【収録作品】
銀色のサーカス
郵便局と蛇
うすのろサイモン
若く美しい柳
辛子の野原
ポリー・モーガン
アラベスク―鼠
王女と太鼓
幼子は迷いけり
シオンへの行進
A・E・コッパードについて(西崎憲)
A・E・コッパード書誌
国書刊行会版に「アラベスク―鼠」を追加収録。
表題作や「若く美しい柳」に代表されるような朴訥とした民話の様な物語の面白さに虚心に浸る事も、「銀色のサーカス」に顕著な如く人生の機微を描いた寓話性を、さらに宗教的な暗喩を感じる事も出来る、多様な読み方を許す懐深き世界。そして、その全てを貫くのは精妙極まりない幻想と詩情の美しさだ。
個人的には「新青年」の作家たち―渡辺温や城昌幸の幻想的な掌編を連想した。
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郵便局と蛇 (魔法の本棚) 単行本 – 1996/7/1
- 本の長さ244ページ
- 言語日本語
- 出版社国書刊行会
- 発売日1996/7/1
- ISBN-104336038325
- ISBN-13978-4336038326
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
虎に扮してライオンと戦うはめに陥った男が檻の中で出会ったのは…。ユーモラスな展開の中に人生の深淵を覗く名作「銀色のサーカス」他、日常の裏側にひそむ怪奇と神秘を描く珠玉の短編集。
登録情報
- 出版社 : 国書刊行会 (1996/7/1)
- 発売日 : 1996/7/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 244ページ
- ISBN-10 : 4336038325
- ISBN-13 : 978-4336038326
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,146,288位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年10月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
表題作の他、全10つの作品を収めた短編集。冒頭の「銀色のサーカス」を読んだ記憶があるので作者の作品を初読という訳ではないが、ほぼ初読の状態。一読、"独自の作風"を強く意識した作家である事が窺える。その作風も短編毎にバラバラであり、一言で何々風の作家と呼べない事も特徴であろう。
各短編は奇妙なシチュエーションを用意して、その中での人間心理の機微を扱ったもの(「銀色のサーカス」等)、短編らしい構成の妙が光るもの(表題作等)、フェアリーテイル風のもの、信仰について扱ったものと多彩で、意味の汲み取れない短編も多い(特に信仰に係わるもの)が、不思議な煌めきを感じた。また、旅(人生のメタファーか ?)及び夥しい数の草花・小動物が登場するのも特徴で、この圧倒的イメージが含意するものを汲み取る事も容易ではない。
独自性・独創性に富んだ読み応えのある短編集で、小説読みを自認する方にとって一読の価値がある作品だと思う。
各短編は奇妙なシチュエーションを用意して、その中での人間心理の機微を扱ったもの(「銀色のサーカス」等)、短編らしい構成の妙が光るもの(表題作等)、フェアリーテイル風のもの、信仰について扱ったものと多彩で、意味の汲み取れない短編も多い(特に信仰に係わるもの)が、不思議な煌めきを感じた。また、旅(人生のメタファーか ?)及び夥しい数の草花・小動物が登場するのも特徴で、この圧倒的イメージが含意するものを汲み取る事も容易ではない。
独自性・独創性に富んだ読み応えのある短編集で、小説読みを自認する方にとって一読の価値がある作品だと思う。
2015年5月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中学生の息子がほしがったので、購入。すぐに届いて助かったのですが、内容としては難しかったとの感想でした。ということで、内容としては他のレビューアの方々がコメントされる通り、面白いものだと思いますが、小説読者の上級者向けかもしれません。
2019年3月31日に日本でレビュー済み
幻想的で奇妙で、これほど感想を言いにくい小説はないのではないかと思いました。
でも、強く引き付けられる話ばかりでした。
中でも「若く美しい柳」が好みで、泣きそうになりました。
でも、強く引き付けられる話ばかりでした。
中でも「若く美しい柳」が好みで、泣きそうになりました。
2009年12月16日に日本でレビュー済み
あまりにも圧倒的な小説です。
ファンタシーとホラー、ユーモアが最高点で絶妙に交わった、ありきたりな短編集に飽きた方に、読んでいただきたい短篇集です。
きっと、いままで体験したことのないような、最高の体験ができます。西崎憲氏の翻訳も、とても素晴らしく、まさに非の打ち所のない短篇集と申せましょう。
映画『スター・ウォーズ』の評論ではないですが、この短篇集の欠点は、終わってしまうこと。つまり、ページ数が決まっているということです。
一読に値する、中毒症状を引き起こす、最高の短篇集を、あなたも読んでみてはいかがでしょうか。お試しは、なかでも一番短い表題作から。不思議な短篇で、魅力的です。まさしく短篇のお手本と申してさしつかえあるまいと断言できる極上の一編です。それに、それを越える短篇がこの一冊には詰め込まれています。
あなたも、その魅力をじっくりと味わってください。きっと、忘れがたい一冊となるでありましょう。
ファンタシーとホラー、ユーモアが最高点で絶妙に交わった、ありきたりな短編集に飽きた方に、読んでいただきたい短篇集です。
きっと、いままで体験したことのないような、最高の体験ができます。西崎憲氏の翻訳も、とても素晴らしく、まさに非の打ち所のない短篇集と申せましょう。
映画『スター・ウォーズ』の評論ではないですが、この短篇集の欠点は、終わってしまうこと。つまり、ページ数が決まっているということです。
一読に値する、中毒症状を引き起こす、最高の短篇集を、あなたも読んでみてはいかがでしょうか。お試しは、なかでも一番短い表題作から。不思議な短篇で、魅力的です。まさしく短篇のお手本と申してさしつかえあるまいと断言できる極上の一編です。それに、それを越える短篇がこの一冊には詰め込まれています。
あなたも、その魅力をじっくりと味わってください。きっと、忘れがたい一冊となるでありましょう。
2020年6月5日に日本でレビュー済み
コッパードの短篇集。以前、国書刊行会から出たものの筑摩書房文庫版です。新訳は『アラベスクー鼠』の1篇が足されています。『銀色のサーカス』に関して訳者が後書きで書いている話を読んで深く感動しました。訳者のコッパードらしさという作家にかける思い、尊敬と愛おしく思う気持ちなどが伝わってきて、この後書きだけでこの本はずっと持ち続ける価値があると思いました。本文だけよりも価値が上がった感じがします。
2014年10月26日に日本でレビュー済み
様々なジャンルの短編集。ファンタジー、神話風、信仰を扱ったもの、ブラックユーモア・・など。なんともいえない、詩的で不思議な世界です。
「若く美しい柳」という作品が一番好み。
巻末の、A・E・コッパードが作家になるまでの遍歴について、興味深く読んだ。
「若く美しい柳」という作品が一番好み。
巻末の、A・E・コッパードが作家になるまでの遍歴について、興味深く読んだ。