苦悩とも結びついている。特に「嘘の三郎」のエピソードは好きだなぁと思いました。
「女の決闘」
森鴎外が翻訳したオイレンベルクの「女の決闘」という作品を、解説しながら自分の創作も差し込んでいく、というなかなかに凄い構成の作品。小説を紹介しつつ、「でもここのへん少し物足りないんだよね」と勝手に自分でエピソードを追加しちゃう、やりたい放題の太宰。「小説家の小説の読み方」を追体験できる作品として、非常に貴重な短編です。
「編集後記」の次の件りなどは、格別、森見登美彦のコメントの旨味を感じましたね。太宰の作品のどの辺が魅力的なのか。それをうまく言葉に言いとめて、見事です。
<縁側で「風に吹かれてぱらぱら騒ぐ新聞を片手でしっかり押えつけて読む」という鮮やかな一文を読むなり、文章の中を爽やかな風が吹き抜けていく。そして小川は草原のあいだをゆるゆる流れ、最後に白いパラソルがくるくるっとまわる。まるできれいな絵を見ているようである。> p.436 『満願』評
<もう一つ特徴的なのは、句点を用いずに読点だけで続けて延々と書くところである。太宰の文章が持つ独特のリズムがよく分かる。句点で息継ぎをする余裕を読者に与えず、「これでもか」「これでもか」と駄目人間描写が上乗せされて、異様な説得力とユーモアが生まれる。ついつい読まされてしまう文章の魔力を駆使して、太宰は読者を江戸の駄目人間たちが織りなす世界へ引きずり込んでいく。> p.445 『貧の意地』『破産』『粋人』評
ずうずうしいのを通り越してぞっとするほどイヤな奴を描いた『親友交歓』。森 鴎外の翻訳小説をテーマに、ひねりを加味した華麗な変奏にわくわくさせられる『女の決闘』。予想外の展開に、ジャック・リッチー 10ドルだって大金だ (KAWADE MYSTERY) の表題作に通じる面白味を感じた『貧の意地』。この三篇が、殊に印象に残りました。
収録作品について語る編者の文章に読みごたえがあり、親しみの持てる紹介文になっているってことでは、宮部みゆきの 松本清張傑作短篇コレクション〈上〉 (文春文庫) もいいですよー。おすすめ。
『斜陽』『津軽』『人間失格』など、代表作を数本読んでいただけの
私は、編者の意図通り、この短編集で新たな太宰を発見しました。
太宰ってこんなこじゃれたエッセイを書いていたのですね。
また、「女の決闘」は太宰の人間観察の鋭さ、人間理解の深さにドキッとさせられます。
全体を通して、温かさと人間味とユーモアに溢れていて
太宰にほっとさせられる、という面白い一冊でした。
森見氏には「新釈 走れメロス」があり、太宰の「走れメロス」を別の視点から捉えなおした作品がありますが、この短編集の中にも太宰治が他の作家の作品に別の解釈を加えているものが2作品あります。
それは「カチカチ山」「女の決闘」ですが、特に「女の決闘」は森鴎外の翻訳作品の行間の空白部分に新たな「小説」を付け加え、違う作品にしてしまうものです。
前述の「新釈 走れメロス」は、その森見版と言うことが言えるのかも知れません。
この短編集には、19編の作品が収められているのですが、既読の作品は「親友交歓」「走れメロス」の2編だけでしたが、森見氏が極力太宰の「暗さ」を除いたこともあって、タイトルにある「奇想と微笑」と言う言葉がぴったりくるような作品ばかりでした。
どの作品を読んでも、なるほどとか、思わずほっとしたり、微笑みが浮かんでしまう、そんな作品ばかりです。
特に個人的に気に入ったのは、この中でも一番短い作品で2ページ半ほどなのですが、読み終わってにやりとしてしまうそんな作品「満願」です。
「白いパラソル」の回転と共に、まだ少女らしさの抜けぬ瑞々しい女性が、全身で喜びを表すようにステップして行く姿が目に浮かんできます。
そして、それを見守る医者夫婦と私の優しい視線があります。
一般的な「太宰治」観から外れた作品を集めた短篇集ですが、それだけに大いに楽しめたし、「太宰治」を改めて捉えなおすいい機会を与えられたような気がしました。