あるドイツの田舎町で封筒を透視できる郵便配達夫が様々な手紙を読み取り・・・というお話。
メルヘンチックだけどメタフィクショナル、メタフィクショナルだけどメルヘンチック、という感じの小説。手紙を透視できる郵便配達夫が色々な話を透かし見、それが挿話となって続くという連作短編風に構成された小説。
訳者あとがき等を読むと、この著者の生い立ちや属性がのっていてそれによるとこの小説も難解で韜晦な感じがしますが、私は勝手にそれぞれの挿話をある種の寓話として楽しみました。他の方もそのように読んだ方が純粋に楽しめるのでは、と思いますがどうでしょうか（著者が怒るかもしれませんが）。
それと、お国柄なのかもしれませんが、文章の端々から哲学的な香気が感じられますが気のせいでしょうか。ドイツやオーストリアあたりの小説を読むとどうしても哲学的雰囲気を感じてしまいます。
各挿話が読むのに楽しい小説のメタ・メルヘンの秀作。機会があったら是非。
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