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人間不平等起源論 (光文社古典新訳文庫 Bル 1-1) 文庫 – 2008/8/7
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内容(「BOOK」データベースより) わたしたちは、フランス革命を導いたルソーの代表作である本書と『社会契約論』に繰り返し立ち戻ることで、国民がほんとうの意味で自由で平等であるとはどういうことなのか、どうすれば国民が真の主権を維持できるのかを、自分の問題として問い直すことができるはずである。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) ルソー,ジャン=ジャック 1712‐1778。フランスの思想家。スイスのジュネーヴで時計職人の息子として生まれる。16歳でカトリックに改宗。家庭教師等をしながら各地を放浪し、大使秘書を経て、37歳で応募したアカデミーの懸賞論文『学問芸術論』が栄冠を獲得。意欲的な著作活動を始める 中山/元 1949年生まれ。哲学者、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
- ISBN-104334751628
- ISBN-13978-4334751623
- 出版社光文社
- 発売日2008/8/7
- 言語日本語
- 本の長さ414ページ
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登録情報
- 出版社 : 光文社 (2008/8/7)
- 発売日 : 2008/8/7
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 414ページ
- ISBN-10 : 4334751628
- ISBN-13 : 978-4334751623
- Amazon 売れ筋ランキング: - 65,261位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 51位フランス・オランダの思想
- - 147位西洋哲学入門
- - 190位光文社古典新訳文庫
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2016年11月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
届くのも早く、読みたいときに手元にあったことに感謝です。状態もとてもよかったです。
2020年8月12日に日本でレビュー済み
数年前、パリのパンテオンを訪ねたとき、「モンテ・クリスト伯」が好きだったため、アレクサンドル・デュマ・ペールの墓所を訪ねました。すぐその隣にルソーも眠っていたことも気づきました。ルソー名前は聞きましたが、どんな偉業をなしたのかは知らなかったため、あまり感銘はなかったんです。
もう一度パンテオンを訪ねるチャンスが有りましたら、ルソーの墓所で至高の敬意を払おうと思います。
本を読んでいるうちに、何度も、社会的な人間、自分の今の状態、特に平等よりは、自由について思いました。
「人類の文明は、人々を不幸にした。」
この言葉は、ユヴァル・ノア・ハラリ の著作、「サピエンス全史」でも読んだことがあります。
農耕社会によって、人々は特定の土地に縛られ、動けなくなりました。自由を失い、更に、所有権の誕生によって、人々を不平等にしました。
文明は人類の繁栄を貢献しましたが、個人個人にとっては、悲惨なことであると、ユヴァルもルソーも語りました。
文明が誕生する前に、人々は生きるだけのために生きているので、自殺など、概念すらも存在しません。
しかし今は、私達は社会の奴隷になって、一部の人は、奴隷になっていることは、死ぬことよりも辛くて、自殺を選んでしまうこともあります。嫉妬、自尊心、プライドなども生まれて、結局シンプルに喜べなくなっているんじゃないですか?
もちろん、今どきは平和ですし、生活も便利ですので、ありがたいですが、よく考えると、みんなは社会の奴隷みたいなものですね。
そして、自由についても考えました。自由は何なんでしょう。ミルの自由論を読んで、一番覚えているのは、「他人の幸福を邪魔しない限り、自分の幸福を最大限にする行動をしていい」という内容ですが、ほかはあまりピンとこなかったです。でもこの本を読んで、改めて自由について考えました。
自由とは、本当は「足の自由」ではないでしょうか?
まず、一番不自由な人を考えましょう。それは誰かというと、「奴隷」「囚人」などは考えられます。そしてそれらの人の最大の特徴は、「逃げることはできないことです。」
自分勝手に行動しようとしても、他の人を不快させたり、誰かを邪魔しますが、なにかを我慢しなければなりません。もし、ブラック企業などに務めていたら、「逃げたら食っていけない」という恐怖心が、人を縛り、逃げられなくなるようになります。それは自由は奪われていることなんじゃないでしょうか?
どんなに悪い環境の職場でも、家庭でも、都市でも、国でも、逃げたければ逃げられることは、本当の自由だと思います。自由をなくして初めて、不平等が生じ、更に人々は逃げられない環境を作っているのは、人を不幸にすると思います。
これからも、いつでも逃げられるように、自分を強くしたいと思います。
もう一度パンテオンを訪ねるチャンスが有りましたら、ルソーの墓所で至高の敬意を払おうと思います。
本を読んでいるうちに、何度も、社会的な人間、自分の今の状態、特に平等よりは、自由について思いました。
「人類の文明は、人々を不幸にした。」
この言葉は、ユヴァル・ノア・ハラリ の著作、「サピエンス全史」でも読んだことがあります。
農耕社会によって、人々は特定の土地に縛られ、動けなくなりました。自由を失い、更に、所有権の誕生によって、人々を不平等にしました。
文明は人類の繁栄を貢献しましたが、個人個人にとっては、悲惨なことであると、ユヴァルもルソーも語りました。
文明が誕生する前に、人々は生きるだけのために生きているので、自殺など、概念すらも存在しません。
しかし今は、私達は社会の奴隷になって、一部の人は、奴隷になっていることは、死ぬことよりも辛くて、自殺を選んでしまうこともあります。嫉妬、自尊心、プライドなども生まれて、結局シンプルに喜べなくなっているんじゃないですか?
もちろん、今どきは平和ですし、生活も便利ですので、ありがたいですが、よく考えると、みんなは社会の奴隷みたいなものですね。
そして、自由についても考えました。自由は何なんでしょう。ミルの自由論を読んで、一番覚えているのは、「他人の幸福を邪魔しない限り、自分の幸福を最大限にする行動をしていい」という内容ですが、ほかはあまりピンとこなかったです。でもこの本を読んで、改めて自由について考えました。
自由とは、本当は「足の自由」ではないでしょうか?
まず、一番不自由な人を考えましょう。それは誰かというと、「奴隷」「囚人」などは考えられます。そしてそれらの人の最大の特徴は、「逃げることはできないことです。」
自分勝手に行動しようとしても、他の人を不快させたり、誰かを邪魔しますが、なにかを我慢しなければなりません。もし、ブラック企業などに務めていたら、「逃げたら食っていけない」という恐怖心が、人を縛り、逃げられなくなるようになります。それは自由は奪われていることなんじゃないでしょうか?
どんなに悪い環境の職場でも、家庭でも、都市でも、国でも、逃げたければ逃げられることは、本当の自由だと思います。自由をなくして初めて、不平等が生じ、更に人々は逃げられない環境を作っているのは、人を不幸にすると思います。
これからも、いつでも逃げられるように、自分を強くしたいと思います。
2020年3月20日に日本でレビュー済み
"人と人との差異が、自然の状態においては社会の状態よりもいかに少ないものであるか、また自然の不平等が人類においては制度の不平等によっていかに増大せざるをえないかが理解されるであろう。"1775年発表の本書は【人間社会における不平等の起源】を仮説をもとに大胆に考察し『世紀の奇書』とも評された社会契約論に繋がる一冊。
個人的には『一般意志』といった言葉や、出版禁止などの弾圧を受けた事で知られる『社会契約論』を手にする前段階として本書を手にとりました。
さて、そんな本書は懸賞論文への解答として書かれたもので。動物的な段階からではなく、あくまで【当時の人間像にもとづき自由に仮説を展開し】不平等の進歩を'法律と所有権の設立が第1期、為政者の職の設定が第2期で、最後の第3期は合法的な権力から専制的権利への変化を見いだすであろう"と。いわゆる誰もが平等であった自然状態を好意的に描くも、そこから文明化していく過程で【不平等が合法化、強者と弱者の関係が固定化】されていき【専制政治により不平等は遂に頂点に達した】と考察しているわけですが。まず当時の絶対王政期をフランス王国に仕える一人の立場として、著者がこの本を執筆したことにはやはり驚かされる。
また、人間の自然状態を特に前半において、動物や未文明化社会などと比較して熱く(ちょっとクドイ?)語っているのですが。ヴォルテールからの手紙で冷静に指摘されている様に、論考としての無根拠さはさておき。時代を超えて伝わってくる熱量には読み物として圧倒されるものがありました。
不平等や貧富の発生について。昔の人間はどう考えていたかを改めて知りたい人、また社会契約論に繋がる前提的一冊としてオススメ。
個人的には『一般意志』といった言葉や、出版禁止などの弾圧を受けた事で知られる『社会契約論』を手にする前段階として本書を手にとりました。
さて、そんな本書は懸賞論文への解答として書かれたもので。動物的な段階からではなく、あくまで【当時の人間像にもとづき自由に仮説を展開し】不平等の進歩を'法律と所有権の設立が第1期、為政者の職の設定が第2期で、最後の第3期は合法的な権力から専制的権利への変化を見いだすであろう"と。いわゆる誰もが平等であった自然状態を好意的に描くも、そこから文明化していく過程で【不平等が合法化、強者と弱者の関係が固定化】されていき【専制政治により不平等は遂に頂点に達した】と考察しているわけですが。まず当時の絶対王政期をフランス王国に仕える一人の立場として、著者がこの本を執筆したことにはやはり驚かされる。
また、人間の自然状態を特に前半において、動物や未文明化社会などと比較して熱く(ちょっとクドイ?)語っているのですが。ヴォルテールからの手紙で冷静に指摘されている様に、論考としての無根拠さはさておき。時代を超えて伝わってくる熱量には読み物として圧倒されるものがありました。
不平等や貧富の発生について。昔の人間はどう考えていたかを改めて知りたい人、また社会契約論に繋がる前提的一冊としてオススメ。
2020年1月30日に日本でレビュー済み
1753年、ルソー42歳の作。
時代背景には、フランスの絶対王権と地主貴族の盤踞。
他方、カトリック司教を追い出してカルヴァン主義で自治独立を貫くジュネーブ都市国家。
両方を身をもって体験したルソー。
しかも、大航海時代の目新しい世界の知見、自然人の観察など。
そういう知見を広範に取り入れて不平等の起源を従来の学者ができなかった分析を成し遂げた。
ルソーは、正規の学校教育を受けず、広範な古典をものにしながら、一方で高い倫理観を持ちつつ自己教育を成し遂げた人で、『エミール』などの教育論を通じて人間の認識や精神の成長を深く考えるとともに、個人の成長と不可分な現象として社会の成り立ちを考えていったと思われる。
訳者中山元の解説がすばらしく、これらの時代背景やルソーの人格形成、ジュネーブの政治状況と、当時の啓蒙思想・社会思想の関係などを懇切に教えてくれている。
本文だけでは分からない事柄が多く、大変勉強になった。
時代背景には、フランスの絶対王権と地主貴族の盤踞。
他方、カトリック司教を追い出してカルヴァン主義で自治独立を貫くジュネーブ都市国家。
両方を身をもって体験したルソー。
しかも、大航海時代の目新しい世界の知見、自然人の観察など。
そういう知見を広範に取り入れて不平等の起源を従来の学者ができなかった分析を成し遂げた。
ルソーは、正規の学校教育を受けず、広範な古典をものにしながら、一方で高い倫理観を持ちつつ自己教育を成し遂げた人で、『エミール』などの教育論を通じて人間の認識や精神の成長を深く考えるとともに、個人の成長と不可分な現象として社会の成り立ちを考えていったと思われる。
訳者中山元の解説がすばらしく、これらの時代背景やルソーの人格形成、ジュネーブの政治状況と、当時の啓蒙思想・社会思想の関係などを懇切に教えてくれている。
本文だけでは分からない事柄が多く、大変勉強になった。
2008年8月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『人間不平等起源論』は中篇だが、数あるルソーの著作の中でも、彼の思想の全体像が見事に表現された傑作である。『エミール』や『新エロイーズ』もとても面白いが、なにしろ長い。『不平等起源論』には、「野生人」「言語の起源」「憐れみの情」「社会や道徳の起源」「所有と階級の発生」「文明人の悲惨」など、ルソーの思想の核がバランスよく語られている。75年にわたって読み継がれてきた本田・平岡訳(岩波文庫)も読みやすい名訳だったが、今回、中山元氏による詳細な解説が付された新訳が現れた。原著には実質的な目次がないので、訳者の小見出しはとても有用。旧訳と比べてみよう。「実際、これら一切の相違の真の原因は、次のようなものである。つまり、未開人は自分自身の中で生きている。社会に生きている人は、常に自分の外にあり、他人の意見の中でしか生きられない。そしていわばただ他人の判断だけから、彼は自分の存在の感情を引き出しているのである」(岩波文庫、p129)。「野生人と文明人の違いを作り出している根本的な原因は、まさにここにある。野生人はみずからのうちで生きている。社会で生きる人間は、つねにみずからの外で生きており、他人の評価によってしか生きることができない。自分が生きているという感情を味わうことができるのは、いわば他人の判断のうちだけなのである」(中山訳、p188)。
2018年2月9日に日本でレビュー済み
ルソーの思想については他レビューでいろいろ書かれているので、訳者の中本元による詳細な解説について。
これは解説というよりは文の要約・あるいはレジュメのようなもので、ルソーの本文を豊富に引用しながら、現代風に分かりやすく再構成したものである。もともとのルソーの原文も決して難解な文章ではなく基本的には平易なのだが、古典らしく上品で文学的な言い回しもあるため、現代からみると多少論理展開が迂遠なところがある。解説の引用からはルソーの本文へとリンクされているため、適宜自分の解釈が正しいかを確認しながら読み進むことができ、理解に役立った。また当時のジュネーブの社会状況や、歴史的な文脈なども知ることができてよかった。
光文社古典新約らしく、誰にでもおすすめできる名著。
これは解説というよりは文の要約・あるいはレジュメのようなもので、ルソーの本文を豊富に引用しながら、現代風に分かりやすく再構成したものである。もともとのルソーの原文も決して難解な文章ではなく基本的には平易なのだが、古典らしく上品で文学的な言い回しもあるため、現代からみると多少論理展開が迂遠なところがある。解説の引用からはルソーの本文へとリンクされているため、適宜自分の解釈が正しいかを確認しながら読み進むことができ、理解に役立った。また当時のジュネーブの社会状況や、歴史的な文脈なども知ることができてよかった。
光文社古典新約らしく、誰にでもおすすめできる名著。
2012年9月23日に日本でレビュー済み
人間社会の息苦しさの原因が書いてある。わかりやすく、訳も読みやすい。
個人的に現代社会を考えるうえでとても気になっていたのが、エリート主義とホモエコノミクスだったのだが、
18世紀に書かれた本書を読むことで、このふたつの輪郭をつかめたと思う。
まず、社会で感じられる息苦しさについてだが、これは自然の中で生きている人間=「野生人」がもっているふたつの美徳が「文明人」になることで失われることに原因があるらしい。
そもそも「野生人」がもつ美徳というのは
1.自己愛(自己保存のための愛)
2.憐憫(自分以外の生物の苦しみを嫌悪する美徳)
のふたつで、これらの欲求にしたがって生きている限り、過去や未来に執着せず、自分自身のために、無垢に生きることができる。
その「野生人」が、しかるべき段階をへて、所有によって利己の欲望につき動かされるようになると、自分自身ではなく他者との関係性の中に価値を置くようになる。いつも他者と比較し、自尊心を満たすために、羨望、恥辱、軽蔑、虚栄という感情が人間を苦しめ続ける。これは社会を持たない「野生人」にとってはありえないことだ。
われわれ「文明人」に、特にエリートに当てはまることだと思うが、本書にグロテスクな描写がある。
「彼らは死ぬまで働く。[...]自分の憎んでいる権力者と、自分の軽蔑している金持ちに媚びへつらい、こうした人々に仕える栄誉を手にするためなら、どんなことも厭わない。自分の卑しさと、こうした人々からうける庇護を誇らしげに示し、自分の奴隷状態を自慢して、こうした奴隷状態に加わろうとしない人々を軽蔑する。」(p.188)
そしてまた、理性と省察による哲学により、人間は孤立する。窓の外で苦しむ人間を自分の世界から切り離すことができる。狡猾なわれわれは、金にならない憐憫は不要なのだ。たとえば暴動を目の当たりにしたとき、進んで止めに入るのは「町のならずものや下町の女たち」というような記述があるし、そうなると、いかにもホモエコノミクス的な貧困ビジネスなんてのも、自分の怜悧さをひけらかすひとつのポーズなんじゃないかと思ったりもする。
エリート主義やホモエコノミクスというのは、利己愛の姿に違いない。
それらが美徳でさえある資本主義社会で、この本には現代人のカタルシスを考えるヒントがつまっている。とてもおもしろい。
個人的に現代社会を考えるうえでとても気になっていたのが、エリート主義とホモエコノミクスだったのだが、
18世紀に書かれた本書を読むことで、このふたつの輪郭をつかめたと思う。
まず、社会で感じられる息苦しさについてだが、これは自然の中で生きている人間=「野生人」がもっているふたつの美徳が「文明人」になることで失われることに原因があるらしい。
そもそも「野生人」がもつ美徳というのは
1.自己愛(自己保存のための愛)
2.憐憫(自分以外の生物の苦しみを嫌悪する美徳)
のふたつで、これらの欲求にしたがって生きている限り、過去や未来に執着せず、自分自身のために、無垢に生きることができる。
その「野生人」が、しかるべき段階をへて、所有によって利己の欲望につき動かされるようになると、自分自身ではなく他者との関係性の中に価値を置くようになる。いつも他者と比較し、自尊心を満たすために、羨望、恥辱、軽蔑、虚栄という感情が人間を苦しめ続ける。これは社会を持たない「野生人」にとってはありえないことだ。
われわれ「文明人」に、特にエリートに当てはまることだと思うが、本書にグロテスクな描写がある。
「彼らは死ぬまで働く。[...]自分の憎んでいる権力者と、自分の軽蔑している金持ちに媚びへつらい、こうした人々に仕える栄誉を手にするためなら、どんなことも厭わない。自分の卑しさと、こうした人々からうける庇護を誇らしげに示し、自分の奴隷状態を自慢して、こうした奴隷状態に加わろうとしない人々を軽蔑する。」(p.188)
そしてまた、理性と省察による哲学により、人間は孤立する。窓の外で苦しむ人間を自分の世界から切り離すことができる。狡猾なわれわれは、金にならない憐憫は不要なのだ。たとえば暴動を目の当たりにしたとき、進んで止めに入るのは「町のならずものや下町の女たち」というような記述があるし、そうなると、いかにもホモエコノミクス的な貧困ビジネスなんてのも、自分の怜悧さをひけらかすひとつのポーズなんじゃないかと思ったりもする。
エリート主義やホモエコノミクスというのは、利己愛の姿に違いない。
それらが美徳でさえある資本主義社会で、この本には現代人のカタルシスを考えるヒントがつまっている。とてもおもしろい。
2023年8月27日に日本でレビュー済み
人間の不平等の起源について考察された一冊
とは言え、古典ならではの的外れな理論が展開されている部分が多くある
自然状態や自然人といった概念と当時を比較して問題点を炙り出していくが、当時は今ほど世界や人についての情報がなかったため、野生人という意味不明な存在が登場したり、私達には常識的なことしか書かれていなかったりする
しかし農耕や所有の概念が生まれたことで富の蓄積が可能になり、それが原因で格差が拡大し始めたという主張をこの時代にしたことは驚くべきことではある
ルソーの解説書や他著書など、彼の思想についてある程度の知識があればより深く理解が及ぶかもしれない
とは言え、古典ならではの的外れな理論が展開されている部分が多くある
自然状態や自然人といった概念と当時を比較して問題点を炙り出していくが、当時は今ほど世界や人についての情報がなかったため、野生人という意味不明な存在が登場したり、私達には常識的なことしか書かれていなかったりする
しかし農耕や所有の概念が生まれたことで富の蓄積が可能になり、それが原因で格差が拡大し始めたという主張をこの時代にしたことは驚くべきことではある
ルソーの解説書や他著書など、彼の思想についてある程度の知識があればより深く理解が及ぶかもしれない