編者は慶応大学教授と京都大学教授。
まず、第Ⅰ部で憲法や憲法改正の意味を定義。例えば「憲法改正」の意味を憲法典に限らず、選挙制度や執政制度という基幹的政治的制度の変革が
なされた場合とする見方が示される。その後、イギリス、アメリカ、フランス、ドイツ、イタリア、韓国、日本における憲法改正について、政治学及び国制史の観点と、法学者の観点で分析がなされている。日本については最近のものというより、伊藤博文の日本憲法史への影響や、明治憲法や昭和憲法の草創期の解釈についての論争の紹介が中心である。
比較政治、司法政治論、憲法などについて関心の強い方向けの学術書なので、あまり一般向けではないかもしれない。しかし、各国の違いを一冊で理解するのには便利である。
個人的には、イギリス、アメリカ、韓国あたりに関心があったのでこれらの国の章は役に立った
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「憲法改正」の比較政治学 単行本 – 2016/6/29
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「憲法」とは何か、「改正」とは何か:憲法学と政治学のコラボレーションがひらく「憲法改正」の多様な見方
わが国において「憲法改正」は、長らく重要な政治的テーマとして扱われてきました。しかし、そこでの議論は、「憲法」とそれを「改正」することの本質的な意味を、真に踏まえたものだったでしょうか。
本書は、日本の憲法論議をイデオロギー的・二項対立的状況から解き放ち民主主義の深化に寄与させることをめざして、日本を含む7か国における「憲法改正」の動態と規範的含意を、政治学・国制史学と憲法学との協働により考究。
「基幹的政治制度」などの概念を手がかりにしながら「憲法」とその「改正」とをより広く捉え、成文憲法をもたないにもかかわらず「憲法改正」が語られるイギリスや、憲法改正を「憲法保障」として捉えるイタリア、さらには首都移転が憲法問題とされた韓国など、各国ならではの「憲法改正」の姿を多面的に描き出すことで、単なる改正頻度や改正の容易さ/困難さといった表層的な国際比較とは一線を画する視点を提供します。
また、各部の「概観」においては各国憲法の沿革や改正手続、改正略史などの基本情報もフォロー。
今後のわが国における憲法論議に新たな風を吹き込む、今こそ必読の一冊です。
【目次】
第I部 「憲法改正」への視座
I-1章 政治学からみた「憲法改正」〔待鳥聡史〕
I-2章 憲法学にとっての「憲法改正」〔駒村圭吾〕
第II部 イギリス
II-序 概観
II-1章 イギリスにおける憲政改革―貴族院改革の事例から〔近藤康史〕
II-2章 イギリスにおける憲法変動の改革論―コンセンサス、市民参加やエントレンチメントのあり方などをめぐって〔上田健介〕
第III部 アメリカ
III-序 概観
III-1章 憲法修正なき憲法の変化の政治的意義―ニューディール期アメリカ合衆国の「憲法革命」を題材に〔岡山裕〕
III-2章 立憲主義のディレンマ―アメリカ合衆国の場合〔川岸令和〕
第IV部 フランス
IV-序 概観
IV-1章 「大統領化」の中のフランス憲法改正〔吉田徹〕
IV-2章 憲法変動と学説―フランス第五共和政の一例から〔南野森〕
第V部 ドイツ
V-序 概観
V-1章 ドイツにおける憲法改正の政治〔近藤正基〕
V-2章 ドイツにおける憲法改正論議〔赤坂幸一〕
第VI部 イタリア
VI-序 概観
VI-1章 イタリアにおける憲法改正の政治力学〔伊藤武〕
VI-2章 憲法保障としての憲法改正―イタリアの「憲法改正」観〔田近肇〕
第VII部 韓国
VII-序 概観
VII-1章 韓国における1987年憲法の持続と憲法体制の変化〔浅羽祐樹〕
VII-2章 韓国における「広義」の憲法改正と憲法裁判所の機能〔國分典子〕
第VIII部 日本
VIII-序 概観
VIII-1章 日本憲法史における伊藤博文の遺産〔瀧井一博〕
VIII-2章 憲法改革・憲法変遷・解釈改憲―日本憲法学説史の観点から〔西村裕一〕
わが国において「憲法改正」は、長らく重要な政治的テーマとして扱われてきました。しかし、そこでの議論は、「憲法」とそれを「改正」することの本質的な意味を、真に踏まえたものだったでしょうか。
本書は、日本の憲法論議をイデオロギー的・二項対立的状況から解き放ち民主主義の深化に寄与させることをめざして、日本を含む7か国における「憲法改正」の動態と規範的含意を、政治学・国制史学と憲法学との協働により考究。
「基幹的政治制度」などの概念を手がかりにしながら「憲法」とその「改正」とをより広く捉え、成文憲法をもたないにもかかわらず「憲法改正」が語られるイギリスや、憲法改正を「憲法保障」として捉えるイタリア、さらには首都移転が憲法問題とされた韓国など、各国ならではの「憲法改正」の姿を多面的に描き出すことで、単なる改正頻度や改正の容易さ/困難さといった表層的な国際比較とは一線を画する視点を提供します。
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今後のわが国における憲法論議に新たな風を吹き込む、今こそ必読の一冊です。
【目次】
第I部 「憲法改正」への視座
I-1章 政治学からみた「憲法改正」〔待鳥聡史〕
I-2章 憲法学にとっての「憲法改正」〔駒村圭吾〕
第II部 イギリス
II-序 概観
II-1章 イギリスにおける憲政改革―貴族院改革の事例から〔近藤康史〕
II-2章 イギリスにおける憲法変動の改革論―コンセンサス、市民参加やエントレンチメントのあり方などをめぐって〔上田健介〕
第III部 アメリカ
III-序 概観
III-1章 憲法修正なき憲法の変化の政治的意義―ニューディール期アメリカ合衆国の「憲法革命」を題材に〔岡山裕〕
III-2章 立憲主義のディレンマ―アメリカ合衆国の場合〔川岸令和〕
第IV部 フランス
IV-序 概観
IV-1章 「大統領化」の中のフランス憲法改正〔吉田徹〕
IV-2章 憲法変動と学説―フランス第五共和政の一例から〔南野森〕
第V部 ドイツ
V-序 概観
V-1章 ドイツにおける憲法改正の政治〔近藤正基〕
V-2章 ドイツにおける憲法改正論議〔赤坂幸一〕
第VI部 イタリア
VI-序 概観
VI-1章 イタリアにおける憲法改正の政治力学〔伊藤武〕
VI-2章 憲法保障としての憲法改正―イタリアの「憲法改正」観〔田近肇〕
第VII部 韓国
VII-序 概観
VII-1章 韓国における1987年憲法の持続と憲法体制の変化〔浅羽祐樹〕
VII-2章 韓国における「広義」の憲法改正と憲法裁判所の機能〔國分典子〕
第VIII部 日本
VIII-序 概観
VIII-1章 日本憲法史における伊藤博文の遺産〔瀧井一博〕
VIII-2章 憲法改革・憲法変遷・解釈改憲―日本憲法学説史の観点から〔西村裕一〕
- 本の長さ490ページ
- 言語日本語
- 出版社弘文堂
- 発売日2016/6/29
- ISBN-10433535679X
- ISBN-13978-4335356797
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登録情報
- 出版社 : 弘文堂 (2016/6/29)
- 発売日 : 2016/6/29
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 490ページ
- ISBN-10 : 433535679X
- ISBN-13 : 978-4335356797
- Amazon 売れ筋ランキング: - 883,100位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 876位憲法 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒。日本貿易振興機構(JETRO)調査部、パリセンター調査ディレクターを経て、東京大学総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。日本学術振興会特別研究員等を経て、北海道大学法学研究科/公共政策大学院教授、現在同志社大学政策学部教授。その間、パリ政治学院ジャパンチェア招聘教授、同非常勤講師、同フランス政治研究所客員研究員、ニューヨーク大学客員研究員。現在、フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)日仏財団(FFJ)リサーチアソシエイト。
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