本書はケンの妻、トレヤと癌との闘病生活の記録である。襲い来る様々な出来事とそれに向き合う気持ちの移り変わりが克明に描かれていく。死と向き合いながら「よりよく生きる」をテーマにした、まさに2人の「愛と魂の軌跡」だ。
ケン・ウィルバーの著作はどれも非常に難解だが、日常の出来事をベースにした本書は”比較的”読みやすい・・・、とはいえ難解であることには変わりない。読破するのは時間がかかるだろう。書かれている内容の密度が濃いからだ。
それ故に感じるところも多い。じっくりと考えながら読み進めたい本だ。特にラストが素晴しかった。
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グレース&グリット 上: 愛と魂の軌跡 単行本 – 1999/10/1
トランスパーソナル心理学の天才的理論家として彗星のように登場し、一世を風靡したケン・ウィルバーが、ようやく出会った理想の女性トレヤ。触れ合ったとたん恋に落ち、たちまち結婚した二人を待ち受けていたのは、トレヤの悪性の乳ガンと、悪夢のような闘病生活だった。5年後の彼女の死にいたるまでの愛と葛藤、女性としてのめざめ、さまざまなガン療法、介護のあり方、そして死の受容と超越が、トレヤの手記とケンの文章によって、息詰まるほどの生々しさで語られる、究極のラブ・ストーリー。
- 本の長さ399ページ
- 言語日本語
- 出版社春秋社
- 発売日1999/10/1
- ISBN-104393364031
- ISBN-13978-4393364031
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
天才的心理・宗教学者として一世を風靡したケン・ウィルバーがようやく出会った理想の女性トレヤ。触れ合ったとたん恋に落ち、たちまち結婚した二人を待ち受けていたのは、トレヤの悪性の乳癌と悪夢のような闘病生活だった…。
抜粋
読者により:トレヤと初めて出会ったとき、二人とも何回も生まれ変わりながらお互いを探し求めていた、という実に奇妙な感覚に襲われた。もっとも、そんなことが本当にありうるかどうか、ぼくにはわからない。だが確かに言えるのは、トレヤとの出会いから、ぼく自身それまで耳にしたこともないような、途方もない物語が始まったということだ。その物語はいろいろな意味で信じがたいものだが、だからこそぼくは読者に請け合っておきたい――これは実話である。
初めてトレヤと会ったのは1983年の夏、サンフランシスコ湾を臨む友人の家でのことだった。そよ風の吹く夜だった……。
著者について
1949年、米国オクラホマ州生まれ。23歳にして心理学と宗教のさまざまな学説・理論を統一する『意識のスペクトル』(春秋社)を発表し、トランスパーソナル心理学の代表的理論家となる。若き日の著書には他に『アートマン・プロジェクト』(春秋社)、『無境界』(平河出版社)、『構造としての神』『眼には眼を』(青土社)、『エデンから』(講談社)などがある。妻トレヤの死後、しばらく沈黙を続けていたが、最近は『万物の歴史』『進化の構造』『科学と宗教の統合』(春秋社)、『魂の眼』(春秋社近刊)、『ワン・テイスト』『統合心理学』など精力的な執筆活動を続けている。
登録情報
- 出版社 : 春秋社 (1999/10/1)
- 発売日 : 1999/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 399ページ
- ISBN-10 : 4393364031
- ISBN-13 : 978-4393364031
- Amazon 売れ筋ランキング: - 792,580位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年11月15日に日本でレビュー済み
ウィルバーの「万物の歴史」を読んだ後、こんな書き物を書く人は一体、どんな人物なんだろう?奥さんはどんな人だったんだろう? という一種のミーハー心で手に取った本。
案の定、万物の歴史とは全く趣が違う本だった。サンフランシスコ、ボルダー、ボン、パリなどを舞台に、美男美女(本に二人の写真が載っている)、相思相愛のケンとトレヤが悲劇に翻弄されながら、トレヤが死ぬまで5年間の純愛を貫く。読者は最期にトレヤは死ぬと知って読むわけから、まるで良質のメロドラマのよう。
きわめて正直にプライバシーがさらけ出された本で、時系列に沿って病状の進行、治療の過程や選択、その結果も公開されているから、ガン闘病記として参考になる。理想主義的だが同時にリアリストでガッツがあるトレヤ。その日記からは彼女の優しく正直な善人ぶりが伝わってくる。トレヤの悩みは人間臭く、スピリチュアルにさほど関心のない読者も共感できる。そんな普通の彼女が死に際して達した心境や姿勢は、ガン患者でなくても全ての女性がお手本にできる。スマートな知の巨人がこれほど愛した女性は、実に「普通」のまっすぐで生き生きとした女の子で、ケンはトレヤの欠点も含めて全てが好きだったんだなあと思う。
ケン・ウィルバーの「介護者の役割」というエッセーは秀逸。なぜ、介護をされる人だけでなく、する人の心理的ケアが必要なのかという理由を明晰に綴っている。
ケンとトレヤは家を買ったり売ったり、スピリチュアル・セミナーに出席したり、最良の治療法を求めて旅行したり、友人と交際したり、5年間の闘病生活は変化に富んでいる。
全ての人間は死ぬが、誰もが良い治療を受け、良い介護を受け、良い死に方を選べるわけではない。たしかにトレヤは平均寿命よりずっと若くして死んだ。だが、選択肢の中から最良と思われる治療方法を選び、愛する夫や友人、家族に見守られながら、闘病期間を通じてひたすら自身の精神の成長に心を傾け、それをほぼ完成させ、医療の犠牲者とならず自宅で安楽死に近い形で死んでいった。(若くして死んだのは可哀相だが)自分の意思で治療法を選び、(病気を活用すらして)精神を高めることに専心して最晩年を過ごせたトレヤは幸せだなあと感じた。
冗長だったり、唐突だったり、方向感が見えずもどかしい部分もあるから☆は4つ。
案の定、万物の歴史とは全く趣が違う本だった。サンフランシスコ、ボルダー、ボン、パリなどを舞台に、美男美女(本に二人の写真が載っている)、相思相愛のケンとトレヤが悲劇に翻弄されながら、トレヤが死ぬまで5年間の純愛を貫く。読者は最期にトレヤは死ぬと知って読むわけから、まるで良質のメロドラマのよう。
きわめて正直にプライバシーがさらけ出された本で、時系列に沿って病状の進行、治療の過程や選択、その結果も公開されているから、ガン闘病記として参考になる。理想主義的だが同時にリアリストでガッツがあるトレヤ。その日記からは彼女の優しく正直な善人ぶりが伝わってくる。トレヤの悩みは人間臭く、スピリチュアルにさほど関心のない読者も共感できる。そんな普通の彼女が死に際して達した心境や姿勢は、ガン患者でなくても全ての女性がお手本にできる。スマートな知の巨人がこれほど愛した女性は、実に「普通」のまっすぐで生き生きとした女の子で、ケンはトレヤの欠点も含めて全てが好きだったんだなあと思う。
ケン・ウィルバーの「介護者の役割」というエッセーは秀逸。なぜ、介護をされる人だけでなく、する人の心理的ケアが必要なのかという理由を明晰に綴っている。
ケンとトレヤは家を買ったり売ったり、スピリチュアル・セミナーに出席したり、最良の治療法を求めて旅行したり、友人と交際したり、5年間の闘病生活は変化に富んでいる。
全ての人間は死ぬが、誰もが良い治療を受け、良い介護を受け、良い死に方を選べるわけではない。たしかにトレヤは平均寿命よりずっと若くして死んだ。だが、選択肢の中から最良と思われる治療方法を選び、愛する夫や友人、家族に見守られながら、闘病期間を通じてひたすら自身の精神の成長に心を傾け、それをほぼ完成させ、医療の犠牲者とならず自宅で安楽死に近い形で死んでいった。(若くして死んだのは可哀相だが)自分の意思で治療法を選び、(病気を活用すらして)精神を高めることに専心して最晩年を過ごせたトレヤは幸せだなあと感じた。
冗長だったり、唐突だったり、方向感が見えずもどかしい部分もあるから☆は4つ。