アーバンヒル黒川紀章氏の過去の都市計画の作品と文章が両方一気に読めるお得な本・・・と言いたいところだが、作品集と過去の論文が複数同時進行で掲載されているので読みにくい。しかも作品と論文がリンクしているとは言い難い（黒川氏の中では論理だっているのかもしれないが）。ただし文章自体は過去の著作から氏自ら（（火）どうかは知らないが）選びぬいたものが抜粋されており、読み応えがあり、氏の都市計画に関する考えが俯瞰できる。
菱野団地のような実際の都市計画だけでなく、福岡銀行本店や和木町庁舎など、建築作品も都市計画と関連付けられている。氏は若い頃から都市に関する著書と作品があり、建築単体を作る場合にも都市を意識していたことは事実だろう。中にはアーバンヒル松戸など氏の高層が実現しなかったものも含まれており、都市に対する悪戦苦闘の歴史を見るようで興味深い。
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