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君が降る日 単行本 – 2009/3/1

4.5 5つ星のうち4.5 32個の評価

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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 幻冬舎 (2009/3/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2009/3/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 258ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4344016564
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4344016569
  • カスタマーレビュー:
    4.5 5つ星のうち4.5 32個の評価

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島本 理生
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カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2017年11月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
心に残る作品でした。恋人に関わらず短な人との別れの後には 「知らなかった事、知ってしまった事」に対する両面の感情がある。
でもそれらを含めて 全てが「その人とその人の歩いて来た人生」と受け入るという事も 残された側の細やかな心の変化ではないかと感じました。 普通の日常の中にある普通の感覚を思い出させてくれ 心の中にほんのりと暖かさを感じ続けさせてくれる作品でした。
いつまでも手元に置いておきたい一冊です。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年5月29日に日本でレビュー済み
恋人を亡くしたことから、ゆっくりと立ち直っていく志保。
自分の不注意で友人を失い、その痛みを抱えて生きていくことになる五十嵐。
悲しみの種類は違えど、そのことで距離を縮めていく2人・・・。

志保には幸せになってほしい。・・・・でも、降一のことも忘れないでほしい。
五十嵐にだって前を向いて、降一の分も生きて欲しい。
でも、降一が私の大切な人だったら、何があっても私は五十嵐を許すことはないだろう。
大切な人を失ったことのある人は、100%立ち直れるなんてことは絶対にない。
前を向いて生きていても、悲しい記憶は忘れず、自分を形造る要素としていくべきだと思う。

いちばん好きなのは「野ばら」です。
祐と佳乃は恋には発展しないものの、仲が良すぎる2人。
最後の一文がズシンと重たい。
 「私達は、あの雪の日から、別れると言えない関係を紡いでいたのだと、初めて気づいた。
  ただ一つの、好き、だけが欲しい思春期にとって、それがどんなに棘だらけの野ばらだったか、私は知らなかった。」
“別れると言えない関係”・・・・・これってすごーい適切で切ない表現。

どのお話も、もう少し先が知りたいようなお話でした。彼らはどんな未来を歩くのでしょうか。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2022年9月21日に日本でレビュー済み
初めて読む作家の本でした
短編三篇とも、心地よいゾワゾワな感じが好きです
2010年12月30日に日本でレビュー済み
島本さんの他の作品に比べて、レビュー数が少ないことにびっくり。
読後感が若干もやもやするせいでしょか?

表題作の『君が降る日』に登場する五十嵐さんと『野ばら』に登場する祐のお兄さんは、同一人物をモデルにしたのかと思うくらい性格も境遇も似ています。
もし隆一が死んでない状況で志保と出会っていたら、『野ばら』の深雪のような展開になってしまったのでは…、とか考えてしまいます。
でも正直、この二人のゾッとするような弱さは許容出来ないほうが幸せになれるような気がする。
そのため、深雪の行動にはかなり引きました。
親の気持ちも考えてくれ…;

『冬の動物園』に登場する森谷くんは物凄く素敵です。
他の2作品と違って全体的に明るめで、このお話だけでも「買って良かった!」と思えます。
島本さんの作品は問題のある年上男が有名ですが、『リトル・バイ・リトル』の周や『猫と君のとなり』の荻原くんのような包容力抜群の年下男が素敵しょうがない。
また、美穂のお母さんのセリフが凄く印象的でした。
確かにこんな男の子を自分の娘が連れて来たら、誇らしくなるよなぁ…。

『野ばら』の佳乃と祐は、これが有川浩さんとかだったら「言えや早く!!」とか突っ込みが入るところかもしれません。
しかし、こういう風に纏まるのが島本さん、と言うか。
恋が終わっても人生は続くんだよなぁ…と、これは全編通して言えることかもしれませんが。

切ないお話が好きな人には絶対お勧めです!
苦手な人も、ぜひとも『冬の動物園』だけは読んでほしい!!
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2009年4月10日に日本でレビュー済み
島本作品は、主要人物(大抵主人公は必ず)が自分では抗えないどうしようもないものに流されて生きているイメージがあります。その漣みたいな揺れが心地よかったり切なかったり、今作はその要素がかなり強いように思われます。
表題作の結末は、ひとつの終結を迎えてはいるものの明るくありません。「野ばら」も同様。文章がするするとはいってきて、読みやすいですが、明るいものを求めている方にはあまりおすすめしないです。個人的には島本さんの作品で1番好きな本になりました。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2012年9月29日に日本でレビュー済み
五十嵐の家で二人が寝るシ―ンがありますが、奥の和室に布団が敷いてあると書いてあるのに途中ベッドになるのが不思議でした。私の読みが足りないのでしょうか?全体的には、出てくる人達が今後幸せになってくれるのを願うばかりです。読んでいて切なかったけど、一気に読んでしまいました。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2010年1月18日に日本でレビュー済み
せつない、としか表現し得ない。淡くて脆い表現に、さるきちの胸はくっと詰まる。つきあっていた彼、降一の事故死から物語は始まる。その時点でもう、明るい話ではないと悟るものの、なんとか主人公に救いの手がさしのべられることを読者は祈りながら読み進めていく。さるきちもすっかり虜となり、壊れそうな志保のココロを、生まれたばかりの雛鳥を手のひらに乗せてるような気持ちで見守ったのでした。

降一は友人の五十嵐とドライブに出かけ、事故に遭遇した。ドライバーの五十嵐は助かった。五十嵐は繰り返す「すみません」と。その五十嵐の心中を察してもココロ苦しい。志保の行き場のない怒り、悲しみ。「アナタが代わりに死ねばよかったのに」
そんな、決して言ってはならぬ言葉さえ、口元からこぼれそうになる。でも、彼も苦しんでいるのだ。そう、それがわかっているから、志保は怒りの矛先を見失い、いつまでも彼の死を乗り越えられずにいる。事あることに降一を思い出す、彼のセリフ。 しぐさ。笑い声。嗚呼、せつない。どうしたら、いなくなった愛しい人を、悲しすぎる過去を、忘れることができるのだろう。

死んだ隆一を接点としてつながる志保と五十嵐。二人の関係はどうなるのか。彼らは悲しみを乗り越え、“生きて”いくことができるのか。
どこまでもせつないお話でした。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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