漫画を見て原作が読みたくなりました。綺麗な本が届きました。
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天竺熱風録 (ノン・ノベル) 新書 – 2007/2/9
田中 芳樹
(著)
遙か異境で、大軍勢を撃破! その智略にインドが震え懼(おそ)れた
知られざる唐(とう)の英雄・王玄策(おうげんさく)!
世界史に燦然(さんぜん)とかがやく偉業
驚異的史実にもとづく超娯楽エンターテインメント
天竺(てんじく)の名君・戒日王(かいじつおう)が急逝(きゅうせい)!? 玄奘三蔵法師(げんじょうさんぞうほうし)は不吉な夢を見た。折しも、大宗(たいそう)皇帝の命を受け、文官・王玄策(おうげんさく)率(ひき)いる使節団が天竺へ向け出発した。行く手には天空にそそり立つヒマラヤ!
難路悪路を踏破し、目的地マカダ国にたどり着く一行。だがそこは、悪政を敷く新しい王によって支配されていた。三蔵法師の夢は正夢(まさゆめ)だったのだ。簒奪王(さんだつおう)を倒すべく、王玄策は囚(とら)われていた牢獄を脱獄。しかし頼るべき兵もなく、いかに強大な敵に立ち向かうのか!? 空前絶後の奇功をなした男の痛快冒険行!
こんな人物が、ほんとうにいたのか。 この作品を読んでくださった方には、そう驚歎(きょうたん)していただきたい。ほんとうにいたのである。唐(とう)の時代、一度ならず三度も中国から天竺(インド)へ往(い)って還(かえ)ってきた男が。その名は王玄策(おうげんさく)。王玄策は、孫悟空(そんごくう)でも同行していなければとうてい不可能としか思えない大事業を、現実に、彼ひとりの力でやってのけた人物なのだ。王玄策という実在の人物について、いささかなりとも知識と興味を持っていただければ、これにまさる喜びはない。
知られざる唐(とう)の英雄・王玄策(おうげんさく)!
世界史に燦然(さんぜん)とかがやく偉業
驚異的史実にもとづく超娯楽エンターテインメント
天竺(てんじく)の名君・戒日王(かいじつおう)が急逝(きゅうせい)!? 玄奘三蔵法師(げんじょうさんぞうほうし)は不吉な夢を見た。折しも、大宗(たいそう)皇帝の命を受け、文官・王玄策(おうげんさく)率(ひき)いる使節団が天竺へ向け出発した。行く手には天空にそそり立つヒマラヤ!
難路悪路を踏破し、目的地マカダ国にたどり着く一行。だがそこは、悪政を敷く新しい王によって支配されていた。三蔵法師の夢は正夢(まさゆめ)だったのだ。簒奪王(さんだつおう)を倒すべく、王玄策は囚(とら)われていた牢獄を脱獄。しかし頼るべき兵もなく、いかに強大な敵に立ち向かうのか!? 空前絶後の奇功をなした男の痛快冒険行!
こんな人物が、ほんとうにいたのか。 この作品を読んでくださった方には、そう驚歎(きょうたん)していただきたい。ほんとうにいたのである。唐(とう)の時代、一度ならず三度も中国から天竺(インド)へ往(い)って還(かえ)ってきた男が。その名は王玄策(おうげんさく)。王玄策は、孫悟空(そんごくう)でも同行していなければとうてい不可能としか思えない大事業を、現実に、彼ひとりの力でやってのけた人物なのだ。王玄策という実在の人物について、いささかなりとも知識と興味を持っていただければ、これにまさる喜びはない。
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社祥伝社
- 発売日2007/2/9
- ISBN-104396208251
- ISBN-13978-4396208257
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登録情報
- 出版社 : 祥伝社 (2007/2/9)
- 発売日 : 2007/2/9
- 言語 : 日本語
- 新書 : 272ページ
- ISBN-10 : 4396208251
- ISBN-13 : 978-4396208257
- カスタマーレビュー:
著者について
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1952年10月22日、熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。1978年在学中に「緑の草原に…」で、幻影城新人賞受賞。1988年「銀河英雄伝説」にて第19回星雲賞受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 野望円舞曲〈9〉 (ISBN-13: 978-4199052019 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2005年1月10日に日本でレビュー済み
陳舜臣との対談『中国名将の条件』で言及された
異色の武将をクローズアップした小説。
王玄策は正史に伝すら立てられていない人物である。
彼の残した旅の記録である『中天竺行記』も散逸しているのである。
唐は世界帝国だった。
周辺諸国との関係も深かった。
インドを往復したのは玄奘だけでなかった。
王玄策はもっと注目されてもよい人物である。
北インドからチベット・ネパールへと縦横無尽に活躍した偉業は
唐の中では重要視されなかったとしても、
たいした出来事なのだ。
で、小説だが、新境地をめざす新しい文体で描かれている。
しかし、これが合っていない。
稀代の外交官であり武将でもある人物の躍動感が
あまりにも薄くなりすぎた。
他の中国歴史小説家がありきたりな人物やテーマを主題にするのに対し
田中芳樹は素材の選び方は秀逸だ。
その素材の調理に悩みがあるように見える1作だった。
これからじっくり新しい文体に挑戦してもらいたい。
異色の武将をクローズアップした小説。
王玄策は正史に伝すら立てられていない人物である。
彼の残した旅の記録である『中天竺行記』も散逸しているのである。
唐は世界帝国だった。
周辺諸国との関係も深かった。
インドを往復したのは玄奘だけでなかった。
王玄策はもっと注目されてもよい人物である。
北インドからチベット・ネパールへと縦横無尽に活躍した偉業は
唐の中では重要視されなかったとしても、
たいした出来事なのだ。
で、小説だが、新境地をめざす新しい文体で描かれている。
しかし、これが合っていない。
稀代の外交官であり武将でもある人物の躍動感が
あまりにも薄くなりすぎた。
他の中国歴史小説家がありきたりな人物やテーマを主題にするのに対し
田中芳樹は素材の選び方は秀逸だ。
その素材の調理に悩みがあるように見える1作だった。
これからじっくり新しい文体に挑戦してもらいたい。
2008年10月18日に日本でレビュー済み
この手の埋もれた壮大な物語を書き上げた田中氏に感謝したいのが率直なところです。
唐代を象徴する国際交流の先駆けであった王玄策の天竺行を目の当たりにすることができ、とても満足いくものでした。
王玄策について記した文物が皆無なだけに、この作品の価値は非常に高いのではないでしょうか。
唐代を象徴する国際交流の先駆けであった王玄策の天竺行を目の当たりにすることができ、とても満足いくものでした。
王玄策について記した文物が皆無なだけに、この作品の価値は非常に高いのではないでしょうか。
2015年6月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
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2017年6月1日に日本でレビュー済み
この作品に登場する実に怪しい200歳?の尊師(グル)、自称『聖典(ヴェーダ)とクンダリーニ・ヨーガの神髄を極めたる天竺随一の尊者』こと那羅延娑寐(ナーラヤナ・スヴァーミン)のキャラに個人的には嵌まってしまいました(笑)。
「何処までが本当で何処までが法螺なのか」はさておき、大毘婆沙論、瑜伽師地論、阿毘達磨順正理論、等の『経典』を"屑"呼ばわりし、ゴータマ・シッダールタの思想は『認識し得る全ては無実体である(ルーパーム・シユーニアータ)これだけだ』と豪語する。つまり「経典の膨大な屁理屈は理論武装に他ならない」というわけだ。これには「乱暴だなぁ~」と受け入れられない自分と、「一理はあるかなぁ~」と肯定的に受け取る自分がいて、矛盾する自分に悶々としました。でもこの尊師の「意見」は田中芳樹さんの創造っぽいので作者様(田中芳樹さん)の意見ですよね。なので凄く刺激になったと言っておきます。こういうスタンスで良いのですよ。楽しむということは。
話は最後手前頃に、救出された彼岸と智岸が尊師に、駱駝の骨の器でもって掬いあげられる「謎の液体」について問答している場面があります。
最初は「何のことかな」と疑問に思う程度でしたが、アレ結構興味深い「シロモノ」です。凄いですよ。アレがあの時代に有るなんて。
ヒントは会話の中にありました。尊師が「この液体を直にさわると骨も肉も溶けて腐り落ちる」とか、「でもちょっとだけ飲んでみるか。長生きできるで。」とか。一見矛盾してますよね。この会話。片や触るのが危険な液体、片や飲める。ココの部分が気になって最後まで読んで推理しました。
結局、彼岸と智岸は船路の途中で体調不良になり二人とも亡くなっていました。そういえばこの二人、尊師の勧めたあの「謎の液体」を飲むのを断っていますよね。と、いうことは。
恐らくこの二人は、劣悪環境な牢に閉じ込められていた時に、「寄生虫」に侵されていたのではないでしょうか。そして尊師のあの「謎の液体」の正体は「虫下し」又は「駆虫薬」ではなかろうか。この液体の話が出たのが船乗る前ですしね。
話が逸れますが、栴檀(センダン)という木が日本にあります。インド(天竺)にもインドセンダンがあります。この二つは良く似ています。この木の実には
サポニン (saponin、サポゲニンと糖から構成される配糖体の総称)が含まれており、これは"摂りすぎる"と毒性があります。界面活性作用があるため(=強アルカリ)、細胞膜を破壊する性質があり、血液に入った場合には赤血球を破壊(溶血作用)したり、水に溶かすと水生動物の鰓の表面を傷つけたりすることから魚毒性を発揮するものもある。サポニンはヒトの食物中で必要な高比重リポタンパクつまりコレステロールの吸収を阻害する。基本『毒』です。
てっきりコレだと思っていたのですが、ココに至って残念ながらこの作品ではこの液体は石の間より湧き出たとなっています。失念していました。ガックシ。まあそれならば石英から出る強アルカリ水なのかな。そのなかに虫下しの成分があるのだろうか。そうとしか考えられない。
彼岸が私の意見同様に「人の骨は溶けるのにどうして駱駝の骨は溶けないのか。おかしいじゃないか。しかも浸せば骨まで溶けるものをどうやって飲むことができるのか。」と尊師に問う。
尊師は「これこそ天竺の神秘。飲み方にコツがあるのじゃよ。ほれ、一杯飲めば十年寿命が延びるぞ。」と言って肝心な部分は誤魔化している。
このコツとやらが、水で薄めたりして少量飲むのであるならば、飲めば「駆虫薬」の効果がありというのはまんざらではない。昔から知っている人は、良く船路の前に「虫下し」飲んでたそうです。尊師は恐らく詳しいことは知らず(駆虫薬の知識は知らず)、「船に乗る時に飲めば寿命が伸びる」程度しか知らなかったのでは。と推測致します。確かに「劇薬」ですよね。ちなみに駱駝の骨はキャメルボーン(そのまんまですが)という骨細工工芸品に加工されるようです。骨の密度が高いとかで。尊師のセリフの内容は少しだけ盛っているのでしょうね。
でもスパイス王国、インド(天竺)ならではの「虫下し」ネタ。彼岸と智岸のお二人にはまことに申し訳ないですが、おかげで勉強になりました。こういうネタ、とっても大好きです。しかしながら今回のは作者様の思惑がどうなのかは分かりませんが、日本とインドの共通スパイスで「虫下し」が有りながら、敢えて湧き水の「虫下し」にしたのは、この作品に於ては「匂わす」程度に留めたかったからかな?尊師はあくまでも脇役。スパイスに走ったら作品の都合上主人公を食いかねない。そうでなくとも性格が「濃ゆい」ですからね。
余談ですが、尊師が最後に挑んだ、皇帝への「延命薬」。もっと情報が欲しかった。これは明らかに作者様に誤魔化されましたよね(笑)。
「何処までが本当で何処までが法螺なのか」はさておき、大毘婆沙論、瑜伽師地論、阿毘達磨順正理論、等の『経典』を"屑"呼ばわりし、ゴータマ・シッダールタの思想は『認識し得る全ては無実体である(ルーパーム・シユーニアータ)これだけだ』と豪語する。つまり「経典の膨大な屁理屈は理論武装に他ならない」というわけだ。これには「乱暴だなぁ~」と受け入れられない自分と、「一理はあるかなぁ~」と肯定的に受け取る自分がいて、矛盾する自分に悶々としました。でもこの尊師の「意見」は田中芳樹さんの創造っぽいので作者様(田中芳樹さん)の意見ですよね。なので凄く刺激になったと言っておきます。こういうスタンスで良いのですよ。楽しむということは。
話は最後手前頃に、救出された彼岸と智岸が尊師に、駱駝の骨の器でもって掬いあげられる「謎の液体」について問答している場面があります。
最初は「何のことかな」と疑問に思う程度でしたが、アレ結構興味深い「シロモノ」です。凄いですよ。アレがあの時代に有るなんて。
ヒントは会話の中にありました。尊師が「この液体を直にさわると骨も肉も溶けて腐り落ちる」とか、「でもちょっとだけ飲んでみるか。長生きできるで。」とか。一見矛盾してますよね。この会話。片や触るのが危険な液体、片や飲める。ココの部分が気になって最後まで読んで推理しました。
結局、彼岸と智岸は船路の途中で体調不良になり二人とも亡くなっていました。そういえばこの二人、尊師の勧めたあの「謎の液体」を飲むのを断っていますよね。と、いうことは。
恐らくこの二人は、劣悪環境な牢に閉じ込められていた時に、「寄生虫」に侵されていたのではないでしょうか。そして尊師のあの「謎の液体」の正体は「虫下し」又は「駆虫薬」ではなかろうか。この液体の話が出たのが船乗る前ですしね。
話が逸れますが、栴檀(センダン)という木が日本にあります。インド(天竺)にもインドセンダンがあります。この二つは良く似ています。この木の実には
サポニン (saponin、サポゲニンと糖から構成される配糖体の総称)が含まれており、これは"摂りすぎる"と毒性があります。界面活性作用があるため(=強アルカリ)、細胞膜を破壊する性質があり、血液に入った場合には赤血球を破壊(溶血作用)したり、水に溶かすと水生動物の鰓の表面を傷つけたりすることから魚毒性を発揮するものもある。サポニンはヒトの食物中で必要な高比重リポタンパクつまりコレステロールの吸収を阻害する。基本『毒』です。
てっきりコレだと思っていたのですが、ココに至って残念ながらこの作品ではこの液体は石の間より湧き出たとなっています。失念していました。ガックシ。まあそれならば石英から出る強アルカリ水なのかな。そのなかに虫下しの成分があるのだろうか。そうとしか考えられない。
彼岸が私の意見同様に「人の骨は溶けるのにどうして駱駝の骨は溶けないのか。おかしいじゃないか。しかも浸せば骨まで溶けるものをどうやって飲むことができるのか。」と尊師に問う。
尊師は「これこそ天竺の神秘。飲み方にコツがあるのじゃよ。ほれ、一杯飲めば十年寿命が延びるぞ。」と言って肝心な部分は誤魔化している。
このコツとやらが、水で薄めたりして少量飲むのであるならば、飲めば「駆虫薬」の効果がありというのはまんざらではない。昔から知っている人は、良く船路の前に「虫下し」飲んでたそうです。尊師は恐らく詳しいことは知らず(駆虫薬の知識は知らず)、「船に乗る時に飲めば寿命が伸びる」程度しか知らなかったのでは。と推測致します。確かに「劇薬」ですよね。ちなみに駱駝の骨はキャメルボーン(そのまんまですが)という骨細工工芸品に加工されるようです。骨の密度が高いとかで。尊師のセリフの内容は少しだけ盛っているのでしょうね。
でもスパイス王国、インド(天竺)ならではの「虫下し」ネタ。彼岸と智岸のお二人にはまことに申し訳ないですが、おかげで勉強になりました。こういうネタ、とっても大好きです。しかしながら今回のは作者様の思惑がどうなのかは分かりませんが、日本とインドの共通スパイスで「虫下し」が有りながら、敢えて湧き水の「虫下し」にしたのは、この作品に於ては「匂わす」程度に留めたかったからかな?尊師はあくまでも脇役。スパイスに走ったら作品の都合上主人公を食いかねない。そうでなくとも性格が「濃ゆい」ですからね。
余談ですが、尊師が最後に挑んだ、皇帝への「延命薬」。もっと情報が欲しかった。これは明らかに作者様に誤魔化されましたよね(笑)。
2007年11月11日に日本でレビュー済み
三蔵法師(玄奘)と言えば、唐の時代にインドに行った人という認識がありますが、王玄策というマイナーな人物を主人公にしてインドに3回行った人と言われてもピンとこない。
唐時代の初期の人なので、周りに有名人物が目白押しで、インドに3回行ったとしても目立てなかったのかもしれないが・・・
あまり記録に残っていない人物ですので、半分フィクションとして捉えた方がよいと思うが、文体が口語調であり違和感が最後までつきまとう。
唐時代の初期の人なので、周りに有名人物が目白押しで、インドに3回行ったとしても目立てなかったのかもしれないが・・・
あまり記録に残っていない人物ですので、半分フィクションとして捉えた方がよいと思うが、文体が口語調であり違和感が最後までつきまとう。
2004年11月1日に日本でレビュー済み
田中芳樹がこんな本を書くとは誰が思おうか?
この小説は彼が「中国武将列伝」でも触れていた唐の名将(というか中級役人)王玄策の物語である。ページを開いてまず田中芳樹に馴染みのある読者が驚くのは、彼が用いた文体だろう。その理由については彼自身が後記で述べているから触れないが、問題はその成否だ。
個人的にはオッケー。
確かにこの文体を選んだことで表層的に起こった事実のみを述べているという印象は否めないけれど、心理小説にはもう飽きたって人にはお勧め。人物描写が浅くて普段の田中芳樹小説には盛り込まれている逸話の描写がなかったのが残念ではあるが、かえって本筋である王玄策の物語から視点がずれなかったとも言える。
・・・・・・ああ、早くアルスラーン戦記の続きが読みたいなあ、という気持ちに久々になった。
この小説は彼が「中国武将列伝」でも触れていた唐の名将(というか中級役人)王玄策の物語である。ページを開いてまず田中芳樹に馴染みのある読者が驚くのは、彼が用いた文体だろう。その理由については彼自身が後記で述べているから触れないが、問題はその成否だ。
個人的にはオッケー。
確かにこの文体を選んだことで表層的に起こった事実のみを述べているという印象は否めないけれど、心理小説にはもう飽きたって人にはお勧め。人物描写が浅くて普段の田中芳樹小説には盛り込まれている逸話の描写がなかったのが残念ではあるが、かえって本筋である王玄策の物語から視点がずれなかったとも言える。
・・・・・・ああ、早くアルスラーン戦記の続きが読みたいなあ、という気持ちに久々になった。
2018年10月19日に日本でレビュー済み
玄奘三蔵と同時代に、唐と天竺を三度往還した人物がいた。その名は王玄策。
二度目の入竺の際、国使として赴いたにもかかわらず、天竺のマガダ国に囚われてしまった王玄策一行。名君の誉れ高いマガダ国の戒日王逝去に乗じた阿祖那によって部下数名を殺害され、牢に放り込まれた王玄策だったが…。
破獄した王玄策は、文官でありながら、借り物の兵を率いて圧倒的な数を頼む阿祖那軍を二度にわたり潰走させ、遂には敵の主城を開かせて部下を救出する。
そんな馬鹿な、という展開だが、驚くなかれ、これは史実だというのだ。
このような快男児の人生に触れることができたのは、大きな収穫だった。講釈師風の語りもこの物語にマッチしていて、夢中になって先を貪った。痛快な一冊に出会えた。
二度目の入竺の際、国使として赴いたにもかかわらず、天竺のマガダ国に囚われてしまった王玄策一行。名君の誉れ高いマガダ国の戒日王逝去に乗じた阿祖那によって部下数名を殺害され、牢に放り込まれた王玄策だったが…。
破獄した王玄策は、文官でありながら、借り物の兵を率いて圧倒的な数を頼む阿祖那軍を二度にわたり潰走させ、遂には敵の主城を開かせて部下を救出する。
そんな馬鹿な、という展開だが、驚くなかれ、これは史実だというのだ。
このような快男児の人生に触れることができたのは、大きな収穫だった。講釈師風の語りもこの物語にマッチしていて、夢中になって先を貪った。痛快な一冊に出会えた。