『社会問題は、はじめから客観的に存在するのではなく、「社会問題がある」と定義し、クレイムを申し立てる社会成員の活動(クレイム申し立て活動)によって構築される』(p18)という考え方に慣れるのに時間がかかった。「コップに半分も水が入っている」のか「コップに半分しか水が入っていない」のか同じ事実に対して異なる評価を行う「コップ半分の水」問題(p118)あたりまで読んでから話が頭に入るようになった。
ベストが提案した6つのプロセスで構成されるモデル「クレイム申し立て => メディア報道 => 大衆の反応 => 政策形成 => 社会問題ワーク(政策の実施過程) => 政策の影響 (意図せざる結果) => 新しいクレイム」(p37)および社会問題に関わる人々の相互作用(p38)の構図はコミュニティーの成員の学習パターンや社会の変革パターンの事例として見ることもできるであろう。「学びの心理学」の第1章「学びのシステムとしての授業」ではエンゲストロームの学びの活動の6要素を紹介している。
レトリックのイディオム(p79-82)および対抗レトリック(p82-86)の分類を読んで、日常において自分や身近な人の主張がどんなレトリックに偏りがちなのか意識するようになった。個人の主張を分析する手法としてほかに心理学の分野において交流分析が挙げられる。
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社会問題の社会学 (現代社会学ライブラリー9) 単行本(ソフトカバー) – 2012/12/11
赤川 学
(著)
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●構築主義の再構築をめざして
貧困や格差、雇用、医療・年金・介護、少子化から差別、教育、環境など、社会問題は、社会のなかでひろがりをもち、社会学全体のテーマと重なり合う。
わたしたちが生きている社会についての考察を深める手がかりとなる。
貧困や格差、雇用、医療・年金・介護、少子化から差別、教育、環境など、社会問題は、社会のなかでひろがりをもち、社会学全体のテーマと重なり合う。
わたしたちが生きている社会についての考察を深める手がかりとなる。
- 本の長さ144ページ
- 言語日本語
- 出版社弘文堂
- 発売日2012/12/11
- 寸法13 x 1.1 x 19 cm
- ISBN-104335501307
- ISBN-13978-4335501302
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登録情報
- 出版社 : 弘文堂 (2012/12/11)
- 発売日 : 2012/12/11
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 144ページ
- ISBN-10 : 4335501307
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2013年12月2日に日本でレビュー済み
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2013年1月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
よく考えられた、いい本でした。
構築主義の社会学を知る上で、とても有用だと思います。
構築主義の社会学を知る上で、とても有用だと思います。
2013年2月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ラベリング理論のキッセらを踏まえた構築主義社会学の紹介と実例です。
構築主義というと、意図的に研究と運動を混同してくるやっかいなイメージがあるのですが(厳密
に両者を分けられないことは承知ですが、ケネス・J. ガーゲンのものとか本当に辟易するので)、
本書は、そうした運動論とは一線を劃しており、「社会問題」は具体的に「構築」されたものだとして
その問題提起側と、それを受けての問題の展開経緯を、しっかり追跡しようとする「学的」志向に
添ったものです。
また、その実例として、後半の大部分を割いて「非実在青少年規制問題」を取り上げ、実際の
社会的な議論の展開を追っています。
社会問題の経路依存性という着目は興味深く、たいへん抑制の効いた(葛藤の滲んだ)対象へ
の接し方も、いたずらに自分の立脚する立場の有用性を喧伝しないところも、従来の構築主義
の紹介とは異なり、たいへんに勉強になります。
しかしながら。
結果的に、筆者らのアプローチが、何に資するのか(もっと言えば、週刊誌の匿名的な記事と何が
違うのか、学的に何を明らかにしようとしているのか)が不明確だし、他のアプローチとの差(この
アプローチを取ることの利点)もよくわからない。
後半で提示されるような事例が豊富に集まってくれば、構築主義による事例分析を相互に比較
して社会的コミュニケーションの一般的な傾向などについて、それなりの貢献ができるのかもしれな
いが、この種の事例を比較するのは、思った以上に難しく、本書で提示されているような概念規定
や事態の分類では、事例比較に向かうにしても、共通の比較基準点を設けるには甚だ不十分だ
と思う。
総じて、印象論的な単純分類を超えた学的方法とするためには、まだ方法化の余地が多いなと
感じた。
構築主義というと、意図的に研究と運動を混同してくるやっかいなイメージがあるのですが(厳密
に両者を分けられないことは承知ですが、ケネス・J. ガーゲンのものとか本当に辟易するので)、
本書は、そうした運動論とは一線を劃しており、「社会問題」は具体的に「構築」されたものだとして
その問題提起側と、それを受けての問題の展開経緯を、しっかり追跡しようとする「学的」志向に
添ったものです。
また、その実例として、後半の大部分を割いて「非実在青少年規制問題」を取り上げ、実際の
社会的な議論の展開を追っています。
社会問題の経路依存性という着目は興味深く、たいへん抑制の効いた(葛藤の滲んだ)対象へ
の接し方も、いたずらに自分の立脚する立場の有用性を喧伝しないところも、従来の構築主義
の紹介とは異なり、たいへんに勉強になります。
しかしながら。
結果的に、筆者らのアプローチが、何に資するのか(もっと言えば、週刊誌の匿名的な記事と何が
違うのか、学的に何を明らかにしようとしているのか)が不明確だし、他のアプローチとの差(この
アプローチを取ることの利点)もよくわからない。
後半で提示されるような事例が豊富に集まってくれば、構築主義による事例分析を相互に比較
して社会的コミュニケーションの一般的な傾向などについて、それなりの貢献ができるのかもしれな
いが、この種の事例を比較するのは、思った以上に難しく、本書で提示されているような概念規定
や事態の分類では、事例比較に向かうにしても、共通の比較基準点を設けるには甚だ不十分だ
と思う。
総じて、印象論的な単純分類を超えた学的方法とするためには、まだ方法化の余地が多いなと
感じた。