蜂飼氏の現代語訳が柔らかく、「古典を読む」と構えないで物語の世界にのめり込めます。『花を手折る人 (花桜折る中将)』には『「花を手折る人」を読むために』というように、各話ごとに蜂飼氏の解説が付いているのも十分に味わうために大変ありがたいです。
恋愛を中心にしながらそれだけでなく、一歩進めず悩み、進んでも心が晴れない、生きていくことの辛さや寂しさ、滑稽さを描いた話が並んでいます。
特に好きなのは、自らに正直率直で、生き生きとして、合理的な考えを持ち、ある意味現代的な、でもとてもかわいらしいお姫様の「あたしは虫が好き(虫めづる姫君)」。取り巻く考え方が様々な侍女たちも面白いし、姫をのぞき見する右馬佐も爽やか。父母の様子は今でもあるある。
一線を越えられない「越えられない坂 (逢坂越えぬ権中納言)」も味わい深い。
子どもたちが活発で可愛らしく、見守る大人も頼もしい「貝あわせ (貝あはせ)」は明るいお話です。
全11話の後、最後に置かれた蜂飼氏による「解説」は現代に生きる私たちにとっての「堤中納言物語」の意味を語っていて、深く同意させられました。遠い昔の物語を今も読めるのはなんと不思議なことでしょう。蜂飼氏のアンテナの敏感さが読者の理解を助けてくれていることに感謝。
「源氏物語」のような平安時代の宮廷中心の雅より、中世以降の人々の喜怒哀楽に心を動かされる私は、千年前の虫めづる姫君に恋をしてしまいました。彼女に近づくために、今度は原文も入った対訳本を読んでみましょう。
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虫めづる姫君 堤中納言物語 (古典新訳文庫) 文庫 – 2015/9/9
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- 本の長さ265ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2015/9/9
- 寸法10.5 x 1 x 15.2 cm
- ISBN-104334753183
- ISBN-13978-4334753184
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登録情報
- 出版社 : 光文社 (2015/9/9)
- 発売日 : 2015/9/9
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 265ページ
- ISBN-10 : 4334753183
- ISBN-13 : 978-4334753184
- 寸法 : 10.5 x 1 x 15.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 149,971位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 354位光文社古典新訳文庫
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2018年7月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2022年10月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
平安〜鎌倉の文化を掴みやすく、またユーモアに満ちていて読みやすい。
2015年10月24日に日本でレビュー済み
10の短編と1つの断片からなる物語集で平安時代後期から鎌倉時代に書かれた作品が集められており、作品同士の関連はなく、
アンソロジーとでもいうべき短編集であるが、いずれの短編にも「堤中納言」という人物は登場せず、表題の由来は不明である。
「 堤中納言物語 ビギナーズ・クラシックス 」のレビューを見ると、「虫めづる姫君」以外はだめみたいなことが書かれていたが、
今回、初めて、堤中納言物語を手にとって読んでみた。
意外や意外、現代語訳がいいのだと思うが、どの作品もそれぞれに傑作で、一級品だと感じ、素晴らしい時を過ごさせてもらった。
短編の命が、場面の切り取り方と、登場人物、そしてシチュエーションというのならば、これ以上ない絶妙な配慮で、場面が切り取られ、
美しく切り取られた四季折々の風景とともに、登場人物の揺れ動く心のひだが繊細な筆致で描かれている。
そして、1000年の時のかなたの恋人たちの物語が、現在の我々の生活の中の物語としても何ら違和感のない形で描かれていることに、
感動させられる。
改めて感じるのだが、恋人たちの「待つ時間」は、切なく、そして愛しい。。。
ただ、そんな作品の中で、「虫めづる姫君」だけは、たしかに抜けた作品で、
フェミニズム的な視点で、力強く、世間の慣習にとらわれずに生きようとする女性の姿が描かれており、
忘れがたい印象を残すとともに、彼女が世間体に打ち負かされずに、力強く生き抜いたと信じたい気持ちにさせられる。
「虫めづる姫君」から着想を得る形で、『風の谷のナウシカ』のヒロイン・ナウシカが生まれたことはよく知られているが、
今回の読書で、高畑勲の『 かぐや姫の物語 』が本作品からも着想を得ていることがわかった。
言葉を現代風に改めるだけで、日本の古典が、こんなに力強く、切なく、美しいということを感じさせてくれる素晴らしい本だと思います。
蜂飼耳さん、今回の現代語訳、本当によかったです。
是非、他の古典作品にもトライしてください。楽しみにしています。
アンソロジーとでもいうべき短編集であるが、いずれの短編にも「堤中納言」という人物は登場せず、表題の由来は不明である。
「 堤中納言物語 ビギナーズ・クラシックス 」のレビューを見ると、「虫めづる姫君」以外はだめみたいなことが書かれていたが、
今回、初めて、堤中納言物語を手にとって読んでみた。
意外や意外、現代語訳がいいのだと思うが、どの作品もそれぞれに傑作で、一級品だと感じ、素晴らしい時を過ごさせてもらった。
短編の命が、場面の切り取り方と、登場人物、そしてシチュエーションというのならば、これ以上ない絶妙な配慮で、場面が切り取られ、
美しく切り取られた四季折々の風景とともに、登場人物の揺れ動く心のひだが繊細な筆致で描かれている。
そして、1000年の時のかなたの恋人たちの物語が、現在の我々の生活の中の物語としても何ら違和感のない形で描かれていることに、
感動させられる。
改めて感じるのだが、恋人たちの「待つ時間」は、切なく、そして愛しい。。。
ただ、そんな作品の中で、「虫めづる姫君」だけは、たしかに抜けた作品で、
フェミニズム的な視点で、力強く、世間の慣習にとらわれずに生きようとする女性の姿が描かれており、
忘れがたい印象を残すとともに、彼女が世間体に打ち負かされずに、力強く生き抜いたと信じたい気持ちにさせられる。
「虫めづる姫君」から着想を得る形で、『風の谷のナウシカ』のヒロイン・ナウシカが生まれたことはよく知られているが、
今回の読書で、高畑勲の『 かぐや姫の物語 』が本作品からも着想を得ていることがわかった。
言葉を現代風に改めるだけで、日本の古典が、こんなに力強く、切なく、美しいということを感じさせてくれる素晴らしい本だと思います。
蜂飼耳さん、今回の現代語訳、本当によかったです。
是非、他の古典作品にもトライしてください。楽しみにしています。
2018年7月22日に日本でレビュー済み
冒頭から嫌な予感はしていましたが、見事に的中です。
物語の内容どうこうではなく、登場人物のセリフや各場面の表現が、軽すぎるというか…当時特有の情緒を全く感じることができず、1/3くらいまでは頑張りましたが、それ以上は読み進める気にもなれませんでした。
時代背景について詳しくなく、純粋に物語としてだけ楽しみたいという人向けなのかもしれません。
物語の内容どうこうではなく、登場人物のセリフや各場面の表現が、軽すぎるというか…当時特有の情緒を全く感じることができず、1/3くらいまでは頑張りましたが、それ以上は読み進める気にもなれませんでした。
時代背景について詳しくなく、純粋に物語としてだけ楽しみたいという人向けなのかもしれません。
2021年6月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
古典の訳でもオリジナルでもない感じがした、中途半端なオリジナルにも思える 厳しい言い方だと面白くない海外作品を無理に意欲的に訳したような 本来の作品の風味は無い気がする、教科書に載っていた懐かしの古典をもう一回読みたいならばお勧め 古典作品の本来の魅力は褪せていた、どうせならもっと意訳しても良い気がした
2016年8月24日に日本でレビュー済み
現代語訳で読むと無類の面白さで、千年ほども前の物語とは思えない。
細やかな感情描写、和歌の意味も内容とスムーズにつながり理解しやすかった。
テーマもずっこけるようなオチのあるもの(「花手折る人」)から、
「人はすべて、つくろう所あるはわろし」「よろづの事どもを尋ねて末を見ればこそ、事はゆへあれ」
という超然とした(それでいて愛らしい)虫好きの姫君の話(「あたしは虫が好き」)といった、思わず笑ってしまう物語もあれば、
無責任な男に振り回される女の話(「思いがけない一夜」「黒い眉墨」)、
恋に悩む男の話(「越えられない坂」)、子どもが出てくる可愛らしく温かみのある話(「貝あわせ」)や、
ある女への忠告を書簡として書いたもの(「とるにたらぬ物語」)等、バラエティーに富んでいる。
古文はどうしても一文が長いのだが、それを短く区切るという選択をしたのは奏効していると思う。
冗長さがなくなりリズムが生まれ、物語が生き生きと伝わってきた。
これを読んで興味が湧いたら原典に当たればよいのではないだろうか。
細やかな感情描写、和歌の意味も内容とスムーズにつながり理解しやすかった。
テーマもずっこけるようなオチのあるもの(「花手折る人」)から、
「人はすべて、つくろう所あるはわろし」「よろづの事どもを尋ねて末を見ればこそ、事はゆへあれ」
という超然とした(それでいて愛らしい)虫好きの姫君の話(「あたしは虫が好き」)といった、思わず笑ってしまう物語もあれば、
無責任な男に振り回される女の話(「思いがけない一夜」「黒い眉墨」)、
恋に悩む男の話(「越えられない坂」)、子どもが出てくる可愛らしく温かみのある話(「貝あわせ」)や、
ある女への忠告を書簡として書いたもの(「とるにたらぬ物語」)等、バラエティーに富んでいる。
古文はどうしても一文が長いのだが、それを短く区切るという選択をしたのは奏効していると思う。
冗長さがなくなりリズムが生まれ、物語が生き生きと伝わってきた。
これを読んで興味が湧いたら原典に当たればよいのではないだろうか。
2016年8月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
前から読みたかったのがKindleで半額だったので購入。
「堤中納言物語」は、最初は坂田靖子の漫画で読んで、あの絵柄でほのぼのとして
面白かったので元本を読みたかったが、光文社古典新訳文庫は高かったので躊躇していた。
夢枕獏「陰陽師 龍笛ノ巻」の「むしめづる姫」が良かったし、その後も時々出て来るので
元ネタを現代語訳で読めるのは楽で良いと思うが、翻訳者の色が付くのは仕方がないか。
「堤中納言物語」は、最初は坂田靖子の漫画で読んで、あの絵柄でほのぼのとして
面白かったので元本を読みたかったが、光文社古典新訳文庫は高かったので躊躇していた。
夢枕獏「陰陽師 龍笛ノ巻」の「むしめづる姫」が良かったし、その後も時々出て来るので
元ネタを現代語訳で読めるのは楽で良いと思うが、翻訳者の色が付くのは仕方がないか。
2015年9月19日に日本でレビュー済み
「堤中納言物語」と言う名前は知っていても、読んだことはありませんでした。
その一方で、「虫めづる姫君」は知っていたのですが、「堤中納言物語」の中の一編であるとは、思いもしませんでした。
作者不詳と言うことで、いつ誰がどんな状況で書いたものか分からない作品ばかりですが、読んでみると、一編一編が素晴らしい短編であり、現代の私たちにも通じるものがあると感じました。
もちろん、時代背景は違い、風俗も違います。
でも、同じ人間であるということをつくづく感じさせてくれる物語ばかりでした。
10作の短編と1作の断章からなっているのですが、そこに登場する男女は現代のどこにでもいる様な考え方をし行動をします。
現代の作品に優るとも劣らない、素晴らしい作品群だと思います。
その一方で、「虫めづる姫君」は知っていたのですが、「堤中納言物語」の中の一編であるとは、思いもしませんでした。
作者不詳と言うことで、いつ誰がどんな状況で書いたものか分からない作品ばかりですが、読んでみると、一編一編が素晴らしい短編であり、現代の私たちにも通じるものがあると感じました。
もちろん、時代背景は違い、風俗も違います。
でも、同じ人間であるということをつくづく感じさせてくれる物語ばかりでした。
10作の短編と1作の断章からなっているのですが、そこに登場する男女は現代のどこにでもいる様な考え方をし行動をします。
現代の作品に優るとも劣らない、素晴らしい作品群だと思います。