日本は当時高度成長に沸きかえり、浮かれきった時代に鋭い刃を突きつけた。
これが本作アシュラ。
時は平安、飢饉におき、弱肉強食の描写があまりに恐ろしく発禁ものに。
人の命、尊厳など省みられなかった時代。
グロテスクなこわい本と片付けるのは簡単でも、生きることは何か、いのちとは何か。
人間は生きとし生きるものの中で最も醜悪。
そんな中でもアシュラは生きる。
どんな死に晒されても諦めない。
しょせん、一人の人間は弱い。
食べなきゃ死ぬ。孤独は怖い。
そんなどん底でもアシュラは生きる。
些か平和ボケした現代でもこの作品は立派に通用する。
ジョージ秋山さん、ありがとう。
なんだか強くなれそう。
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アシュラ 下 (幻冬舎文庫 し 20-3) 文庫 – 2006/2/1
ジョージ秋山
(著)
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- 本の長さ347ページ
- 言語日本語
- 出版社幻冬舎
- 発売日2006/2/1
- ISBN-104344407547
- ISBN-13978-4344407541
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登録情報
- 出版社 : 幻冬舎 (2006/2/1)
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- 言語 : 日本語
- 文庫 : 347ページ
- ISBN-10 : 4344407547
- ISBN-13 : 978-4344407541
- Amazon 売れ筋ランキング: - 194,573位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2013年5月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
生き物が生きていくためには、生き物を
殺して食べ続けなくてはならない
この当たり前のことが、わからない飽食
の時代に私たちは生きている
昨日、牛丼を食べたが、その牛だって誰
かが殺して私たちの食卓にならぶ
殺すことに罪悪感はあっても食べる行為
には罪悪感はない
私たちは生きていくためにどれだけの命
が奪われていっているのか、今一度考え
させてくれる漫画である
漫画ゆえのわかりやすさと残酷性を伝え
ることが可能な作品だと思う
しかし、この作品が現在であれば発禁さ
れるであろう
名作であっても世に出すことができない
不自由さが現在には多い
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しかし、この作品が現在であれば発禁さ
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名作であっても世に出すことができない
不自由さが現在には多い
2017年5月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人肉食がテーマとか言われてますが、個人的には「人は極限まで追いつめられると獣になりえるのか」というテーマかと思いました。
昔の漫画なので絵が雑だとかコマ割りがダイナミックさに欠けるとかありますが、売れる、売れないとかいう次元を超えて、生きることの意味をジョージ秋山が自問自答しながら作品を書き続けた感じがします。
決して一般受けする内容ではありません。
最近の漫画はグロイだけで意味がないと感じている方に読んでもらいたいです。
昔の漫画なので絵が雑だとかコマ割りがダイナミックさに欠けるとかありますが、売れる、売れないとかいう次元を超えて、生きることの意味をジョージ秋山が自問自答しながら作品を書き続けた感じがします。
決して一般受けする内容ではありません。
最近の漫画はグロイだけで意味がないと感じている方に読んでもらいたいです。
2016年10月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
銭ゲバと同様に上巻も下巻も買いました。大体の人は上巻も下巻も集めると思いますが、上巻だけ読んだ人は迷わず下巻も買うべきですね
2014年2月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「食べるため」でない目的で人を殺す―ということが、どういう意味を持つのか。
「グワッギ」とかばっかり言っていた主人公も言葉を覚え、
自分を慕う少年たちがフォロワーになったりして、父母と再会し、人食いをやめて「ケダモノ」から「人間」デビューへ至るまでの軌跡。
法師から「人間」であると認められた後、最初にやったことがとても印象深い。
人間的な行為というのが何なのか、考えさせられる。
「グワッギ」とかばっかり言っていた主人公も言葉を覚え、
自分を慕う少年たちがフォロワーになったりして、父母と再会し、人食いをやめて「ケダモノ」から「人間」デビューへ至るまでの軌跡。
法師から「人間」であると認められた後、最初にやったことがとても印象深い。
人間的な行為というのが何なのか、考えさせられる。
2015年5月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
マンガ界にひとつの足跡を残した作品です。読後感は最悪ですが、読んで損はありません。
2013年5月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大体気にいりました、若いときは読みとばした画ですが、内容は深いものです。
2020年6月11日に日本でレビュー済み
長期連載の「浮浪雲」などで人気を博した漫画家のジョージ秋山さんが5月12日、死去しました。享年77歳。東京都生まれ、栃木県出身。
私は、個人的にジョージ秋山さんの作品では『海人ゴンズイ』が好きでした。
しかし、多くの方がジョージ秋山さんの一番好きな作品として名前をあげる作品は他の作品ではないでしょうか。
例えば、代表作である「浮浪雲」、あるいはこの「アシュラ」などをあげるのではないか。
「残忍、不道徳」といわれる「アシュラ」ではあるが、それもそのはずである。
それまで主に軽妙なギャグ漫画を描いていたジョージ秋山が「銭ゲバ」に続き、『週刊少年マガジン』で連載開始(1970年7月26日号~1971年5月23日号まで連載)したハード路線作品がこの「アシュラ」だったのだ。
その第1話から衝撃的な内容である。応仁の乱により飢餓が蔓延した世界が描かれ、冒頭から残酷な地獄絵図が展開される。
実際、この衝撃的な描写はすぐに物議をかもすこととなり、神奈川県では掲載誌の『週刊少年マガジン』が有害図書指定されてしまう。
これを受けて『週刊少年マガジン』では「新連載まんが『アシュラ』の企画意図について」という一文が掲載される事態にまでなったのだ。
その後の展開は賛否両論あるが、連載をまとめた単行本は『週刊少年マガジン』を発行していた講談社から発行されることはなかった。また、いくつかの出版社から単行本が出版されているが、どれもカットされたページが存在し、連載時の原稿がすべてそろった完全版は発売されていないのが実情である。
ジョージ秋山さんの訃報を受けてあらためて氏のタブーなきチャレンジ精神に感服しています。ジョージ秋山さん亡き今こそ氏の思いをきちんと受け継ぐ為にも「アシュラ」のカットなしの完全版を発売してほしいと思います。
あらためてジョージ秋山さんのご冥福をお祈りいたします。(2020.6.11記)
私は、個人的にジョージ秋山さんの作品では『海人ゴンズイ』が好きでした。
しかし、多くの方がジョージ秋山さんの一番好きな作品として名前をあげる作品は他の作品ではないでしょうか。
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「残忍、不道徳」といわれる「アシュラ」ではあるが、それもそのはずである。
それまで主に軽妙なギャグ漫画を描いていたジョージ秋山が「銭ゲバ」に続き、『週刊少年マガジン』で連載開始(1970年7月26日号~1971年5月23日号まで連載)したハード路線作品がこの「アシュラ」だったのだ。
その第1話から衝撃的な内容である。応仁の乱により飢餓が蔓延した世界が描かれ、冒頭から残酷な地獄絵図が展開される。
実際、この衝撃的な描写はすぐに物議をかもすこととなり、神奈川県では掲載誌の『週刊少年マガジン』が有害図書指定されてしまう。
これを受けて『週刊少年マガジン』では「新連載まんが『アシュラ』の企画意図について」という一文が掲載される事態にまでなったのだ。
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ジョージ秋山さんの訃報を受けてあらためて氏のタブーなきチャレンジ精神に感服しています。ジョージ秋山さん亡き今こそ氏の思いをきちんと受け継ぐ為にも「アシュラ」のカットなしの完全版を発売してほしいと思います。
あらためてジョージ秋山さんのご冥福をお祈りいたします。(2020.6.11記)