手紙文には具体的な読み手がいる。
読み手に向けて伝えたいことがある。
相手にそのことを伝えたい書き手がいる。
そういう伝えたい気持ちの迫力が、飯野氏の「息子へ。」には満ちている。
飯野氏はゲーム・クリエイターとして活躍され、その創造の範囲は
音楽、産業、インターネットと幅広い。あえて言えばコンセントの必要な
娯楽、生活のたのしさの仕掛け人である。電気は氏の商売道具といってもいい。
その凄腕クリエイターにしても、ただし電気だけは創れない。
その氏が、原子力発電について極めて厳しい意見を開陳した。
最後通牒を突きつけた形である。例えれば、杜氏が自らの酒造りの源泉である
井戸がもうダメだ、と宣言するようなものである。覚悟がある。
だからといって氏は説得をしない。泣かせる美文にも逃げない。ただ冷静である。
勉強すること、考えること(考えつづけること)、対話すること、未来を思うこと、
この4点を冷徹に「息子」に語っているのだ。
帯には「いちばん大切な人に贈りたい−。」とある。
わが子に大切なことを語る親はかっこいい。
この本を贈りたくなる人も多いことだろう。
だが、ただ贈ることはまったく著者の本意ではないはずだ。
この本を贈ることは、その大切な相手と、対話を始める約束であるべきだ。
大事な相手と大切な話しをする。
そんな照れくさいことを、読み終わった後にしようと、その約束のための本だと思った。
この本から、豊かな対話がいくつも生まれ、冷静で暖かい社会に向かいますように。
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息子へ。 単行本 – 2011/5/1
飯野 賢治
(著)
福島第一原発の事故から数週間が経とうとしていた頃、
一人の男が愛する息子に向けて書いた、ごく個人的な文章が、
インターネット上で燎原の火のように広がり続けていた……。
「原子力発電」を全ての地球人に問いかける感動のメッセージ、緊急出版!!
※ この作品の印税の全額は、日本赤十字社を通して、義援金として東日本大震災の被災地に届けられます。
ここに流れる沈着な愛、深い哲学、もうなんといったらいいかわかりませんが、
原発に賛成とか反対とか言う前に、全ての方に読んで頂きたいと思います。
――池田香代子(翻訳家・『世界がもし100人の村だったら』著者)
一人の男が愛する息子に向けて書いた、ごく個人的な文章が、
インターネット上で燎原の火のように広がり続けていた……。
「原子力発電」を全ての地球人に問いかける感動のメッセージ、緊急出版!!
※ この作品の印税の全額は、日本赤十字社を通して、義援金として東日本大震災の被災地に届けられます。
ここに流れる沈着な愛、深い哲学、もうなんといったらいいかわかりませんが、
原発に賛成とか反対とか言う前に、全ての方に読んで頂きたいと思います。
――池田香代子(翻訳家・『世界がもし100人の村だったら』著者)
- 言語日本語
- 出版社幻冬舎
- 発売日2011/5/1
- ISBN-104344019938
- ISBN-13978-4344019935
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登録情報
- 出版社 : 幻冬舎 (2011/5/1)
- 発売日 : 2011/5/1
- 言語 : 日本語
- ISBN-10 : 4344019938
- ISBN-13 : 978-4344019935
- Amazon 売れ筋ランキング: - 763,801位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 190,642位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年8月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
原発に関してはっとするようなアイデアを期待してしまった自分が悪いのですが、特に変わった考え方ではないです。
2013年4月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
原発について自分の息子・娘と語る。
継続にしろ、廃止にしろ話し合う価値はある。
いや、話し合わなければならないのかもしれない。
原発とはそういうものだ。
継続にしろ、廃止にしろ話し合う価値はある。
いや、話し合わなければならないのかもしれない。
原発とはそういうものだ。
2011年6月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
子供に読み聞かせたい本。
自分で手にとって選んでほしい本。
そして、子供のころの自分も出会いたかった本。
やっと、みつけました。
自分で手にとって選んでほしい本。
そして、子供のころの自分も出会いたかった本。
やっと、みつけました。
2011年6月10日に日本でレビュー済み
あれは、飯野さんがお父さんのお墓参りに行ったあとのことだったように記憶している。
僕たちが、未だ経験したこともないことが、次々と起き、そしていまでも起き続けている。
(未だ、誰も、止められる状況になっていない)
震災や原発が話題にのぼらない日がないぐらいだったが、原発について次の世代である「息子へ」のメッセージは新鮮だった。
僕もまったく同じ考えだった。
でも、僕は、中学生の娘に、なかなかそんな話ができなかった。
そこに、ブログに加筆され、イラストと英訳がついたこの本が登場した。
早速、注文して、読んだ。
あの日のことを思い出した。
家に帰って、すぐに、娘に手渡した。
娘はどのように読んでくれただろうか。
僕たちが、未だ経験したこともないことが、次々と起き、そしていまでも起き続けている。
(未だ、誰も、止められる状況になっていない)
震災や原発が話題にのぼらない日がないぐらいだったが、原発について次の世代である「息子へ」のメッセージは新鮮だった。
僕もまったく同じ考えだった。
でも、僕は、中学生の娘に、なかなかそんな話ができなかった。
そこに、ブログに加筆され、イラストと英訳がついたこの本が登場した。
早速、注文して、読んだ。
あの日のことを思い出した。
家に帰って、すぐに、娘に手渡した。
娘はどのように読んでくれただろうか。
2011年11月23日に日本でレビュー済み
親にも子にもとても読みやすい。そして深い。
原発について自分がどう思っているのか、また子供にどう説明したら良いか悩んでいる時に手にとったので、
話し合うとても良いきっかけになった。
一家に一冊、オススメです。
原発について自分がどう思っているのか、また子供にどう説明したら良いか悩んでいる時に手にとったので、
話し合うとても良いきっかけになった。
一家に一冊、オススメです。