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伊藤くん A to E 単行本 – 2013/9/27

3.8 5つ星のうち3.8 159個の評価

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購入オプションとあわせ買い

こんな男のどこがいいのか。
ほろ苦く痛がゆい、著者会心の成長小説。
それぞれに魅力的な5人の女性を振り回す、伊藤誠二郎、27歳。
見た目はいいが、自己中心的。自分は傷つくくせに、人は平気で傷つける。
彼女たちが伊藤に抱く恋心、苛立ち、嫉妬、執着、優越感―。

A 伊藤に長い間片思いするが、粗末に扱われ続けるデパート勤務の美人
B 伊藤からストーカーまがいの好意を持たれてブチ切れる、バイトに身の入らないフリーター
C 伊藤の童貞を奪う、男が切れたことのないデパ地下ケーキ店の副店長
D 処女を理由に伊藤にふられるも、売れっ子放送作家を初体験の相手に選ぶ大学職員
E 伊藤が熱心に勉強会に通う、すでに売れなくなった33歳の脚本家
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商品の説明

著者について

1981年東京都生まれ。立教大学文学部フランス文学科卒業。「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞。2010年、受賞作を含む連作集『終点のあの子』でデビュー。2作目『嘆きの美女』がドラマ化。その他の著書に『あまからカルテット』『けむたい後輩』『早稲女、女、男』『私にふさわしいホテル』『王妃の帰還』『ランチのアッコちゃん』がある。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 幻冬舎 (2013/9/27)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2013/9/27
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 242ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4344024583
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4344024588
  • カスタマーレビュー:
    3.8 5つ星のうち3.8 159個の評価

著者について

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柚木 麻子
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カスタマーレビュー

星5つ中3.8つ
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159グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2017年10月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ドラマを観てから読みました。

ドラマとは時間軸が違うのですね。

全体的にテンポよく、すいすい読めました。

女性の毒とか人間の汚いところ病んでるところの描写に中毒性があります。

ラストのドタバタと、疾走感がとても好きです。
牛丼屋さんで牛丼を食べながらkindleで読んだのですが、面白くて箸が止まり、1人にやにやしてしまった。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年4月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
伊藤はどんなやつなんだ?って思いますね。
変なやつで、どうしょうもないのかな。やっぱり。
ドラマも映画も、観ておけばよかった…
様々な視点から伊藤を視るのって、新しいですよね。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年9月24日に日本でレビュー済み
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最後まで読んでもらうための工夫なんでしょうか。伊藤くんA~伊藤くんDは、ポップな内容でドラマ化されています。本作でいう「テレビドラマの薄っぺらさ」をポップにかるーい感じにして、うまくまとめています。

私はドラマから見てみて、なんか一番大事な話が抜けているような感じがしたので、小説の方を読んでみました。そうすると、伊藤くんEに恐るべき内容が書かれており、ああ、文学的だよなあ、と思いました。

確かに、伊藤くんEは映像化するのが難しい話なのかもしれません。でも、伊藤くんEを読まないと、一番おいしいところはわかんないだろうなあ、と思いました。

そして、伊藤くんA~Eに登場する女性たちは、かなりの転機を迎えたところで、話が終わっています。この後の彼女たちをどう想像するかは読者次第と思うわけですが、伊藤くん以前、以後で分けてみると、明確なテーマが見えてくるような書き方になっています。

伊藤くんとの時間が無駄だったのか、人生の悪い意味で忘れたい、忘れられない出来事になるのかは、読み手の読み方次第でしょうね。

人と人、男女関係の面白さが、凝縮された一冊です!
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年5月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自信の無さとプライドの高さのために、目の前のことに必死になれない。こんな仕事本当はやりたくないし、おれがやるべきことじゃないと思ってる伊藤くん。弱い自分を守るために嘘でも優しくしてくれる女性が大好き、頼るばかりで頼られたくない。一応いい大学は出ていて人当たりはいい。でも表面上はいい人だけど中身は死ぬほど横柄で、仲良くなるとそれを隠しもしない。本書の伊藤くんほどイケメンじゃないけど、そこに自分自身がいました。客観的にみると完全なるクズ人間に見えますが。。

でもまあ同じ男として伊藤くんの気持ちも分かる。就職したが最後、職のない男は落伍者の烙印を押される日本社会、どんなに嫌になっても撤退の選択肢はなく忍耐の日々。可愛い彼女が望むから結婚→出産したら最後、子供の養育義務は成人するまで終わりません。戦争で生きるか死ぬかの修羅場から命からがら脱出してきたシリア難民と違い、衣食住に不自由した経験がないので生活していくのがいっぱいいっぱいなのって意味ないじゃん、と。北朝鮮からミサイルが飛んでくるかも知れないと聞くと、本当は平和で豊かな毎日って素晴らしいと気づくんだけど喉元過ぎれば熱さを忘れてしまいます、多分。ただそんな伊藤くんが幸せで毎日気分良く過ごせている訳はないので、やっぱり必死に目の前のことに取り組んで、充実した1日を過ごせる日がくるといいなぁ。ぼくも今日1日、仕事頑張ろうと思います。

なお作者がさりげなく描く東京の街の、誰もが知ってるレストランの描写が好きです。例えば、飯田橋のカナルカフェとかサザンテラスのスタバとか。我々と同じく東京の日常を生きてるんだなと感じて作品に入って行けます。せっかくお金出すならこういう本こそ買うべき。おすすめです。
18人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年12月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
王様のブランチで紹介されていて、結末に関して出演者が話していたので読んでみました。私的に結末はモヤっとした感じでした。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年1月4日に日本でレビュー済み
伊藤くんみたいな、軽薄な精神で顔が綺麗な男性と関わったことがあり、
とても楽しく読めました。

伊藤くんには自尊心や敬愛という概念が無く、ドラマの世界に憧れつつ憎んでいる。
そんな彼の周りには、憧れつつ憎んでくる女性ばかり集まってくる。

本音で話が出来ない時点で「仲良し」じゃないのに、認められない。
自信の無い者同士、実のない人間関係が出来上がる。

クズケンの、「経験がない人間はこれだから。。。。」と怒るシーンが良かった。
他人を傷つけ、自分を貶めて、なお次の獲物を探すことを止められない、伊藤くん。
経験をモノにしてない。同じことを繰り返しても「経験がない」まま生きていくのだろう。

伊藤くんみたいな人間に傷つけられたことがある人にお勧めしたいくらい、
この物語は深みとリアリティーがあります。
あいつはこんなもんだったのか。。。。と答え合わせをして、次の人生に役立てましょう。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2017年10月14日に日本でレビュー済み
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佐藤優さんが『悪魔の勉強術』で紹介していたので、読んでみました。

本能のまましゃべり続ける伊藤君は、確かに、変な人なのは間違いないのですが、登場する女の子も相当に変な人なので。

この作品は、「貧乏神の伊藤君に振り回される女の子が、貧乏神と縁を切ることで成長していくドラマ」とも読めますが、実はその解釈には落とし穴があると思っています。
彼女たちは、たしかに伊藤君からは解放されたけど、その後、幸せをつかんだのか、似たような男に振り回されているのかは、作中では語られていない点なのですよね。

普通に考えれば、クズ男から解放されて、幸せになったように受け取るのでしょうが、作中では、具体的な「次のステップ」は、語られていません。ほとんどの娘が、「傷つけられる人生」から逃げて、「傷つけられない人生」に転換したに過ぎないんじゃないですかね?

どちらかというと、伊藤君のような精神状態に陥るのが、早いか遅いか。

この作品は、そこを描いている気がします。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2015年1月10日に日本でレビュー済み
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女の屈辱を描いた小説と感じ、期待をもって読み進めたのですが・・・。
Eはとても面白く読みました。それは、登場人物たちの崩壊劇にとどまらず、作家としての自己と無意識のうちに闘う著者の姿を、登場人物たちを介して感じたからです。
A~Dについては、つまらない、の一言でした。伊藤くんにリアリティがほとんどなく、したがって彼の周りで揺れ動く女性たちに何ら説得力を感じません。また、女性たちもみな同じような人物像として描かれており、現実味に欠けました。
柚木作品を初めて拝読した私は、Dの時点でもうこの作家の作品は読むまい、と乾いたため息を漏らしながら、すすまない手つきでEのページをめくってゆきました。終わりよければすべてよし、とはなりませんが、Eを読んだ私は、この作者を信用してもいいような気になりました。
全体としては、直木賞作品とはほど遠いものです。登場人物にリアリティのない小説は、深い部分、つまり本質のところで読者に何ら共感を与えることはできないのです。
11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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