元々の原著が人間の感覚的なことについて書かれた本なのだが、ロジカルな本ではない。
このような本の翻訳に挑戦されたのは訳者の並々ならぬ情熱があってのことだろうと思う。
ただ、詩集の翻訳と同じように賛否が出る。
この本だと以下のような感じだろうか。
良い点
・内容に対して忠実に翻訳しようと心がけている。
悪い点
・漢字が多い。あと訳せなかった英語がカタカナとしてそのまま残っている。そのため評論家っぽい文体になってしまっている。
・原著はもう厚さ1センチもない薄い黒いミステリアスな本。この本は厚さ2センチ以上でピンクな表装。雰囲気変わりすぎ。
おそらく荒川修作に興味のない人が、いきなりこの本をよんでも分からないと思う。
天命反転住宅に行ってみて、さらに興味が湧いてきた人が読む本かなと思う。
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建築する身体 新版: 人間を超えていくために 単行本 – 2008/4/1
- 本の長さ231ページ
- 言語日本語
- 出版社春秋社
- 発売日2008/4/1
- ISBN-104393955056
- ISBN-13978-4393955055
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登録情報
- 出版社 : 春秋社 (2008/4/1)
- 発売日 : 2008/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 231ページ
- ISBN-10 : 4393955056
- ISBN-13 : 978-4393955055
- Amazon 売れ筋ランキング: - 553,023位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 17,938位哲学・思想 (本)
- - 37,039位アート・建築・デザイン (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年4月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本は、29頁からなる河本英夫の解題そして基本用語解説なくして解読困難であろう。詩的表現に満ちていて説明的記述が少なく論理的追跡が困難であるからだ。そこで世界が一変するような内容を解題により紹介する。
「アラカワ・プロジェクト」は理論やモデルではなくプロジェクトである。
人間の経験する空間には、「生態空間」(身体行為と相即的に形成される空間)、「幾何ー運動空間」(身体行為を前提にした場所と場所の関係からなる空間)、シンボル空間(座標軸で張り出された空間)という三種の空間がある。
学習により中学以降シンボル空間が前景化してくるが、これを支えているのは前二者の空間である。
荒川は、徹頭徹尾「幾何ー運動空間」をベースにして一切の対象を捉えていく。
経験、事柄の可能性の範囲を徹底して拡大していくため「問い」の連発、従来不可能と思われていたものの積極的留保という戦略を取る。また、意識を支えているものを徹底的に環境の側に求めていく。「行為としての意識」と捉え環境条件さえうまく設定できれば意識はなくとも済むことになる。「環境ー建築的身体ー身体」という系列の中で意識そのものが形成される。意識に代えて身体を伴う手続き的行為が前景化する。
こうした企ては身体意識の制約からの解除につながり同時に身体の可能性を回復させることにもつながる。
ランディング(降り立つ)という行為により場所の指定される空間が「幾何ー運動空間」である。
人間が物を作る制作行為のさなかで場所とともに意味が出現する。知覚にとって「として」と捉えることもできる。大森荘蔵は、それを「重ね描き」行為と呼んだ。行為の継続可能性を満たし、意味としては未規定で別の意味を持ちうるような予期も可能である。ランディングの可能性さえ満たされば成立するような意味の可能性の領域が開かれる。
そして、そのような芸術作品は歴史上そう多くはないが、再度見ると「懐かしさ」が残っている。記憶でなく経験そのものに組み込まれている。その作品をひとたび経験すれば二度とその作品を経験する以前には戻れない。
終わりに、「建築する身体」とオートポイエースの微妙な差について。
行為目標としては、同じものを目指しているプロジェクトである。オートポイエースは自己組織システムの延長上にあるため動きを基本にして組み立てている。動きの継続の中で「自己」(オート)が出現する。基本的には、「生態空間」をベースに一時性、未完性、未定性、不確実性が組み込まれている。
認知(それ自体は行為)の中にランディングの働きを担う感覚的直観が出現する際には、複数選択肢が出てくる。
「アラカワ・プロジェクト」が直面するのと同じ問題にオートポイエースは逆方向から直面する。ということである。
「アラカワ・プロジェクト」は理論やモデルではなくプロジェクトである。
人間の経験する空間には、「生態空間」(身体行為と相即的に形成される空間)、「幾何ー運動空間」(身体行為を前提にした場所と場所の関係からなる空間)、シンボル空間(座標軸で張り出された空間)という三種の空間がある。
学習により中学以降シンボル空間が前景化してくるが、これを支えているのは前二者の空間である。
荒川は、徹頭徹尾「幾何ー運動空間」をベースにして一切の対象を捉えていく。
経験、事柄の可能性の範囲を徹底して拡大していくため「問い」の連発、従来不可能と思われていたものの積極的留保という戦略を取る。また、意識を支えているものを徹底的に環境の側に求めていく。「行為としての意識」と捉え環境条件さえうまく設定できれば意識はなくとも済むことになる。「環境ー建築的身体ー身体」という系列の中で意識そのものが形成される。意識に代えて身体を伴う手続き的行為が前景化する。
こうした企ては身体意識の制約からの解除につながり同時に身体の可能性を回復させることにもつながる。
ランディング(降り立つ)という行為により場所の指定される空間が「幾何ー運動空間」である。
人間が物を作る制作行為のさなかで場所とともに意味が出現する。知覚にとって「として」と捉えることもできる。大森荘蔵は、それを「重ね描き」行為と呼んだ。行為の継続可能性を満たし、意味としては未規定で別の意味を持ちうるような予期も可能である。ランディングの可能性さえ満たされば成立するような意味の可能性の領域が開かれる。
そして、そのような芸術作品は歴史上そう多くはないが、再度見ると「懐かしさ」が残っている。記憶でなく経験そのものに組み込まれている。その作品をひとたび経験すれば二度とその作品を経験する以前には戻れない。
終わりに、「建築する身体」とオートポイエースの微妙な差について。
行為目標としては、同じものを目指しているプロジェクトである。オートポイエースは自己組織システムの延長上にあるため動きを基本にして組み立てている。動きの継続の中で「自己」(オート)が出現する。基本的には、「生態空間」をベースに一時性、未完性、未定性、不確実性が組み込まれている。
認知(それ自体は行為)の中にランディングの働きを担う感覚的直観が出現する際には、複数選択肢が出てくる。
「アラカワ・プロジェクト」が直面するのと同じ問題にオートポイエースは逆方向から直面する。ということである。
2005年5月1日に日本でレビュー済み
トイレットブック(トイレットペーパーに印刷した本)としても
同時発売されていますが,トイレで使って読み捨てるような
読み方ではとても理解できません(私のような頭では)。
章ごとの内容がけっこう独立しているので,途中から読んでも
全く理解できないということはないのですが,
「え?どういうこと?何が言いたいの?」と,何度も読み返しながら
読み進めないとちとしんどい。そういう意味ではトイレは絶好の読み場所かもしれませんが,トイレットブック版は宣材以外の何ものでもない気が
(300円台は激安ですし)。
この書籍版を買って頭から湯気を出しながら読んでいくと,
けっこう頭の運動になって読後さわやかになれるかもしれません。
同時発売されていますが,トイレで使って読み捨てるような
読み方ではとても理解できません(私のような頭では)。
章ごとの内容がけっこう独立しているので,途中から読んでも
全く理解できないということはないのですが,
「え?どういうこと?何が言いたいの?」と,何度も読み返しながら
読み進めないとちとしんどい。そういう意味ではトイレは絶好の読み場所かもしれませんが,トイレットブック版は宣材以外の何ものでもない気が
(300円台は激安ですし)。
この書籍版を買って頭から湯気を出しながら読んでいくと,
けっこう頭の運動になって読後さわやかになれるかもしれません。
2005年12月20日に日本でレビュー済み
原著は「詩」の扱いを受けていたはずだったんだけど、
それをわざと無視したのか、解説文的な翻訳になってやしないでしょうか?
もともとの持っていた(ようにおもわれる)言葉の厳密そうな定義と、
それを使った独特の世界観がほとんど表現できていない気がします。
でも、原著のわかりにくさに比べたら、まだ日本語で書いてくれているからいいのかなあ。
荒川秀作(←修作ですね。ごめんなさい20061226)の翻訳なら、「意味のメカニズム」のほうがよいです。やりたいことはそんなにかわっていないと思うし。
それをわざと無視したのか、解説文的な翻訳になってやしないでしょうか?
もともとの持っていた(ようにおもわれる)言葉の厳密そうな定義と、
それを使った独特の世界観がほとんど表現できていない気がします。
でも、原著のわかりにくさに比べたら、まだ日本語で書いてくれているからいいのかなあ。
荒川秀作(←修作ですね。ごめんなさい20061226)の翻訳なら、「意味のメカニズム」のほうがよいです。やりたいことはそんなにかわっていないと思うし。
2005年2月5日に日本でレビュー済み
我々「人間」は様々な意味で縛られ、
その有機体としての可能性を大きく制限されています。
この本は、そのような拘束された「人間」を
建築・環境・身体を通じて解放し、
大きな可能性へと導くための手引書と言えるでしょう。
河本英夫氏の解題も素晴らしく
荒川+ギンズの構想が分りやすくまとめられています。
ちなみに、この本は読み終えただけではだめなようです。
有機体としての人間を拡張していくために
行為し続けることが必要です。
その有機体としての可能性を大きく制限されています。
この本は、そのような拘束された「人間」を
建築・環境・身体を通じて解放し、
大きな可能性へと導くための手引書と言えるでしょう。
河本英夫氏の解題も素晴らしく
荒川+ギンズの構想が分りやすくまとめられています。
ちなみに、この本は読み終えただけではだめなようです。
有機体としての人間を拡張していくために
行為し続けることが必要です。