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神聖喜劇 第5巻 単行本 – 2006/10/1
大西 巨人
(著)
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- 本の長さ239ページ
- 言語日本語
- 出版社幻冬舎
- 発売日2006/10/1
- ISBN-10434401247X
- ISBN-13978-4344012479
新品まとめ買い 神聖喜劇
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登録情報
- 出版社 : 幻冬舎 (2006/10/1)
- 発売日 : 2006/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 239ページ
- ISBN-10 : 434401247X
- ISBN-13 : 978-4344012479
- Amazon 売れ筋ランキング: - 626,517位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,799位漫画・アニメ・BL(イラスト集・オフィシャルブック)
- - 292,279位コミック
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年5月15日に日本でレビュー済み
第五巻は「第七部 連環の章」。
何とも形式第一主義の旧日本軍。礼の仕方が幾通りもあり、場合や対象上官に
よって事細かく決められている。確かに無意味な「精神主義」しかなかったのだ
ろう。
ただ主人公の行動をみると、そのがんじがらめの軍隊規律を諳んじ、正しく解
釈することによって、その日常を乗り切るばかりでなく、細かな規則を合理的に
解釈することによって、「軍隊生活を楽しんでいる」趣すらある。これは原作の
小説に当たらなければどうにも言えないであろうが。
試し書きで書いた紙を反故にしたところ、それを口実に主人公は追及される。
やれ芥川の文章であるとか、支那人(ママ 差別的表現ですが原文に従います)の
文章であるとか、それで何とか主人公の思想的問題を見つけようとする上官達。
まあこんなことしかすることがないのだろう。
巻が進んでも、理屈で考えたような妙にフワフワした「観念遊戯」がダラダラ
と続く。ほんのわずかな教育応召のことを書くのに、大西巨人は25年もかかっ
たというが、この漫画を読む限りでは、そこまでの内容があったのかいささか疑
問だった。
形式論理、実質論理(こんな言葉があるのだろうか)、弁証法的論理。こうい
う抽象的なことを新兵イジメに使っていたとも思われず、どうにも「インテリ」
ばかりこの部隊にはいるらしい。
この無意味とも思えるストーリー(大体この神聖喜劇にはストーリーがあるの
だろうか)で、急に生臭い「佐野・鍋山の転向」についての新聞記事が挟まれる。
この部分は小説でどう描かれているか読んでみたい。また観念遊びがあるだろう
が。
被差別部落出身の新兵への上官の嫌がらせが始まる。当該新兵は女性と親しく
なるが、それを横恋慕した人間が様々な嫌がらせを仕掛ける。暴力を振るわれた
際に抵抗し、その人は後に死亡する。傷害致死だが医者に診せることも遅くなっ
たためであり、執行猶予がつく。この事実が上官達のさらなる差別意識をかき立
てる。
巻末のエッセイは「要塞の日々5」。対馬での砲兵訓練だが、歩兵の訓練とは
明らかに違い、やたらときつい行軍があるわけでもなく、読んだ限りでは「かな
りノンビリしている」と思った。全般に教育応召はこの程度だったのだろうか。
「戦況が進むと、九州本土の爆撃に向かうB25爆撃機とかが対馬の上空を通過
するようになった。」
「実弾を発射することはないまま何回も何回も無駄なことを繰り返していた」
長いもの物語もようやく終盤。
なんとか惰性で読んだ(見た)が、どうにも興趣が薄れていく一方だ。
四巻よりは「マシ」だろう。
何とも形式第一主義の旧日本軍。礼の仕方が幾通りもあり、場合や対象上官に
よって事細かく決められている。確かに無意味な「精神主義」しかなかったのだ
ろう。
ただ主人公の行動をみると、そのがんじがらめの軍隊規律を諳んじ、正しく解
釈することによって、その日常を乗り切るばかりでなく、細かな規則を合理的に
解釈することによって、「軍隊生活を楽しんでいる」趣すらある。これは原作の
小説に当たらなければどうにも言えないであろうが。
試し書きで書いた紙を反故にしたところ、それを口実に主人公は追及される。
やれ芥川の文章であるとか、支那人(ママ 差別的表現ですが原文に従います)の
文章であるとか、それで何とか主人公の思想的問題を見つけようとする上官達。
まあこんなことしかすることがないのだろう。
巻が進んでも、理屈で考えたような妙にフワフワした「観念遊戯」がダラダラ
と続く。ほんのわずかな教育応召のことを書くのに、大西巨人は25年もかかっ
たというが、この漫画を読む限りでは、そこまでの内容があったのかいささか疑
問だった。
形式論理、実質論理(こんな言葉があるのだろうか)、弁証法的論理。こうい
う抽象的なことを新兵イジメに使っていたとも思われず、どうにも「インテリ」
ばかりこの部隊にはいるらしい。
この無意味とも思えるストーリー(大体この神聖喜劇にはストーリーがあるの
だろうか)で、急に生臭い「佐野・鍋山の転向」についての新聞記事が挟まれる。
この部分は小説でどう描かれているか読んでみたい。また観念遊びがあるだろう
が。
被差別部落出身の新兵への上官の嫌がらせが始まる。当該新兵は女性と親しく
なるが、それを横恋慕した人間が様々な嫌がらせを仕掛ける。暴力を振るわれた
際に抵抗し、その人は後に死亡する。傷害致死だが医者に診せることも遅くなっ
たためであり、執行猶予がつく。この事実が上官達のさらなる差別意識をかき立
てる。
巻末のエッセイは「要塞の日々5」。対馬での砲兵訓練だが、歩兵の訓練とは
明らかに違い、やたらときつい行軍があるわけでもなく、読んだ限りでは「かな
りノンビリしている」と思った。全般に教育応召はこの程度だったのだろうか。
「戦況が進むと、九州本土の爆撃に向かうB25爆撃機とかが対馬の上空を通過
するようになった。」
「実弾を発射することはないまま何回も何回も無駄なことを繰り返していた」
長いもの物語もようやく終盤。
なんとか惰性で読んだ(見た)が、どうにも興趣が薄れていく一方だ。
四巻よりは「マシ」だろう。
2013年4月3日に日本でレビュー済み
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人間のエゴや規則が入り混じっており、人の嫌なところやヅル賢いものは現代にも当てはまる