今からもう20年以上前にお世話になった単語集。
久しぶりに見かけてとても懐かしく、当時使っていたものが見当たらなかったため購入しました。
このご時世に見れば、表紙も笑ってしまいそうな昭和臭ですが、
私が使っていた頃も、もうすでにそうでした。
当時流行っていた「出る単」、「シケ単」などにある洗練された感じはなく、
じゃぁなぜこの単語集を手にとったのか？ということは、今となってはもう覚えていません。
ですが、これを使って勉強した時のことははっきりと覚えています。
自分が実践したのは、本に書かれていた通りの勉強法。
左頁に書いてある英単語を辞書で発音記号を確認しながら音読して、右頁の和訳を確認する。
これだけ。
名詞編も形容詞編も連想される単語が連続で出て来ますので、
そのうち右頁の和訳部分は見なくて済むようになりますが、それでもひたすら音読。
音読のスピードも上がりそのスピードに慣れた頃には、
英単語を和訳→その日本語から言葉の意味をイメージする、という作業ではなくなっていて、
英単語は英語のまま頭の中で意味をイメージ化することが出来るようになっていました。
つまり音読を繰り返すことで得たことは何だったかというと、意味がわかる単語の量が増えたことはもちろんですが、
何より、英語をいちいち日本語に直して理解することをしなくなったということ。
これによって、長文読解が非常に早くなりました。
そしてこれはとても不思議なのですが、大学受験を終えて20年以上経った後も、
ここで覚えた単語はなぜかいまだに覚えているのです。
「modest prince＝謙虚な王子」といった、これまで行った海外旅行でも使うことのなかったような英単語ですら、
英語に接することがなくなって長い時間が経った今も、なぜかスラスラと意味を思い浮かべることが出来るのです。
故長崎先生がおっしゃる「幼児が楽しみながら言葉を覚えていくように」とはこういうことかと思えてなりませんが、
私にとっては大学受験にも、また受験後も海外旅行などでしっかりと役に立つ英単語集でした。
特に先ほど書いた「謙虚な王子」が出て来る形容詞編は圧巻です。
覚えるべき形容詞にぴったりの名詞がセットで出て来るので、自然と両方覚えてしまいますし、
形容詞には名詞や動詞から派生したものも多く、知らない単語に出会った時のヒントになることも多々ありました。
ただ、「こんな単語覚えたって試験には出ないよ。」といった気持ちになってしまいそうな方にはオススメ出来ないかもしれませんね。
私は経験上そうではないと知っていますが、そういう方が初めて手に取れば、限りなく非効率的に見えることは致し方ないなと思います。
そして当時から思っていたのですが、発音記号が書いていないことは多少不便かもしれません。
この時代であれば「CD付」で再販されたらいいと思いますが、ただ発音記号を調べる手間がかかっても、
何より「英語をそのまま英語として理解する」という、余りある効果があると思います。
私は今は別の外国語の勉強を始めましたが、単語についてはこの奇跡の英単語方式で単語帳を作ろうと、
懐かしさと確認の意味を含めて購入しました。
タイトルも見た目も古めかしくて怪しいですが、ぜひ一度手に取ってもらいたい本です。
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