プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
¥755¥755 税込
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
¥755¥755 税込
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
¥21¥21 税込
配送料 ¥256 6月7日-8日にお届け
発送元: 古本買取本舗 ※通常24時間以内出荷。 販売者: 古本買取本舗 ※通常24時間以内出荷。
¥21¥21 税込
配送料 ¥256 6月7日-8日にお届け
発送元: 古本買取本舗 ※通常24時間以内出荷。
販売者: 古本買取本舗 ※通常24時間以内出荷。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
トリプルA 小説 格付会社 下 (幻冬舎文庫) 文庫 – 2012/8/5
黒木 亮
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥755","priceAmount":755.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"755","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"A7G7LxCnjAkyRI0LL5W6b2m6ncD4tRNT2IHcofRgpme9BX7onNTQsce24%2FOiRW7rY6weOUM3nwjXc%2FVS9lRKx3jlEanLgiSneilzT4I2jA75NRYIYTXHjRzdQGu0qr4GlJuJbkGciXg%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥21","priceAmount":21.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"21","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"A7G7LxCnjAkyRI0LL5W6b2m6ncD4tRNTVDmPnJY1%2BcGfhqoHkdkC3vTcEFmj9LgFLtsFlO6M3dlN9ksymbGvww3zBdjNRlD7FFz0ZKofmUKomeoogQ4vpuFejWBdvgPRQyi5X7%2BzfPgmnnNIk2xf2br%2BV5iEwrZPQ4vMJhQT78D9Du7JAZhd5A%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
デリバティブや証券化の手法が日進月歩で複雑化していった2000年代初頭、投資家は「格付」しか頼れるものがなくなり、米国ではサブプライム・バブルが発生する。乾慎介は日本のバブルと重ね合わせ、危機感を抱くが、利潤追求に血眼の格付会社は金融業界に追従し、世界を震撼させるリーマンショックを引き起こす。圧巻の大団円!
- 本の長さ426ページ
- 言語日本語
- 出版社幻冬舎
- 発売日2012/8/5
- ISBN-104344419014
- ISBN-13978-4344419018
よく一緒に購入されている商品
対象商品: トリプルA 小説 格付会社 下 (幻冬舎文庫)
¥755¥755
最短で6月6日 木曜日のお届け予定です
残り5点(入荷予定あり)
¥755¥755
最短で6月6日 木曜日のお届け予定です
残り7点(入荷予定あり)
¥796¥796
最短で6月6日 木曜日のお届け予定です
在庫あり。
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 幻冬舎 (2012/8/5)
- 発売日 : 2012/8/5
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 426ページ
- ISBN-10 : 4344419014
- ISBN-13 : 978-4344419018
- Amazon 売れ筋ランキング: - 356,493位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
1957年、北海道生まれ。
早稲田大学法学部卒、カイロ・アメリカン大学大学院(中東研究科)修士。
銀行、証券会社、総合商社に23年あまり勤務し、国際協調融資、プロジェクト・ファイナンス、貿易金融、航空機ファイナンスなどを手がける。
2000年、『トップ・レフト』でデビュー。主な作品に『巨大投資銀行』、『排出権商人』、『エネルギー』など。大学時代は競走部に所属し、箱根駅伝に2度出場、20kmで道路北海道記録を塗り替えた。ランナーとしての半生は自伝的長編『冬の喝采』にほぼノンフィクションで綴られている。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2023年6月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本は本来の業務方針と違うことをやると「こうなる」という教訓だ。
2011年2月11日に日本でレビュー済み
日本の資本市場における格付会社の内実だけでなく、
経済社会における格付会社の役割が把握できる良書です。
格付は、言論の自由に保護された「単なる意見にすぎない」ということだが、
山一証券等の実例にあるように、オピニオンリーダーとして市場の意見を誘導しまとめる影響力をもつ事実。
特に格付けを低下する場合は、信用収縮、流動性の喪失を引き起こし、会社の息の根を止める力、すなわち
黒を黒というだけでなく、グレーを黒とする影響力をも有する事実。
そのような影響力をもつにもかかわらず、エンロンの格付のように、誤った格付を行っても、
その言い訳は、「発行体による情報開示の不十分性」などで免責となるような実態等、
小説を通じた経済小説として非常に面白くためになる本です。
また、投資銀行と並んで、リーマンショックにおけるA級戦犯である格付会社の実態も描かれています。
投資銀行がサブプライムを含むCDO(債務担保証券)を発行し、
格付でお墨付きを与えることにより、レバレッジをかけた機関投資家に対して売りまくることにより、
過剰流動性が発生した結果、いったん火がついた信用収縮、流動性喪失は、かつてない規模となり
市場がパニックになったいわゆるリーマンショックの実態。
CDOは、デフォルトするのが明らかなローンもあるにもかかわらず、
Correlation(相関性)やDefault率等評価モデル自体を都合良く利用して、リスクの理論数値を編み出し、
(その結果、米国債と同様、日本国債よりもリスクが低い。。。というバカげた格付となった。)
「トリプルA」の格付をとるようにローンを組み合わせて、ローリスクハイリターンの金融商品として売りまくったということ。
結局のところ、リーマンショックは、各原資産が有するリスクの相関性をうまくコントロールすることにより、
リスクを抑えてリターンを確保することができるといういわゆるポートフォリオ理論に裏付けられた理屈によって、
市場社会の各プレイヤーの欲を覆い隠し、自分がババを引かなければ良いという倫理を完全に喪失したプレイヤーによる
市場社会システムの穴(欠陥)を突いた必然だったということが感じられます。
またエピローグも興味深く、
900兆円以上という恐ろしい規模にまで膨張を続ける日本国債、
その格付と今後の動向について示唆するものとなっています。
これは、同意できる点が多く、国民として真剣に考える必要がある問題だと思います。
「日本人は優秀で真面目な民族だと思いますけどね。ただ、焼け野原にならないとだめなんですよね。。。
この東京は、もう一度、焼け野原を経験することになるでしょう。」
今の現状を変えなければ、日本経済は破たんの道を歩むことになるのはすでに言い尽くされた議論ですが、
内閣の実態、国会での空論、マスコミの論調をみると、
やはり外圧がないと変われない、玉砕するまで変われないこの日本の国民性の悲しい性を覆すことなく、
崩壊という行きつくところまでいかないと方向転換はできないのかと思ってしまいます。
第二次世界大戦で敗戦が明白にもかかわらず原爆投下まで降伏できなかった大本営の
二の舞を演じないことを一国民として願わざるを得ません。
経済社会における格付会社の役割が把握できる良書です。
格付は、言論の自由に保護された「単なる意見にすぎない」ということだが、
山一証券等の実例にあるように、オピニオンリーダーとして市場の意見を誘導しまとめる影響力をもつ事実。
特に格付けを低下する場合は、信用収縮、流動性の喪失を引き起こし、会社の息の根を止める力、すなわち
黒を黒というだけでなく、グレーを黒とする影響力をも有する事実。
そのような影響力をもつにもかかわらず、エンロンの格付のように、誤った格付を行っても、
その言い訳は、「発行体による情報開示の不十分性」などで免責となるような実態等、
小説を通じた経済小説として非常に面白くためになる本です。
また、投資銀行と並んで、リーマンショックにおけるA級戦犯である格付会社の実態も描かれています。
投資銀行がサブプライムを含むCDO(債務担保証券)を発行し、
格付でお墨付きを与えることにより、レバレッジをかけた機関投資家に対して売りまくることにより、
過剰流動性が発生した結果、いったん火がついた信用収縮、流動性喪失は、かつてない規模となり
市場がパニックになったいわゆるリーマンショックの実態。
CDOは、デフォルトするのが明らかなローンもあるにもかかわらず、
Correlation(相関性)やDefault率等評価モデル自体を都合良く利用して、リスクの理論数値を編み出し、
(その結果、米国債と同様、日本国債よりもリスクが低い。。。というバカげた格付となった。)
「トリプルA」の格付をとるようにローンを組み合わせて、ローリスクハイリターンの金融商品として売りまくったということ。
結局のところ、リーマンショックは、各原資産が有するリスクの相関性をうまくコントロールすることにより、
リスクを抑えてリターンを確保することができるといういわゆるポートフォリオ理論に裏付けられた理屈によって、
市場社会の各プレイヤーの欲を覆い隠し、自分がババを引かなければ良いという倫理を完全に喪失したプレイヤーによる
市場社会システムの穴(欠陥)を突いた必然だったということが感じられます。
またエピローグも興味深く、
900兆円以上という恐ろしい規模にまで膨張を続ける日本国債、
その格付と今後の動向について示唆するものとなっています。
これは、同意できる点が多く、国民として真剣に考える必要がある問題だと思います。
「日本人は優秀で真面目な民族だと思いますけどね。ただ、焼け野原にならないとだめなんですよね。。。
この東京は、もう一度、焼け野原を経験することになるでしょう。」
今の現状を変えなければ、日本経済は破たんの道を歩むことになるのはすでに言い尽くされた議論ですが、
内閣の実態、国会での空論、マスコミの論調をみると、
やはり外圧がないと変われない、玉砕するまで変われないこの日本の国民性の悲しい性を覆すことなく、
崩壊という行きつくところまでいかないと方向転換はできないのかと思ってしまいます。
第二次世界大戦で敗戦が明白にもかかわらず原爆投下まで降伏できなかった大本営の
二の舞を演じないことを一国民として願わざるを得ません。
2010年11月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最近の金融問題を格付会社を軸に展開するという目の付け所は良いが、総じて平凡で退屈な作品との印象である。
著者の個性は、グローバルで派手な金融や経済問題を真に迫ったものとして描いてきたことにあると考えるが、そのような分野の語り部や真贋を判断できる日本人が多くないことから、ほぼ独占的な講釈師としての魅力で売ってきたと思っている。しかし、本作は日本を舞台にしているだけに、著者の情報収集力の限界を感じさせられてしまった。つまり、丹念に新聞・雑誌記事を切り貼りしたような作品になってしまっている。材料探しや情報源の難しさはあると思うが、次回作は著者本来のグローバル金融・経済講談の世界に戻って欲しいものである。
著者の個性は、グローバルで派手な金融や経済問題を真に迫ったものとして描いてきたことにあると考えるが、そのような分野の語り部や真贋を判断できる日本人が多くないことから、ほぼ独占的な講釈師としての魅力で売ってきたと思っている。しかし、本作は日本を舞台にしているだけに、著者の情報収集力の限界を感じさせられてしまった。つまり、丹念に新聞・雑誌記事を切り貼りしたような作品になってしまっている。材料探しや情報源の難しさはあると思うが、次回作は著者本来のグローバル金融・経済講談の世界に戻って欲しいものである。
2021年11月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
格付会社の内情のみならず、そのモラル、ジレンマも描いている。
ただし、格付会社社員を過大評価している面もある。彼らはそうそう投資銀行に転職などできないだろう。
ただし、格付会社社員を過大評価している面もある。彼らはそうそう投資銀行に転職などできないだろう。
2015年1月21日に日本でレビュー済み
登場する格付会社、銀行、生保などが実名または容易に実名を想像できる会社などであるため非常にわかりやすく当時の状況が理解しやすい。
特定の主人公ではなく各方面から代表人物を描いているので人間味が良く現れている。
一般文学通算1358作品目の感想。2015/01/21 17:45(in中国・山東省・青島)
特定の主人公ではなく各方面から代表人物を描いているので人間味が良く現れている。
一般文学通算1358作品目の感想。2015/01/21 17:45(in中国・山東省・青島)
2012年12月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
下巻は1999年5月〜2009年12月までのお話です。
小説なので、事実は後で確認しなければなりませんが、金融の知識や実務に疎い自分にとっては色々と勉強になったし、そもそも格付け業界のことを知るためには良い入口となる本だったと思いました。
まず、2008年の金融危機が様々な要因で絡み合って起きたことが把握できました。
・低所得者およびNINJA(無収入・無職・無資産)に対する住宅ローン、いわゆるサブプライム・ローン。
⇒ 頭金がなく利子率が毎年増えるという代物で、住宅価格の値上がりを前提にしていたが、住宅価格が値下がりすると、デフォルトが相次いだ。
・ビル・クリントン政権時代に強化された『コミュニティ再投資法』。
⇒ 低所得者向けの融資を増やすことを金融機関に義務付けたため、無審査での住宅ローンがまかり通った。
・アレンジャー(証券会社等)が提供する複雑な金融商品(RMBS、CDO、CDOスクエアード、等)。
⇒ 上記サブプライム・ローンを原資産にしていたにも関わらず、リスクとリターンの関係を金融工学で不透明にし、投資家を判断不能にさせた。
・上記金融商品を含むストラクチャード・ファイナンス案件に対する格付け。
⇒ コンピューター・モデルで定量的に計算した結果を元に格付けしていたが、そもそもの前提条件であるデフォルト確率やコリレーションが間違っていた。
一方、企業や事業案件の格付けプロセスでは、以下の点に難しさがある事が分かりました。
・情報開示が不十分な発行体(国・企業・組織)を評価すること。
・国の文化や会社の戦略、経営者の資質といった数値化しづらい項目を評価すること。
格付け機関は、発行体に対して高慢な態度を取れば反感を買うし、かと言って「ドブ板を踏む」のが度を過ぎると「風俗のポン引き」と揶揄されてしまい、そして時には発行体の生殺与奪権を握ることがあり、発行体にとっては不気味な存在と言えるかもしれません。
しかしながら、格付けは「投資家にとって最後の拠り所」であり、格付けするにあたり「世論やマーケットの風潮に流されず、人々から常に一歩離れて、真実を見つめる」ことが大切である訳で、収益と信頼の狭間で揺れる格付け機関のジレンマが伝わってきます。
ところで、邦銀が、ほぼ無審査の私募債を原資産にした「CBOオールジャパン」という証券を発行したり、相場が下がり始めてからCDSやCDOへの投資したという話を知ってしまうと、如何にも内容を吟味せずに形だけを真似て流行を追い駆けている日本企業および日本人の文化が露わになったような気がして、情けなくなりました。
改めて、投資というものは金融商品の中身を十分に理解してから行わないと危険だなあ、ということを再認識しました。
最後に、格付けとは全く関係ありませんが、本書でビジネス面での障害者の強みを知ることができたのは、オマケを貰えたようなものです。
一度、スワンベーカリーに行ってみようと思いました。
小説なので、事実は後で確認しなければなりませんが、金融の知識や実務に疎い自分にとっては色々と勉強になったし、そもそも格付け業界のことを知るためには良い入口となる本だったと思いました。
まず、2008年の金融危機が様々な要因で絡み合って起きたことが把握できました。
・低所得者およびNINJA(無収入・無職・無資産)に対する住宅ローン、いわゆるサブプライム・ローン。
⇒ 頭金がなく利子率が毎年増えるという代物で、住宅価格の値上がりを前提にしていたが、住宅価格が値下がりすると、デフォルトが相次いだ。
・ビル・クリントン政権時代に強化された『コミュニティ再投資法』。
⇒ 低所得者向けの融資を増やすことを金融機関に義務付けたため、無審査での住宅ローンがまかり通った。
・アレンジャー(証券会社等)が提供する複雑な金融商品(RMBS、CDO、CDOスクエアード、等)。
⇒ 上記サブプライム・ローンを原資産にしていたにも関わらず、リスクとリターンの関係を金融工学で不透明にし、投資家を判断不能にさせた。
・上記金融商品を含むストラクチャード・ファイナンス案件に対する格付け。
⇒ コンピューター・モデルで定量的に計算した結果を元に格付けしていたが、そもそもの前提条件であるデフォルト確率やコリレーションが間違っていた。
一方、企業や事業案件の格付けプロセスでは、以下の点に難しさがある事が分かりました。
・情報開示が不十分な発行体(国・企業・組織)を評価すること。
・国の文化や会社の戦略、経営者の資質といった数値化しづらい項目を評価すること。
格付け機関は、発行体に対して高慢な態度を取れば反感を買うし、かと言って「ドブ板を踏む」のが度を過ぎると「風俗のポン引き」と揶揄されてしまい、そして時には発行体の生殺与奪権を握ることがあり、発行体にとっては不気味な存在と言えるかもしれません。
しかしながら、格付けは「投資家にとって最後の拠り所」であり、格付けするにあたり「世論やマーケットの風潮に流されず、人々から常に一歩離れて、真実を見つめる」ことが大切である訳で、収益と信頼の狭間で揺れる格付け機関のジレンマが伝わってきます。
ところで、邦銀が、ほぼ無審査の私募債を原資産にした「CBOオールジャパン」という証券を発行したり、相場が下がり始めてからCDSやCDOへの投資したという話を知ってしまうと、如何にも内容を吟味せずに形だけを真似て流行を追い駆けている日本企業および日本人の文化が露わになったような気がして、情けなくなりました。
改めて、投資というものは金融商品の中身を十分に理解してから行わないと危険だなあ、ということを再認識しました。
最後に、格付けとは全く関係ありませんが、本書でビジネス面での障害者の強みを知ることができたのは、オマケを貰えたようなものです。
一度、スワンベーカリーに行ってみようと思いました。
2014年8月5日に日本でレビュー済み
乾は、障害者の娘にお金を残してやらなければ、と考え、高給を求めてマーシャルズのストラクチャード・ファイナンス部門に転職する。
日比谷生命の沢野は、みずほHDから不良債権処理のために保有株の半分以上を優先株に切り替えて欲しいと要請される。優先株は議決権が制限されるが配当利回りが高く、バーゼル2ではティア1資本として自己資本に参入できる。そんなときS&Dの水野から問い合わせが来る。みずほHDが倒れるのも困るが、みずほを支援して自分たちが格下げされるのも困る。結局、日比谷生命はみずほHDの要請を受け、なんとか格付けも維持される。
沢野はマーシャルズの横柄さが気に入らず、マーシャルズを切ったことがある。ある日、日比谷生命がマーシャルズの格付けを取らずに劣後債を発行したことを知ったマーシャルズの新・駐日代表の三条は危機感を抱く。マーシャルズはとたんに格付けが甘くなってくる。
沢野は実家の佃煮屋を継ぐために退職。乾は三条と合わずやはり退職し、日系格付会社へ。三条は格付けをモデル化し、高給のアナリストを減らそうとするが、モデル化により格付けが従来から大きく変わったことを批判され撤回。三条は失脚する。
乾の娘は肺炎で死んでしまう。乾は妻と障害者をベースとしたベーカリーのフランチャイジーとなる。
トリビアとしては、曰く・・・
(リーマン・ショック前の)住宅ローンのセールスマンやブローカーは儲かる仕事で、契約者の年収とか適当に書き込んでサインさせていた。ローンはCDOに仕組まれて投資家に転売してしまうので審査はないに等しい。
SIV(Structured Investment Vehicle)は、資産担保コマーシャル・ペーパー(ABCP)を発行して資金調達し、CDOなどを資産として保有する。SIVの設立目的は、(1)金融機関が保有する融資債権をCDOにして、連結不要のSIVに売却すれば、資産を減らして自己資本比率を上げることができる(2)SIVに対して流動性確保のための融資枠を提供するがこのときにSIVから手数料を取れる(3)SIVが解散するとき、SIVのためこんだ利益を金融機関のものにできる。もともと1988年にシティバンクが開発したのが始まり。
AIGはCDOやCDSのトリプルAのトランシェを何兆円も保証している。銀行が手数料を払ってでもAIGの保証をつけるのはトリプルAでも安心できないから。
住宅ローン、社債、CDSをひとまとめにしたCDOを作り、格付けして、売りまくる。CDOは同じ格付の社債より利回りがいいから売れる。
リーマンが倒れると、巨額のCDSを保証していたAIGは、リーマンのデフォルトを保証していたCDSの支払いを求められる。AIGの格付けも引き下げられる。これがCDS契約上のトリガ・イベントとなってリーマン以外の無数のCDSについて取引相手から追加担保差し入れが求められ、流動性危機に陥る。アメリカ政府はAIGに巨額のつなぎ融資をおこない実質的にAIGを国有化した。
などなど。
日比谷生命の沢野は、みずほHDから不良債権処理のために保有株の半分以上を優先株に切り替えて欲しいと要請される。優先株は議決権が制限されるが配当利回りが高く、バーゼル2ではティア1資本として自己資本に参入できる。そんなときS&Dの水野から問い合わせが来る。みずほHDが倒れるのも困るが、みずほを支援して自分たちが格下げされるのも困る。結局、日比谷生命はみずほHDの要請を受け、なんとか格付けも維持される。
沢野はマーシャルズの横柄さが気に入らず、マーシャルズを切ったことがある。ある日、日比谷生命がマーシャルズの格付けを取らずに劣後債を発行したことを知ったマーシャルズの新・駐日代表の三条は危機感を抱く。マーシャルズはとたんに格付けが甘くなってくる。
沢野は実家の佃煮屋を継ぐために退職。乾は三条と合わずやはり退職し、日系格付会社へ。三条は格付けをモデル化し、高給のアナリストを減らそうとするが、モデル化により格付けが従来から大きく変わったことを批判され撤回。三条は失脚する。
乾の娘は肺炎で死んでしまう。乾は妻と障害者をベースとしたベーカリーのフランチャイジーとなる。
トリビアとしては、曰く・・・
(リーマン・ショック前の)住宅ローンのセールスマンやブローカーは儲かる仕事で、契約者の年収とか適当に書き込んでサインさせていた。ローンはCDOに仕組まれて投資家に転売してしまうので審査はないに等しい。
SIV(Structured Investment Vehicle)は、資産担保コマーシャル・ペーパー(ABCP)を発行して資金調達し、CDOなどを資産として保有する。SIVの設立目的は、(1)金融機関が保有する融資債権をCDOにして、連結不要のSIVに売却すれば、資産を減らして自己資本比率を上げることができる(2)SIVに対して流動性確保のための融資枠を提供するがこのときにSIVから手数料を取れる(3)SIVが解散するとき、SIVのためこんだ利益を金融機関のものにできる。もともと1988年にシティバンクが開発したのが始まり。
AIGはCDOやCDSのトリプルAのトランシェを何兆円も保証している。銀行が手数料を払ってでもAIGの保証をつけるのはトリプルAでも安心できないから。
住宅ローン、社債、CDSをひとまとめにしたCDOを作り、格付けして、売りまくる。CDOは同じ格付の社債より利回りがいいから売れる。
リーマンが倒れると、巨額のCDSを保証していたAIGは、リーマンのデフォルトを保証していたCDSの支払いを求められる。AIGの格付けも引き下げられる。これがCDS契約上のトリガ・イベントとなってリーマン以外の無数のCDSについて取引相手から追加担保差し入れが求められ、流動性危機に陥る。アメリカ政府はAIGに巨額のつなぎ融資をおこない実質的にAIGを国有化した。
などなど。
2010年6月16日に日本でレビュー済み
日本に進出した格付会社は市場において影響力を高めていく。一方で、収益性デリバティブ商品には、制度のなかのひずみを利用してリスク資産により高い安定性を表す格付を付与していく。
その過程はミステリーの犯行現場を見ているようで、実体経済の動きをこれほどドラマチックに描けるものなのだと感心した。時間をおしんで一気に読み終えた。エンターテイメントとしてとても楽しめ、かつ金融知識を得られ、読後の満足度も高かった。
また、単に金融の世界だけではなく、それぞれの登場人物が、ある者は金融関係とはまったく異なる世界へ転職し、権勢を誇った人物が退場したり、復活したりするなど、個人のキャリア、生き方という点でも多面的に描いているので読み応えがあった。
その過程はミステリーの犯行現場を見ているようで、実体経済の動きをこれほどドラマチックに描けるものなのだと感心した。時間をおしんで一気に読み終えた。エンターテイメントとしてとても楽しめ、かつ金融知識を得られ、読後の満足度も高かった。
また、単に金融の世界だけではなく、それぞれの登場人物が、ある者は金融関係とはまったく異なる世界へ転職し、権勢を誇った人物が退場したり、復活したりするなど、個人のキャリア、生き方という点でも多面的に描いているので読み応えがあった。