本書に収録されているのは、'@完全なシナリオ、'A周防監督が元裁判官の木谷氏に疑問をぶつける対談、'B最終的にカットして放映されなかったシーンの解説。
法律を勉強の方なら'A、映画制作を勉強なさる方々には'Bがお勧め。
'Aは、裁判所が検察を信用していること、本痴漢事件の判決が裁判官からみてどこがおかしいのか(なお全ての裁判官が木谷氏と同じ問題意識を持っている訳ではないようである)、推定無罪の精神がなぜ支持されないか、など。
'Bの点については、最初の編集した映画を見ていて思いの他主人公に徹平に眼に行く →だから徹平を中心にして編集する → 法曹の内幕を示すシーンのカット。また「観客は、監督の思惑など関係なく映画を見る」→ だからまずは編集の人に任せた後に自分でも手を入れ、繋がる画でしか繋がないといった監督としてのスタンスも書かれている(映画素人の私にはどういうのが「繋がる画」なのかわかりません)。
私も法律を勉強してきましたが、プロの映画監督の徹底取材というのはすごいものだと、そして自分は頭で分かっているだけのことが多いのだ、と感じさせられました。
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それでもボクはやってない: 日本の刑事裁判、まだまだ疑問あり! 単行本 – 2007/1/1
周防 正行
(著)
- 本の長さ319ページ
- 言語日本語
- 出版社幻冬舎
- 発売日2007/1/1
- ISBN-104344012739
- ISBN-13978-4344012738
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登録情報
- 出版社 : 幻冬舎 (2007/1/1)
- 発売日 : 2007/1/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 319ページ
- ISBN-10 : 4344012739
- ISBN-13 : 978-4344012738
- Amazon 売れ筋ランキング: - 530,978位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,382位法律入門
- - 48,097位エンターテイメント (本)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2007年6月5日に日本でレビュー済み
周防氏は、刑事裁判について調べているうちに、理不尽な裁判の実態を知ってしまいました。
「疑わしきは罰せず」でなければならないはずの刑事裁判が、実際には官僚組織の弊害にさらされて、裁判官が無罪判決を出しにくい仕組みが作られている。有罪率が99%という数字に象徴されるように、“推定無罪”は形骸化し、裁判所は冤罪を作り上げる温床になっている、というのが周防監督の実感でした。
この現状に対する怒りから、周防氏は感動的な逆転無罪ドラマではなく、この奇妙な裁判の姿を多くの人に知ってもらう映画を作ることを決意します。しかも、いかにも社会正義を訴えるトーンではなく、きちんと商業ベースに乗るエンターテインメント映画を目指しました。
映画は、主人公の青年が通勤電車で痴漢と間違われて駅の事務室に連れて行かれるところからはじまります。
駅の事務室で何も聞いてくれず、警察官に引き渡されて警察署で取り調べられます。「ボクはやってない」という主張を警察も聞いてくれず、手錠を掛けられ留置所に入れらる主人公。当番弁護士に、やっていなくても素直に認めて示談にしたほうがいい、と言われますが、青年には納得できません。
しかし、「やってもいないんだ」という主張は、検察官にも裁判官にも通じません。担当してくれた女性弁護士(映画では瀬戸朝香が演じている)も、半信半疑。
最終的に下された判決は……。
現在の裁判制度は、「疑わしきは罰せず」どころか、
「十人の真犯人を逃すよりは、一人くらい無実の人を捕まえてもよい」
という、誰も被告人の言うことを聞いてくれない仕組みができあがっています。
こんな裁判制度を放置するということは、自分が「その一人」になってもしかたがない、と認めることに通じます。
放っておけない! という、周防監督自身の強い使命感が伝わってくる一書でした。
「疑わしきは罰せず」でなければならないはずの刑事裁判が、実際には官僚組織の弊害にさらされて、裁判官が無罪判決を出しにくい仕組みが作られている。有罪率が99%という数字に象徴されるように、“推定無罪”は形骸化し、裁判所は冤罪を作り上げる温床になっている、というのが周防監督の実感でした。
この現状に対する怒りから、周防氏は感動的な逆転無罪ドラマではなく、この奇妙な裁判の姿を多くの人に知ってもらう映画を作ることを決意します。しかも、いかにも社会正義を訴えるトーンではなく、きちんと商業ベースに乗るエンターテインメント映画を目指しました。
映画は、主人公の青年が通勤電車で痴漢と間違われて駅の事務室に連れて行かれるところからはじまります。
駅の事務室で何も聞いてくれず、警察官に引き渡されて警察署で取り調べられます。「ボクはやってない」という主張を警察も聞いてくれず、手錠を掛けられ留置所に入れらる主人公。当番弁護士に、やっていなくても素直に認めて示談にしたほうがいい、と言われますが、青年には納得できません。
しかし、「やってもいないんだ」という主張は、検察官にも裁判官にも通じません。担当してくれた女性弁護士(映画では瀬戸朝香が演じている)も、半信半疑。
最終的に下された判決は……。
現在の裁判制度は、「疑わしきは罰せず」どころか、
「十人の真犯人を逃すよりは、一人くらい無実の人を捕まえてもよい」
という、誰も被告人の言うことを聞いてくれない仕組みができあがっています。
こんな裁判制度を放置するということは、自分が「その一人」になってもしかたがない、と認めることに通じます。
放っておけない! という、周防監督自身の強い使命感が伝わってくる一書でした。
2007年2月10日に日本でレビュー済み
映画『それでもボクはやってない』のシナリオである。映画では理解しがたい部分があったかもしれぬ、裁判用語や法律用語の理解をおぎなうことができる。無理解な交代後の裁判官のいやらしさが、デフォルメされている。