読んでまず感じたことですが、とてもまじめな本です。
怪談についてよく分かります。
ただ、怪談に入り込んで、楽しみたい人には不向きではないでしょうか?
例えば、朗読してもらっても、あまり怖くは無いのではないでしょうか。
でも、いい本です。怪談を学べます。
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現代語で読む「江戸怪談」傑作選 (祥伝社新書123) 新書 – 2008/7/25
堤 邦彦
(著)
≪日本の怪談のオリジナルを読みやすい文章で!≫
かつて、夏の夜には怪談が付き物だった。
怨霊の襲撃を堪え忍ぶ「耳なし芳一」の挿し絵や、おどろおどろしい声色で一枚、二枚と数えあげる
「番町皿屋敷」の一節を知らない人はいないだろう。古きよき日本の幽霊ばなしの定番である。
話の原型はすでに江戸時代からあった。
『諸国百物語』『伽婢子』『因果物語』といったタイトルの怪異小説集が多く世に出た。
これらに収録された作品をまとめて「江戸怪談」という。
「江戸怪談」を読めば、日本人が何を怖れてきたのかがよくわかる。
ただ異形の怪物で驚かせるのではない。
人間の心の奥底に潜む情念やその業の深さに、戦慄させられるのである。
(※収録作品は、目次をご覧ください)
かつて、夏の夜には怪談が付き物だった。
怨霊の襲撃を堪え忍ぶ「耳なし芳一」の挿し絵や、おどろおどろしい声色で一枚、二枚と数えあげる
「番町皿屋敷」の一節を知らない人はいないだろう。古きよき日本の幽霊ばなしの定番である。
話の原型はすでに江戸時代からあった。
『諸国百物語』『伽婢子』『因果物語』といったタイトルの怪異小説集が多く世に出た。
これらに収録された作品をまとめて「江戸怪談」という。
「江戸怪談」を読めば、日本人が何を怖れてきたのかがよくわかる。
ただ異形の怪物で驚かせるのではない。
人間の心の奥底に潜む情念やその業の深さに、戦慄させられるのである。
(※収録作品は、目次をご覧ください)
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社祥伝社
- 発売日2008/7/25
- ISBN-104396111231
- ISBN-13978-4396111236
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商品の説明
著者について
1953年、東京生まれ。京都精華大学人文学部教授。専攻は近世国文学。
著書に、『女人蛇体』『近世仏教説話の研究』『江戸の怪異譚』『江戸の高僧伝説』
共著書に、『寺社縁起の文化学』がある。
著書に、『女人蛇体』『近世仏教説話の研究』『江戸の怪異譚』『江戸の高僧伝説』
共著書に、『寺社縁起の文化学』がある。
登録情報
- 出版社 : 祥伝社 (2008/7/25)
- 発売日 : 2008/7/25
- 言語 : 日本語
- 新書 : 224ページ
- ISBN-10 : 4396111231
- ISBN-13 : 978-4396111236
- Amazon 売れ筋ランキング: - 602,881位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 67位日本のその他の近世文学作品
- - 524位祥伝社新書
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年2月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『東海道四谷怪談』(鶴屋南北作,河竹繁俊校訂;岩波文庫) を読んでから,江戸怪談の面白さにすっかりはまってしまいました.一方で同書は平易な現代語表記ではなく,面白いながらもなかなか読み進めないもどかしさがありました.そんなこともあり,現在我々が使っている言葉で書かれた江戸怪談の本を探していました.
本書はそんな要望にピッタリ当てはまります.代表的な江戸怪談33編を簡単に紹介してくれています.本当の面白さを知るには原文で読んだ方が楽しめるでしょうが,それはある程度素養を持ってからになるのではないでしょうか? 作者があとがきに書いているように,本作品で興味を惹起されたら原文を当たるとより楽しめるような気がします.
「江戸怪談探索」のよい足がかりとなる一冊だと思います.
本書はそんな要望にピッタリ当てはまります.代表的な江戸怪談33編を簡単に紹介してくれています.本当の面白さを知るには原文で読んだ方が楽しめるでしょうが,それはある程度素養を持ってからになるのではないでしょうか? 作者があとがきに書いているように,本作品で興味を惹起されたら原文を当たるとより楽しめるような気がします.
「江戸怪談探索」のよい足がかりとなる一冊だと思います.
2011年11月24日に日本でレビュー済み
著者は近世国文学の研究者。仏教説話、怪異譚、高僧伝などを専門にしている。
本書は、江戸時代の怪談を現代語に訳したもの32篇を収める。『因果物語』、『諸国里人談』、『諸国百物語』などから取られている。
有名な話から、マイナーなものまでいろいろ。
番町皿屋敷や耳なし芳一の原話が入っているのもおもしろい。
解説が詳細。女の嫉妬、因果応報などのテーマごとに時代背景から説明してくれている。
本書は、江戸時代の怪談を現代語に訳したもの32篇を収める。『因果物語』、『諸国里人談』、『諸国百物語』などから取られている。
有名な話から、マイナーなものまでいろいろ。
番町皿屋敷や耳なし芳一の原話が入っているのもおもしろい。
解説が詳細。女の嫉妬、因果応報などのテーマごとに時代背景から説明してくれている。
2019年8月8日に日本でレビュー済み
こちらの著者の本を読むのは初めてでした。著者の堤邦彦氏は近世国文学の研究者で、江戸時代の文学を中心に研究されているそうです。一応評論ですが、江戸の怪談話をずらっと並べてお話部分が多いので、怪談やホラー小説好きの方も、そのまま短編小説集のように気軽に読めると思います。
「女の嫉妬」や「名家の崩壊と荒屋敷の謎」、「異界」、「因果応報」など、テーマ別に集められています。自分は怪奇・恐怖・怪談・幻想・ホラー小説全般が好きなのですが、たとえばお菊さんの番町皿屋敷の話は姫路由来だと思っていたのですが、京極夏彦氏の「数えずの井戸」を読んだ時、同じような話が全国各地にあることを知りました。この本でも、怪談に同系統で様々なバリエーションがあることが述べられています。
たとえば、女性の愛情が深いあまりに、蛇になって男性を追いかける道成寺の話、愛人女性の変化した蛇が胴に巻き付いて離れないので女人結界である高野山に逃げ込んだら、蛇は入ることができなかった、安心して3年を過ごしたが、山を出たらまた取りつかれてしまったという「湖上の逃亡者」の話はおもしろかったです。
耳成芳一と平家の亡霊の話では、スタンダード版だと安徳帝と二位の尼の霊ですが、こちらに掲載されている話は平通盛の妻、小宰相が登場します。また、自分は牡丹燈篭のお話が大好きなのですが、こちらに出ているのは京都を舞台にした公家の息女の亡霊と萩原様の恋物語です。最後は、お札をはがしてしまったために亡霊が侵入したのではなく、数ヶ月たってもう大丈夫だろうと墓に参ったら、亡霊が現れて引き込まれてしまったという終わり方になっています。当時の京都の風情あるお盆の様子が詳しく描かれていて、大変美しくもおぞましいお話でした。
他、墓の中の赤ん坊に飴をやる母親幽霊の話などが同じように全国に点在していることが書かれていて、興味深かったです。
有名な「今昔物語」や「耳袋」、井原西鶴の著作、一休さんのお話などばかりではなく、「善悪業報因縁集」、「新著聞集」、「奇異雑談集」などの一般的には知りにくい物語集や絵物語から、そして「駿国雑誌」のようにローカルな古文書からも採取されていて、めずらしいものがたくさん収録されています。所々に挿入されている挿絵も楽しいです。著者ご自身が自分が本当に好きなテーマを、楽しみながら研究されている雰囲気が伝わってきて、うらやましくなりました(笑)。古典的な怪談を系統立てて知るには最適の一冊だと思います。
「女の嫉妬」や「名家の崩壊と荒屋敷の謎」、「異界」、「因果応報」など、テーマ別に集められています。自分は怪奇・恐怖・怪談・幻想・ホラー小説全般が好きなのですが、たとえばお菊さんの番町皿屋敷の話は姫路由来だと思っていたのですが、京極夏彦氏の「数えずの井戸」を読んだ時、同じような話が全国各地にあることを知りました。この本でも、怪談に同系統で様々なバリエーションがあることが述べられています。
たとえば、女性の愛情が深いあまりに、蛇になって男性を追いかける道成寺の話、愛人女性の変化した蛇が胴に巻き付いて離れないので女人結界である高野山に逃げ込んだら、蛇は入ることができなかった、安心して3年を過ごしたが、山を出たらまた取りつかれてしまったという「湖上の逃亡者」の話はおもしろかったです。
耳成芳一と平家の亡霊の話では、スタンダード版だと安徳帝と二位の尼の霊ですが、こちらに掲載されている話は平通盛の妻、小宰相が登場します。また、自分は牡丹燈篭のお話が大好きなのですが、こちらに出ているのは京都を舞台にした公家の息女の亡霊と萩原様の恋物語です。最後は、お札をはがしてしまったために亡霊が侵入したのではなく、数ヶ月たってもう大丈夫だろうと墓に参ったら、亡霊が現れて引き込まれてしまったという終わり方になっています。当時の京都の風情あるお盆の様子が詳しく描かれていて、大変美しくもおぞましいお話でした。
他、墓の中の赤ん坊に飴をやる母親幽霊の話などが同じように全国に点在していることが書かれていて、興味深かったです。
有名な「今昔物語」や「耳袋」、井原西鶴の著作、一休さんのお話などばかりではなく、「善悪業報因縁集」、「新著聞集」、「奇異雑談集」などの一般的には知りにくい物語集や絵物語から、そして「駿国雑誌」のようにローカルな古文書からも採取されていて、めずらしいものがたくさん収録されています。所々に挿入されている挿絵も楽しいです。著者ご自身が自分が本当に好きなテーマを、楽しみながら研究されている雰囲気が伝わってきて、うらやましくなりました(笑)。古典的な怪談を系統立てて知るには最適の一冊だと思います。
2008年8月30日に日本でレビュー済み
有名な怪談の原典を現代語で紹介してくれるという、大変読みやすい本。誰でも知っている「耳なし抱一」や「番町皿屋敷」から「牡丹灯篭」など、果ては杉浦日向子氏の『百物語』に載っていた挿話の原典などまであった。どの話も興味深く、気軽に何処からでも読めるのでよい。
多くの怪談を「女の嫉妬」、「異界との接触」、「因果応報」などという内容によって章を分けており、各章の終りに短い論評が添えられている。ところどころに興味深いコメントがあった。例えば、僧たちが集い学ぶ「檀林」という場における怪談の発生と、現代の「学校の怪談」の発生に共通点をみたり、怪異の発生が空間的、時間的な「境界」という場で起こるという指摘などは、もっと突っ込んだ内容の論考を読みたいと思わせる。調べると著者はそれらを詳しく述べている本を書いているようなので、この本を良い導入として、日本の怪談の世界に踏み入っていくのも一興か。
それにしても感心するのは、「耳なし抱一」で有名なラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。彼はその『怪談』のなかで、抱一の話だけでなく、本書で取り上げている幾つもの話を分り易く英語圏に紹介している。もし原典にあたったのであれば、相当な苦労であったのだろうと想像する。
多くの怪談を「女の嫉妬」、「異界との接触」、「因果応報」などという内容によって章を分けており、各章の終りに短い論評が添えられている。ところどころに興味深いコメントがあった。例えば、僧たちが集い学ぶ「檀林」という場における怪談の発生と、現代の「学校の怪談」の発生に共通点をみたり、怪異の発生が空間的、時間的な「境界」という場で起こるという指摘などは、もっと突っ込んだ内容の論考を読みたいと思わせる。調べると著者はそれらを詳しく述べている本を書いているようなので、この本を良い導入として、日本の怪談の世界に踏み入っていくのも一興か。
それにしても感心するのは、「耳なし抱一」で有名なラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。彼はその『怪談』のなかで、抱一の話だけでなく、本書で取り上げている幾つもの話を分り易く英語圏に紹介している。もし原典にあたったのであれば、相当な苦労であったのだろうと想像する。