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最後の家族 単行本 – 2001/9/1
- 本の長さ324ページ
- 言語日本語
- 出版社幻冬舎
- 発売日2001/9/1
- ISBN-104344001214
- ISBN-13978-4344001213
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商品の説明
商品説明
内山家は現代家族が抱えるさまざまな問題に直面している。しかし、「救う・救われるという人間関係を疑うところから出発している」と語る村上は、内山家に安易に「救い」の手を差しのべたりはしない。「家族は楽しく食事しなければならない」「親は子供に期待する」といった現代家族を漠然と包みこんでいる幻想をはぎ取られた内山家は、一気に崩壊へと突き進む。にもかかわらず、読後感がさわやかに感じられるのは、多くの困難を引きずりながらも徐々に自立していく内山家の人々が、家族の崩壊と反比例するかのように生き生きとしてくるからだ。特に秀樹が、女を救おうとする自分とDV加害者とが「似ている」ことに気づき、涙するシーンは印象的だ。
村上は2000年に発表した『希望の国のエクソダス』で日本経済や教育を論じ、主人公の中学生に「この国には希望だけがない」と語らせた。そうした絶望感を経て書かれた本書には「救い」はないが「希望」の光は見て取れる。読み手は、家族それぞれの視点で同じシーンを描くという手法で構成されるこの物語で、登場人物の誰かに自己を投影し、自分にとっての「希望」を見いだすことができるに違いない。(中島正敏)
内容(「MARC」データベースより)
登録情報
- 出版社 : 幻冬舎 (2001/9/1)
- 発売日 : 2001/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 324ページ
- ISBN-10 : 4344001214
- ISBN-13 : 978-4344001213
- Amazon 売れ筋ランキング: - 595,496位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 14,067位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について

1952年長崎県生まれ。
七六年『限りなく透明に近いブルー』で第七五回芥川賞受賞。『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、『半島を出よ』では野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。『トパーズ』『KYOKO』で映画監督も務めた。最新作は『新 13歳のハローワーク』『13歳の進路』。日本の金融・政治経済の問題を考える メールマガジン『JMM』を主宰し、経済トーク番組『カンブリア宮殿』(テレビ東京)のホストも務める。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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自立をすることが親しい人を救うというのはいい言葉だと思う。
人を助けたいというのは対等ではなく相手を下に見ているという指摘はコミュニケーションのあり方について考えさせられた。自分が相手に対してどう思うか、そしてそれは本当に相手のためになっているのか、相手を対等に見ているか、などを考える癖が本書を読んだことで身についたように思う。
おすすめです。
視点で描写している。
長男が隣家のDVを目撃する所から少しずつ外の世界との接点を
持ち始め、家族との仲も元に戻っていく。
長男が立ち直るにつれ、母親は自分の役割を自問自答する。父親は会社の
リストラに怯え、絶望した時に初めて長男の気持ちを理解する。
妹は自分で決める事を無意識に避けていたが、イタリア留学を希望する。
タイトルの意味を考えましたが、
家族それぞれが自立する事が最終形態(最後)の家族、という事なの
かな、と思いました。
少し寂しい感じもしますが、村上龍が考える家族像とはこの本の家族という
事なのでしょう。
リストラにおびえるサラリーマンの父親。
若いボーイフレンドのいる専業主婦の母親。
ひきこもりの息子。
年上男性との密会を重ねる女子高生の娘。
この4人がそれぞれの状況や心情を語る形式で物語は進行します。
息子が引きこもりになるまではごくごく普通の家族だったはず。
引きこもった理由は、事実だけ見ていくとよく分からない。
虐待があったわけではないし、
特別に厳格な家でもない。
父親は仕事人間ではあるけれど家庭を大切にしている。
母親は穏やかな人。ボーイフレンドがいるけど、それは息子が引きこもりになった後のことでデートもランチだけ。
ではなぜ?
それを解くキーワードは「自立」です。
物語の最後には、家族4人はバラバラに暮らすことになります。
それを寂しいラストとみる方もいらっしゃるでしょう。
でも私は、前回読んだときもそうでしたが、やはりこの小説はハッピーエンドだと思います。
「最後の家族」とは、現代および未来において家族という制度が続いていくのであれば、このような形態でしか存続し得ないという意味で「最後」なのではないかと思いました。
それにしても…親とは切ないものですね。
しかし親もまたほんとうの自立をすることで
みずからの人生を楽しむ自由を手に入れることができる。そんなふうに考えると希望がわいてきます。
精神科医の斉藤環さんの解説もとても参考になりました。
崩壊したかに見える家族の関係が、ひきこもりの息子がある事をきっかけに外に関心を持つようになり、父親が社会的地位や経済的優位性を失う事によって家族という縛りから個人としての自立という形で再生していく。家族の団らんの暖かさは失われたが、個々が個々を思いやる気持ちが自立によって芽生えてゆく。
家族という最小単位も絶滅保護形態になりつつあるのかな。個人として自立するという事は、他者も個人として自立した存在として尊重するという事なんだろうな。引きこもりの息子が弁護士との会話の中で自分の思い上がりや被害者意識に気付く場面が私にもとても啓蒙的だった。
中古で、278円で買いましたが新品のように綺麗でした
引きこもりで、父親が嫌いな、秀樹
妹の、知美。リストラ寸前で、家族に、不満のある父。秀樹に、妻に、暴力を振るう隣人、それを、目撃して、立ち上がる秀樹
その母親、昭子平凡な、家庭が、少しの歪みによって、崩壊、再生していくさまが切実に描かれています
読み終わってから、現代社会の抱える闇や家庭内のどんな。平凡な家庭にも、奥深い闇が、潜んでいることを、実感させられる
小説でした、家族を支えるお父さんは、本当に、たいへんなんだとおもいました。
最後に、少し温かい気持ちと、希望が見えた、小説でした、