短編集『聖母の贈り物』に収録されているのは,
ウィリアム・トレヴァーが過去に発表した作品の中から
訳者 栩木伸明によって選び抜かれた12の短編だ.
その内の8篇は1978年に発表された短編集
『Lovers of Their Time』から採録されている.
その8篇には,必ず一人,
ある特質を持った人物が登場する.
彼らは想像力が豊かで,
常に夢を見たりイメージの世界を膨らませたりしている.
しかし,彼らが夢に溺れたり
イメージの世界に飲み込まれたりすることは決してない.
彼らの前にある現実の世界が,
最終的には彼らの夢やイメージを打ち壊し,
想像の世界から彼らを引き戻してしまう.
聖地エルサレムに憧れていた神父は,
実際に訪れて目にしたエルサレムの光景
(銃を持つ兵士・街角の売春婦・下品な観光客)によって
夢から覚め,現実に引き戻されてしまうだろうし,
(『エルサレムに死す』)
不倫相手との理想の暮らしに憧れていた男は,
実際に始まった(その理想とは程遠い)暮らしによって,
夢から覚め,現実に引き戻されてしまうだろう.
(『イエスタデイの恋人たち』)
夢から覚めた後の喪失感,
これがウィリアム・トレヴァー独特の味.
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聖母の贈り物 (短篇小説の快楽) 単行本 – 2007/2/1
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"孤独を求めなさい"---聖母の言葉を信じてアイルランド全土を彷
徨する男を描く表題作をはじめ、ある屋敷をめぐる驚異の年代記「マティルダの
イングランド」、恋を失った女がイタリアの教会で出会う奇蹟の物語「雨上が
り」など、運命に抗えない人々の姿を鋭利な視線と引き締まった文体でえぐりと
る稀代のストーリーテラー、トレヴァーのベスト・コレクション全12篇。
徨する男を描く表題作をはじめ、ある屋敷をめぐる驚異の年代記「マティルダの
イングランド」、恋を失った女がイタリアの教会で出会う奇蹟の物語「雨上が
り」など、運命に抗えない人々の姿を鋭利な視線と引き締まった文体でえぐりと
る稀代のストーリーテラー、トレヴァーのベスト・コレクション全12篇。
- 本の長さ408ページ
- 言語日本語
- 出版社国書刊行会
- 発売日2007/2/1
- ISBN-104336048169
- ISBN-13978-4336048165
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登録情報
- 出版社 : 国書刊行会 (2007/2/1)
- 発売日 : 2007/2/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 408ページ
- ISBN-10 : 4336048169
- ISBN-13 : 978-4336048165
- Amazon 売れ筋ランキング: - 483,513位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 4,342位英米文学研究
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トップレビュー
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2010年4月2日に日本でレビュー済み
「ジョイス、オコナー、ツルゲーネフ、チェーホフに連なる現代最高の短篇作家」と冠されるウィリアム・トレヴァーの「12曲」の「ベストアルバム」なので、悪かろうはずはないと思っていましたが、これまでに読んだのが柴田元幸氏の「むずかい愛」と村上春樹氏の「バースデイ・ストーリー」に収録されていたものだけで、正直さほど強い印象が残っていませんでした。しかし、こうしてまとまったものを読んでみると、その行き届いた細部へのこだわりや、展開や落とし所の巧みさといった、短篇作家に求められる資質の高さを嫌が応でも味わうことができます。新潮社クレスト・ブックからも出ているのになにを今さらと愚鈍の極みを恥じ入るばかりですが、まだ未読の方にはぜひにとお勧めしたい一冊です。個人的な好みで言わせてもらえば、あれこれ考えることができそうな表題作「聖母の贈り物」がよかったです。それからこれは蛇足かもしれませんが、「訳者あとがき」の「趣味趣味音楽」は傍点ではなく、「音楽」に「ミュージック」のルビを振ったほうが、「総合制中学校」に「コンプリヘンシブ」のルビを振ったりする翻訳もののパロディになって、「ナイアガラのファン」の方に喜ばれたのではないでしょうか。
2011年8月25日に日本でレビュー済み
60年代ポップスのアルバムは大体が12曲で構成されていたということから、トレヴァーのオリジナルの短編集は、すべて12の作品から成り立っている。本書も12作品。
60年代ポップスのヒーローと言えば、ザ・ビートルズ。そのザ・ビートルズのヒット曲が背景に流れる中で物語が進行するのが、「イエスタディの恋人たち」。出会いと別れ、不倫と逢引き、好きよ好きだわだけではこの世の中決して生きていけない男と女の微妙な生き様・・・・。切ない別れが待っている。
「マティルダのイングランド」は、3つの短編から構成される中編小説で、ある大きなお屋敷とそこに住まう一人の女性の一世代を描く物語である。当初のオーナーの言葉に励まされるとともに、自らのエゴを貫き通すことで、この由緒ある屋敷を守り通すという信念に貫かれたこの女性・マティルダの意気込み、こりゃ一体なんなんだ。
「トリッジ」。このトリッジなる少年時代のニークなキャラは、大人になって3つの家族の家族ぐるみの食事会で、なかばぶち壊し気味に発揮されるからこれはむしろ「怖い」。
表題作の「聖母の贈り物」。夢の中で聖母に「孤独を求めなさい」という言葉をかけられたことに触発された男が、アイルランドをただ一人で歩き続け、最期に奇蹟的に出会ったのは・・・・。
他の作品も、まあ読んで御覧なさい、凄い、凄くて怖くて、さぶいぼが出るから。
過去と現在を行き来する。言葉のあやの重要さを引きも切らない緊張感で読者を引きずり込む手際の良さ。並大抵のものではない。まさにこれがトレヴァーが描く小説世界。
60年代ポップスのヒーローと言えば、ザ・ビートルズ。そのザ・ビートルズのヒット曲が背景に流れる中で物語が進行するのが、「イエスタディの恋人たち」。出会いと別れ、不倫と逢引き、好きよ好きだわだけではこの世の中決して生きていけない男と女の微妙な生き様・・・・。切ない別れが待っている。
「マティルダのイングランド」は、3つの短編から構成される中編小説で、ある大きなお屋敷とそこに住まう一人の女性の一世代を描く物語である。当初のオーナーの言葉に励まされるとともに、自らのエゴを貫き通すことで、この由緒ある屋敷を守り通すという信念に貫かれたこの女性・マティルダの意気込み、こりゃ一体なんなんだ。
「トリッジ」。このトリッジなる少年時代のニークなキャラは、大人になって3つの家族の家族ぐるみの食事会で、なかばぶち壊し気味に発揮されるからこれはむしろ「怖い」。
表題作の「聖母の贈り物」。夢の中で聖母に「孤独を求めなさい」という言葉をかけられたことに触発された男が、アイルランドをただ一人で歩き続け、最期に奇蹟的に出会ったのは・・・・。
他の作品も、まあ読んで御覧なさい、凄い、凄くて怖くて、さぶいぼが出るから。
過去と現在を行き来する。言葉のあやの重要さを引きも切らない緊張感で読者を引きずり込む手際の良さ。並大抵のものではない。まさにこれがトレヴァーが描く小説世界。
2021年4月4日に日本でレビュー済み
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大体きれいな状態でしたが、黒い黴が2ページにわたり浮き出ていて、その点が残念でした。
2007年7月12日に日本でレビュー済み
5冊発売される予定で、今のところこれと、キャロル・エムシュウィラーの「すべての終わりの始まり」ですね。
国書刊行会といえば、ちょっと妖しい雰囲気の作品や作家を紹介する出版社ですので、期待して予約しましたが、やはり当たりでした。
できればこれだけでなく他の短編集も一読お勧めします。
国書刊行会といえば、ちょっと妖しい雰囲気の作品や作家を紹介する出版社ですので、期待して予約しましたが、やはり当たりでした。
できればこれだけでなく他の短編集も一読お勧めします。
2007年3月25日に日本でレビュー済み
トレヴァーの描く世界は至極人間臭くていじわるだ。それはとりあえず試しに巻頭の「トリッジ」を読んでみればよくわかる。ここに登場するのは、十三歳のトリッジという少々まぬけな少年だ。彼はおつむが弱いのか、自分が笑い者にされても一緒にヘラヘラ笑っているようなところがある。そんな彼の少年時代のエピソードが語られ読者は彼の半人前以下の寄宿舎生活を追体験する。なんとも情けなくて、でも憎みきれないトリッジ。この短編の前半はそういったユーモアを感じさせる雰囲気の中進行していく。しかし後半にはいって様相は一変する。なんという展開だ。そうきたか。なるほど、トレヴァーってこんな感じなの?こんな具合に、トレヴァーは人間の邪まな部分や不実な部分を好んで描いてゆく。しかし、そこに嫌悪感はない。それらのいわば『負』の部分を強調していても、嫌な感じはないのだ。なぜなら、それが人間なんだという肯定のもと話が構築されているから、読み手としても素直に受け入れてしまうのだ。人間ってこんなもんなんだよ、これが人間の真の姿なんだよと作者がやさしく説いてくれてるような感じだ。
ところで本書の中で一番良かったのが「マティルダのイングランド」。これは短編というより中編ぐらいの分量があったのだが、古き良き時代で幕が上がった物語がラストでは○○○っぽい話になってしまうところが凄い。この展開は、ある意味ミステリにも通じるカタルシスがあった。う〜んトレヴァー凄いぞ。
ところで本書の中で一番良かったのが「マティルダのイングランド」。これは短編というより中編ぐらいの分量があったのだが、古き良き時代で幕が上がった物語がラストでは○○○っぽい話になってしまうところが凄い。この展開は、ある意味ミステリにも通じるカタルシスがあった。う〜んトレヴァー凄いぞ。
2015年5月6日に日本でレビュー済み
例えば巻頭の話。学生時代から仲の良かった男3人が毎年家族も含めて旧交を温め合う。
そこに学生時代は「天然くん」として有名だった奴を招いたのだけれど、という展開。
彼はご家族みんなの前で「みんなホモ達だったんだよな~」という暴露話を始めるという、それだけの話。
全盛期のモンティ・パイソンがやれば少しは笑えたかもしれないが、申し訳無いオレには笑えないしもちろん感動も無い。
2話目。
夫ばかりか息子も亡くし、その為お店も手放した老女にボランティアという名目で襲いかかる脅威。
チンピラな青少年達が頼みもしないのに部屋を黄色のペンキで塗りたくり、ラブホテル代わりに使用し、
その教師は良い事をしたと思って去ってゆく。殺人の無い「シャロン・テート事件」って感じ。
あのーなんなんすかコレは。
こんな話ばかり喜ぶ人はどこかゆがんでいませんか?
これが「聖母の贈り物」といういかにもクリスマスのプレゼント好適品、みたいな上っ面で売られているから始末に悪い。
この本に相応しい運命は「火にくべる事」だけです!
何が「短篇小説の快楽」だ!ざけんなよ国書刊行会!榎本伸明てめえもだ!
まず人間らしい心を持ってから仕事しろ!
そこに学生時代は「天然くん」として有名だった奴を招いたのだけれど、という展開。
彼はご家族みんなの前で「みんなホモ達だったんだよな~」という暴露話を始めるという、それだけの話。
全盛期のモンティ・パイソンがやれば少しは笑えたかもしれないが、申し訳無いオレには笑えないしもちろん感動も無い。
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夫ばかりか息子も亡くし、その為お店も手放した老女にボランティアという名目で襲いかかる脅威。
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その教師は良い事をしたと思って去ってゆく。殺人の無い「シャロン・テート事件」って感じ。
あのーなんなんすかコレは。
こんな話ばかり喜ぶ人はどこかゆがんでいませんか?
これが「聖母の贈り物」といういかにもクリスマスのプレゼント好適品、みたいな上っ面で売られているから始末に悪い。
この本に相応しい運命は「火にくべる事」だけです!
何が「短篇小説の快楽」だ!ざけんなよ国書刊行会!榎本伸明てめえもだ!
まず人間らしい心を持ってから仕事しろ!