都知事として政治の真只中にいる著者。
「・・私は物書きだから、たとえ政治の世界から離れても物を書くという仕事は一生可能だし
日々仕事の甲斐もあるはず・・」という書き出しで紹介する最初の人物が、
“政治”と“仕事”というキーワードを象徴するにふさわしいひとりである海部八郎氏、
いかにも石原氏らしいくひねりが効いた滑り出しだ。
石原氏に鮮烈な記憶や思い出を残していった人物達。それは、政治、経済、文化、マスコミなど様々な分野に亘る。
氏の独特のユーモアを織り込みながら、ムダのない語り口で綴られていく内容は、驚きに富んでいる。
また、カラーを含めて挿入された多くの写真が、それぞれの時代の香りをうまく伝えている。
個人的には、やはり青嵐会や田中角栄氏などについての記述が、さながら短編小説を読むようで面白かった。
一方、趣味のヨットに絡む内容では、まるで10代の少年のように嬉々として数々の冒険譚を語っていく。
なにせ金のかかるヨットにまつわる話題が多いこともあり、スノッブさを感じる箇所は多い。
しかし、懐古趣味でも成功体験を並べ立てたものでもない本書は、痛快であり楽しめるものに仕上がっている。
そして、「あとがき」にあるように本書は「私蔵の美術館」と呼ぶに相応しい出来栄えであるが、
それにとどまらず、個性的であることや未知の世界に飛び込む勇気が今こそ必要なのだ、と我々に伝えようとしているように思える。
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オンリー・イエスタディ 単行本 – 2008/1/1
石原 慎太郎
(著)
- 本の長さ285ページ
- 言語日本語
- 出版社幻冬舎
- 発売日2008/1/1
- ISBN-104344014464
- ISBN-13978-4344014466
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登録情報
- 出版社 : 幻冬舎 (2008/1/1)
- 発売日 : 2008/1/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 285ページ
- ISBN-10 : 4344014464
- ISBN-13 : 978-4344014466
- Amazon 売れ筋ランキング: - 651,522位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 19,261位エッセー・随筆 (本)
- - 63,010位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1932年神戸市生まれ。一橋大学卒。55年、大学在学中に執筆した「太陽の季節」で第一回文學界新人賞を、翌年芥川賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 オンリー・イエスタディ (ISBN-13: 978-4344414501 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年8月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大好きですから 新刊をどんどん出さ荒れますように
2010年5月22日に日本でレビュー済み
著者曰わく「この本は私蔵の美術館のようなものだ」
持つだけではなく操縦出来なければ無意味なヨットの記憶。若くして作家・政治家となった著者が描いた様々な友人や、関わった各界の名士達との交遊録。
よく自慢話だと貶す方がいるが、これだけの経験が出来る著者が正直、羨ましい!
一癖も二癖もあるアクの強い友人とヨットや遊びに興じ、時にナイトクラブやキークラブなどの風俗を懐かしみつつも、共に金権政治打倒を盟約た青嵐会、また映画や出版界にまで話が及ぶが、そこに登場する連中の描写が堪らない。
著者の父代わりを自認する新聞社社長とか、今は著者の片腕として活躍する友人とか、本当に話題が多岐に及んで尽きず、読むたび毎に羨望と嫉妬が増幅してしまう。
『わが人生の時の』シリーズで読んだエピソードと重複する内容も散見するが、特にヨット絡みだと熱が上がる。
欲を言えば「小説としてではないが何かの形で、私の政治生活の中でいわばある年代記のように、個人ではなしに群像の記録として記し残しておきたい」青嵐会に関して、もう少し詳しく読みたかった。
持つだけではなく操縦出来なければ無意味なヨットの記憶。若くして作家・政治家となった著者が描いた様々な友人や、関わった各界の名士達との交遊録。
よく自慢話だと貶す方がいるが、これだけの経験が出来る著者が正直、羨ましい!
一癖も二癖もあるアクの強い友人とヨットや遊びに興じ、時にナイトクラブやキークラブなどの風俗を懐かしみつつも、共に金権政治打倒を盟約た青嵐会、また映画や出版界にまで話が及ぶが、そこに登場する連中の描写が堪らない。
著者の父代わりを自認する新聞社社長とか、今は著者の片腕として活躍する友人とか、本当に話題が多岐に及んで尽きず、読むたび毎に羨望と嫉妬が増幅してしまう。
『わが人生の時の』シリーズで読んだエピソードと重複する内容も散見するが、特にヨット絡みだと熱が上がる。
欲を言えば「小説としてではないが何かの形で、私の政治生活の中でいわばある年代記のように、個人ではなしに群像の記録として記し残しておきたい」青嵐会に関して、もう少し詳しく読みたかった。
2022年3月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
信頼する方が読んでいらしたので、書いましたが、エピソードの積み重ねで書かれており、内容の薄い回顧録という印象です。決して嫌いな作家ではなく、むしろ好きなのですが、これは期待外れ。他の本を読んでみます
2014年6月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『わが人生の時の人々』(文藝春秋)を簡単にした雰囲気の交友録。
若干あっさり系ながら田中角栄、渡辺美智雄、森繁久彌、ジョージ川口、見城徹、五島昇、渡邉恒雄といったひと癖ある人達の断面を鮮やかに浮かび上がらせる手並みは流石。超有名人以外の実業界の仕事師や筆者の友人のヨットマンを織り交ぜているのが面白い。
ジャズが似合う1冊。
若干あっさり系ながら田中角栄、渡辺美智雄、森繁久彌、ジョージ川口、見城徹、五島昇、渡邉恒雄といったひと癖ある人達の断面を鮮やかに浮かび上がらせる手並みは流石。超有名人以外の実業界の仕事師や筆者の友人のヨットマンを織り交ぜているのが面白い。
ジャズが似合う1冊。
2014年8月8日に日本でレビュー済み
石原慎太郎による、友人や先輩についての思い出話。石原慎太郎は幻冬舎の見城徹と仲がいいらしい。こういう本を書けるのは長生きした人の特権だと思う。海部八郎(日商岩井副社長)、五島昇(東急グループ総帥)、横山修二(大京創立者)、渡辺美智雄(政治家)、渡邉恒雄(読売新聞会長)、見城徹(幻冬舎)、森繁久彌(俳優)、田中角栄(政治家)など。多くは鬼籍に入った人たちである。もともとは2008年の本。
私的な思い出話なので、あまりためにもならないのだが、印象に残ったのは・・・
石原慎太郎が参議院選挙に出るとき、水野成夫に霊友会を紹介され、霊友会の小谷会長はキリスト教徒だと困るけどそうじゃないならOK、ということで20万票もらった。
石原慎太郎の青嵐会は日中国交正常化のとき田中角栄の拙速を責めたが、周恩来はそれはともかく青嵐は中国語の中でもっとも美しい言葉のひとつである、と褒めている。
田中角栄は、原子力発電のウラニウムを独自に獲得するルートを開発しようとしてアメリカの虎の尾を踏んだ(ロッキードの原因を中曽根康弘は石油だというし、孫崎享は中国利権だというし、また新説に出会った)。
田中角栄は徒手空拳でのし上がったせいか、誰も自分と同格と認めず、それゆえに派閥が瓦解した。ロッキードで失脚していたころ、立正佼成会の庭野日敬が一席をもうけて諭したが、ロッキード裁判や昔の部下に遺恨タラタラだったらしい。
田中角栄は、毛沢東と周恩来と会談しているが、周恩来は毛沢東の下僕にすぎないと見切っている。
みたいな話。
私的な思い出話なので、あまりためにもならないのだが、印象に残ったのは・・・
石原慎太郎が参議院選挙に出るとき、水野成夫に霊友会を紹介され、霊友会の小谷会長はキリスト教徒だと困るけどそうじゃないならOK、ということで20万票もらった。
石原慎太郎の青嵐会は日中国交正常化のとき田中角栄の拙速を責めたが、周恩来はそれはともかく青嵐は中国語の中でもっとも美しい言葉のひとつである、と褒めている。
田中角栄は、原子力発電のウラニウムを独自に獲得するルートを開発しようとしてアメリカの虎の尾を踏んだ(ロッキードの原因を中曽根康弘は石油だというし、孫崎享は中国利権だというし、また新説に出会った)。
田中角栄は徒手空拳でのし上がったせいか、誰も自分と同格と認めず、それゆえに派閥が瓦解した。ロッキードで失脚していたころ、立正佼成会の庭野日敬が一席をもうけて諭したが、ロッキード裁判や昔の部下に遺恨タラタラだったらしい。
田中角栄は、毛沢東と周恩来と会談しているが、周恩来は毛沢東の下僕にすぎないと見切っている。
みたいな話。
2008年3月29日に日本でレビュー済み
本書は「ゲーテ」の連載に加筆・修正を施したもので全十八章からなります。
著者があとがきで「この本はいわば私蔵の美術館のようなものだ」と語るように、本書は著者が人生において関わってきた人物の豪胆・豪快なエピソードを綴っています。
解りやすく副題をつけるなら「石原慎太郎思い出話」でしょうか。
著者はおそらくそういった癖のある魅力的な人物を紹介することで現代の若者に発破をかけているのではないでしょうか。
「おまえらもっとでかいことやってみろよ」と。
政治的な話はほとんどなく、数々の人物との思い出話に終始していますが、本当に豪快なエピソードばかりです。
しかし万人にお勧めできる本ではないと思いました。
著者があとがきで「この本はいわば私蔵の美術館のようなものだ」と語るように、本書は著者が人生において関わってきた人物の豪胆・豪快なエピソードを綴っています。
解りやすく副題をつけるなら「石原慎太郎思い出話」でしょうか。
著者はおそらくそういった癖のある魅力的な人物を紹介することで現代の若者に発破をかけているのではないでしょうか。
「おまえらもっとでかいことやってみろよ」と。
政治的な話はほとんどなく、数々の人物との思い出話に終始していますが、本当に豪快なエピソードばかりです。
しかし万人にお勧めできる本ではないと思いました。
2022年2月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
石原慎太郎の圧倒的なボキャブラリで語られる昭和の偉人達のエピソードの数々は
まさに一つの昭和史とも言えよう
読んでいて楽しいし、なるほどと思わせられた
まさに一つの昭和史とも言えよう
読んでいて楽しいし、なるほどと思わせられた