私、W村上好きなんです。
この本で村上龍 とうとうやりました。
過去最高!これ以上のものはなかなか出ないレベルのもの書いちゃいましたね。
ちなみに村上春樹はねじまき鳥クロニクルが彼の最高峰だと思ってます。
半島を出よ。
この作品、なんと3.11の前に書かれているんですね。
先見の明がおありで…
長い長い本でしたが本当に様々なところで
ドラマが多々ありました。
本を手に取ってパラっとした瞬間
本てただ字面が並んでるだけなのに
一箇所読むだけで映像が脳裏に浮かぶ
本の力を感じる。そんな本でした。
イシハラ軍団が散り行く時
なぜか中島みゆきのヘッドライトテールライドって歌が頭から聞こえてきました。
それだけ映像から音楽から溢れ出てくる作品でした。
とにかく村上龍さんのSMをほぼほぼ封印したこの作品。
この時代だからこそ手にとってみて下さい。
素晴らしい内容でした。
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半島を出よ 下 (幻冬舎文庫 む 1-26) 文庫 – 2007/8/1
村上 龍
(著)
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第58回(2005年) 野間文芸賞受賞
- 本の長さ591ページ
- 言語日本語
- 出版社幻冬舎
- 発売日2007/8/1
- ISBN-104344410017
- ISBN-13978-4344410015
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登録情報
- 出版社 : 幻冬舎 (2007/8/1)
- 発売日 : 2007/8/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 591ページ
- ISBN-10 : 4344410017
- ISBN-13 : 978-4344410015
- Amazon 売れ筋ランキング: - 34,735位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1952年長崎県生まれ。
七六年『限りなく透明に近いブルー』で第七五回芥川賞受賞。『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、『半島を出よ』では野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。『トパーズ』『KYOKO』で映画監督も務めた。最新作は『新 13歳のハローワーク』『13歳の進路』。日本の金融・政治経済の問題を考える メールマガジン『JMM』を主宰し、経済トーク番組『カンブリア宮殿』(テレビ東京)のホストも務める。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年9月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
上巻のレビューでも書いたとおり、村上龍は私にとって特別の作家である。下巻でこそ往年の村上龍の圧倒的な文章が読めると期待していたのだが、結果としてやや失望してしまった。単なる読み物として本書を読めばかなり楽しいのは間違いないのだが、かつて村上龍の作品の洗礼を受けた人間は、それ以上のものを本書に対して要求するだろう。創造と破壊、システムへの反抗、といった村上龍の往年のテーマが下巻では随所で垣間見られ、中にはかなり気に入ったフレーズもいくつかあった。しかしながら、全編にわたって詰め込まれた無駄に詳しい情報の山がこれら文学的テーマを覆ってしまっている。ストーリーテリング能力の欠如を取材等で得た膨大な情報量でカバーしようとした作家としてはかつて三島由紀夫がいた。晩年の三島の小説には初期のようなキレが失われたとは皆が指摘することだが、作品が情報を詰め込んだ「マッチョ」なものになってしまったのも一因であろう。村上龍の本書は、三島の晩年の小説よりもさらに「マッチョ」であり、かつてのキレは皆無である。結末、特に生き残った北朝鮮兵士の顛末などは完全に通俗小説のレベルに堕してしまっている。往年の名作のような村上龍の新作を読むことはもうできないのだろうか。
2018年4月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
10年ほど前に書かれた作品なのに、現在の北朝鮮情報を彷彿させるような内容で、小説家の現状分析能力に感服。
30年ほど前にコインロッカーベイビーズを読んで以来、村上氏の作品は読んでいなかったが最近オールドテロリストを読んで再び村上氏の作品への読書欲が起き、この作品のタイトルに惹かれて購入した。
登場人物が多く、武器の固有名詞、建物の構造、など興味のない事柄が多く読み進むのに疲れた部分もあったが、この荒唐無稽な物語が絵空事に終わらないためには必要な記述だと思った。
社会という集団からはじき出されて自分の世界に閉じこもる少年たち、軍事という圧倒的な暴力で国に帰属する北朝鮮の精鋭部隊、個の論理と国という集団の論理が対立する。勧善懲悪という対立ではなく、やりたい事をやるという少年たちの単純明快な論理。彼らには生への渇望はない。むしろ、生きにくい世界を破壊する事が自分の死と同義語であっても破壊したいから破壊するという単純さ。ヒーローってそんなものかもしれないな・・
最終章の巨大ホテルが爆破され崩れ落ちるシーンがスローモーションのように目の裏に映像を結んで美しかった。
30年ほど前にコインロッカーベイビーズを読んで以来、村上氏の作品は読んでいなかったが最近オールドテロリストを読んで再び村上氏の作品への読書欲が起き、この作品のタイトルに惹かれて購入した。
登場人物が多く、武器の固有名詞、建物の構造、など興味のない事柄が多く読み進むのに疲れた部分もあったが、この荒唐無稽な物語が絵空事に終わらないためには必要な記述だと思った。
社会という集団からはじき出されて自分の世界に閉じこもる少年たち、軍事という圧倒的な暴力で国に帰属する北朝鮮の精鋭部隊、個の論理と国という集団の論理が対立する。勧善懲悪という対立ではなく、やりたい事をやるという少年たちの単純明快な論理。彼らには生への渇望はない。むしろ、生きにくい世界を破壊する事が自分の死と同義語であっても破壊したいから破壊するという単純さ。ヒーローってそんなものかもしれないな・・
最終章の巨大ホテルが爆破され崩れ落ちるシーンがスローモーションのように目の裏に映像を結んで美しかった。
2019年6月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
登場キャラクターがほとんどカタカナなので、誰が誰だか分からなくなりました。細かい模写の所は飛ばして読みました。
このような事が起きなければ良いと思っております。
このような事が起きなければ良いと思っております。
2023年7月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読んでいて中弛みを感じました。北鮮駐留軍の描写、もっと省いても良いような。
2010年1月28日に日本でレビュー済み
北朝鮮を怖れる全ての日本国民に読んでほしい。
国家的な不気味さばかりが強調されるが、国家は当然個人の集まりで成立している。
その個人の思想を統制しようとしている点が、かの国の真に怖れるべきところであるが、
日本に侵入し、自由に考える余裕ができた事で、その統制に乱れが生じる。皮肉だが実に有り得る話だ。
昔、共産圏から米国への亡命者を、まずディズニーランドに連れて行くという話を読んだ記憶がある。
娯楽に巨万の富を投入する資本主義を見せつける事で亡命者の常識を覆すのが狙いだろうが、これも一種の洗脳ではある。
都市伝説の一種とは思うが、忘れられない。
作品中で、北朝鮮(反乱)軍に対し、政府や国民は何の対策も講じる事が出来ない。
リアクションを起こしたのは僅かに、26歳の女性アナウンサー、83歳の老医師、10代の反社会的とされる少年グループのみ。
所謂、戦時における「非戦闘員」ばかりだ。そこに政治や経済を担っているはずの壮年男性の姿はない。
武器を持つ相手に「恭順」以外の反応が出来たのは、自ら考え、無謀とも言える行動に出た者だけだ。
その方法はそれぞれ違ったが、日本人の国民性を一括りで想定していた北朝鮮人には衝撃を与える。
そう、個人の思想や行動にズレが生じるのは全くもって当たり前の事なのだ。
そしてそれは、北朝鮮においても、どの国においても、同じである筈だ。
現代日本の中に燻り続けるアジア蔑視。ネットに溢れる中国・韓国・北朝鮮への誹謗中傷。
私は88年に修学旅行で韓国を、08年に北京五輪観戦で中国を訪れたが、そこで知り合えた人々に不快な思いをさせられた事はなかった。
韓国の博物館では、子供を引率した老人に「私は日本の植民地時代に日本語を覚えました」と話し掛けられたが、
物腰も言葉もとても穏やかで、「歓迎します。我が国の歴史を学んで下さい」と優しく微笑まれた。
中国の五輪会場では、日の丸の鉢巻きと扇子、ポンチョを身に付けた私は、中国人を含む多くの外国人から記念撮影を求められた。
日の丸を不快に感じる人がいるかも知れない、という懸念は旅行前からあったが、日本人として日本人を応援する際に、他に適当なものは思いつかなかった。
中韓どちらも観光客に対するただの拝金主義である、とする日本人はいるだろうが、そんな人にこそ聞いてみたい。
「あなたは現地で個人と接触した事があるのか? メディアで見聞きした情報だけで判断していないか?」と。
イタリアを訪れた際も、スキンヘッドの若者から、片言の英語で「ここのタクシー待合所の表示は古い」と教わり、正しい場所に案内してもらった。
わずか3国で外国を知ったように語るのは憚られるが、結局どの国にも「絶対の国民性」などないと思う。
日本だって、「安全な国、勤勉な国民性」という評価が既に古いではないか。
最近起きたハイチ地震に対するリアクションとして、折り鶴を送る運動が日本の一部で広がっているという。
ここに致命的な「想像力の欠如」を感じる。暴動が起きるほど飢えた人々に一般市民ができる範囲の支援なら、募金の方が絶対に有効だ。
「自分がしたいことではなく、相手がしてほしいことをする」という、基本的な事が理解されていない。
村上龍氏が描き出した「考えない日本人」、または「考えているふりをする日本人」
―占領下にある福岡市民の為にと、キャンドルを持って祈るような―に通じるものを感じて、なんとも言えない暗い気持ちになった。
しかし、2010年の冬季五輪前に韓国で行われたフィギュアスケートの大会のニュースで、少し救われた。
日本人選手の演技への妨害を煽るようなネット上の書き込みに反して、観客からは演技に対する拍手が送られたそうだ。
真のスポーツファンなら当然の事で、両国の対立を深めているのは、結局現場に行かない人々なのではないだろうか。
一部の国民の卑劣な行為に激昂し、その国をまるごと批判してしまうのは、愚かな事だ。
日本人、日本国も諸外国からそう見られる危険性がある事を、常に認識しておくべきだと思う。
村上龍氏は北朝鮮と日本ではなく、個人を描いた。小説とはもともと、個人を描くものだ。
左手に残る未読ページが少なくなる事を惜しく思った、素晴らしい作品だった。
国家的な不気味さばかりが強調されるが、国家は当然個人の集まりで成立している。
その個人の思想を統制しようとしている点が、かの国の真に怖れるべきところであるが、
日本に侵入し、自由に考える余裕ができた事で、その統制に乱れが生じる。皮肉だが実に有り得る話だ。
昔、共産圏から米国への亡命者を、まずディズニーランドに連れて行くという話を読んだ記憶がある。
娯楽に巨万の富を投入する資本主義を見せつける事で亡命者の常識を覆すのが狙いだろうが、これも一種の洗脳ではある。
都市伝説の一種とは思うが、忘れられない。
作品中で、北朝鮮(反乱)軍に対し、政府や国民は何の対策も講じる事が出来ない。
リアクションを起こしたのは僅かに、26歳の女性アナウンサー、83歳の老医師、10代の反社会的とされる少年グループのみ。
所謂、戦時における「非戦闘員」ばかりだ。そこに政治や経済を担っているはずの壮年男性の姿はない。
武器を持つ相手に「恭順」以外の反応が出来たのは、自ら考え、無謀とも言える行動に出た者だけだ。
その方法はそれぞれ違ったが、日本人の国民性を一括りで想定していた北朝鮮人には衝撃を与える。
そう、個人の思想や行動にズレが生じるのは全くもって当たり前の事なのだ。
そしてそれは、北朝鮮においても、どの国においても、同じである筈だ。
現代日本の中に燻り続けるアジア蔑視。ネットに溢れる中国・韓国・北朝鮮への誹謗中傷。
私は88年に修学旅行で韓国を、08年に北京五輪観戦で中国を訪れたが、そこで知り合えた人々に不快な思いをさせられた事はなかった。
韓国の博物館では、子供を引率した老人に「私は日本の植民地時代に日本語を覚えました」と話し掛けられたが、
物腰も言葉もとても穏やかで、「歓迎します。我が国の歴史を学んで下さい」と優しく微笑まれた。
中国の五輪会場では、日の丸の鉢巻きと扇子、ポンチョを身に付けた私は、中国人を含む多くの外国人から記念撮影を求められた。
日の丸を不快に感じる人がいるかも知れない、という懸念は旅行前からあったが、日本人として日本人を応援する際に、他に適当なものは思いつかなかった。
中韓どちらも観光客に対するただの拝金主義である、とする日本人はいるだろうが、そんな人にこそ聞いてみたい。
「あなたは現地で個人と接触した事があるのか? メディアで見聞きした情報だけで判断していないか?」と。
イタリアを訪れた際も、スキンヘッドの若者から、片言の英語で「ここのタクシー待合所の表示は古い」と教わり、正しい場所に案内してもらった。
わずか3国で外国を知ったように語るのは憚られるが、結局どの国にも「絶対の国民性」などないと思う。
日本だって、「安全な国、勤勉な国民性」という評価が既に古いではないか。
最近起きたハイチ地震に対するリアクションとして、折り鶴を送る運動が日本の一部で広がっているという。
ここに致命的な「想像力の欠如」を感じる。暴動が起きるほど飢えた人々に一般市民ができる範囲の支援なら、募金の方が絶対に有効だ。
「自分がしたいことではなく、相手がしてほしいことをする」という、基本的な事が理解されていない。
村上龍氏が描き出した「考えない日本人」、または「考えているふりをする日本人」
―占領下にある福岡市民の為にと、キャンドルを持って祈るような―に通じるものを感じて、なんとも言えない暗い気持ちになった。
しかし、2010年の冬季五輪前に韓国で行われたフィギュアスケートの大会のニュースで、少し救われた。
日本人選手の演技への妨害を煽るようなネット上の書き込みに反して、観客からは演技に対する拍手が送られたそうだ。
真のスポーツファンなら当然の事で、両国の対立を深めているのは、結局現場に行かない人々なのではないだろうか。
一部の国民の卑劣な行為に激昂し、その国をまるごと批判してしまうのは、愚かな事だ。
日本人、日本国も諸外国からそう見られる危険性がある事を、常に認識しておくべきだと思う。
村上龍氏は北朝鮮と日本ではなく、個人を描いた。小説とはもともと、個人を描くものだ。
左手に残る未読ページが少なくなる事を惜しく思った、素晴らしい作品だった。
2016年6月5日に日本でレビュー済み
2005年発表のベストセラー小説。
ちょっとした縁があって、いまさらながら読了。
2011年4月、北朝鮮軍部の密命を受けた9名の特殊部隊兵士が福岡市内に潜入、人質をとったうえで事実上の制圧活動を開始し、どたばたとして有効な手立てを打てない日本政府を尻目にさらに援軍が到着し、、、という事件のてんまつを描く話。(当たり前だが、本書には東日本大震災(2011/3/11)は存在しない。)
冒頭に登場人物一覧が提示されるが、これは実質読み飛ばしてよいだろう(そもそも列挙されている人物が多すぎてリストに意味がない)。
物語の軸は3つ。北朝鮮視点で描かれる戦略と組織運営の話、東京の政府関係者を中心としたダメダメな政治行政の話、そして福岡市内に固まってひっそりと暮らしていた特異な経歴の若者グループの話。章ごとに視点が変わり、それぞれの立場でそれぞれの活動を行っている経緯がひたすら描かれる。全体に抑えめで事実を淡々とという文章ではあるが、北朝鮮の兵士視点は(うがった見方すぎるかもしれないが)やや読者(=日本人)におもねる表現が目について、ちょっとクスッと笑いつつも、「経済的に破たんしつつある日本」を舞台に据えた小説の割には、先進国ではない国の市民が日本の風物を目の当たりにして驚く様子、をこういう描き方で表現するのはどうかなぁ、と、読みすすめながらだいぶ気になった。
全体の傾向として、「経緯がひたすら描かれ」の物量がやたらと多く、会話文も地の文もセンテンス分けが少なくてびっちりと書き込まれているのが特徴のよう。この大量の情報の中に、こっそりと網の目のような伏線が仕込まれているのかとも思ったが、読み終えた結果としては、そこまで詳細記述を読み込まなくてもOKな大枠な伏線だけだったようだ。
個人的な感想としては、上巻でかなり徹底的に現状否定や世紀末クライシス的な描写をこれでもかと展開した割には、下巻の後半で描かれる起死回生な一発の話の展開がご都合主義の極みで、読んでいてだいぶ鼻白んだというところ。ところどころに丹念に書き込まれている両国の市民の生活にかかわる話は、社会的問題として確かに指摘すべき内容であるなど、なかなか読ませる内容になっていると思うだけに、この幕引き方法は残念な感じだ。
著者は、ミリタリーもののドンパチ大作を書きたくて、全体のストーリー展開を後付けで考えた、のではないかと邪推してしまった。いや本当に、本作の戦闘シーンもしくは武器・火器を扱うシーンの描写が異様に細かくて、ここまでいらないだろうということも再三。これと記述詳細度のレベルを合わせるために、社会的政治的な話も詳細化したのではという邪推であります。
ちょっとした縁があって、いまさらながら読了。
2011年4月、北朝鮮軍部の密命を受けた9名の特殊部隊兵士が福岡市内に潜入、人質をとったうえで事実上の制圧活動を開始し、どたばたとして有効な手立てを打てない日本政府を尻目にさらに援軍が到着し、、、という事件のてんまつを描く話。(当たり前だが、本書には東日本大震災(2011/3/11)は存在しない。)
冒頭に登場人物一覧が提示されるが、これは実質読み飛ばしてよいだろう(そもそも列挙されている人物が多すぎてリストに意味がない)。
物語の軸は3つ。北朝鮮視点で描かれる戦略と組織運営の話、東京の政府関係者を中心としたダメダメな政治行政の話、そして福岡市内に固まってひっそりと暮らしていた特異な経歴の若者グループの話。章ごとに視点が変わり、それぞれの立場でそれぞれの活動を行っている経緯がひたすら描かれる。全体に抑えめで事実を淡々とという文章ではあるが、北朝鮮の兵士視点は(うがった見方すぎるかもしれないが)やや読者(=日本人)におもねる表現が目について、ちょっとクスッと笑いつつも、「経済的に破たんしつつある日本」を舞台に据えた小説の割には、先進国ではない国の市民が日本の風物を目の当たりにして驚く様子、をこういう描き方で表現するのはどうかなぁ、と、読みすすめながらだいぶ気になった。
全体の傾向として、「経緯がひたすら描かれ」の物量がやたらと多く、会話文も地の文もセンテンス分けが少なくてびっちりと書き込まれているのが特徴のよう。この大量の情報の中に、こっそりと網の目のような伏線が仕込まれているのかとも思ったが、読み終えた結果としては、そこまで詳細記述を読み込まなくてもOKな大枠な伏線だけだったようだ。
個人的な感想としては、上巻でかなり徹底的に現状否定や世紀末クライシス的な描写をこれでもかと展開した割には、下巻の後半で描かれる起死回生な一発の話の展開がご都合主義の極みで、読んでいてだいぶ鼻白んだというところ。ところどころに丹念に書き込まれている両国の市民の生活にかかわる話は、社会的問題として確かに指摘すべき内容であるなど、なかなか読ませる内容になっていると思うだけに、この幕引き方法は残念な感じだ。
著者は、ミリタリーもののドンパチ大作を書きたくて、全体のストーリー展開を後付けで考えた、のではないかと邪推してしまった。いや本当に、本作の戦闘シーンもしくは武器・火器を扱うシーンの描写が異様に細かくて、ここまでいらないだろうということも再三。これと記述詳細度のレベルを合わせるために、社会的政治的な話も詳細化したのではという邪推であります。
2018年3月31日に日本でレビュー済み
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預言しているかのような、今すぐにでも起こりそうな近未来情勢がリアリティと緊迫感で支配します。分厚い上下巻は流れ落ちる滝のごとく、読破して、空恐ろしさを感じました。