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あの日、ディスコが教えてくれた多くのこと (知恵の森文庫 c い 4-2) 文庫 – 2004/11/1

4.5 5つ星のうち4.5 8個の評価

「うさんくさくてちゃらんぽらんだからこそ愛しい。その感覚を、記してみたかった」(「はじめに」より)ディスコとはどういう場所だったのか? 若き日の著者がそこで学んだ大切なこととは? また行きたいお店、そして忘れじのディスコ・ナンバーは? 自らの体験を元にディスコの全てを語り尽くした、世界初のディスコ・エッセイ!
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商品の説明

著者からのコメント

うさんくさい。
あやしいし、ギラついてるし、客観的に考えれば内装も趣味悪いし。
でも「危険な香り」が心地いいから、やっぱり嫌いになれなかったりする。
ディスコはそんな空間でした。

「ナメられたくないから、キメてかなくちゃな」
「酒、強くなんなくちゃな」
「ナンパ、成功すっかな」(するわけない)
どうでもいいような思いが、すべて人生勉強になった場所。
時代や行きつけの店はちがっても、そういう思いはみんな同じ。
自分のディスコ体験をつづってみたいと思ったのは、そんな理由があったからです。

つまりここに記した僕の体験談は、
読んでいただいた方すべての体験にもつながるのではないでしょうか。
みんなおとなになって、社会のこともすこしわかって、
責任なんかもついてきて、
そんないまだからこそ、あのころを思い出してもらえればと思います。

いや、でもカタいこといわずに楽しんでもらえれば本望。
シャレで笑い飛ばせる人生ってかっこいいと思うんで。
そうそう、シャレでかためた「ディスコ用語集」や「ディスコ年表」もつけときました。
軽い気持ちで楽しんでいただければと。

印南敦史

抜粋

 高校時代は丘サーファーだったのである。  いや、そんなこと公言したころで、ちっとも自慢になりゃしないのだ。むしろみっともない。地の果てまでもはずかしい。しかし実際まぁ事実なのだから、これはどうにも仕方がないのである。  ボートハウスのトレーナーとか、ラコステやフクゾーのポロシャツとか、ファーラーのホップサックパンツとか、トップサイダーのデッキシューズとかビーサンとか、そういうどうでもいいことばかり考えていた。  フェリス女学院はあまりにも敷居が高すぎたが、それでも女の子にはトレーナーに巻きスカートにボンボンのついたハイソックスにキタムラのバッグにミハマの靴でいてほしかった。  自己確立なんて言葉とはほど遠い10代なんて、誰でも似たようなものかもしれない。しかし元来が飛び抜けて影響されやすい性格でもあるので、考えることややることには信頼性のかけらさえあるはずがなかった。  とかいいながらサーファー・ディスコに乗り遅れたのは、17歳の秋に家が火事で全焼したからだ。いってみりゃディスコどころではなくなったので、ちょうどそのころ盛り上がっていた「キサナドゥ」にも行けずじまいだったのである。なぜって、落ち着いたころには閉店していたのである。  はじめて行ったのは渋谷の「スターウッズ」で、その後ちょくちょく顔を出したが、こだわりがあったわけでは決してない。ぜんぜんない。単にそこしか知らなかっただけ。新宿の「チェスターバリー」などへもたまに行ったが、どこだってよかったのだ。

 高校卒業後には「大学不合格=一浪決定」というステキな現実も待ちかまえていやがったのだが、だからってヘコむのもシャクだったし、それ以前に頭のなかはカラッポだった。  断言できるが、将来のことなんかな~んにも考えてなかった。確実に軽薄化の一途をたどる時代と歩調が合っていたともいえるが、残念ながらそんなにかっこいいものじゃなかった。  その証拠に、すこし前までトラッドだプレッピーだと騒いでたくせに、以後はパンク/ニュー・ウェイヴへと移行したのだ……って、たぶんそれ最悪。自分なさすぎ。  きっかけは、ひょんなことから足を運んだ新宿のニュー・ウェイヴ・ディスコ(っていま考えるとすごいカテゴリーですよね)「ツバキハウス」だった。サーファー・ディスコとはまったく異なる先進的な雰囲気のなか、「影の部分」こそが自身の本質であると激しく勘違いし、今度はロンドンな方向にめちゃめちゃ感化されるのである。  ディップで髪をツンツンに立てて真っ黒なコート着て、バイトして貯めた金で無理して買ったアストア・ロボットのラバーソール履いて……といきなり転身。  ディップよりもミストの方が髪を固くできるとか、やはりメッシュはダサいから避けたいとか、いかに暗そうに見せるかとか(それって以前と正反対……)、そういうどうでもいいことばかり考えていた。  女の子にはスージー&ザ・バンシーズのスージー・スーか戸川純のように暗く、美しくネガティヴにあってほしかった。  チャラチャラしたやつを見ると「自分持てよなー」とか偉そうに思っていたけれども、ミーハー度に関していえば人のことはちっともいえるレベルではなかった。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 光文社 (2004/11/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2004/11/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 340ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4334783244
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4334783242
  • カスタマーレビュー:
    4.5 5つ星のうち4.5 8個の評価

著者について

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印南 敦史
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カスタマーレビュー

星5つ中4.5つ
5つのうち4.5つ
8グローバルレーティング

この商品をレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2004年11月15日に日本でレビュー済み
ブームの波を受けてない世代ですけど、当時は、なんか楽し
そうですなあ。まあ、同時代に楽しめなくても、いま聴けば
いいわけで、音楽って時代を超えるんだ、と思わされます。
時期は少し、場所はだいぶ違うけど、音楽を通した自分語り
(あ、この本は”自分語りを通した音楽語り”か)は、ニッ
ク・ホーンビィに通じる感じもしました。あっちも読んでみ
ようかな。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2004年11月18日に日本でレビュー済み
70年代後半から80年代までリアルタイムで過ごした者として
共感、共鳴する箇所が多数。
こんな本を待ってました。
個人的に回顧するとディスコに行き始めてから全てが始まった気がする。
いろいろ怖い思いやイヤなことも沢山あったけど、音楽がとても好きに
なったのはやはりディスコのおかげだと思う。
そして様々な人との出会いと出来事。毎日が本当に刺激的だった。
と、懐古調になっちゃう自分が悲しい。
でも、嬉しい。
全部この本のせいです。
本書を知人にプレゼントしたところ、今日読後の感想のメールが来た。
とても感謝された。高校受験中の息子にも、試験が終わり次第読ませるそうだ。
また一人、ディスコ(今はクラブか)狂い予備軍誕生!
と、随所で影響させる力を持った本です。
巻末のディスコ年譜だけで価値あります。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2004年11月19日に日本でレビュー済み
著者と同じ時代を歩んで来た読者として、1ページごと読み進むたびに私の思いも沸々と沸いてきた。
著者の選んだ曲に合わせて私の時代背景が思い出され嬉しいやらチョット反省したり懐かしんだり・・・
ディスコから色々と学べなかった当時10代~の私にもあの場所は特別な「大人の空間」であり精一杯背伸びして通った「大人への入り口」だっったような気がする。大切な出来事の背景には思い出の曲が付いてくるもので思わず「この曲の時には・・・」などと思い出して読むのも実に楽しかった♪
『 この項の一枚 』のコメントだけ拾って読むのも分かりやすく私情が入っていて又楽しい♪
最後に『 03懐かしのディスコ用語集 』は笑えるよ!!
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2004年11月10日に日本でレビュー済み
このレビューを書いている拙者は、80年代当時、六本木のロアビル内のディスコで、ボーイズ・タウン・ギャングの「君の瞳に恋してる」が流れるとフロアでドスドス飛び跳ね、家に帰れば中古レコード屋で探してきたフランキー・ヴァリのオリジナルを悦にいって聞いていたようなミーハーですが、この本は、そんなディスコに対する拙者のようなミーハーから通なアナタまでも唸らせるナイス!な一冊です。
なんか読んでるうちに、当時の音(音楽)が鮮明に甦ってくるだけでなく、色や香りまでも甦ってくる感じなんだよ。非常にヨイヨイ!
オヤジ感激!涙ウルウル!「俺たちの旅」は続くよ!
とは言うものの、オヤジだけではなく、ヤングなアナタにも絶対におすすめですので、ご安心を!
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2004年11月24日に日本でレビュー済み
前作がソウルミュージックの王道的なラインナップが多かったのに比べ、今回は「食」に例えるならば「B級グルメ」的な音楽のセレクト!これがまたなつかしくって自分的には大ヒットしました。あいかわらずの自分史暴露系な内容はいまだ健在。どこまで暴露し続けられるかを見守っていきたい(ほんとか?)気がしてます。でも、なんだかんだいったって「B級グルメ」って結局みんな好きなんだよね。うん。まったく関係ないけどこの本読んでて、昔、「トゥーリア」の照明が落ちたときに、その時居合わせた先輩が自慢げにTVのインタビューに応えていたシーンを思い出しました。久しぶりに連絡とってみるかな~。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2004年11月24日に日本でレビュー済み
忘れかけていた、恥ずかしかった思い出がよみがえってくる。筆者の絶妙な
言い回しが心地よく、軽い気分で読む事が出来るが、実は人生の深い部分を
いとも軽くつまみ出している気がする。同じ年に生れた私だから、共感しま
くってしまったが、あらゆる年代の方が読んでも忘れていた素晴らしい事を
心の中から、そーっと引き出してくれると思う。ましてや、ティーンエイジ
ャーにこそ読んでもらいたい、全てが取り揃えられた時代に生きる。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2004年11月19日に日本でレビュー済み
「ジューシー」以来地道な著作活動、はてまたオルガンバーをはじめとする人気カリスマDJである著者の質実剛健な汎DISCO本であります。当時のDISCO少年の時代と心理を見事に捉えているように思えます。時代に流されていたDISCOムーブメントから、一歩退いて、ベーシックなR&B素養が著者にあるからこそ、このような本が書けてしまうのでしょう。新宿にあったGETやジアザーを知っているあなた!ムゲンでコンファンクシャンやSUNのLIVEで踊ったあなた!!渋谷ライブインでチャカカーンやファットバックといっしょに踊ったあなた!!インクスティック竹芝でONEWAYやGAPBANDと盛り上がった貴方!!おすすめです。ついでに日比谷ラジオシティでユーロビートの創生記を知っている淑女にもお勧めです!!!!!
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2004年11月22日に日本でレビュー済み
前作で自身の過去を切り売りし「自分+音楽レビュー本」という新しいジャンルを生み出した筆者が、今回はディスコ体験とそれらにまつわるディスコ曲をオムニバスにレビュー。しかしディスコ体験とはいえ酒と女に彩られた華やかな体験とは程遠く、あえて言うなら青臭く(甘)酸っぱい「グローイングアップ/ラストバージン(1982年/日本ヘラルド配給)」的体験(笑)。そしてその主人公としてことごとくズッコケてしまう筆者に親近感を抱くのは私だけではない筈。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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