ひょんなことから三人の女悪魔の封印された壺を空けてしまい、マスターであるはずなのに逆に使いっ走りにされてしまう、大学講師の主人公、神奈三四郎。さらに気まま放題の妹まで加わって、女四人に振り回され散々な毎日を送る。そんなある日、彼の勤める大学の古色蒼然とした時計台から怪しい緑のガスが噴き出してキャンパスを包み込み、町中が大変なことに…。その影には、時計台の建設にからんだある黒魔術集団の存在があった…。
大笑いしながら楽しく一気に読めた。何故か純和風の女悪魔の一人、アルニタクの操る「空飛ぶ座布団」に乗せられて、魔術集団と闘う破目になる主人公。読んでいるこっちもその座布団に無理矢理乗せられて、思いも寄らない物語の世界をあっちこっち引っ張りまわされるような感覚だ。一言で言うと、朝松ワールドのドタバタ「チャーリーズ・エンジェル」。後に続く伏線らしき設定や小道具もあちこちに仕掛けてあって、映画というより、TVシリーズの第一回といった印象だ。
読み終わる頃には、この奇妙な座布団の乗り心地にもだいぶ慣れてきた(主人公はまだまだ慣れないようだがw)。こうなってくるとこの座布団で、もっといろんな所を回ってみたい。続きが読みたくなってくる。
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