出版という行為自体を文化のひとつととらえて、検証と批評
を続けている著者が、電子本ブームで混乱する現況を静観す
るためのマクロな視点を与えてくれる、“電子本とのつきあ
い方”ガイドであると言えるのが本書でしょう。
著者は「長い歴史をもつ本の力がかつてない頂点にたっした
時代」とする20世紀後半を編集者として出版の現場に立ち、
カルチャーの媒介だけでなく、出版自体が当時医者すなわち
情報本体となる可能性を追求してきた第一人者で、そうした
視座がどこにあるのかを本書第一部の書き下ろしによって明
らかにしてくれています。
第二部の「季刊・本とコンピュータ」誌再録の原稿では、21
世紀に入ったばかりの5年間にデジタルと出版の関わり方が変
化するようすを、時系列で追えるようになっています。
驚くべきは第三部で、1986年に書かれた原稿です。すでにD
TPの影が出版界に実体として迫り始めていたとは言え、あ
まりタイムラグを感じさせない著者の論考により、改めて広
い視野で本の電子化を考える重要性と、出版によって人はな
にを与えられるのかという根本論を忘れてはいけないという
ことを教えられます。
世はツールとしての電子本に話題が集まりがちですが、電子
だろうがインクと紙だろうが、変わらない部分、いや変えて
はいけない部分は変えてはいけないのだという、当たり前の
ことに気づかされました。
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電子本をバカにするなかれ 書物史の第三の革命 単行本 – 2010/11/26
津野 海太郎
(著)
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購入オプションとあわせ買い
"電子書籍元年、紙の本はいずれ亡びる――そんなバカな! せわしないビジネス談 義の前に、電子化への動きを五千年におよぶ長い書物史・文明史の流れのなかで とらえなおしてみよう。二つの本のかたちが共存する新しい時代が見えてくるはずだ。 電子本黎明期より本と出版の未来を考察してきた第一人者による明快な読書論。 書き下ろし<書物史の第三の革命>と、萩野正昭氏との対談も収録。
*目次*
1.書物史の第三の革命
1 本と読書の世界が変わる
2 「本の黄金時代」としての二十世紀
3 売れる本がいい本
4 そして人が本を読まなくなった
5 本の電子化はいつはじまったのだろうか
6 二十一世紀のゼロ年代に起ったこと
7 第三の革命の四つの段階
8 新しい力
9 印刷本再発見
10 二つの本のバランスを求めて
2.電子本をバカにするなかれ
もし私が21世紀の出版史を書くとしたら
無料情報の大海のなかで
私はコンピュータ嫌いになりそうだ
孫悟空――印刷の文化英雄
東アジア共同出版でなにをやるのか
自動翻訳とデータベース――私の週間日記
『季刊・本とコンピュータ』終刊の辞
本の原液――萩野正昭との対談
情報は捨てても本は捨てるな
あえて電子辞書の肩をもつ
ウィキペディアとマチガイ主義
3.歩く書物――ブックマンが見た夢
1 レイ・ブラッドベリ再読
2 来たるべきホメロス
3 『坊っちゃん』の変形
4 新しい文字
あとがき"
*目次*
1.書物史の第三の革命
1 本と読書の世界が変わる
2 「本の黄金時代」としての二十世紀
3 売れる本がいい本
4 そして人が本を読まなくなった
5 本の電子化はいつはじまったのだろうか
6 二十一世紀のゼロ年代に起ったこと
7 第三の革命の四つの段階
8 新しい力
9 印刷本再発見
10 二つの本のバランスを求めて
2.電子本をバカにするなかれ
もし私が21世紀の出版史を書くとしたら
無料情報の大海のなかで
私はコンピュータ嫌いになりそうだ
孫悟空――印刷の文化英雄
東アジア共同出版でなにをやるのか
自動翻訳とデータベース――私の週間日記
『季刊・本とコンピュータ』終刊の辞
本の原液――萩野正昭との対談
情報は捨てても本は捨てるな
あえて電子辞書の肩をもつ
ウィキペディアとマチガイ主義
3.歩く書物――ブックマンが見た夢
1 レイ・ブラッドベリ再読
2 来たるべきホメロス
3 『坊っちゃん』の変形
4 新しい文字
あとがき"
- 本の長さ290ページ
- 言語日本語
- 出版社国書刊行会
- 発売日2010/11/26
- 寸法2.3 x 11.6 x 18.8 cm
- ISBN-10433605326X
- ISBN-13978-4336053268
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商品の説明
著者について
"津野海太郎(つの・かいたろう)1938年年福岡生まれ。評論家。早稲田大学卒業後、編集と演劇に携わる。劇団「黒テント」制作・演出、晶文社取締役、『季刊・本とコンピュータ』総合編集長、和光大学教授・図書館長を歴任。主な著書に『小さなメディアの必要』(晶文社)、『滑稽な巨人 坪内逍遙の夢』(平凡社、新田次郎文学賞)、『ジェローム・ロビンスが死んだ』(平凡社、芸術選奨文部科学大臣賞)、『おかしな時代 「ワンダーランド」と黒テントへの日々』(本と雑誌社)、『したくないことはしない 植草甚一の青春』(新潮社)などがある。 "
登録情報
- 出版社 : 国書刊行会; 初版 (2010/11/26)
- 発売日 : 2010/11/26
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 290ページ
- ISBN-10 : 433605326X
- ISBN-13 : 978-4336053268
- 寸法 : 2.3 x 11.6 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 878,267位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 259位出版・自費出版関連書籍
- - 106,276位社会・政治 (本)
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年5月10日に日本でレビュー済み
2020年12月18日に日本でレビュー済み
2010年の11月の発行。10年後の今、本書で述べられたことや当時著者が見聞していた諸現象については、結論が出たり、方向性が定まったことは多いです。
しかし、10年前を振り返る意義は大いに感じました。また、懐かしさもあるので楽しく読めました。
しかし、10年前を振り返る意義は大いに感じました。また、懐かしさもあるので楽しく読めました。
2010年12月3日に日本でレビュー済み
百年、さらには千年の目盛によって、”本と読書”の変化を振り返るという、実に壮大な一冊。しかもこの本、直近で読了した「
ネット・バカ
」と同じようなスパンで、同じようなテーマを扱っているのだが、面白いくらい視点やフォーカスしているポイントが違うのが興味深い。
◆この本の著者の主張で印象に残ったこと
・千年単位で振り返った時に過去に起こったいずれの革命によっても、人間から「記憶」と「精読」の能力が失われることはなかった。
・情報処理と読書は、似て非なるものである。
情報のビット化が進むにつれて、深く考える力が失われているという意見がある、ただし、ネット上のコンテンツを摂取する情報処理と、本を読む読書は、分けて考えなければならない。そのバランスが悪くなっていれば、それも是正すれば良いだけのことだ。しかも、我々は情報処理の道をひたすら邁進すること、読書の世界に引き戻ること、どちらを選択することもできる。それが、革命の最中に生きる者のみが享受できる最大の特典でもある。
息苦しく感じた時には、全てのデジタル機器をオフにし、ひたすら読書に励むひと時を過ごすのも良いかもしれない。また、情報処理への姿勢は変えず、それを質で凌駕する読書に励むことも解決策になるかもしれない。ただしその場合の読書は、行動する読書でなくてはならないと思う。全く知らない領域の本に手を出して、新しい文脈を自分に形成するための読書。読んだ本を自分のスキーマに組み替えることを身体で感じるながらの読書。本と本の関連付けを考えながら行う読書。方法はさまざまである。
「本は読んでも、読まれるな!」なのである。
◆この本の著者の主張で印象に残ったこと
・千年単位で振り返った時に過去に起こったいずれの革命によっても、人間から「記憶」と「精読」の能力が失われることはなかった。
・情報処理と読書は、似て非なるものである。
情報のビット化が進むにつれて、深く考える力が失われているという意見がある、ただし、ネット上のコンテンツを摂取する情報処理と、本を読む読書は、分けて考えなければならない。そのバランスが悪くなっていれば、それも是正すれば良いだけのことだ。しかも、我々は情報処理の道をひたすら邁進すること、読書の世界に引き戻ること、どちらを選択することもできる。それが、革命の最中に生きる者のみが享受できる最大の特典でもある。
息苦しく感じた時には、全てのデジタル機器をオフにし、ひたすら読書に励むひと時を過ごすのも良いかもしれない。また、情報処理への姿勢は変えず、それを質で凌駕する読書に励むことも解決策になるかもしれない。ただしその場合の読書は、行動する読書でなくてはならないと思う。全く知らない領域の本に手を出して、新しい文脈を自分に形成するための読書。読んだ本を自分のスキーマに組み替えることを身体で感じるながらの読書。本と本の関連付けを考えながら行う読書。方法はさまざまである。
「本は読んでも、読まれるな!」なのである。
2011年5月4日に日本でレビュー済み
20世紀というのは、書物史や出版史という視点から見ると特殊な百年だった…
そして著者はそれを「本の黄金時代」だったと語ります。
《第一の革命》
それは誕生したばかりの文字によって、口頭でいい伝えられてきたものが記録されるようになった。
口承から記録へ。
《第二の革命》
長い書記、手写の時代を経て印刷技術の登場。
同一文書をいちどに大量にコピーできるようになった。
写本から印刷へ。
《第三の革命》とは、
「紙の印刷の本」から「電子の本」へと向かう動きのことを指します。
この電子化への移行は、《書記革命》《印刷革命》2つの革命に匹敵するほど巨大な変化を促します。
そして それはもう既に始まっている…
著者はこの流れを大きなスパンで俯瞰することにより見えてくる現象を分析します。
「良い・悪い」といった観点だけでなく、お互いの長所を認め合い、短所を補うことにより、新しい本との付き合い方が形成されるだろうと予測します。
ただその担い手は、自分たちの世代ではなく、次世代の感性でやるべきだという主張に潔さを感じました。
もともと本は、究極の多品種少量生産品であったのが、「売れてる本がいい本」といった市場原理により凋落していく様を体験してきた著者は こう語ります。
「インターネットの無料情報になれた人びとに有料の本を売るには、それなりの努力が必要になる。おなじ努力なら、大量生産、大量宣伝、大量販売、大量廃棄の怪物に奉仕させられるよりも、こちらのほうがよほど魅力的ではないか」
そして著者はそれを「本の黄金時代」だったと語ります。
《第一の革命》
それは誕生したばかりの文字によって、口頭でいい伝えられてきたものが記録されるようになった。
口承から記録へ。
《第二の革命》
長い書記、手写の時代を経て印刷技術の登場。
同一文書をいちどに大量にコピーできるようになった。
写本から印刷へ。
《第三の革命》とは、
「紙の印刷の本」から「電子の本」へと向かう動きのことを指します。
この電子化への移行は、《書記革命》《印刷革命》2つの革命に匹敵するほど巨大な変化を促します。
そして それはもう既に始まっている…
著者はこの流れを大きなスパンで俯瞰することにより見えてくる現象を分析します。
「良い・悪い」といった観点だけでなく、お互いの長所を認め合い、短所を補うことにより、新しい本との付き合い方が形成されるだろうと予測します。
ただその担い手は、自分たちの世代ではなく、次世代の感性でやるべきだという主張に潔さを感じました。
もともと本は、究極の多品種少量生産品であったのが、「売れてる本がいい本」といった市場原理により凋落していく様を体験してきた著者は こう語ります。
「インターネットの無料情報になれた人びとに有料の本を売るには、それなりの努力が必要になる。おなじ努力なら、大量生産、大量宣伝、大量販売、大量廃棄の怪物に奉仕させられるよりも、こちらのほうがよほど魅力的ではないか」
2010年12月31日に日本でレビュー済み
60年代の少年期に本を読み始め(津野さん率いる晶文社にもだいぶお世話になりました)、今でも読みたい本に事欠かず、積ん読本に追われている身としては、電子本という問題はとりあえず関係ない。
電子本が自分にとって問題になるのは、出版社で働き、本作りを仕事にしているからだ。作った本が売れない、辞書が売れない、辞書CD-ROMも90年代の高額でも許された頃はよかったけれど、どんどん存在感がなくなってきた。おいおい、オレが退職するくらいまで、もってくれよ、出版業。
この本の津野さんの百年、さらには千年を目盛にした分析を読むと、そんな自分が歴史上、出版バブルとも言うべき特殊な(それでも渦中にいる人間にとっては楽しく、元気な)時代を生きてきたのだということが分かる。そして読書は書籍で、電子本は作るのはいいけど、個人として読むのはどうかな、と思いつつ、気がつけば、毎日おびただしい情報、知識をPCのディスプレイ上で摂取している。後は電子本のリーダーを買うかどうかの違いだけしか残されていないじゃないの。
感情的にならず、落ち着いて歴史に付き合っていこうと思わせられる。東アジアをつなぐ出版の試みの話も興味深かった。
電子本が自分にとって問題になるのは、出版社で働き、本作りを仕事にしているからだ。作った本が売れない、辞書が売れない、辞書CD-ROMも90年代の高額でも許された頃はよかったけれど、どんどん存在感がなくなってきた。おいおい、オレが退職するくらいまで、もってくれよ、出版業。
この本の津野さんの百年、さらには千年を目盛にした分析を読むと、そんな自分が歴史上、出版バブルとも言うべき特殊な(それでも渦中にいる人間にとっては楽しく、元気な)時代を生きてきたのだということが分かる。そして読書は書籍で、電子本は作るのはいいけど、個人として読むのはどうかな、と思いつつ、気がつけば、毎日おびただしい情報、知識をPCのディスプレイ上で摂取している。後は電子本のリーダーを買うかどうかの違いだけしか残されていないじゃないの。
感情的にならず、落ち着いて歴史に付き合っていこうと思わせられる。東アジアをつなぐ出版の試みの話も興味深かった。