書かれた１９７０年代で、主人公の表題になってる人物はその世相を反映してか、自由奔放でジャガーを乗りこなす大柄なタイプで意志も強く敢然とするところのない女性で、片親で子供を育てようとするという、この年代に大きく変わった女性観を象徴しているようにも見受けられます。著者は変わりゆく年代のなかで一人の女性がどういう風に生きているかその人生の断面を描きたかったように思えました。人間関係も多彩で多くの登場人物との絡みも意外性にとみ、ラストのカタストロフィも重い余韻をのこします。作品解題を読むと更に著者の技巧や作為に深い隠喩が込められているのがわかり、一筋縄ではいかない深い作品に思えました。ただ、文章が多少硬質でイメージしにくい部分もありそこのところは少々つかれました。
その他の登場人物にも精彩があり読む喜びに溢れていて読んでいて楽しかったです。ボウエンは全て翻訳してもらいたいです。
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