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グレン・グールド論 単行本 – 2004/12/1
宮澤 淳一
(著)
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1:■第1章 メディア論 聴き手とは誰か
2:・第1節 演奏会活動の引退に向けて
3:・第2節 電子時代の音楽論 1964年
4:・第3節 「録音の将来」をめぐって ラジオ番組と雑誌論文
5:・第4節 コンサート・ドロップアウト 1968年
6:・第5節 よい聴き手 1970年
7:・第6節 1970年代のメディア論
8:・第7節 1980年代のメディア論
9:■第2章 演奏論≪ゴルトベルク変奏曲≫をめぐって
10:・第1節 グレン・グールドの誕生
11:・第2節 グールドにとってのバッハ
12:・第3節 システムへの憧れ
13:■第3章 アイデンティティ論 グールドはなぜカナダ人なのか
14:・第1節 「カナダ的なるもの」という問い
15:・第2節 戯曲『グレン・グールド 最後の旅』
16:・第3節 アトウッドのサヴァイヴァル論
17:・第4節 カナダとはどこか
18:・第5節 「北」とは何か
19:・第6節 「北の理念」
20:・第7節 後背地としてのカナダ
21:●付録 1.グレン・グールド年譜
22:2.親友の言葉(グレン・グールド)
23:===独自の演奏美学と想像力の本源を精緻に活写した
24:斬界の第一人者による、初の本格的グールド論。===
2:・第1節 演奏会活動の引退に向けて
3:・第2節 電子時代の音楽論 1964年
4:・第3節 「録音の将来」をめぐって ラジオ番組と雑誌論文
5:・第4節 コンサート・ドロップアウト 1968年
6:・第5節 よい聴き手 1970年
7:・第6節 1970年代のメディア論
8:・第7節 1980年代のメディア論
9:■第2章 演奏論≪ゴルトベルク変奏曲≫をめぐって
10:・第1節 グレン・グールドの誕生
11:・第2節 グールドにとってのバッハ
12:・第3節 システムへの憧れ
13:■第3章 アイデンティティ論 グールドはなぜカナダ人なのか
14:・第1節 「カナダ的なるもの」という問い
15:・第2節 戯曲『グレン・グールド 最後の旅』
16:・第3節 アトウッドのサヴァイヴァル論
17:・第4節 カナダとはどこか
18:・第5節 「北」とは何か
19:・第6節 「北の理念」
20:・第7節 後背地としてのカナダ
21:●付録 1.グレン・グールド年譜
22:2.親友の言葉(グレン・グールド)
23:===独自の演奏美学と想像力の本源を精緻に活写した
24:斬界の第一人者による、初の本格的グールド論。===
- 本の長さ497ページ
- 言語日本語
- 出版社春秋社
- 発売日2004/12/1
- ISBN-104393937570
- ISBN-13978-4393937570
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登録情報
- 出版社 : 春秋社 (2004/12/1)
- 発売日 : 2004/12/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 497ページ
- ISBN-10 : 4393937570
- ISBN-13 : 978-4393937570
- Amazon 売れ筋ランキング: - 567,436位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 160位演奏家・指揮者・楽器の本
- - 571位音楽史
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年8月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
やはりこれは…読み始めると止まらない!と思っていたら、やはりそうなってしまいました。グールドのCDが流しつつこの本を読むことができるのが半世紀来のファンとしての幸せです。
2016年1月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
周知のようにグレン・グールドはゴルトベルク変奏曲を二度録音しています.一度目はデビュー盤でモノラル録音,二度目は26年後のステレオ録音で,公開された翌月,彼は脳卒中でこの世を去りました.私は両録音で使われたピアノを知りたく思ってきましたが,それが本書で分かりました.デビュー盤はスタインウエイ,再録音盤はヤマハでした(p187). 再録音盤の名演に痺れる世界のグールドファンは皆,ヤマハの音を聴いている.これは吾ら日本人にとって誇らしいことではないですか.
2016年11月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
グレン・グールド関連の本を5冊以上読んだら、
必ず目にしているはずの名前が、宮澤淳一である。
この本の著者であり、日本を代表するグールド研究家。
彼のおかげで、日本語に訳されたグールド関連本は、
他国のものよりも充実したものになっている。
それは彼が、独自にカナダのグレン・グールド財団の一次資料などをあたり直すなどして、
内容の精度を上げ、密度を濃くしているからだ。
その彼が満を持したかのように出した本が、この『グレン・グールド論』。
かなり期待して手に取り、中を開いた。読み始めると、2つの点で、予想と大きく違っていた。
ひとつは、グレン・グールドの音楽(演奏)のような中身、というか、
グールド精神のようなものが豊かに発揮された、鋭敏で機知に富み、
オリジナリティの高いものになっているのだろうと思っていたが、そうではなかったこと。
著者は、あくまでもグールド研究家としての姿勢で、学術論文を書くように論を進め、文を書いている。
その分、注や索引には力が入っていて、それだけで150ページほどもある。
2つめは、独自の論を展開するのではなく、グールドの演説や、グールドをテーマにした演劇、
映画、グールドが作ったラジオ番組などの紹介に多くのページ数が割かれていたこと。
この本の巻頭に、カナダの地図が、意味ありげに大きく掲載されている。
地図というのは本の中で、独特の存在感を発揮する。
そしてこのアメリカの北部国境から北極圏にまでひろがったカナダの地図は、
「第三章 アイデンティティ論 グールドはなぜカナダ人なのか」に対応しているのだが、
それ以上のものではない。グールドが行った場所が、ポイントで示されているが、本文を読んだ後で、
この地図の向こう側に思わぬ深みを感じるようなことにはならない。
グールドが、ベートーヴェンのピアノソナタのアルバムのジャケットを差して、
「これがボクが一番好きなジャケットなんだ。ここには本来のボクが写っている」
と言ったことが、読んでいて頭に浮かんだ(それはカナダの氷原のような場所で撮影されている)。
この演奏家・音楽家は、ひとつの消失点のようなノース・ポイントに至る荒涼とした灰色の地帯を、
いつも心に映していたのだろう。だからアメリカやヨーロッパを中心に、クラシック界というサーカスに身を置き、
そこで一種のショービジネスのプレーヤーのようになりながら、世界を飛びまわる日々を送っている人気演奏家たちとは、
一線を画す存在になったのだろう。といようなことは実感できた。
この本は、日頃の研究成果が生かされた好書にはなっているが、次には研究成果的なものではない、
もっととんがった、自由で、溌剌としたものを読ませていただければ、と願う。
必ず目にしているはずの名前が、宮澤淳一である。
この本の著者であり、日本を代表するグールド研究家。
彼のおかげで、日本語に訳されたグールド関連本は、
他国のものよりも充実したものになっている。
それは彼が、独自にカナダのグレン・グールド財団の一次資料などをあたり直すなどして、
内容の精度を上げ、密度を濃くしているからだ。
その彼が満を持したかのように出した本が、この『グレン・グールド論』。
かなり期待して手に取り、中を開いた。読み始めると、2つの点で、予想と大きく違っていた。
ひとつは、グレン・グールドの音楽(演奏)のような中身、というか、
グールド精神のようなものが豊かに発揮された、鋭敏で機知に富み、
オリジナリティの高いものになっているのだろうと思っていたが、そうではなかったこと。
著者は、あくまでもグールド研究家としての姿勢で、学術論文を書くように論を進め、文を書いている。
その分、注や索引には力が入っていて、それだけで150ページほどもある。
2つめは、独自の論を展開するのではなく、グールドの演説や、グールドをテーマにした演劇、
映画、グールドが作ったラジオ番組などの紹介に多くのページ数が割かれていたこと。
この本の巻頭に、カナダの地図が、意味ありげに大きく掲載されている。
地図というのは本の中で、独特の存在感を発揮する。
そしてこのアメリカの北部国境から北極圏にまでひろがったカナダの地図は、
「第三章 アイデンティティ論 グールドはなぜカナダ人なのか」に対応しているのだが、
それ以上のものではない。グールドが行った場所が、ポイントで示されているが、本文を読んだ後で、
この地図の向こう側に思わぬ深みを感じるようなことにはならない。
グールドが、ベートーヴェンのピアノソナタのアルバムのジャケットを差して、
「これがボクが一番好きなジャケットなんだ。ここには本来のボクが写っている」
と言ったことが、読んでいて頭に浮かんだ(それはカナダの氷原のような場所で撮影されている)。
この演奏家・音楽家は、ひとつの消失点のようなノース・ポイントに至る荒涼とした灰色の地帯を、
いつも心に映していたのだろう。だからアメリカやヨーロッパを中心に、クラシック界というサーカスに身を置き、
そこで一種のショービジネスのプレーヤーのようになりながら、世界を飛びまわる日々を送っている人気演奏家たちとは、
一線を画す存在になったのだろう。といようなことは実感できた。
この本は、日頃の研究成果が生かされた好書にはなっているが、次には研究成果的なものではない、
もっととんがった、自由で、溌剌としたものを読ませていただければ、と願う。
2005年11月21日に日本でレビュー済み
その分厚さや一見無味乾燥なタイトルで遠慮したらもったいない本。
著者が序文で述べているとおり「グールドが何を考えていたのか、なぜそのような考え方をしていたのか」という明確な視点にたって書かれた本である。しかもグールドの大ファンであり、グールドの関連書籍の和訳に幾度も携わってきたにもかかわらず、著者は上述の視点からぶれることなくグールドというアーティストを冷静に紐解いてゆくスタンスを貫いている。
だから読者もこの視点さえ念頭に置きながら読めば、その理路整然とした文章と、具体的な事実に裏付けられた展開に導かれて「グレン・グールド」の世界を探索することができる。優秀かつ親切な案内人の話を聴きながら興味深い土地を一緒に歩いているような感覚を覚える本だ。
また、グールドのファンのみならず、真摯にロックやジャズを聴いている者、さらにミュージシャンやDJにもお薦めしたい。そういう人なら、グールドが1964年に述べた次の考察の先見性に驚くだろう:「電子時代の聴き手=消費者は、家庭で電子機器を駆使し、既成の録音を編集して楽しむようになり、(略)『たくさんの演奏の名編集者として振る舞う』ようになる」(本書42ページより)。サンプリングや、ヒップホップのDJ、グランドマスター・フラッシュが1981年に発表した既成のレコードとターンテーブルとミキサーで作り出した音楽史上初の作品、また“プレイリスト”の機能を使って自在にコンピを編み出すiPodユーザーの出現を予見していた言葉である。
とりわけ見事なのが最終章の「グールドはなぜカナダ人なのか」という、重要であるのにこれまで見過ごされてきた問題を追究するアイデンティティ論である。これを現在の世界秩序の枠組みを意識しながら読むと極めて面白い。著者の独創性と洞察力の深さが光を放つ論考である。
近い将来、英語をはじめとする他の言語に翻訳されるべき一冊。
著者が序文で述べているとおり「グールドが何を考えていたのか、なぜそのような考え方をしていたのか」という明確な視点にたって書かれた本である。しかもグールドの大ファンであり、グールドの関連書籍の和訳に幾度も携わってきたにもかかわらず、著者は上述の視点からぶれることなくグールドというアーティストを冷静に紐解いてゆくスタンスを貫いている。
だから読者もこの視点さえ念頭に置きながら読めば、その理路整然とした文章と、具体的な事実に裏付けられた展開に導かれて「グレン・グールド」の世界を探索することができる。優秀かつ親切な案内人の話を聴きながら興味深い土地を一緒に歩いているような感覚を覚える本だ。
また、グールドのファンのみならず、真摯にロックやジャズを聴いている者、さらにミュージシャンやDJにもお薦めしたい。そういう人なら、グールドが1964年に述べた次の考察の先見性に驚くだろう:「電子時代の聴き手=消費者は、家庭で電子機器を駆使し、既成の録音を編集して楽しむようになり、(略)『たくさんの演奏の名編集者として振る舞う』ようになる」(本書42ページより)。サンプリングや、ヒップホップのDJ、グランドマスター・フラッシュが1981年に発表した既成のレコードとターンテーブルとミキサーで作り出した音楽史上初の作品、また“プレイリスト”の機能を使って自在にコンピを編み出すiPodユーザーの出現を予見していた言葉である。
とりわけ見事なのが最終章の「グールドはなぜカナダ人なのか」という、重要であるのにこれまで見過ごされてきた問題を追究するアイデンティティ論である。これを現在の世界秩序の枠組みを意識しながら読むと極めて面白い。著者の独創性と洞察力の深さが光を放つ論考である。
近い将来、英語をはじめとする他の言語に翻訳されるべき一冊。
2005年1月30日に日本でレビュー済み
日本のグールド研究の第一人者・宮澤氏による初の書き下ろし「グールド論」が出版されました。読む前に思ったのは「論?ちょっとオカタイんじゃないの?」でした。読んでみたら、オカタクなく、かっこいいほど(さらに笑うほどに)マニアックでした。
ページをめくるとまず目に飛び込んでくるのが、Bachの譜面を立てたスタインウェイに肘をついて立つグールド&例のオンボロのグールドさんの椅子の写真。次が氷河に似た氷が浮かんだ入り江の写真。次がカナダの地図。
この本のキーワードは、この3点のモノクロ写真が語っているのかもしれない…と全部を読み終えて、そんな気持ちになりました。
細かくは本を読んでからのお楽しみということにして。
私が全編を通して感じたことは、この本を書くことで、筆者の宮澤氏が『グールドの「魂のへその緒」探し』をしているということでした。それはグールドが演奏以外にもあれもやりこれもやりという人で、とても一人とは思われぬ、例えばグールドの中にその2、その3のグールドがいて…チーム・グールドが一つの衣服をまとってグ・ー・ル・ドォーー(ドカーンと大きい文字にしたい)として生きているような感じさえする創造者でした。しかし結局グールドはどうしたかったのか?多分グールドはグールドであり続けグールドになりたかった(想像)。ではそのグールドって何だ?それを読み解く鍵がカナダにあるという論法です。ではカナダ、トロントとは何か?『グールドの魂のへその緒』とは…多分読んだ人は納得できると思います。
彼の地で熟成していく時間を大事に思い、そうしたスタイルを崩したくなかった(または崩せなかった)グールドの魂がキラリと見えた「グールド論」でした。
ページをめくるとまず目に飛び込んでくるのが、Bachの譜面を立てたスタインウェイに肘をついて立つグールド&例のオンボロのグールドさんの椅子の写真。次が氷河に似た氷が浮かんだ入り江の写真。次がカナダの地図。
この本のキーワードは、この3点のモノクロ写真が語っているのかもしれない…と全部を読み終えて、そんな気持ちになりました。
細かくは本を読んでからのお楽しみということにして。
私が全編を通して感じたことは、この本を書くことで、筆者の宮澤氏が『グールドの「魂のへその緒」探し』をしているということでした。それはグールドが演奏以外にもあれもやりこれもやりという人で、とても一人とは思われぬ、例えばグールドの中にその2、その3のグールドがいて…チーム・グールドが一つの衣服をまとってグ・ー・ル・ドォーー(ドカーンと大きい文字にしたい)として生きているような感じさえする創造者でした。しかし結局グールドはどうしたかったのか?多分グールドはグールドであり続けグールドになりたかった(想像)。ではそのグールドって何だ?それを読み解く鍵がカナダにあるという論法です。ではカナダ、トロントとは何か?『グールドの魂のへその緒』とは…多分読んだ人は納得できると思います。
彼の地で熟成していく時間を大事に思い、そうしたスタイルを崩したくなかった(または崩せなかった)グールドの魂がキラリと見えた「グールド論」でした。