時々、浅見光彦シリーズを読みたくなる。
だいたいどこの本屋でもあるので、文庫で何年か前に刊行したものを購入する、というのが自分のパターンだ。最初にこのシリーズを読んだのは90年代の終わりごろなので、かれこれ10年以上付き合いがある。
全作品を読む、というほどの熱心な読者ではなく、1,2年に1回くらいのペースで、浅見光彦の活躍を見たくなる、という感じだ。知って間もないころはハイペースで読んだので、合計3,40冊くらいは読んでいると思う。
それで、いつもの内田先生の文章で、安心して読み進めることができた。ちょっと「新本格」とか、ゲーム的なミステリーやシリアルキラーが出るようなものばかり読んでたせいで、「しまなみ海道」の開通で実家の和菓子屋が苦境になり自殺、とされるが、それは謎がある、といった、いくらか社会派の趣のあるストーリーがかえって新鮮だった。
内田作品には、あまり病んだ人間は登場しない。昨今の凶悪犯罪が、一般人の感覚から乖離したものとなり、それをテーマにした例えば舞城王太郎のような作家が出て、そのフォロワーとでも言うか影響下の作家が出て、というミステリー界の流れとは無関係に、内田作品には人間の営みが描かれ、愚かな行為としての犯罪があり、不運から行われる犯罪の協力者がいて、と、そこには昭和一ケタ世代の内田氏の人間観が反映されている。
途中まで楽しく読めたが、やっぱり3/4くらい行ったとこで展開が読めてしまったので、マイナス1です。ヒロイン像も、ちょっと古風な女性って感じですね。
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しまなみ幻想 単行本 – 2002/11/19
内田 康夫
(著)
〈母は殺された?…〉来島海峡大橋から飛び降りた母の死に疑問を持った少女。偶然、彼女と知り合った浅見は、その死の真相を調べるため、しまなみ海道へ。はたして浅見は、少女の希望の光となれるのか?
- 本の長さ303ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2002/11/19
- ISBN-104334923747
- ISBN-13978-4334923747
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
来島海峡大橋から飛び降りた母の死に疑問を持った少女。偶然、彼女と知り合った浅見は、その死の真相を調べるため、しまなみ海道へ。美しき海と島々がおりなす海道で浅見が見たものは!? 書き下ろし旅情ミステリー。
登録情報
- 出版社 : 光文社 (2002/11/19)
- 発売日 : 2002/11/19
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 303ページ
- ISBN-10 : 4334923747
- ISBN-13 : 978-4334923747
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,263,938位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 319,276位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1934年、東京都北区生まれ。コピーライターなどを経て、1980年、自費出版で『死者の木霊』を発表。この作品が、「朝日新聞」の読書欄に取り上げら れ、自費出版としては異例の注目を浴び、鮮烈なデビューを飾る。その後、『後鳥羽伝説殺人事件』で、後に国民的名探偵となる浅見光彦をうみだし、押しも押 されもせぬ人気推理作家となる。浅見光彦シリーズは『棄霊島』で光彦100事件目を迎えた。また、同シリーズはドラマ化もされお茶の間でも人気の存在に(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 靖国への帰還 (ISBN-13: 978-4061827288 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年8月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
しまなみ海道を訪れる前に買いました。
内田康夫さんの作品は小説としても面白く、現地を訪れて下調べをしてから書いていらっしゃるので旅行前に読む小説としてとても良いと思います。
内田康夫さんの作品は小説としても面白く、現地を訪れて下調べをしてから書いていらっしゃるので旅行前に読む小説としてとても良いと思います。
2006年12月4日に日本でレビュー済み
内田先生の作品には社会派と呼ばれるものもあるけれど、こちらは旅情ミステリーとでもいうのでしょうか。しまなみ海道の旅情あふれる瀬戸内の旅を楽しむことができる作品となっています。
事件そのものは、以前に書かれた作品にも似たようなものがあるかな?って印象ですが、警察が「自殺」あるいは「事故」と判断したことで見過ごされてしまう「殺人」もあることをしみじみ感じました。現実にもそういう事件がありましたものね。
すでにドラマ化されているので、本を読むのが後になったのですが、ドラマよりは本のほうが内容が濃かったですよ。
事件そのものは、以前に書かれた作品にも似たようなものがあるかな?って印象ですが、警察が「自殺」あるいは「事故」と判断したことで見過ごされてしまう「殺人」もあることをしみじみ感じました。現実にもそういう事件がありましたものね。
すでにドラマ化されているので、本を読むのが後になったのですが、ドラマよりは本のほうが内容が濃かったですよ。
2003年3月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ここのところ取り上げられる素材、作風が同様のものが多い中でこの作品は瀬戸内海を渡るさわやかな風のように気持ちのいい作品でした。お考えどおり浅見光彦の出てくる作品でございますが藤田編集長は今回はお休みです。一度お読みください。ハードカバーの表紙のように心地よさを感じますから。
2006年12月30日に日本でレビュー済み
本作の舞台は中国と四国を結ぶしまなみ街道なのだが、本作を読むまでそんな街道は知らなかった。というか別に知ってもどうということはないのだが、大三島の大山祇神社の知ったのは大きな収穫だった。この神社には日本中の国宝・重文級の甲冑・刀の七割以上が奉納されているという。行く機会はまずないだろうと思うが、歴史マニアとしてこれを知らなかったのは正直迂闊だったな、なんて思ったりもした。
肝心の内容については愛媛県今治市に住む大企業の社長令嬢がヒロインとしていい味だしており、浅見シリーズの中では久々に読後感さわやかな作品だった。
それと本作では「なんでも鑑定団」をモチーフにした番組も登場し(それが事件の発生に間接的に絡んでいる)その楽屋話も(創作だろうとは思うが・・・)面白い。
肝心の内容については愛媛県今治市に住む大企業の社長令嬢がヒロインとしていい味だしており、浅見シリーズの中では久々に読後感さわやかな作品だった。
それと本作では「なんでも鑑定団」をモチーフにした番組も登場し(それが事件の発生に間接的に絡んでいる)その楽屋話も(創作だろうとは思うが・・・)面白い。
2007年3月20日に日本でレビュー済み
エピロークでは流石に感涙でした・・・・・・・・・・・・・・。
瀬戸内村上水軍の末裔・15歳の中学生が浅見ちゃんの助けで見事に母親の敵討ちを・・お奉行様からお褒めの言葉がありました。
浅見は平塚亭で、愛媛県今治からピアノのレッスンに通う少女・咲枝と出会う。
彼女の母親は、しまなみ海道の来島海峡大橋から飛び降り自殺したとされていた。
母親の死に疑問を抱く咲枝を見て、浅見は、その事件を調べると約束する。
しまなみ海道の開通記念にと愛媛県知事から作品の製作を依頼されたといういわくつきの作品だそうです。
テレビでお馴染みになったお宝鑑定団の放映が殺人事件の発端になったという設定の瀬戸内旅情ゆたかな作品です。
しまなみをバックに天才ピアニストと用心棒の正之助のコンビが全編にわたり何とも言えない雰囲気を醸しだしています。
少女の母が山内一豊の妻として家の危急を防ぐべく持ち出した嫁入り道具の狩野探幽の掛け軸を鑑定団のセンセが猫ババして母が殺されたという謎を見事に解決。
ピアノの新人コンクールで優勝して幕が下りました。
今回のヒロインは15歳で浅見ちゃんはお兄ちゃん役に徹しました。
瀬戸内村上水軍の末裔・15歳の中学生が浅見ちゃんの助けで見事に母親の敵討ちを・・お奉行様からお褒めの言葉がありました。
浅見は平塚亭で、愛媛県今治からピアノのレッスンに通う少女・咲枝と出会う。
彼女の母親は、しまなみ海道の来島海峡大橋から飛び降り自殺したとされていた。
母親の死に疑問を抱く咲枝を見て、浅見は、その事件を調べると約束する。
しまなみ海道の開通記念にと愛媛県知事から作品の製作を依頼されたといういわくつきの作品だそうです。
テレビでお馴染みになったお宝鑑定団の放映が殺人事件の発端になったという設定の瀬戸内旅情ゆたかな作品です。
しまなみをバックに天才ピアニストと用心棒の正之助のコンビが全編にわたり何とも言えない雰囲気を醸しだしています。
少女の母が山内一豊の妻として家の危急を防ぐべく持ち出した嫁入り道具の狩野探幽の掛け軸を鑑定団のセンセが猫ババして母が殺されたという謎を見事に解決。
ピアノの新人コンクールで優勝して幕が下りました。
今回のヒロインは15歳で浅見ちゃんはお兄ちゃん役に徹しました。
2009年9月6日に日本でレビュー済み
登場人物が別の人物にたいして持つ印象が、ながれてはとどまり、とどまってはながれて話がすすんでいきます。
動きもあるけれども基本的にはしずかな作品です。
動きもあるけれども基本的にはしずかな作品です。
2007年9月29日に日本でレビュー済み
広島県尾道と愛媛県今治を結ぶ「しまなみ街道」を舞台に、自殺した母の死に疑問を抱く15歳の天才ピアニストの少女と捜査をはじめる浅見。
瀬戸内海に浮かぶ島々に掛かる美しい橋が目に浮かぶ小説です。
[...]
しかし根底のテーマは橋が出来て恩恵をこうむる人々と、港が寂れて仕事を追われる人達を描く社会派小説である。
エピローグは泣かせます。
瀬戸内海に浮かぶ島々に掛かる美しい橋が目に浮かぶ小説です。
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