状態を表す「良品」以上に、保存状態が綺麗に維持されていた。
各ページに書き込み、汚損等が無く、発行年が1983年(初版)とかなり古いものであるにもかかわらず、カビ臭さも感じなかった。
出版社が挟み込んだ出版案内等のパンフレットが、出版当時そのまま挟み込まれており、貴重な資料となった。
包装も、本体を透明フィルムで密封し、更に紙で丁寧に包むように包装された状態で、パッケージに入っていた。
自分の趣味で読みたいと考え購入した。爾後大切に所蔵する所存である。 これを要するに、非常に満足している。
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海洋奇譚集 (知恵の森文庫) 文庫 – 2004/9/8
ロベール・ド・ラ・クロワ
(著),
竹内 廸也
(翻訳)
乗組員が跡形もなく消えてしまった幽霊船。死者たちが生き返るとき。船体を波にのまれた船のマストの上で一カ月も生き続けた遭難者たち……。元船乗りという経歴を生かした迫真の描写。フランスを代表するノンフィクション作家が描く、海難事件の証言を元に再構成した、海が舞台の異常な事件の数々。解説・足立倫行
- 本の長さ289ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2004/9/8
- ISBN-104334783104
- ISBN-13978-4334783105
登録情報
- 出版社 : 光文社 (2004/9/8)
- 発売日 : 2004/9/8
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 289ページ
- ISBN-10 : 4334783104
- ISBN-13 : 978-4334783105
- Amazon 売れ筋ランキング: - 901,819位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 502位知恵の森文庫
- - 1,371位フランス文学 (本)
- - 1,423位フランス文学研究
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年8月5日に日本でレビュー済み
※本書は、1983年11月に白水社から出たものを、2004年に文庫版として再販したものです。
「海洋でのできごとの話には度はずれのものが多い。いや、度はずれどころではない。信用できる
限度を越え、想像上の限界さえ越えてしまう。いわば、異常な舞台の上のできごとなのである。」
・・・という本書のまえがき通り、この本に収録されている13個の物語は、史実でありながら、ほとんど
ホラー小説かと見紛うほどの怖い事件ばかりです。何度も言いますが、これ、史実なんです。 ((((;゚Д゚))))
本書は、この13個の海難事件の証言、証拠、捜査を集約して、一つ一つの物語として再構成したものです。
各エピソードに登場する船の航路、遭難した海域などを記した地図(海図)が一切ないので、地理的状況が
かなりわかりにくいエピソードがあります。本来なら、間違いなく☆の減点対象ですが、そんなものは消し飛んで
しまうほどに面白かったです。そして怖かったです。
以下に目次を列記しつつ、各エピソードのあらすじと感想を少し。購入の参考になれば。
1 漂流船の出会い
1884年10月3日、大西洋上、アゾレス諸島の北方800キロの海域で出会った二隻の船のお話。一隻はボロボロの
漂流船で、乗組員たちは息も絶え絶え。もう一隻は、三本マストの普通の船。漂流船の乗組員たちは、目の前にいる
三本マストの船がボートを降ろして救助に来てくれると思っていたが、三本マスト船の甲板には、だれひとりとして姿を
見せなかった・・・。
2 ピカルディ号の神秘的な救助
1940年2月1日、メキシコ湾に向かって出航したタンカー、ピカルディ号は、謎の衝撃によって船体が真っ二つに裂けて
漂流してしまう。その後、生き残ったピカルディ号の乗組員たちは救助されたが、救助隊が助けに来たのは、誰も発信して
いないS・О・Sを受信したからだった・・・。
3 エイジアンティック・プリンス号はどうなったか
1928年3月20~30日にかけて、太平洋を航行中のブリティッシュ・フザール号が、S・О・Sを発信して行方不明に。
ハワイのアメリカ海軍まで動員して捜索するも、船は見つからなかった。ところがその後、ブリティッシュ・フザール号は
ペルシア湾に接岸していることが判明する。謎のS・О・Sの正体は一体・・・。
4 病気が舵をとった時
病気が船内に蔓延して、阿鼻叫喚の地獄が現出したお話の数々。締めのアウラング・メダン号の事件は、ほとんどホラー。
1949年2月14日、オランダ船アウラング・メダン号のS・О・Sを受信した救助団が見たのは、穏やかな死に顔の乗組員だけを
乗せたアウラング・メダン号だった。船内を調査する救助団。やがて船内で起こる謎の火災。果たしてこの事件の真相は?
5 沖合のロビンソン
1879年10月29日、ニカラグアのサン・ファン・デル・ノルテの北東965キロの海上で、アメリカの帆船セントール号は、
漂流している大型のボートに遭遇する。ボートの中には水夫の死体があり、セントール号の船長は死体を水葬にするための
準備を命じる。ところが、直前になって死体が死体ではなく、生きていることが判明する。彼は一体何者で、なぜこのような
目に遭ったのか・・・?
6 プレティエ、野蛮な生存者
1875年4月12日、ジョン・ベル号の船長ウィルソンは、オーストラリア北東部の海岸で出会った原住民の中に、明らかに
白人とわかる人間が混じっていることに気付く。記憶も言葉も忘れてしまったこの男を、船長は救い出してシドニーへと向かう。
そして、謎の男の記憶の旅は17年前へ・・・。
7 氷塊の救助
1826年5月29日、ニューファウンドランド島の漁場へ向かっていたナタリー号は、ベルアイル海峡の入口で沈没してしまう。
副船長のジャン・ウィストとその一行は、命からがら直径5~6メートルの氷塊の上にたどり着く。行くあての見当もつかぬ彼らを
乗せて、氷塊はどこへ・・・。
8 海上の遭難者たち
1796年6月22日、ラングーン~マドラス間で半ば沈没し、漂流することになったジュノン号の乗組員を襲う生き地獄。
発狂する船長。やがて議題に上がる「食人」。副船長のジャン・マッケは、彼らを救うことができるのか・・・?
9 小型帆船(スクーナー)の最後の夜
1905年5月5日にバージニア州のニューポート・ニューズを出港したワシントン・B・トマス号は、メイン州の大きな港、
ポートランドに向かう途中、突然の嵐に遭遇し、ストラット島の沖合で岩礁と岩礁の間にはまりこんで、海上に浮かんだ
状態で遭難してしまう。もはや自分たちには何もできず、目の前の港町から救助隊が来るのを待つしかない。果たして、
町の人々は彼らを助けることができるのか・・・?
10 タイガー号の生存者たちは生き残れるだろうか?
1766年2月、サント・ドミンゴからルイジアナに向けて航行していた小型帆船タイガー号は、嵐に遭って難破してしまう。
無能な船長に代わって指揮を執ることになった、16人の乗客の一人であり、別の船の船長だったピエール・ヴィオは、
船を棄て、目の前の島に行くことを提案する。たどり着いた島で安堵する一行に次々と現れる困難。一行を騙そうとする
現地人、二度と再会することのなかった船長以下、全乗客との別れを経て、ヴィオは船長の妻と子供、それに黒人の
従者の4人だけで、大陸を目指して島々を放浪する・・・。
11 エラン・モーの知られざるドラマ
1900年12月15日の夜、ヘブリディーズ諸島の沖を航行中だったアーチャー号は、「エラン・モーの灯台」と呼ばれる
灯台に、火が灯っていないことに気付く。やがて次々と同じ電報が管理事務所に入ってくるに及んで、救助隊は灯台守たちの
安否を確かめるためにエラン・モーへと向かう。そして彼らが見たもの、それは、誰もいない無人の灯台だった。謎を解く
唯一の鍵は、灯台守の一人が記録していた日誌だけだった・・・。
12 死者が船を追う時
1924年12月4日の夜、太平洋のメキシコ海岸の沖に停泊したタンカー、ウォータータウン号は、事故で死亡した二人の
水夫の水葬を行っていた。翌日、再び予定の航路へと進み始めたウォータータウン号の後を何かが尾けてくる。それも、
二つの何かが・・・。
13 六年前に遭難した船が
1937年1月5日、セイロンの西海岸に近づいた貨物船コスロウ号の周りに立ち籠めた濃霧に対して、航海士のロビンソンは
見張りの数を倍にして警戒していた。だが、コスロウ号の風変わりな船長は、何かに取り憑かれたように「船を止めろ」と
ロビンソンに命じる。それをためらうロビンソンを見た船長は、自ら機関を停止させてしまう。呆然とする一同。だがその直後、
停止したコスロウ号の目の前を、ボロボロの大型貨物船が通過してゆく。それは、6年前の1月5日という同月同日に、セイロンの
西岸の沖で爆沈したはずのトリコロール号だった・・・。
・・・以上です。先述したように、各エピソードに地図(海図)が用意されていないので、地理的にわかりにくい
エピソードもありますが、面白いです。そして怖いです。絶対にオススメ!
このレビューが参考になれば幸いです。 (*^ω^*)
「海洋でのできごとの話には度はずれのものが多い。いや、度はずれどころではない。信用できる
限度を越え、想像上の限界さえ越えてしまう。いわば、異常な舞台の上のできごとなのである。」
・・・という本書のまえがき通り、この本に収録されている13個の物語は、史実でありながら、ほとんど
ホラー小説かと見紛うほどの怖い事件ばかりです。何度も言いますが、これ、史実なんです。 ((((;゚Д゚))))
本書は、この13個の海難事件の証言、証拠、捜査を集約して、一つ一つの物語として再構成したものです。
各エピソードに登場する船の航路、遭難した海域などを記した地図(海図)が一切ないので、地理的状況が
かなりわかりにくいエピソードがあります。本来なら、間違いなく☆の減点対象ですが、そんなものは消し飛んで
しまうほどに面白かったです。そして怖かったです。
以下に目次を列記しつつ、各エピソードのあらすじと感想を少し。購入の参考になれば。
1 漂流船の出会い
1884年10月3日、大西洋上、アゾレス諸島の北方800キロの海域で出会った二隻の船のお話。一隻はボロボロの
漂流船で、乗組員たちは息も絶え絶え。もう一隻は、三本マストの普通の船。漂流船の乗組員たちは、目の前にいる
三本マストの船がボートを降ろして救助に来てくれると思っていたが、三本マスト船の甲板には、だれひとりとして姿を
見せなかった・・・。
2 ピカルディ号の神秘的な救助
1940年2月1日、メキシコ湾に向かって出航したタンカー、ピカルディ号は、謎の衝撃によって船体が真っ二つに裂けて
漂流してしまう。その後、生き残ったピカルディ号の乗組員たちは救助されたが、救助隊が助けに来たのは、誰も発信して
いないS・О・Sを受信したからだった・・・。
3 エイジアンティック・プリンス号はどうなったか
1928年3月20~30日にかけて、太平洋を航行中のブリティッシュ・フザール号が、S・О・Sを発信して行方不明に。
ハワイのアメリカ海軍まで動員して捜索するも、船は見つからなかった。ところがその後、ブリティッシュ・フザール号は
ペルシア湾に接岸していることが判明する。謎のS・О・Sの正体は一体・・・。
4 病気が舵をとった時
病気が船内に蔓延して、阿鼻叫喚の地獄が現出したお話の数々。締めのアウラング・メダン号の事件は、ほとんどホラー。
1949年2月14日、オランダ船アウラング・メダン号のS・О・Sを受信した救助団が見たのは、穏やかな死に顔の乗組員だけを
乗せたアウラング・メダン号だった。船内を調査する救助団。やがて船内で起こる謎の火災。果たしてこの事件の真相は?
5 沖合のロビンソン
1879年10月29日、ニカラグアのサン・ファン・デル・ノルテの北東965キロの海上で、アメリカの帆船セントール号は、
漂流している大型のボートに遭遇する。ボートの中には水夫の死体があり、セントール号の船長は死体を水葬にするための
準備を命じる。ところが、直前になって死体が死体ではなく、生きていることが判明する。彼は一体何者で、なぜこのような
目に遭ったのか・・・?
6 プレティエ、野蛮な生存者
1875年4月12日、ジョン・ベル号の船長ウィルソンは、オーストラリア北東部の海岸で出会った原住民の中に、明らかに
白人とわかる人間が混じっていることに気付く。記憶も言葉も忘れてしまったこの男を、船長は救い出してシドニーへと向かう。
そして、謎の男の記憶の旅は17年前へ・・・。
7 氷塊の救助
1826年5月29日、ニューファウンドランド島の漁場へ向かっていたナタリー号は、ベルアイル海峡の入口で沈没してしまう。
副船長のジャン・ウィストとその一行は、命からがら直径5~6メートルの氷塊の上にたどり着く。行くあての見当もつかぬ彼らを
乗せて、氷塊はどこへ・・・。
8 海上の遭難者たち
1796年6月22日、ラングーン~マドラス間で半ば沈没し、漂流することになったジュノン号の乗組員を襲う生き地獄。
発狂する船長。やがて議題に上がる「食人」。副船長のジャン・マッケは、彼らを救うことができるのか・・・?
9 小型帆船(スクーナー)の最後の夜
1905年5月5日にバージニア州のニューポート・ニューズを出港したワシントン・B・トマス号は、メイン州の大きな港、
ポートランドに向かう途中、突然の嵐に遭遇し、ストラット島の沖合で岩礁と岩礁の間にはまりこんで、海上に浮かんだ
状態で遭難してしまう。もはや自分たちには何もできず、目の前の港町から救助隊が来るのを待つしかない。果たして、
町の人々は彼らを助けることができるのか・・・?
10 タイガー号の生存者たちは生き残れるだろうか?
1766年2月、サント・ドミンゴからルイジアナに向けて航行していた小型帆船タイガー号は、嵐に遭って難破してしまう。
無能な船長に代わって指揮を執ることになった、16人の乗客の一人であり、別の船の船長だったピエール・ヴィオは、
船を棄て、目の前の島に行くことを提案する。たどり着いた島で安堵する一行に次々と現れる困難。一行を騙そうとする
現地人、二度と再会することのなかった船長以下、全乗客との別れを経て、ヴィオは船長の妻と子供、それに黒人の
従者の4人だけで、大陸を目指して島々を放浪する・・・。
11 エラン・モーの知られざるドラマ
1900年12月15日の夜、ヘブリディーズ諸島の沖を航行中だったアーチャー号は、「エラン・モーの灯台」と呼ばれる
灯台に、火が灯っていないことに気付く。やがて次々と同じ電報が管理事務所に入ってくるに及んで、救助隊は灯台守たちの
安否を確かめるためにエラン・モーへと向かう。そして彼らが見たもの、それは、誰もいない無人の灯台だった。謎を解く
唯一の鍵は、灯台守の一人が記録していた日誌だけだった・・・。
12 死者が船を追う時
1924年12月4日の夜、太平洋のメキシコ海岸の沖に停泊したタンカー、ウォータータウン号は、事故で死亡した二人の
水夫の水葬を行っていた。翌日、再び予定の航路へと進み始めたウォータータウン号の後を何かが尾けてくる。それも、
二つの何かが・・・。
13 六年前に遭難した船が
1937年1月5日、セイロンの西海岸に近づいた貨物船コスロウ号の周りに立ち籠めた濃霧に対して、航海士のロビンソンは
見張りの数を倍にして警戒していた。だが、コスロウ号の風変わりな船長は、何かに取り憑かれたように「船を止めろ」と
ロビンソンに命じる。それをためらうロビンソンを見た船長は、自ら機関を停止させてしまう。呆然とする一同。だがその直後、
停止したコスロウ号の目の前を、ボロボロの大型貨物船が通過してゆく。それは、6年前の1月5日という同月同日に、セイロンの
西岸の沖で爆沈したはずのトリコロール号だった・・・。
・・・以上です。先述したように、各エピソードに地図(海図)が用意されていないので、地理的にわかりにくい
エピソードもありますが、面白いです。そして怖いです。絶対にオススメ!
このレビューが参考になれば幸いです。 (*^ω^*)
2015年9月10日に日本でレビュー済み
Robert de la Croixの『13 nouvelles tirees de histoires extraordinaires de la mer』(2004年)の翻訳。
もともと1982年に出たもので、1983年に白水社から訳出されている。それを2004年に知恵の森文庫に収録したものが本書である。ただし、原書から割愛されている章もあるらしい。
著者は海洋や歴史に関するノンフィクション作家。
本書は主として18-20世紀の海洋奇譚をいろいろ紹介したものだが、基本的にはすべて事実として起こったものばかり。怪談や迷信の類は扱われていない。
取り上げられているのは、1884年にアゾレス諸島沖で二隻の漂流船が邂逅した事件、1826年にニューファウンドランド付近で遭難して氷塊の上を彷徨った事件、エラン・モー燈台から職員が消失した事件など13章。
いずれも奇怪で不思議な事件ばかりだ。ただ、全体的に説明不足というか、語り口がもってまわっているというか、かゆいところに手が届かないようなもどかしさを感じた。
もともと1982年に出たもので、1983年に白水社から訳出されている。それを2004年に知恵の森文庫に収録したものが本書である。ただし、原書から割愛されている章もあるらしい。
著者は海洋や歴史に関するノンフィクション作家。
本書は主として18-20世紀の海洋奇譚をいろいろ紹介したものだが、基本的にはすべて事実として起こったものばかり。怪談や迷信の類は扱われていない。
取り上げられているのは、1884年にアゾレス諸島沖で二隻の漂流船が邂逅した事件、1826年にニューファウンドランド付近で遭難して氷塊の上を彷徨った事件、エラン・モー燈台から職員が消失した事件など13章。
いずれも奇怪で不思議な事件ばかりだ。ただ、全体的に説明不足というか、語り口がもってまわっているというか、かゆいところに手が届かないようなもどかしさを感じた。