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煙が目にしみる : 火葬場が教えてくれたこと 単行本 – 2016/8/26
ケイトリン・ドーティ
(著),
池田真紀子
(翻訳)
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「初めてひげ剃りをした死体のことを、女は死ぬまで忘れない。ファーストキスや初体験以上に」――20代の女性火葬技師が本音で真摯に〈愛と死〉を哲学する、ニューヨークタイムズベストセラー待望の邦訳。からっと明るくチャーミングで熱い、笑いと涙の葬儀屋奮闘記。
- 本の長さ376ページ
- 言語日本語
- 出版社国書刊行会
- 発売日2016/8/26
- ISBN-104336060711
- ISBN-13978-4336060716
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
煙が目にしみる―火葬場が教えてくれたこと [著]ケイトリン・ドーティ [訳]池田真紀子
米国シカゴ大学で中世史を学んだ女性が、サンフランシスコの葬儀社に就職し「火葬技師」として働いた1年間の体験記だ。 土葬が基本の米国で、近年増加傾向にあるとはいえ火葬はマイノリティ。「なんでまた大学を出て。それも火葬場に」と同僚からも首を傾げられる。 「死」に強い関心をもった8歳の時の体験をはじめ、小説を読むようなタッチで日々の出来事が綴られる。一人きりの職場に慣れたある日、赤いワンピースで出勤するや「そこのあなた」と遺族から叱責される。火葬室に遺族が集うのが稀だったためだ。「遺灰の配送」も珍しくはなく、難癖をつけて料金を払うまいとする輩もいる。異文化の集積する多民族国家。逸話の一つ一つから、弔いの儀式や捉え方はこんなにも異なるものかと驚かされる。
評者:朝山実
(週刊朝日 掲載)著者について
ケイトリン・ドーティ
1984年ハワイ州オアフ島生まれ。ロサンゼルス在住。シカゴ大学で中世史を学び、卒業後、サンフランシスコの葬儀社に勤務。サイプレス・カレッジ葬儀学校にて葬儀ディレクターの資格を取得、複数の葬儀社に勤務したのち、土葬、火葬、直葬、自然葬など、故人や遺族の希望に沿う多彩な葬儀をプランニングする葬儀会社〈Undertaking LA〉を2015年に設立した。ウェブサイト〈The Order of the Good Death(www.orderofthegooddeath.com)や、雑誌や新聞への寄稿、テレビ出演などを通じて、死や葬儀に関する情報の提供を続ける一方、〈Ask A Mortician〉というチャンネル名でYouTubeにさまざまなテーマを取り上げた動画を投稿している。
池田真紀子
1966年東京生まれ。上智大学卒業。英米文学翻訳家。主な訳書にウェルシュ『トレインスポッティング』(角川書店)、パラニューク『ファイト・クラブ』(早川書房)、クラーク『幼年期の終わり』(光文社古典新訳文庫)、パトリック・ネス『怪物はささやく』(あすなろ書房)、E・L・ジェイムズ『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(早川書房)、クライン『ゲームウォーズ』(SBクリエイティブ)、ホーキンズ『ガール・オン・ザ・トレイン』(講談社)、ディーヴァー『スキン・コレクター』(文藝春秋)、コーンウェル『標的』(講談社)など。
1984年ハワイ州オアフ島生まれ。ロサンゼルス在住。シカゴ大学で中世史を学び、卒業後、サンフランシスコの葬儀社に勤務。サイプレス・カレッジ葬儀学校にて葬儀ディレクターの資格を取得、複数の葬儀社に勤務したのち、土葬、火葬、直葬、自然葬など、故人や遺族の希望に沿う多彩な葬儀をプランニングする葬儀会社〈Undertaking LA〉を2015年に設立した。ウェブサイト〈The Order of the Good Death(www.orderofthegooddeath.com)や、雑誌や新聞への寄稿、テレビ出演などを通じて、死や葬儀に関する情報の提供を続ける一方、〈Ask A Mortician〉というチャンネル名でYouTubeにさまざまなテーマを取り上げた動画を投稿している。
池田真紀子
1966年東京生まれ。上智大学卒業。英米文学翻訳家。主な訳書にウェルシュ『トレインスポッティング』(角川書店)、パラニューク『ファイト・クラブ』(早川書房)、クラーク『幼年期の終わり』(光文社古典新訳文庫)、パトリック・ネス『怪物はささやく』(あすなろ書房)、E・L・ジェイムズ『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(早川書房)、クライン『ゲームウォーズ』(SBクリエイティブ)、ホーキンズ『ガール・オン・ザ・トレイン』(講談社)、ディーヴァー『スキン・コレクター』(文藝春秋)、コーンウェル『標的』(講談社)など。
登録情報
- 出版社 : 国書刊行会 (2016/8/26)
- 発売日 : 2016/8/26
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 376ページ
- ISBN-10 : 4336060711
- ISBN-13 : 978-4336060716
- Amazon 売れ筋ランキング: - 209,930位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2018年1月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
友人のノンフィクション作家井上理津子氏に薦められて購入。
アメリカは、一般的に土葬が多いのですが、近年、火葬も増加。
衛生面、場所を取らないという利点を考えれば土葬よりも火葬ですが、宗教的な問題もあり、なかなか難しい。
アメリカの火葬場現場の実情や作業員の感情も分かり日本との比較も出来て面白かったです。
アメリカは、一般的に土葬が多いのですが、近年、火葬も増加。
衛生面、場所を取らないという利点を考えれば土葬よりも火葬ですが、宗教的な問題もあり、なかなか難しい。
アメリカの火葬場現場の実情や作業員の感情も分かり日本との比較も出来て面白かったです。
2016年10月30日に日本でレビュー済み
8歳の時に偶然幼児の事故死を目撃してしまって以来、人一倍死の恐怖にとらわれていた著者があえて「敵陣に斬り込むように」葬儀業界に就職したシーンから始まる記録。火葬技師となってから数年間の経験と、それを通じて得た考え方の変化、死と、我々の文明、自然と、人間の尊厳についての考察が、アメリカ人的なドライさやグロテスクなブラックユーモアの仮装をまといつつ、その実、きわめて真面目に語られる。
我々全員を含めこの世にある者すべてにとって、生まれ出た瞬間から、いつでもこの身に近しいものとしてそこにある「死」、そしてあたかもそれを無きものであるかのごとく隠蔽して成立している現代の「文明」の病い。我々はもっと死について語り合ってよい。自然現象としての死、尊厳をもって生きることや、敬意をもって死者を送り出すことについて。
「死の静けさ、墓地の静けさは、決して罰ではない。よき人生を生きた者に与えられる褒美だ。」(p.346)
著者のケイトリン・ドーティ氏はおそらく家族の愛情にとても恵まれて育った人のように見受けられる。対象から目をそらさない誠実さ真摯さに敬意と好感を覚える。彼女のことが好きになった。
池田真紀子氏の翻訳はその語り口を伝えてとても読みやすく、読み応えがあった。本年読んだ中で屈指の一冊であった。
我々全員を含めこの世にある者すべてにとって、生まれ出た瞬間から、いつでもこの身に近しいものとしてそこにある「死」、そしてあたかもそれを無きものであるかのごとく隠蔽して成立している現代の「文明」の病い。我々はもっと死について語り合ってよい。自然現象としての死、尊厳をもって生きることや、敬意をもって死者を送り出すことについて。
「死の静けさ、墓地の静けさは、決して罰ではない。よき人生を生きた者に与えられる褒美だ。」(p.346)
著者のケイトリン・ドーティ氏はおそらく家族の愛情にとても恵まれて育った人のように見受けられる。対象から目をそらさない誠実さ真摯さに敬意と好感を覚える。彼女のことが好きになった。
池田真紀子氏の翻訳はその語り口を伝えてとても読みやすく、読み応えがあった。本年読んだ中で屈指の一冊であった。
2016年10月2日に日本でレビュー済み
著者は1984年ハワイ生まれのアメリカ人。シカゴ大学で中世史を学んだ後、サンフランシスコの葬儀社に火葬技師として就職します。これはその経験をもとに、著者が現代社会において人間は死とどう向き合っていくべきかについて思索を深めていった行程を記したノンフィクションです。
昨年、井上理津子著『 葬送の仕事師たち 』を読みました。その数か月前に父の突然の死に度を失ってしまった私を支えてくれたあの仕事師たちのことを知りたくて手にした書でした。この本によって、死を迎えた人のため、そしてその遺族のために、静かに懸命に働く送りびとのかたがたの仕事ぶりを知って、深い感銘を受けたことが忘れられません。
それでは太平洋の対岸の国の葬送事情は一体どんなものなのだろう、と思っていたところに今年(2016年)8月末、この『煙が目にしみる』が出たと知り、早速手にしました。
カリフォルニア州では法律によって火葬後は原形を残した遺骨の形ではなくパウダー状にすりつぶした遺灰にしてから骨壺に入れる決まりだとか、9歳の娘を病院で亡くした両親が遺体を病院に託して帰宅後、ネットで葬儀社に依頼してあとは2週間後に箱に入った娘が郵便で届くのを待っていたといった話が登場します。
ハリウッド映画などの知識から「アメリカでは土葬が当たり前」と思っていましたが、1963年にローマ法王が火葬を認め、同じ年にジャーナリストのジェシカ・ミッドフォードが葬送の高額化を糾弾する書『アメリカ式の死に方』を著したころから、少しずつ火葬が容認されてきたという話は初めて知りました。
『葬送の仕事師たち』が静謐で厳粛な筆致を一貫して保ち続ける一方、『煙が目にしみる』は、そこはアメリカ人作家ならではの、日本人読者の目には時にブラックすぎるユーモアに満ちていて、死者に対する礼節と敬意を欠いたように感じさせる筆遣いが見えます。
例えば、深刻な褥瘡に苦しんだ果ての遺体を前に著者は、「腰のあたりにフットボール大のぐじゅぐじゅした傷があった。大きく開いた地獄の口のよう、(ママ)その傷口から向こうをのぞけば未来のディストピアが見えそうだった」(321頁)と綴ります。保冷庫の遺体の臭いで「鼻が曲がりそう」(233頁)だの、葬儀場の同僚たちとの悪趣味といわれても仕方ないジョークの数々も包み隠さず記します。
しかし、このアメリカ人的ユーモア感覚の向こうには、著者がアメリカにおける死の意味を問い直そうとする確かな意思が感じられるのです。
今やアメリカとカナダでは当たり前となってしまったエンバーミングが、死をいたずらに美化する慣習となってしまっていることに著者は疑問を呈し、死を高額な費用をかけて隠すという行為から距離をおくことによって、死をきちんと見つめ、だからこそ限りあるこの生を充実したものにできるはずだと提言しているのです。
死をめぐる古今東西の膨大な哲学書や、果ては日本の葬送習慣――「骨上げ」にも言及されています――についてまで丁寧に文献にあたって論を組み立てるこの『煙が目にしみる』は、ひとつの「メメント・モリ(死を想え)」の書だといえるでしょう。
著者は昨年、自身の葬儀会社を起業して、土葬、火葬、直葬、自然葬など、故人や遺族の希望に沿う多彩な葬儀をプランニングしているそうです。
その新しいビジネスの中で見つめていく死の数々について、おそらく著者は近い将来、私たちに続編で伝えてくれることでしょう。その日を待ちたいと思います。
--------------------------
翻訳は池田真紀子氏。氏の翻訳ジャンルはアーサー・C・クラークの『 幼年期の終わり 』やアーネスト・クラインの『 ゲームウォーズ 』といったSFからジェフリー・ディーヴァーのミステリ短編集『 クリスマス・プレゼント 』まで幅広いもので、私もこれまで随分楽しませてもらいました。今回のノンフィクションでも氏の見事な翻訳手腕はいかんなく発揮されています。大変読みやすい和文に読書を助けられました。
わずかに気になる訳文がありましたので、増刷の際に修正を検討していただければ幸いです。
*180頁:「何十万ドル分もの機械を動員した」とありますが、「動員」というのはどちらかというと人を集めるときに使う言葉だと思います。機械を集めるならば、「導入」のほうが適当だと思います。
*208頁と334頁では「ジョセフ・キャンベル」、そして351頁では「ジョゼフ・キャンベル」と、この世界的に著名な神話学者の名前の表記が統一されていません。ただし、より原音に近いのは「ジョーゼフ・キャンベル」です。昨2015年末に早川書房から新訳版が出された彼の著作『 千の顔をもつ英雄 』では著者名は「ジョーゼフ・キャンベル」と表記されています。巻末の参考文献にはなぜか1984年刊の人文書院版が掲げられています。
昨年、井上理津子著『 葬送の仕事師たち 』を読みました。その数か月前に父の突然の死に度を失ってしまった私を支えてくれたあの仕事師たちのことを知りたくて手にした書でした。この本によって、死を迎えた人のため、そしてその遺族のために、静かに懸命に働く送りびとのかたがたの仕事ぶりを知って、深い感銘を受けたことが忘れられません。
それでは太平洋の対岸の国の葬送事情は一体どんなものなのだろう、と思っていたところに今年(2016年)8月末、この『煙が目にしみる』が出たと知り、早速手にしました。
カリフォルニア州では法律によって火葬後は原形を残した遺骨の形ではなくパウダー状にすりつぶした遺灰にしてから骨壺に入れる決まりだとか、9歳の娘を病院で亡くした両親が遺体を病院に託して帰宅後、ネットで葬儀社に依頼してあとは2週間後に箱に入った娘が郵便で届くのを待っていたといった話が登場します。
ハリウッド映画などの知識から「アメリカでは土葬が当たり前」と思っていましたが、1963年にローマ法王が火葬を認め、同じ年にジャーナリストのジェシカ・ミッドフォードが葬送の高額化を糾弾する書『アメリカ式の死に方』を著したころから、少しずつ火葬が容認されてきたという話は初めて知りました。
『葬送の仕事師たち』が静謐で厳粛な筆致を一貫して保ち続ける一方、『煙が目にしみる』は、そこはアメリカ人作家ならではの、日本人読者の目には時にブラックすぎるユーモアに満ちていて、死者に対する礼節と敬意を欠いたように感じさせる筆遣いが見えます。
例えば、深刻な褥瘡に苦しんだ果ての遺体を前に著者は、「腰のあたりにフットボール大のぐじゅぐじゅした傷があった。大きく開いた地獄の口のよう、(ママ)その傷口から向こうをのぞけば未来のディストピアが見えそうだった」(321頁)と綴ります。保冷庫の遺体の臭いで「鼻が曲がりそう」(233頁)だの、葬儀場の同僚たちとの悪趣味といわれても仕方ないジョークの数々も包み隠さず記します。
しかし、このアメリカ人的ユーモア感覚の向こうには、著者がアメリカにおける死の意味を問い直そうとする確かな意思が感じられるのです。
今やアメリカとカナダでは当たり前となってしまったエンバーミングが、死をいたずらに美化する慣習となってしまっていることに著者は疑問を呈し、死を高額な費用をかけて隠すという行為から距離をおくことによって、死をきちんと見つめ、だからこそ限りあるこの生を充実したものにできるはずだと提言しているのです。
死をめぐる古今東西の膨大な哲学書や、果ては日本の葬送習慣――「骨上げ」にも言及されています――についてまで丁寧に文献にあたって論を組み立てるこの『煙が目にしみる』は、ひとつの「メメント・モリ(死を想え)」の書だといえるでしょう。
著者は昨年、自身の葬儀会社を起業して、土葬、火葬、直葬、自然葬など、故人や遺族の希望に沿う多彩な葬儀をプランニングしているそうです。
その新しいビジネスの中で見つめていく死の数々について、おそらく著者は近い将来、私たちに続編で伝えてくれることでしょう。その日を待ちたいと思います。
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翻訳は池田真紀子氏。氏の翻訳ジャンルはアーサー・C・クラークの『 幼年期の終わり 』やアーネスト・クラインの『 ゲームウォーズ 』といったSFからジェフリー・ディーヴァーのミステリ短編集『 クリスマス・プレゼント 』まで幅広いもので、私もこれまで随分楽しませてもらいました。今回のノンフィクションでも氏の見事な翻訳手腕はいかんなく発揮されています。大変読みやすい和文に読書を助けられました。
わずかに気になる訳文がありましたので、増刷の際に修正を検討していただければ幸いです。
*180頁:「何十万ドル分もの機械を動員した」とありますが、「動員」というのはどちらかというと人を集めるときに使う言葉だと思います。機械を集めるならば、「導入」のほうが適当だと思います。
*208頁と334頁では「ジョセフ・キャンベル」、そして351頁では「ジョゼフ・キャンベル」と、この世界的に著名な神話学者の名前の表記が統一されていません。ただし、より原音に近いのは「ジョーゼフ・キャンベル」です。昨2015年末に早川書房から新訳版が出された彼の著作『 千の顔をもつ英雄 』では著者名は「ジョーゼフ・キャンベル」と表記されています。巻末の参考文献にはなぜか1984年刊の人文書院版が掲げられています。