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解読! アルキメデス写本 単行本 – 2008/5/23
アルキメデスの著作を収めた現存する唯一の写本、C写本。本書ではそこから
解読された数学史における驚くべき発見の数々と、この奇蹟の写本がどのように
幾世紀もの歳月を生き延びたのかが語られる。空前の歴史ミステリー。
解読された数学史における驚くべき発見の数々と、この奇蹟の写本がどのように
幾世紀もの歳月を生き延びたのかが語られる。空前の歴史ミステリー。
- 本の長さ456ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2008/5/23
- ISBN-104334962033
- ISBN-13978-4334962036
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登録情報
- 出版社 : 光文社 (2008/5/23)
- 発売日 : 2008/5/23
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 456ページ
- ISBN-10 : 4334962033
- ISBN-13 : 978-4334962036
- Amazon 売れ筋ランキング: - 527,935位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 228位科学史・科学者
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2021年11月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
科学史が大好きでしたが、学生時代に古典をじっくり読んでいては確実に落ちこぼれてしまいます。退職して、やっと時間ができたときに、この解読!写本に出会えて感激です。すぐに本の参考図書に紹介されている最良のアルキメデスの全古典解説本(英訳)を購入しました。オークションで落札したのはスティーブ・ジョブスさんなのかな?とかってに想像していますが、誰であれ、すばらしい人物です。
2009年11月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
名前は公表されていませんが、ある人物がアルキメデスの写本をオークションで高額で落札し、それの解読を学芸員に託すことから物語は始まります。三大数学者の一人と呼ばれる人物ですが、他の大数学者であるニュートンやガウスより年代的に相当隔たりがあるため(約2000年の隔たり)、その業績についてはあまり知られていないと感じます。アルキメデスとはどのような事を行ったのか?アルキメデスの写本は長い歴史の中でどう翻弄されたのか?目視では読めない程ボロボロの状態の写本を解読する方法はあるのか?等、読者の感心を惹き立て、納得のいく説明を試みています。ハイテクの大企業でも使えないような最新機器(粒子加速器)と専門家の高い学識を武器に、写本の解読作業に没頭する学芸員達の姿は、彼等のアルキメデスに対する関心の高さと情熱を表しています。
また、アルキメデスの幾つかの業績の内、扇形状の図形の面積を求める方法が紹介されていますが、それは幾何学と自ら発見した梃子の原理を用いており、正に天才の証であり、読者の度肝を抜くものです。この解法を知るだけでも価値があると思います。
また、アルキメデスの幾つかの業績の内、扇形状の図形の面積を求める方法が紹介されていますが、それは幾何学と自ら発見した梃子の原理を用いており、正に天才の証であり、読者の度肝を抜くものです。この解法を知るだけでも価値があると思います。
2012年2月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
紀元前200年頃の数学者アルキメデスの写本を解読する物語です。
イギリスの哲学者ホワイトヘッドが、
「西洋の哲学の歴史は全てプラトンに対する脚注である。」と言ったように、
「西洋の科学の歴史は全てアルキメデスの脚注である。」と言える
人類史上最も偉大な科学者であると語られています。
2200年の時を越えてかすかに浮かび上がる言葉から、
アルキメデスの思考そのものを取り出す作業は、
まさにサスペンス小説を読むような気分です。
人間の「思考」そのものに触れる感覚が
これほどドキドキするものとは思いませんでした。
理科の時間で習う「アルキメデスの原理」を発見した人だとは知っていましたが、
2000年以上前に、すでに私の不得手な微積分学や順列・組み合わせにも
到達していたと知りさらに驚愕です。
イギリスの哲学者ホワイトヘッドが、
「西洋の哲学の歴史は全てプラトンに対する脚注である。」と言ったように、
「西洋の科学の歴史は全てアルキメデスの脚注である。」と言える
人類史上最も偉大な科学者であると語られています。
2200年の時を越えてかすかに浮かび上がる言葉から、
アルキメデスの思考そのものを取り出す作業は、
まさにサスペンス小説を読むような気分です。
人間の「思考」そのものに触れる感覚が
これほどドキドキするものとは思いませんでした。
理科の時間で習う「アルキメデスの原理」を発見した人だとは知っていましたが、
2000年以上前に、すでに私の不得手な微積分学や順列・組み合わせにも
到達していたと知りさらに驚愕です。
2008年7月20日に日本でレビュー済み
『誰も読まなかったコペルニクス』のレビューで書誌学の本はあまり面白くないなんて言いながら、「数学史を覆す世紀の大発見」に引かれて(まあ、騙されて。って、世紀の大発見とは何ぞやの問題だから、騙したというのはいかんか)買ってしまった。
アルキメデスの著書の写本の羊皮紙がリサイクルされた古写本(インクを削って祈祷書にした)が、オークションに掛けられてから解読に至る物語。こう言う重複使用された古写本を「パリンプセスト」と言うそうな。落札した大金持ち(Mr.B だそうな。B は Bill ではないとか。そうすると、Steven Ballmer かしら。)から世話役に指名されたウィリアム・ノエルと数学的内容の解釈をしたリヴィエル・ネッツが、書誌学的な古写本の解読の話と、解読された数学の意味を交代に書く形式である。
いずれも、なかなか面白そうなのだが、個人的には、解読に出てくる手法が私にとっては原理が既知のものばかりで、イマイチ面白くなかった。「一番いいのはXRFで元素マッピングだよなあ」と思っていたら、最後に出て来て快刀乱麻で読めるようになったと言う落ち。もちろん、それを使うのが簡単ではないとは思うけれども、「なあんだ」という印象は否めなかった。
一つ面白かったのは、個人所有で所有者が解読の費用を持ったことが、解読を効率よく進めた事実。これが、公的な研究費を使っていたのでは、研究費の請求、審査、交付、に時間がかかるし、足りなくなった時にはどうしようもない。もちろん、所有者が悪ければ正反対の結果になるわけで、一般論として個人所有が良いわけではない。この辺は「王制」と「民主制」の関係にも似て、制度を考える切り口になる。
数学の方については、実無限が認識されていたというのは、あまり説得されなかった。もう一つの新発見「組み合わせ問題」の方も含めて、面白いことは面白いのだが、西欧の数学の体系がここから転がり出したとは思えない。ここまでなら、アラビアでも出来ていただろうし、わが国が生み出した和算もある。これが、数学の体系になっていくところこそが、現代につながる西欧文明の本質なのだろうから、アルキメデスがこれを考えていたことが「世紀の大発見」は、ちょっと言い過ぎなのではないだろうか。
アルキメデスの著書の写本の羊皮紙がリサイクルされた古写本(インクを削って祈祷書にした)が、オークションに掛けられてから解読に至る物語。こう言う重複使用された古写本を「パリンプセスト」と言うそうな。落札した大金持ち(Mr.B だそうな。B は Bill ではないとか。そうすると、Steven Ballmer かしら。)から世話役に指名されたウィリアム・ノエルと数学的内容の解釈をしたリヴィエル・ネッツが、書誌学的な古写本の解読の話と、解読された数学の意味を交代に書く形式である。
いずれも、なかなか面白そうなのだが、個人的には、解読に出てくる手法が私にとっては原理が既知のものばかりで、イマイチ面白くなかった。「一番いいのはXRFで元素マッピングだよなあ」と思っていたら、最後に出て来て快刀乱麻で読めるようになったと言う落ち。もちろん、それを使うのが簡単ではないとは思うけれども、「なあんだ」という印象は否めなかった。
一つ面白かったのは、個人所有で所有者が解読の費用を持ったことが、解読を効率よく進めた事実。これが、公的な研究費を使っていたのでは、研究費の請求、審査、交付、に時間がかかるし、足りなくなった時にはどうしようもない。もちろん、所有者が悪ければ正反対の結果になるわけで、一般論として個人所有が良いわけではない。この辺は「王制」と「民主制」の関係にも似て、制度を考える切り口になる。
数学の方については、実無限が認識されていたというのは、あまり説得されなかった。もう一つの新発見「組み合わせ問題」の方も含めて、面白いことは面白いのだが、西欧の数学の体系がここから転がり出したとは思えない。ここまでなら、アラビアでも出来ていただろうし、わが国が生み出した和算もある。これが、数学の体系になっていくところこそが、現代につながる西欧文明の本質なのだろうから、アルキメデスがこれを考えていたことが「世紀の大発見」は、ちょっと言い過ぎなのではないだろうか。
2009年6月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アルキメデスは、「歴史上<<最も偉大な>>数学者3人だけをあげよ」と質問されたら、その答えのリストに必ず含められる数学者だと言われる。(E・Tベル著 「数学をつくった人びと」)
微積分学、幾何学、組み合わせ論の分野におけるアルキメデスの貢献について知ることができる。
他のレビューで書かれているように、興味深い点がいろいろ盛り沢山の本だ。
それらに加えて、ギリシャ数学における独特の図の使い方が書かれていたことが興味深かった。
ギリシャ数学では、具体的な図形ではなく、むしろ概念図を用いることによって精密な推論を行った。
たとえば、多角形の辺を直線ではなく曲線で描く幾何学など、これまで一度も教えられたことがなく、考えついたこともない。
“斬新な”幾何学に出会ってドキドキした。
もう一つは、ストマキオンについて。
ストマキオンとは、14片のピースを正方形に並べるゲームで1万7152通りの正解がある。
アルキメデスが取り組んだストマキオンは、最近のパズルゲームより高度で、自力で一つでも発見するのはひどく大変そうだ。
(p359にビル・カトラーのプログラムによる、ストマキオンの72例の正解が9行8列の表に並べて印刷されています。
上から3行目、左から2列目に置かれた“正解”には15片のピースがあることを発見しました。ミスプリントでしょうね。^^ )
微積分学、幾何学、組み合わせ論の分野におけるアルキメデスの貢献について知ることができる。
他のレビューで書かれているように、興味深い点がいろいろ盛り沢山の本だ。
それらに加えて、ギリシャ数学における独特の図の使い方が書かれていたことが興味深かった。
ギリシャ数学では、具体的な図形ではなく、むしろ概念図を用いることによって精密な推論を行った。
たとえば、多角形の辺を直線ではなく曲線で描く幾何学など、これまで一度も教えられたことがなく、考えついたこともない。
“斬新な”幾何学に出会ってドキドキした。
もう一つは、ストマキオンについて。
ストマキオンとは、14片のピースを正方形に並べるゲームで1万7152通りの正解がある。
アルキメデスが取り組んだストマキオンは、最近のパズルゲームより高度で、自力で一つでも発見するのはひどく大変そうだ。
(p359にビル・カトラーのプログラムによる、ストマキオンの72例の正解が9行8列の表に並べて印刷されています。
上から3行目、左から2列目に置かれた“正解”には15片のピースがあることを発見しました。ミスプリントでしょうね。^^ )
2008年7月27日に日本でレビュー済み
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紀元前三世紀、シチリア島。第二次ポエニ戦争に向けた緊張が高まる中、シラクサに住む一人の天才が、友人に向けた手紙に一通の論文をしたためた。手紙の筆者は当代髄一の数学者アルキメデス。受取人は、あらゆる分野に博識を持ち、当時に最も影響力のあった知識人、“アレクサンドリア大図書館館長”エラトステネス。
「アルキメデスよりエラトステネスへ。ごきげんよう! 学に励み、自然科学の優れた教師であり、ご自身が出会ったあらゆる数学的研究に大変な関心を持っているあなたですから、ある特別な方法についてここに記、お伝えするのにふさわしいと考えました……ここで説明する方法によって、当世だけでなく後世の人々のなかにも、まだわたしたちが共有するに至らない新たな定理を発見できる人が現れると考えています……」
当時の文明的水準では、アルキメデスの研究内容を真に理解し、さらに発展させるだけの数学的素養を持つ人間は限りなくゼロに近かった。だからこそ、彼は世界の知識が集う場所の、もっとも信頼できる友人に自分の思考を遺し、委ねたのだった。
本書は、この一通のパピルスの巻物に書かれた論文が、戦乱の略奪や劫火から辛うじて逃れ、写本へと姿を変え、文字を消されて祈祷書へと再利用されながらも、二十世紀に再び発見され、激しい損傷を受けながらも、消滅の寸前にようやく真の理解者を得るまでの戦いの物語である。
古代西洋文明の政治・文化情勢を解くための様々な鍵を収めた書物が、様々な災厄に襲われながらも、幾重もの幸運に恵まれた末、デジタル化されて姿を留めることを許された。同じ棚に収められたであろう同胞たる書物がごっそりを姿を消していく中、約二千二百年もの時を経て声を伝えることを許された。
アルキメデスの論文だけではない。この祈祷書には、アルキメデスの論文以外にも、さまざまな文献から切り離された羊皮紙が再利用されている。アリストテレスの古代から伝わる注釈、ヒュペレイデス(古代の十大弁論家)の失われた演説、十世紀後半の賛美歌集、ある聖人の生涯、未だ出典が未知の少なくともふたつの写本…… 発見された時点で既に欠落してしまったページも多いとはいえ、とりあえずは、この偉大なる発見の物語にささやかな祝杯をあげたい。
本書のもう一つの見所は、この写本の解読プロジェクトで、これだけでも一冊の本になりえるだけの面白さがある。スポンサーにして写本の落札者『ミスター・B』は、この写本の展示と研究を申し出てきたウォルターズ美術館学芸員、ウィリアム・ノエルを解読プロジェクトのリーダーに選び、最大の信頼をもってこの写本を託した。
自称「本が好きなだけの陽気な男」は、アルキメデス写本の解読に必要な技術は殆ど持っていなかったが、“アルキメデスの友”として情熱的に本プロジェクトの調整・伝達・手配に携わり、彼のもとには、この写本を研究するために最も相応しい傑物たちが、あたかも惹き付けられるように集ってゆくことになる。
写本の解読に従事した古代ギリシア数学史家、リヴィエル・ネッツによる解説も、アルキメデス数学を一般向け初等幾何学レベルに抑えて分かりやすくまとめられており、この写本の内容と意義を伝えるのに相応しい。
X線元素分析法が解読の決め手になったという展開は必然であると言えるが、読み取られた文字や文章は、それを理解できる人間の目に触れて、はじめて意味を持つ。この写本が彼に出会えて幸福であったことは、『ストマキオン』序文からの再発見のくだりを読めば理解できるだろう。
この写本が発見されなかった間に、大いなる回り道を経て現代数学が誕生したのは周知の通りである。しかし、アルキメデスがその源流の一端を担っていたことは明らかであり、今回の発見からも、その偉大さには瑕疵が生じるどころか、ますます輝きを増している。
「アルキメデスよりエラトステネスへ。ごきげんよう! 学に励み、自然科学の優れた教師であり、ご自身が出会ったあらゆる数学的研究に大変な関心を持っているあなたですから、ある特別な方法についてここに記、お伝えするのにふさわしいと考えました……ここで説明する方法によって、当世だけでなく後世の人々のなかにも、まだわたしたちが共有するに至らない新たな定理を発見できる人が現れると考えています……」
当時の文明的水準では、アルキメデスの研究内容を真に理解し、さらに発展させるだけの数学的素養を持つ人間は限りなくゼロに近かった。だからこそ、彼は世界の知識が集う場所の、もっとも信頼できる友人に自分の思考を遺し、委ねたのだった。
本書は、この一通のパピルスの巻物に書かれた論文が、戦乱の略奪や劫火から辛うじて逃れ、写本へと姿を変え、文字を消されて祈祷書へと再利用されながらも、二十世紀に再び発見され、激しい損傷を受けながらも、消滅の寸前にようやく真の理解者を得るまでの戦いの物語である。
古代西洋文明の政治・文化情勢を解くための様々な鍵を収めた書物が、様々な災厄に襲われながらも、幾重もの幸運に恵まれた末、デジタル化されて姿を留めることを許された。同じ棚に収められたであろう同胞たる書物がごっそりを姿を消していく中、約二千二百年もの時を経て声を伝えることを許された。
アルキメデスの論文だけではない。この祈祷書には、アルキメデスの論文以外にも、さまざまな文献から切り離された羊皮紙が再利用されている。アリストテレスの古代から伝わる注釈、ヒュペレイデス(古代の十大弁論家)の失われた演説、十世紀後半の賛美歌集、ある聖人の生涯、未だ出典が未知の少なくともふたつの写本…… 発見された時点で既に欠落してしまったページも多いとはいえ、とりあえずは、この偉大なる発見の物語にささやかな祝杯をあげたい。
本書のもう一つの見所は、この写本の解読プロジェクトで、これだけでも一冊の本になりえるだけの面白さがある。スポンサーにして写本の落札者『ミスター・B』は、この写本の展示と研究を申し出てきたウォルターズ美術館学芸員、ウィリアム・ノエルを解読プロジェクトのリーダーに選び、最大の信頼をもってこの写本を託した。
自称「本が好きなだけの陽気な男」は、アルキメデス写本の解読に必要な技術は殆ど持っていなかったが、“アルキメデスの友”として情熱的に本プロジェクトの調整・伝達・手配に携わり、彼のもとには、この写本を研究するために最も相応しい傑物たちが、あたかも惹き付けられるように集ってゆくことになる。
写本の解読に従事した古代ギリシア数学史家、リヴィエル・ネッツによる解説も、アルキメデス数学を一般向け初等幾何学レベルに抑えて分かりやすくまとめられており、この写本の内容と意義を伝えるのに相応しい。
X線元素分析法が解読の決め手になったという展開は必然であると言えるが、読み取られた文字や文章は、それを理解できる人間の目に触れて、はじめて意味を持つ。この写本が彼に出会えて幸福であったことは、『ストマキオン』序文からの再発見のくだりを読めば理解できるだろう。
この写本が発見されなかった間に、大いなる回り道を経て現代数学が誕生したのは周知の通りである。しかし、アルキメデスがその源流の一端を担っていたことは明らかであり、今回の発見からも、その偉大さには瑕疵が生じるどころか、ますます輝きを増している。
2021年8月8日に日本でレビュー済み
ある人物がアルキメデスの写本をオークションで高額で落札し、解読を学芸員に託すとこから始まります。
ミステリー、推理小説のような話です。
古代文字解読のドキュメント、チャドウィックの「線文字Bの解読」に似た興奮があります。
古代であるが故にミステリアスです。
ダン・ブラウンの小説「ダ・ヴィンチ・コード」のようでもあり、ポランスキーの映画「ナインス・ゲート」のようでもあります。
マルクスの新しい全集(新MEGA:Marx-Engels Gesamtausgabe)の編纂を思い出させます。
新たな発見はあるのでしょうか?
ミステリー、推理小説のような話です。
古代文字解読のドキュメント、チャドウィックの「線文字Bの解読」に似た興奮があります。
古代であるが故にミステリアスです。
ダン・ブラウンの小説「ダ・ヴィンチ・コード」のようでもあり、ポランスキーの映画「ナインス・ゲート」のようでもあります。
マルクスの新しい全集(新MEGA:Marx-Engels Gesamtausgabe)の編纂を思い出させます。
新たな発見はあるのでしょうか?
2008年6月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本を読み進めると,何か偉大な知恵を授かった気になる.また同時に,遠大な計画に自ら参加している気分になる.そのため物語が大詰めを迎えると実に仕合せな気分に包まれる.こんな物凄い読後感は,はじめての経験である.素晴らしい本として強く推薦したい.以下は私的なノート.アメリカの博物館の curator という名の職は学芸員より遙かに高い.展示の部門の長を意味する.Will Noel 氏は手写本稀購本部長と考える方がよい.一方 Stanford の放射光の地獄にまで行き,義務を果した Abigail Quandt 女史は,図書原稿保守技術長である.研究や行政が仕事の curator とテクニシャンとは欧米に広く見られるように互いに別の指揮系統の下にある.それから,解説 (大阪府立大の斉藤憲氏による) は,本文の精神とは異質の意見の押し付けがあるので,読まないほうがよい.本文でハイベアと書かれている学者の名は Johan Ludvig Heiberg である.