読み終わって、ふと、ふり返ってみると、
上下2巻の大作に挑んだというより、なにか、長い旅に出ていた気がする。
速読気味の自分なのに、途中、なんどもページを読む手をとめ、振り返って読み直し、
ふたたび旅を続けていた。
ページをひらけば、瞬時に、遠い銀河の世界へといざなわれる。
当初は、激しい反発を抱いた桐生に対し、いつしか、引き込まれてしまっている自分がそこにいた。
偶然が重なり過ぎる点を批判する書評もあるが、
本作は、偶然が重なり過ぎるところにこそ、ドラマがあるのである。
そここそが、まさに本作の読みどころだ。
以下は、ラストについての話なので、未読の方はご遠慮ください。
このラストは、上巻を読んでいく途中で、当然予想されるラストだ。
だが、もしや違う終末があるのではないかと、密かな期待を抱いてしまう。
桐生を、兄貴同然に愛し続けた孝治が登場することで、彼がもしかしたら・・・、と叶わぬ希望を抱いた。
しかし・・・。
"旅路"をふり返れば、
著者は、こういうラストになると、その道筋を暗示していた。
読後感が悪いのでは決してない。
言いたいことはひとつ。ただただ、哀しいのである。
私のなかの救いは、彼が、小樽の海の彼方に消え、捜査も打ち切られたこと。
目を閉じると、
黒い海の底から、桐生の姿がぽっかりと浮かんできて、
独り、冷たい海を渡っていく姿が見えてきた。
彼はきっと生きている。
李京愛の愛さえ届かない、全く別の人生を、誰も知らない、海の向こうで生きている・・・。
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最も遠い銀河 下 単行本 – 2009/7/1
白川 道
(著)
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- 本の長さ470ページ
- 言語日本語
- 出版社幻冬舎
- 発売日2009/7/1
- ISBN-104344016971
- ISBN-13978-4344016972
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登録情報
- 出版社 : 幻冬舎 (2009/7/1)
- 発売日 : 2009/7/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 470ページ
- ISBN-10 : 4344016971
- ISBN-13 : 978-4344016972
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,096,076位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 270,938位文学・評論 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年8月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
泣けます。
何度も泣けます。
白川節全開で最後までなんの裏切りもありません。
…うれしい裏切りもありません。
天童 荒太、村上春樹、連城三紀彦、船戸与一etcが去り、
稲見一良はとっくに逝っちゃった今、
私の中で、過去の全作品を読み、新刊は文庫本は待ちきれない作家。
そんな数少ない作家の一人が白川道。
現在進行形でのそんな作家を他にあげるなら、
井坂幸太郎、横山秀夫、光原 百合…
当然、求めるハードルは高い!
『天国への階段』を必ずしも白川道の最高傑作と見なしていない私ですが、
そして、★は五つですが…
『天国への階段を遙かに凌ぐ』の帯には?と微かな怒りを禁じ得ません。
ふむ…
”絶対読む”作家リストからは外そうかしらん?
次回に期待!!
何度も泣けます。
白川節全開で最後までなんの裏切りもありません。
…うれしい裏切りもありません。
天童 荒太、村上春樹、連城三紀彦、船戸与一etcが去り、
稲見一良はとっくに逝っちゃった今、
私の中で、過去の全作品を読み、新刊は文庫本は待ちきれない作家。
そんな数少ない作家の一人が白川道。
現在進行形でのそんな作家を他にあげるなら、
井坂幸太郎、横山秀夫、光原 百合…
当然、求めるハードルは高い!
『天国への階段』を必ずしも白川道の最高傑作と見なしていない私ですが、
そして、★は五つですが…
『天国への階段を遙かに凌ぐ』の帯には?と微かな怒りを禁じ得ません。
ふむ…
”絶対読む”作家リストからは外そうかしらん?
次回に期待!!
2009年8月7日に日本でレビュー済み
まあ多分泣くでしょうね。
ラストは分かっています。
作者も泣かせよう泣かせようとします。
二日で読むつもりでしたが、あまりの話の重さに一週間かかりました。
彼の本が好きな人は細かいDETAILに拘らないですよね。
登場人物、主人公の生き様に共感して、そこに男としての矜持を見つけ共感し、主人公もしくは登場人物へ今の自分を投影するのではないかと思います。
泣きたい人は読んで下さい。
私の側に彼を取り巻く女性の一人でもいればなーと想います。
あなたは誰に自分を投影するのかそれを考えるのも面白いかと
ラストは分かっています。
作者も泣かせよう泣かせようとします。
二日で読むつもりでしたが、あまりの話の重さに一週間かかりました。
彼の本が好きな人は細かいDETAILに拘らないですよね。
登場人物、主人公の生き様に共感して、そこに男としての矜持を見つけ共感し、主人公もしくは登場人物へ今の自分を投影するのではないかと思います。
泣きたい人は読んで下さい。
私の側に彼を取り巻く女性の一人でもいればなーと想います。
あなたは誰に自分を投影するのかそれを考えるのも面白いかと
2010年1月29日に日本でレビュー済み
「幻冬舎創立15周年特別書き下ろし作品」として上梓された、原稿用紙2510枚にも及ぶ白川道の大長編。
1996年10月、小樽の漁師が女性の変死体を引き揚げるところから物語は始まる。死体の身元はようとして判明しなかったが、その首にはテッポウユリのネックレスがかかっていたところからストーリーは広がりをみせる。
愛する人との間に悲しい過去を持ち、ふたりの夢をかなえ、彼女の献身に報いるため、手段を選ばずどん底の生活から一歩一歩成功への階段を這い上がる新進気鋭の建築家・桐生晴之。一方、事件からかなりの歳月が流れており、しかも引退した身であるにもかかわらず、ガンに冒されながらも執念の捜査で真相を追い求める小樽署の元刑事・渡誠一郎。両者の行動をメインに据えて、この長い小説は進んでゆく。
両方の視点と行動が重複するため、読者はすでに知っている同じ事実がダブって語られ、まだるっこしいところはあるものの、桐生の“純愛”と渡の“けじめ”には読むものに深い感動を与える。
本書は、物語のそこここに白川道の読者を「泣かせよう」と意図された読みどころが満載で、その根底にあるのは“偶然”、“運命”、“宿命”であり、小説を読んで「泣きたい」人にはこれ以上ない作品で、そのスケールと胸を打つものは’01年の『天国への階段』を質・量ともにしのぐといっていい、落涙必至の感動大作である。
1996年10月、小樽の漁師が女性の変死体を引き揚げるところから物語は始まる。死体の身元はようとして判明しなかったが、その首にはテッポウユリのネックレスがかかっていたところからストーリーは広がりをみせる。
愛する人との間に悲しい過去を持ち、ふたりの夢をかなえ、彼女の献身に報いるため、手段を選ばずどん底の生活から一歩一歩成功への階段を這い上がる新進気鋭の建築家・桐生晴之。一方、事件からかなりの歳月が流れており、しかも引退した身であるにもかかわらず、ガンに冒されながらも執念の捜査で真相を追い求める小樽署の元刑事・渡誠一郎。両者の行動をメインに据えて、この長い小説は進んでゆく。
両方の視点と行動が重複するため、読者はすでに知っている同じ事実がダブって語られ、まだるっこしいところはあるものの、桐生の“純愛”と渡の“けじめ”には読むものに深い感動を与える。
本書は、物語のそこここに白川道の読者を「泣かせよう」と意図された読みどころが満載で、その根底にあるのは“偶然”、“運命”、“宿命”であり、小説を読んで「泣きたい」人にはこれ以上ない作品で、そのスケールと胸を打つものは’01年の『天国への階段』を質・量ともにしのぐといっていい、落涙必至の感動大作である。
2013年10月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
以前テレビで放送されてました。とてもせつないストーリーですが。感動しました。
2009年9月25日に日本でレビュー済み
待ちに待って、期待期待で読みました。
上下ストレートで。
白川さん これではいかん。売れてTVとかいろいろ話題になって、悩んではわかるような気がしないでもないけれど。
一言で言うと偶然のこじつけ。
それが次から次に。これでもかときてしまう。
同時代を生きた私にとっては、白川さん自身が時代背景を照らしてみても良い生活をしていたことを強調しているだけに見えます。
話中に出でくる食べ物、交通手段、食べ物屋飲み屋の描写、定年退職後の生活、赤プリ等々。
ミステリーでも何でもありません。劇画の世界といえばよいのかな。辻褄が合いません。ドラマの脚本みたいなものと思います。
ファンであったのに悲しい思いがします。
上下ストレートで。
白川さん これではいかん。売れてTVとかいろいろ話題になって、悩んではわかるような気がしないでもないけれど。
一言で言うと偶然のこじつけ。
それが次から次に。これでもかときてしまう。
同時代を生きた私にとっては、白川さん自身が時代背景を照らしてみても良い生活をしていたことを強調しているだけに見えます。
話中に出でくる食べ物、交通手段、食べ物屋飲み屋の描写、定年退職後の生活、赤プリ等々。
ミステリーでも何でもありません。劇画の世界といえばよいのかな。辻褄が合いません。ドラマの脚本みたいなものと思います。
ファンであったのに悲しい思いがします。
2009年8月19日に日本でレビュー済み
ラストはお決まりでした。いまどきこんな生き方してる奴はどこにもいない。
パターンが決まっているのか?それとも古き良き時代へのオマージュなのか?それにしてもひどいラスト。先が読めすぎている。せっかく流れ良く盛り上がって、一つひとつをクリアしていくのに、どうして破滅を選ばせるのだろうか?訳わからない。
パターンが決まっているのか?それとも古き良き時代へのオマージュなのか?それにしてもひどいラスト。先が読めすぎている。せっかく流れ良く盛り上がって、一つひとつをクリアしていくのに、どうして破滅を選ばせるのだろうか?訳わからない。