企業の人事をやっていると、つい、自分が労働者を管理しているような錯覚に陥りがちだが、大いなる勘違いである。
どういうわけか、労働者の権利を少しでも認めまいという心理になるから不思議である。
人事担当者も、同じ使用人なのにね。
労組がある会社は立場がすっきりしていいが、労組がない場合、けっこうバランスをとるのが大変だ。
菅野先生の本は、たしかに、今のハヤリの多色刷りや絵入りの本ではないが、特に不自由は感じない。
本書を読んでも、日々生起する職場の問題が直ちに解決するわけではないのだが、参考になるのは引用されている判例だ。
労働法判例は、会社法などと違い、勤め人なら誰でも身に覚えのあるような些細な出来事が出発点になる。
カネもからむが、意地やプライドも見え隠れする。
大企業から中小企業まで舞台も様々で、日本のサラリーマンのペーソスがあふれている。
普段知ることの出来ない他社の人事制度なども、事実認定で詳しく知ることができたりする。
最高裁判決よりも、地裁や高裁がおもしろい。
裏を返すと、ウチの会社は大丈夫、ということはないのだ。
他人事だと思っていると、いつ足元で炸裂するかわからない。
本書では、地裁高裁の裁判例の言及が多いので、問題となる論点で引用されている判例にまずあたってみている。
判決文が本書に引用されているわけではないので、判例データベースなどを使うことになる。
一種のインデックスがわりである。
本書の優れていると思う点は、判例に対する短いコメントである。
複雑なことを短く纏めるのが知性だというが、まさにそんな感じだ。
著者の立つ見解、裁判例との距離感が、わかりやすく指摘されている。
百選では論者によって百家争鳴になるが、本書はその点安心だ。
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労働法 第9版 (法律学講座双書) 単行本 – 2010/4/15
菅野 和夫
(著)
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- ISBN-104335304455
- ISBN-13978-4335304453
- 版第9
- 出版社弘文堂
- 発売日2010/4/15
- 言語日本語
- 本の長さ837ページ
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登録情報
- 出版社 : 弘文堂; 第9版 (2010/4/15)
- 発売日 : 2010/4/15
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 837ページ
- ISBN-10 : 4335304455
- ISBN-13 : 978-4335304453
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,428,708位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 34,487位社会・政治の法律
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著者について
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1943年、東京都生まれ。1966年東京大学法学部卒業。1968年司法修習修了、東京大学法学部助手・同助教授・教授を経て現在、中央労働委員会会長、東京大学名誉教授、日本学士院会員(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『労働法 第9版 (法律学講座双書)』(ISBN-10:4335304455)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年8月11日に日本でレビュー済み
法律系のドラマとか映画が好きなのと
社会で働くもの労働法くらい知っといて
損は無いだろうということで読んでます。
今のところ労働法は
これ一本かつ独学で読んでおります。
私が馬鹿で法律的センスが根本的に欠如しているのが原因なのでしょうが、
何言ってんだかわからないところが結構ある。
何度読みな直してもいまいちピンとこなくて
気づけば1時間経つのに1ページしか進んで
無いことが何度もありました。
僕は労働法の本に対し
ささーっと読めて簡単なりとも
とりあえずは全体像を把握することを期待していましたので、
流し読みしようものなら
瞬時に破綻する状況に、
オロオロ、イライラするばかりです。
労働法の単語が専門的なところもあるのでしょうが
日本語のロジックがちょっと僕には合わないです。
例をあげれば
○結構長い一文、事例等の説明あとに最後に要点が書かれている。
→できれば結論、要点は前の方に持ってきて
読者が内容を予想、重点を頭に入れた段階にしておき。
それから説明を入れて欲しい。
(社会人の報告の仕方でよく言われる。
まずは結論(もしくは重要概念、キーポイント)
そして説明みたいな文体の方が好ましいです)
○否定表現が文書の最後の最後で出てくる
→最後に脳内で論理転換しないと行けない。
→読み始めは一般的な感覚と違う文書を(論理、感覚がおかしいなぁと思いつつ)
長々と読まされた挙句、文書の最後で否定語が見つかり
そこで論理が反転し自分が期待、予測していた論理感覚と一致するため
脳の負担が多い。読んでて疲れる。
(頑張って書いたんですけど
すげー分かりにくい日本語ですみません。)
といった傾向が多いようにあります。
もう少し僕自身が労働法の感覚をつかむなり
二度三度読み込めば
わかるようになるのかもしれません。
初学者に労働法の全体像を要点絞って
効率よくを教えるのにこの本を選ぶかというと
選びません。
ただ、いろいろなネットの情報を見ますと
必ずと言って良いほど名前が一番に出てくるので
内容は素晴らしいんだと思います。
社会で働くもの労働法くらい知っといて
損は無いだろうということで読んでます。
今のところ労働法は
これ一本かつ独学で読んでおります。
私が馬鹿で法律的センスが根本的に欠如しているのが原因なのでしょうが、
何言ってんだかわからないところが結構ある。
何度読みな直してもいまいちピンとこなくて
気づけば1時間経つのに1ページしか進んで
無いことが何度もありました。
僕は労働法の本に対し
ささーっと読めて簡単なりとも
とりあえずは全体像を把握することを期待していましたので、
流し読みしようものなら
瞬時に破綻する状況に、
オロオロ、イライラするばかりです。
労働法の単語が専門的なところもあるのでしょうが
日本語のロジックがちょっと僕には合わないです。
例をあげれば
○結構長い一文、事例等の説明あとに最後に要点が書かれている。
→できれば結論、要点は前の方に持ってきて
読者が内容を予想、重点を頭に入れた段階にしておき。
それから説明を入れて欲しい。
(社会人の報告の仕方でよく言われる。
まずは結論(もしくは重要概念、キーポイント)
そして説明みたいな文体の方が好ましいです)
○否定表現が文書の最後の最後で出てくる
→最後に脳内で論理転換しないと行けない。
→読み始めは一般的な感覚と違う文書を(論理、感覚がおかしいなぁと思いつつ)
長々と読まされた挙句、文書の最後で否定語が見つかり
そこで論理が反転し自分が期待、予測していた論理感覚と一致するため
脳の負担が多い。読んでて疲れる。
(頑張って書いたんですけど
すげー分かりにくい日本語ですみません。)
といった傾向が多いようにあります。
もう少し僕自身が労働法の感覚をつかむなり
二度三度読み込めば
わかるようになるのかもしれません。
初学者に労働法の全体像を要点絞って
効率よくを教えるのにこの本を選ぶかというと
選びません。
ただ、いろいろなネットの情報を見ますと
必ずと言って良いほど名前が一番に出てくるので
内容は素晴らしいんだと思います。
2014年8月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
労働法は、法律の変化が多い。
汚れもほぼありませんでした。
ほぼ問題なく、使用できました。
汚れもほぼありませんでした。
ほぼ問題なく、使用できました。
2013年2月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
法律の専門家ではありませんが、必要が生じて購入しましたが労働法の大家菅野先生のこの本が一番ですね。
2009年6月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は労働問題をあらゆる角度から分析し具体的な解決策を提示しているまさに画期的な指南書である。労働問題はただ単に会社内部の問題という狭い枠に留まらずあらゆる社会問題が集約した形で顕在化する。それゆえに特殊性を持ちその解決は難題を極め問題をより複雑化し且つ困難なものにしている。しかし、本書はこの様々な問題を内在化させかつ併せ持った労働問題に具体的な解決策を提示を試みる指南書の一つとして画期的な書物である。
2011年2月27日に日本でレビュー済み
さすがにもう古い
時代の流れの速さについて行けてないのが読んでいてわかります
個別労働紛争の時代に組合に固執しすぎです
立場上組合不要論は語れないでしょうが偏りすぎです
学生さん向けの入門書としては上出来ですが実務ではとても使えない
時代の流れの速さについて行けてないのが読んでいてわかります
個別労働紛争の時代に組合に固執しすぎです
立場上組合不要論は語れないでしょうが偏りすぎです
学生さん向けの入門書としては上出来ですが実務ではとても使えない
2005年9月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
714項の圧倒的ボリュームで、労働法関係のあらゆることがカバーされている、という意味では申し分ない内容です。小役のように法学初心者でも、企業勤務経験があれば、十分理解して読み進められる水準です。ただしレイアウトが全体的に単調と言うかメリハリに欠けるようで、本文とは別枠の、判例や小解説文もバランスが悪く感じられます。
企業実務経験者がおさらいをするには良書であっても、受験を志す若い学習者向けテキストにはなり得ないと思います。
企業実務経験者がおさらいをするには良書であっても、受験を志す若い学習者向けテキストにはなり得ないと思います。
2004年8月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
企業がリストラを進める中,労働者の地位はどうあるべきか,労働法や判例上どのような権利が労働者に保全されているのか等が深刻な問題となっている。
本書は,労務関係や労働組合関係の仕事に従事する上で不可避なこれら問題に関して,体系的かつ明確な回答を用意している。
学究的になり過ぎず,実務にも媚び過ぎない不世出の労働法学者が贈る労働法の基本書第6版。
主立った法規や幅広く判例を網羅した,初学者から実務の最前線に立つ人まで労働法に関わる人は必携の一冊。
本書は,労務関係や労働組合関係の仕事に従事する上で不可避なこれら問題に関して,体系的かつ明確な回答を用意している。
学究的になり過ぎず,実務にも媚び過ぎない不世出の労働法学者が贈る労働法の基本書第6版。
主立った法規や幅広く判例を網羅した,初学者から実務の最前線に立つ人まで労働法に関わる人は必携の一冊。