私は宮台真司の本をけっこう読んでいるのですが、この本は宮台さんの著書の中で特に読みやすい部類に入ると思いました。この本は1997年に神戸で連続殺人を犯した14歳の少年・酒鬼薔薇聖斗に関する考察です。
『透明な存在の不透明な悪意』という意味深なタイトルが付いていますが、これは「現実で希薄な生活を営む少年少女の、動機がわかりにくい悪意」と言ったニュアンスが込められていると思います。「透明な存在」という言葉は『輪るピングドラム』にも影響を与えたという説がありますね~。
酒鬼薔薇事件は私が幼い頃に発生した事件なので、私は詳しく知りませんでした。この本によると酒鬼薔薇はゲーム感覚で殺人を犯したり、「バモイドオキ神」という個人神を信仰していたりと、狂っているけど非常に興味深いメンタルの持ち主だったようです。
私はこの本を読んで、『仮面ライダークウガ』『仮面ライダー龍騎』を思い出しました。『クウガ』の敵は殺人ゲームを行いましたし、『龍騎』ではモンスター≒個人神と契約した仮面ライダー同士が殺し合いを繰り返しました。平成初期の仮面ライダーには、当時の世相が反映されていたんだなーと思いました。
この本には宮台さんだけでなく香山リカ・島田雅彦・芹沢俊介と言った論客が集結し、当時の社会情勢をワイドショーに近い感じで語り合っています。酒鬼薔薇が過ごした須磨ニュータウンに子供の居場所が無い、90年代の日本は完成されきっていて子供たちが「透明な存在」になっている、とか…。とりあえず、若者が「強度が無い」「希薄な」日常を送っていた当時の空気感は伝わりました。
問題は、「不透明な悪意」の方ですね。この本では宮台さんを始めとする大人たちが酒鬼薔薇について外野から考察しているんだけど、酒鬼薔薇本人や酒鬼薔薇の親族や当時の子供たちへのインタビューが載っているわけじゃない。だから、この本を読んでも、酒鬼薔薇の内面には謎が多いです。酒鬼薔薇の動機は謎に包まれていますが、なにぶん「不透明な悪意」だから解明するのには限界があるでしょうな。
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透明な存在の不透明な悪意 単行本 – 1997/11/1
宮台 真司
(著)
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- 本の長さ277ページ
- 言語日本語
- 出版社春秋社
- 発売日1997/11/1
- ISBN-104393331753
- ISBN-13978-4393331750
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
全国を震撼させた神戸小六殺人事件を宮台社会学が徹底分析。露呈したニッポンの病理に「専業主婦廃止論」「教育の個人カリキュラム化」など過激な提言を叩きつける。
登録情報
- 出版社 : 春秋社 (1997/11/1)
- 発売日 : 1997/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 277ページ
- ISBN-10 : 4393331753
- ISBN-13 : 978-4393331750
- Amazon 売れ筋ランキング: - 529,534位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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1959年、宮城県生まれ。
社会学者、評論家。首都大学東京教授。公共政策プラットフォーム研究評議員。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了(社会学博士)。『日本の難点』(幻冬舎)、『14歳からの社会学』(世界文化社)、『中学生からの愛の授業』(コアマガジン)『<世界>はそもそもデタラメである』(メディアファクトリー)、『制服少女たちの選択』(朝日文庫)、『終わりなき日常を生きろ』(ちくま文庫)など多数。