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ここは退屈迎えに来て 単行本 – 2012/8/24

3.9 5つ星のうち3.9 423個の評価

地方都市に生まれた女の子たちが、ため息と希望を落とした8つの物語。
フレッシュな感性と技が冴えわたるデビュー作は、
「R-18文学賞」読者賞受賞作「十六歳はセックスの齢」を含む連作小説集。

<くすくすと笑いが止まらないのに、いつのまにか切ないこの気持ちは何?>

全然パッとしない自分も、行き当たりばったりに無意味に過ぎていく人生も、
東京の喧騒にごたまぜになれば、全部それなりに格好がついて見えた。
ヒールで街を闊歩するようなキラキラした気分、広く浅くの友人知人との、楽しいようなそうでもないようなわいわいした時間。
でもそんなのは、もうぜんぶ嘘か幻みたい。
いまはこの、ぼんやりトボけた地方のユルさの、なんとも言えない侘しさや切実な寂しさだけが、すごくすごく、本当に思えた。
――「私たちがすごかった栄光の話」より

24時間営業のファミレスは、あたしたちと似たような境遇の暇な若者でいっぱいだ。ナイロンジャージにスウェットパンツの、引くほど行儀が悪いヤンキーカップル。
ときめきを探している女の子、携帯をいじってばかりの男の子、テンションの低い倦怠期カップル。そんなくすぶった人々。若さがフツフツと発酵している音が聞こえる。
フロアの通路を歩くときは毎回、品定めするような尖った視線を浴びる。知ってる奴じゃないかチェックしてるのだ。みんな誰かに会いたくて、何かが起こるのを期待してるんだと思う。あたしだってそう。
――「君がどこにも行けないのは、車持ってないから」より

都会に出てから本当に生きられる気がしている。人生がはじまると思っている。
都会に出て、誰の力も借りずに、自由にのびのび生きたい。
ちょうどまなみ先生が、あの深緑色のオプティのハンドルを握って、好きな音楽をかけ、ギュゥンとアクセルを踏み込むように――あんなふうに自分の船を自分で漕ぎたい。
――「東京、二十歳。」より
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商品の説明

著者について

1980年富山県生まれ。バブル崩壊後の地方都市で、外国映画をレンタルしつづける十代を送る。大阪芸術大学映像学科卒業後、京都でのライター生活を経て上京。2008年「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞するも、本を出せない不遇の時代がつづき、みんなに心配される。本作がやっとやっとのデビュー作!

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 幻冬舎 (2012/8/24)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2012/8/24
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 239ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4344022327
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4344022324
  • カスタマーレビュー:
    3.9 5つ星のうち3.9 423個の評価

著者について

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山内マリコ
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カスタマーレビュー

星5つ中3.9つ
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上位レビュー、対象国: 日本

2023年4月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
面白すぎて一瞬で読んでしまいました
実家に帰省してて、そこから飛行機で東京に帰るのですが
実家の最寄り駅から空港に向かう電車の中で読むと最高でした
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年6月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
女性同士の微妙な心の動きを映した短編が詰まっていました。他の方もおっしゃる通り後半の数本は結構踏み込んだエリアへの直接的な言い回し単語や描写が多いのであまり人前で読むのには適しませんが、どれもリアリティのある作品だったと思います。

聖人君子やヒーロー、ひろいんがいっぱいというよりも、少し気力がなかったり、虚栄心があったり、最盛期を越した人間の空しさだったり、冴えない人間の馴れ合いだったり、身近にある気だるさのようなものがよく表現されていたのでこちらも力を抜いて「ああ、あるよねこういう時」「こういう人いるわ…」という感じで脱力しながら読めました。

読んだ後めちゃくちゃ元気になる、心が洗われるという感じにはならないので、そこはあらかじめ分かった上で読んだ方がいい気がします。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年6月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私は、地方で育ち、そこで働いているが、いわゆる「郊外族」とは違う。
私は、大きな駅の近くにある街のど真ん中で育ち、一応、車も持っているが(タダで貰った)、基本的に公共交通機関や自転車を使って生活している。
そんな私が住んでいる地方にも郊外にショッピングセンターが、増えているが、近所では、興味をしめす人少ない。なぜなら、「街」の人は、顔が見えない人相手からモノを買うのを嫌っているからだ。
もちろん郊外に住んでいる人は、ありがたがって週末にマイカーで乗りつけ、「爆買い」しているそうだが、「街」の人は、それを冷静な目で見ており、地方にも二極化しているなとつくづく感じる。
この物語の主人公は、主に後者にあたる「郊外族」の方で、同じ地方に住みながら、こんなにも私と環境が違うのかとビックリした。
小説の中で、田んぼの真ん中にパルテノン神殿みたいな結婚式場があると言ったが、私が住んでいる地方にも、郊外のニュータウン(あと、20年で限界ニュータウン)に、結婚式場ができたと地元メディアで話題になってたそうだ。
また、郊外のショッピングセンターが話の中心になっているが、「地元愛」が強い彼らが、マイカーに乗り、大資本の郊外ショッピングセンターで買い物をすれば、せっかく地元の企業が稼いだお金も、その土地にほとんど税金が落ちることなく、非正規雇用の従業員も多いので、地元にとって良くないと気づいていないのが恐ろしい。真綿で締め付けられるように生活が苦しくなっているのに、それでも気づかない「椎名」みたいな人が多んだなと実感する。
皮肉にも地方を没落させているのは、「地元愛」あふれる彼らではなかろうか。
15人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2021年12月3日に日本でレビュー済み
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タイトルになぜか心惹かれて読み始めたところ、現代の地方都市で日々を過ごす若い女性たちの情景があまりにもリアルで、夢中になってほぼ一気に読みました。
ここに登場する人々は、家族にも生活にもそこそこ恵まれているけれど、付き合える男から始まって、人間関係、文化的な情報、仕事の種類、交通手段などの選択肢の少なさから、無意識にせよ閉塞感と軽い絶望感を常に抱えています。少女時代は憧れの世界を夢見ることでやり過ごせても、男性から性的対象として見られるようになるにつれ、息苦しさはさらに増していく・・
このような心象風景は、日本だけではなく先進国の地方都市にも共通する、普遍的な共感を呼ぶ物語でもあると思いました。戦争、内戦、絶対的貧困、差別などでリアルに苦しむ人々にしたら贅沢な話とはいえ、こんな気持ちで生きている若い人たちは世の中にはけっこう多いのではないでしょうか。
そんな中でも、人との関わりで少しだけお互いの世界が広がったり、自分の本音に気づくきっかけを得たりする彼女たちの姿に、若い生命力や希望が感じられました。美しいフィギュアスケーターと自分を重ねた夢想を楽しむ「ゆうこ」さんが報われない恋心を秘めながら、輝きを失った高校時代のヒーローを励まして転職に導く話が心に残ります。
置かれた場所で手に入る範囲から、どうにか納得した生活を築こうと奮闘していく女性たちの、青春時代の心の揺れを軽やかな文章で生き生きと記録したような作品です。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2023年7月9日に日本でレビュー済み
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僕は男性だけど、地方出身なので、実家に帰るたびに感じるこういう閉塞感みたいなものはよく理解できる。それが女性の視点ではこう見えるのか、という点は新鮮だった。「あのこは貴族」の時岡美紀の世界につながっていくのかもしれない。
椎名くんを通して複数の女性がそれぞれの立場から関わっていくのが面白い。ゲーセンでの出来事は「恵」と「ゆうこ」のそれぞれの視点から語られていたりする。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2020年10月21日に日本でレビュー済み
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素敵なタイトルと表紙に惹かれて読んだところ、大当たりでした。
TSUTAYAやショッピングモ
ールなど、娯楽がないわけでもないが、車がないとどこにも行けない地方都市に住まう女性たち。

物語に出てくる女性たちは、地方都市に不満を持っている。対して、輝いていたあのころの面影はないけれど、それでも現状に満足してそこそこ幸せに生きているだろう椎名くん。この対比が良いです。椎名くん、どのお話にも出てくるしモテすぎなので、私は女性ですけどちょっと嫉妬しました(笑)

タイトルにもあるように、ここは退屈だから迎えに来てほしい。東京という場所に行ったら、今までの違う私になれるんじゃないかな。そう思っていざ上京しても、あの街に住んでたころの私のまま変わっていない。退屈なのは地方都市のせいじゃなくって、自分のせいだって分かってるけど、それでも都会への憧れを捨てきれない。脳内を駆け巡る妄想。そんな女性たちの心情が伝わってくるかのようです。

どのお話も好きですが、特に印象に残っているのが「やがて哀しき女の子」です。
結婚なんてしたくない、ひとりで生きていくって言ってたあの子も、結婚してパートナーの不満ばかり言うようになっちゃった。そして、自分も。
ひとりは不安。椎名くんと結婚し、椎名くんが運転する車で眠る南からは、この街で、この人と生きていくのかぁという諦めのような気持ちと、結婚した安心感を感じました。

私の出身もこの物語に出てくるような街なので、とても刺さります。けど、これは地方都市で幸せに生きてる人間には分からないんじゃないかなぁと思います。
田舎者コンプと言ってしまえばそれまでですけど、地方都市で不満を持ちながら暮らす女性たちの想いが繊細に描かれていると思います。
11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2021年7月20日に日本でレビュー済み
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もっと甘酸っぱい地方の女の子の話を期待していたら、中盤以降、やたらとセックス。セックスセックスの話ばかりになって、読み終わった時にはやや嫌になっていました。田舎にいるとそれしか考えなくなるということなのか?そういう意味では都会の子の方が淡白なのかもしれない。面白かったですが、ちょっとイメージと違う内容でした。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2018年4月3日に日本でレビュー済み
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過ぎていく物語でした。良く言えば読みやすい。悪く言えば盛り上がりはいったいどこだろう?
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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