現在、実態はわからないが、一説によれば、スピリチュアルと呼ばれる業界は一千億円市場だそうだ。
SNS が発達して生活に浸透している社会では、そうしたツールを用いて集客し商売として成立させることが容易であることが、その一因だと思う。
”霊能者”であると称する方のブログなどを見ると、いかに自身の霊能力が高いかを喧伝する一方で、セッションやグッズなどをかなりの高額で販売しており、実際にそれを購入する人が少なくないことが伺える（全く売れていない方ももちろんいるようだが）。
宇宙からDNAゲノムの解析まで、科学がありとあらゆる分野の謎を解明している世界で、なぜ、これほど客観的証拠を示せない不思議な力に人々が群がるのか、不思議でならなかった。
そういった人々の心の内を知りたくて手に取ったが、スピリチュアル・ブームの概観と社会的風潮についての解説はあったが、なぜ、そういったものを信じてしまう（信じたがる）のかといった深い考察や見解には出会うことができなかった。さらりと書いてはあったが。
本書に比べれば、『サピエンス全史』（ユバル・ノア・ハラリ著）を読んだ時の方が人間が宗教やスピリチュアル的なものにハマる心理について理解し納得することができた。
内容についていえば、本書は２００６年、今から１４年前に刊行されたものであり、内容が古くなって、現在の状況に合わないということもあるだろう。
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