
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
エラリー・クイーン 推理の芸術 単行本 – 2016/11/28
フランシス・M・ネヴィンズ
(著),
飯城勇三
(編集)
1929年、『ローマ帽子の謎』でデビュー、「読者への挑戦」を掲げた本格ミステリ〈国名シリーズ〉で人気を博したエラリー・クイーンは、フレデリック・ダネイとマンフレッド・リーという従兄弟同士の合作作家だった。二人はバーナビー・ロスの別名義で『Xの悲劇』以下の四部作を発表、さらにミステリ専門誌《EQMM》を創刊、ラジオ・TVにも進出し、40年以上にわたって数々の名作を送り出し、「アメリカの探偵小説そのもの」と評された。
本書はクイーン研究の第一人者が資料や関係者証言を収集し、偉大なミステリ作家のデビューから晩年までの軌跡をたどったエラリー・クイーン伝の決定版である。前著『エラリイ・クイーンの世界』を大幅改訂増補、激しい応酬が展開された合作の内幕をはじめ、代作者問題、60年代に量産されたペイパーバック・オリジナル等、初めて明らかとなる新情報を盛り込んだファン必読の評伝。詳細な書誌・邦訳リストなど付録も充実。図版多数。
本書はクイーン研究の第一人者が資料や関係者証言を収集し、偉大なミステリ作家のデビューから晩年までの軌跡をたどったエラリー・クイーン伝の決定版である。前著『エラリイ・クイーンの世界』を大幅改訂増補、激しい応酬が展開された合作の内幕をはじめ、代作者問題、60年代に量産されたペイパーバック・オリジナル等、初めて明らかとなる新情報を盛り込んだファン必読の評伝。詳細な書誌・邦訳リストなど付録も充実。図版多数。
- 本の長さ570ページ
- 言語日本語
- 出版社国書刊行会
- 発売日2016/11/28
- ISBN-104336061025
- ISBN-13978-4336061027
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
1943年生まれ。アメリカのミステリ作家・研究家・アンソロジスト。ニューヨーク大学卒業。元セントルイス法科大学教授。『エラリイ・クイーンの世界』(1974)でエドガー特別賞、『コーネル・ウールリッチの生涯』(1988)でMWA最優秀評伝・評論賞を受賞。『120時間の時計』(1986)ほか数篇の長篇ミステリと短篇がある。(以上、邦訳早川書房)
1959年生まれ。東京理科大学卒業。エラリー・クイーン研究家。著書に『エラリー・クイーン論』『エラリー・クイーンの騎士たち』(論創社)、編著に『エラリー・クイーン パーフェクトガイド』(ぶんか社文庫)、訳書に『間違いの悲劇』(エラリー・クイーン、創元推理文庫)、『チェスプレイヤーの密室』(同、原書房)などがある。
1959年生まれ。東京理科大学卒業。エラリー・クイーン研究家。著書に『エラリー・クイーン論』『エラリー・クイーンの騎士たち』(論創社)、編著に『エラリー・クイーン パーフェクトガイド』(ぶんか社文庫)、訳書に『間違いの悲劇』(エラリー・クイーン、創元推理文庫)、『チェスプレイヤーの密室』(同、原書房)などがある。
登録情報
- 出版社 : 国書刊行会 (2016/11/28)
- 発売日 : 2016/11/28
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 570ページ
- ISBN-10 : 4336061025
- ISBN-13 : 978-4336061027
- Amazon 売れ筋ランキング: - 339,191位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 53,029位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
星5つ中4.9つ
5つのうち4.9つ
7グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2016年12月8日に日本でレビュー済み
1974年に刊行された元版(邦訳『エラリイ・クイーンの世界』1980年)を大幅に改訂増補。特に旧版では生前のフレデリック・ダネイに配慮してか、全く触れられていなかった、代作による悪名高きペーパーバック・オリジナル濫造の顛末が二章を費やして述べられているのは興味深い。
マンフレッド・リーとダネイ、従兄弟たちの合作の内幕、時に激しく対立する様が明らかにされているのはダネイと親しかった著者ならではだろう。そのミステリにかけた真摯な情熱ゆえの葛藤はクイーンの愛読者なら胸が痛くなる程だ。
また新たにアントニー・バウチャーの遺族から提供された書簡や資料が追加され、公にされた書評に比べ、さらに一歩踏み込んだ、時に辛辣なクイーン作品へのバウチャーの評価も明らかにされている。
創作活動のみならず、膨大なラジオドラマの紹介にかなりの紙数を割き、映像化作品にも言及しているのに加え(ただし、さすがのネヴァンズも『配達されない三通の手紙』や石坂浩二主演の『Yの悲劇』は観ていないようだ)偉大な編集者かつアンソロジストであったダネイの功績に目配りするのも忘れていない。(巻末の書誌にクイーン編集によるアンソロジーの個々の収録作品が記載されていないのは少し残念だが)
写真、図版を多数収録、さらに眺めるだけで圧倒される日本版独自の修正が施された詳細な書誌、北村薫がクイーン愛に溢れるエッセイを寄稿した栞に至るまで、クイーン・マニアへの最高の贈り物というべき一冊だ。
マンフレッド・リーとダネイ、従兄弟たちの合作の内幕、時に激しく対立する様が明らかにされているのはダネイと親しかった著者ならではだろう。そのミステリにかけた真摯な情熱ゆえの葛藤はクイーンの愛読者なら胸が痛くなる程だ。
また新たにアントニー・バウチャーの遺族から提供された書簡や資料が追加され、公にされた書評に比べ、さらに一歩踏み込んだ、時に辛辣なクイーン作品へのバウチャーの評価も明らかにされている。
創作活動のみならず、膨大なラジオドラマの紹介にかなりの紙数を割き、映像化作品にも言及しているのに加え(ただし、さすがのネヴァンズも『配達されない三通の手紙』や石坂浩二主演の『Yの悲劇』は観ていないようだ)偉大な編集者かつアンソロジストであったダネイの功績に目配りするのも忘れていない。(巻末の書誌にクイーン編集によるアンソロジーの個々の収録作品が記載されていないのは少し残念だが)
写真、図版を多数収録、さらに眺めるだけで圧倒される日本版独自の修正が施された詳細な書誌、北村薫がクイーン愛に溢れるエッセイを寄稿した栞に至るまで、クイーン・マニアへの最高の贈り物というべき一冊だ。
2017年2月18日に日本でレビュー済み
若い時分、エラリー・クイーンの作品こそが本格ミステリの最高峰と見做していた私ですが、『エラリー・クイーン 推理の芸術』(フランシス・M・ネヴィンズ著、飯城勇三訳、国書刊行会)から多くのことを教えられました。
「(アメリカの)ブルックリン生まれの従兄弟同士の二人は、『エラリー・クイーン』という名前を、主人公と合作用ペンネームの両方で用いて、最高に複雑で最高に手の込んだ探偵小説を、そのジャンルの黄金時代に生み出し続けた」。二人とは、フレデリック・ダネイとマンフレッド・リーのことです。
リーの没後、ダネイが合作における両者の役割を告白しています。「大まかな原則として、クイーンものの長篇のコンセプト的な作業――テーマ、プロット、基本的な登場人物、推理、手がかりなど――は、おおむねダネイの創作で、詳細な仕上げ、登場人物と出来事の肉付け、言葉の正確な選択の方は、おおむねリーの創作だった」。
しかし、仕事上の二人の関係は、決して円満なものではなかったのです。二人は「39年間、お互いに戦い続けてきました」。「プロットと執筆の両方において、基本的な事柄に関する僕たちの意見の違いがあまりにも強烈だったので、一致させるのは不可能だとわかった」。「僕たちの仕事の進め方では、君が僕より圧倒的に有利な立場にいる」。「僕は何なのだろう。雇い主が設計図を放り投げてくるのを待って道具の前に座っている哀れな下働きなのだろうか?」。「新しい長篇が気に入らないというのが本心なら、勝手にしろ。私はそれで結構だ。実際、どうしても(それが)気に入らないのだったら、その忌々しい梗概をそのまま私に送り返してくれ。それでおしまいだ。無駄になるのは私の時間、私の仕事、私の健康だけだ」。「僕らは独房でわめく二人の偏執狂で、お互いをズタズタに引き裂こうとしている。・・・苦々しさは相手の目に触れないところで、自分たちの痰つぼに吐き出さなければならない。いつか幸いにも、二人ともくたばり苦しみが終わりになるその日まで」。
1960年代には、多くの代作者たちにクイーン作品を書かせていたという事実の提示には、衝撃を受けました。
あれほど世界中で読まれたクイーンの作品が、今や、日本とイタリア以外の国々では忘れ去られてしまっているという指摘にも、驚かされました。
「(アメリカの)ブルックリン生まれの従兄弟同士の二人は、『エラリー・クイーン』という名前を、主人公と合作用ペンネームの両方で用いて、最高に複雑で最高に手の込んだ探偵小説を、そのジャンルの黄金時代に生み出し続けた」。二人とは、フレデリック・ダネイとマンフレッド・リーのことです。
リーの没後、ダネイが合作における両者の役割を告白しています。「大まかな原則として、クイーンものの長篇のコンセプト的な作業――テーマ、プロット、基本的な登場人物、推理、手がかりなど――は、おおむねダネイの創作で、詳細な仕上げ、登場人物と出来事の肉付け、言葉の正確な選択の方は、おおむねリーの創作だった」。
しかし、仕事上の二人の関係は、決して円満なものではなかったのです。二人は「39年間、お互いに戦い続けてきました」。「プロットと執筆の両方において、基本的な事柄に関する僕たちの意見の違いがあまりにも強烈だったので、一致させるのは不可能だとわかった」。「僕たちの仕事の進め方では、君が僕より圧倒的に有利な立場にいる」。「僕は何なのだろう。雇い主が設計図を放り投げてくるのを待って道具の前に座っている哀れな下働きなのだろうか?」。「新しい長篇が気に入らないというのが本心なら、勝手にしろ。私はそれで結構だ。実際、どうしても(それが)気に入らないのだったら、その忌々しい梗概をそのまま私に送り返してくれ。それでおしまいだ。無駄になるのは私の時間、私の仕事、私の健康だけだ」。「僕らは独房でわめく二人の偏執狂で、お互いをズタズタに引き裂こうとしている。・・・苦々しさは相手の目に触れないところで、自分たちの痰つぼに吐き出さなければならない。いつか幸いにも、二人ともくたばり苦しみが終わりになるその日まで」。
1960年代には、多くの代作者たちにクイーン作品を書かせていたという事実の提示には、衝撃を受けました。
あれほど世界中で読まれたクイーンの作品が、今や、日本とイタリア以外の国々では忘れ去られてしまっているという指摘にも、驚かされました。
2019年2月10日に日本でレビュー済み
クイーン(ダネイとリー)の評伝としてはこれに勝るものはないでしょう。個人的には、明らかに創作能力が衰え、活動が低迷に入るゴーストライティングが中心の後半期、ペーパーバックシリーズなどの部分以降は、こんなに詳しく読んでもしょうがないや、辛いだけだよ、と思うところもあるのですが、全てを把握しておきたい真正のファンのみなさんにとっては今までにない詳しい内容・データであり、文献として重要な本だと思います。全作品について説明しているわけですが、未読の読者の関心を削ぐようなネタバレは避けられています。各作品を読んだあとで、もう一度本書にあたってみたいですね。「レーン最後の事件」そんなにダメだったかなあ?
訳者が書かれているとおり、この本を材料にいろいろな読み直し、見直しをしてみたいところです。早速、ラジオドラマのシリーズは、入手できるものは読みました。国名シリーズもライツヴィル物も新訳で、じっくり読み直していきます。Jim Huttonのテレビシリーズも可能なら見てみたいな。本書の原著も読みたいとも思うのですが、もう古本しかなさそうですね。Kindle版になってくれることを期待しています。
著者が書いている、日本とイタリア以外では忘れられている、という現実は寂しいです。英国の黄金期あるいはそれ以前の代表的な名探偵たちは、テレビドラマや映画の素材としてまだまだ「健在」ですのにね。エラリーの人物造形は特徴が弱過ぎる、あるいは造形が不安定過ぎるのでしょうか。
かくいう私も忘れていた者の一人で、「クイーン作品」と最後に関わったのは日本映画の「配達されない三通の手紙」(1979年)が多分最後。先日「queen jim hutton」で検索していたら、推測で「ellery」と出てきて、「そういえば俺は子供の頃エラリー・クイーンが好きだったんだっけ」と思い出して、アマゾンで見てみたら、まだまだ新訳が出ていること、そしてこのような決定版の評伝も翻訳されていることを知ったような次第です。もちろん、検索しようとしていたのは探偵小説のことではなくて、これを書いている時点で大ヒット記録直後の映画"Bohemian Rhapsody"がらみです。
訳者が書かれているとおり、この本を材料にいろいろな読み直し、見直しをしてみたいところです。早速、ラジオドラマのシリーズは、入手できるものは読みました。国名シリーズもライツヴィル物も新訳で、じっくり読み直していきます。Jim Huttonのテレビシリーズも可能なら見てみたいな。本書の原著も読みたいとも思うのですが、もう古本しかなさそうですね。Kindle版になってくれることを期待しています。
著者が書いている、日本とイタリア以外では忘れられている、という現実は寂しいです。英国の黄金期あるいはそれ以前の代表的な名探偵たちは、テレビドラマや映画の素材としてまだまだ「健在」ですのにね。エラリーの人物造形は特徴が弱過ぎる、あるいは造形が不安定過ぎるのでしょうか。
かくいう私も忘れていた者の一人で、「クイーン作品」と最後に関わったのは日本映画の「配達されない三通の手紙」(1979年)が多分最後。先日「queen jim hutton」で検索していたら、推測で「ellery」と出てきて、「そういえば俺は子供の頃エラリー・クイーンが好きだったんだっけ」と思い出して、アマゾンで見てみたら、まだまだ新訳が出ていること、そしてこのような決定版の評伝も翻訳されていることを知ったような次第です。もちろん、検索しようとしていたのは探偵小説のことではなくて、これを書いている時点で大ヒット記録直後の映画"Bohemian Rhapsody"がらみです。
2016年12月8日に日本でレビュー済み
エラリークイーンの大ファンです。
分厚さに憧れて買いましたが、まだ年末にむけて読み込む予定なので、正確な事は言えませんが、巻末のリストは圧巻です。
分厚さに憧れて買いましたが、まだ年末にむけて読み込む予定なので、正確な事は言えませんが、巻末のリストは圧巻です。